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Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
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BP5型レガシィターボから将来を占う

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石井デザイン部長はオレンジの差し色に、かなりの拘りがあったのだろう。ヴィジブ フューチャー コンセプトのデザインポリシーは、かなり忠実に具現化されていた。
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その思いを汲み入れて、
イメージリーダーを導入した。


コンセプトカーのエッセンスを注ぎながら、
ブランドステータスを損なわずに作り込むという、
二極それぞれをバランスさせていた。

写真を撮ることは許されなかったが、
アドバンスのブラックインテリアをじっくり見た。


いよいよスペックの公表が解禁され、
プレカタログが配布され、
参考価格も明らかになった。


導入を決めた試乗車候補は、
X-BREAKのパールホワイトで、
パワーリヤゲートを持つクルマだ。


これを導入する理由は、
まず第一に若々しさを持つからだ。


恐らく若い女性も中心に加わり、
コーディネートされたはずだ。


いくらおっさんがオレンジが嫌だと言っても、
娘たちの世代は「良いじゃない」と言う。


だから素直に表紙を飾るクルマを選んだ。


試乗車にX-BREAKを選ぶのは初めてだ。
あまり注目してなかったが、

今度のクルマはなかなか意欲的だ。


専用の撥水ファブリックでオレンジステッチを持つ。


でもSUBARUよ、
もし実物を見て気に入らなかったら、
覚悟して欲しい。


STIのtSで、
あれほど気持ちが悪いと言ったのに、
まだやると言う事は相当な自信があるからだろう。


あの時にこのプロジェクトが既に動いていて、
止めようがなかったなどと、
おかしな言い訳は絶対に聞きたくない。


実物を見るのが楽しみだ。


シートの写真を見ると、
どうもXVの導入でも検討されたのではないか、
そう思えるほどオレンジの外装色を意識している。


X-BREAKは元々スポカジ路線をより強調したものだ。
それは今度も変わりない。


車種選択に当たり、
Sリミテッドの置き換えに当たるプレミアムと詳細に比べた。


するとオレンジの差し色が嫌でたまらないが、
装備を見ると実に的を得ていて、
価格的にもお買い得だった。


プレミアムの中心グレードは291万円で、
パワーリヤゲートを付けると5万円高の296万円だ。


オプション構成に差があるし、
タイヤ系も18インチと大きい。


そこでX-BREAKを詳しく見た。
ツーリングベースであることは共通だが、
オールシーズンタイヤを履く。
それにLEDランプを多用した、
ラギットなカーゴルームは、
これまで以上に刺激的かつ実用的だ。


こちらにパワーリヤゲートを装備し、
パールホワイトを選ぶと、
ベース価格から八万円高くなる。


それでも車両価格は税別288万円とプレミアムより8万円安い。


一つ色で安心しているのは、
今回の差し色を「オレンジ」ではなく、
「レッドオレンジ」と呼んでいることだ。


アウトバックの特別仕様車、
X-ADVANCEを覚えているだろうか。


あのクルマの差し色は「イエローグリーン」だった。
単純なグリーンではなく、
透明感のある爽やかな色だ。


レッドオレンジをまだ見た事無いけれど、
SUBARUのカラーチームの事だから、
センス良くまとめた可能性が高い。


と言う訳で最終的に「X-BREAK」に落ち着いた。



出張から戻っても、

一向にのんびりできない。


それどころか、
次のテストが待ち構えていた。


そこで偶然にも面白い事実を知る事になった。
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このレガシィは、
新たにレパートリーに加わった、
平成18年のツーリングワゴンだ。

オブシディアンブラック・パールの外装が素敵だ。


2.0GTで、
センターデフ式AWD5速マニュアルを持つ、
実にアグレッシブなクルマだ。


このミッションと組み合わされた、
4カムの水平対向ツインスクロールチタンターボエンジンは、
6400回転で280馬力を発揮する。


そして1800回転の領域で最大過給圧に達し、
35kg・mの最大トルクを2400回転という低い所から発生する。


このレガシィは前のモデルに比べ100㎏の軽量化と、
最高の安全性能を引っ提げて誕生した。



このテストで感じた事を伝えたい。
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本革巻のシフトノブは、
ステアリングホイールと同じように、
少しやれた感じがする。


やはり本革巻だと、
使い込み感が現れるが、
それは年式に程良くマッチした「味」だ。
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レガシィプレミアムサウンドシステムと、
クリーンフィルター付フルオートエアコンをセンターパネルに搭載。 



灰皿が時代背景を感じさせる。
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エレクトロルミネセントメーターには85800kmの距離が示される。
トリップメーターをリセットし、
運転席8WEYパワーシートを調節してベストポジションを得た。


このクルマはベースグレードのすぐ上で、
HIDプロジェクターロービームとクリアビューパックのメーカーOPだけを選択した、

当時の売れ筋モデルだ。


クリアビューパックとは、
LEDリヤフォグランプとフロントワイパーディアイサー、
それにヒーテッドドアミラーを組み合わせたセットオプションを指す。


SI-DRIVEの前身にあたる、
Info-ECOモードを持つので、
実燃費は比較的良好だ。
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メーターをリセットすると、
マルチインフォメーションの平均燃費もリセットされた。
室内はとても綺麗で、
12年前のクルマには思えない。
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運転席は8wayのパワーシート装備する。

助手席は前後とリクライニングだけで、
無闇な重量増加を防いでいる。
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後席もすこぶる清潔さだ。
この時代のレガシィは、
センターコンソールにシャッターを持っていた。
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スマートフォンだけなら蓋の上に置ける。
これは使い易いので、
後になってWRXに流用された。
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飲み物を固定するリップを外し、
運転中に使う小物を入れることもできる。
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飲み物を置かない時は、
財布などをすっぽり収めたり、
使い方の工夫次第で幾重にも活用できる。
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さあ、準備は整った。


アクセルをグッと踏み込んでランプウエイを駆け上った。
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ここでこのクルマの諸元を確認する。
【車名】
SUBARU LEGACY 2.0GT
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
BP5C5DB QGH


ビッグマイナーチェンジ前のCタイプは、
まだ6気筒エンジン搭載車しか6速マニュアルを選択できなかった。


なので商品力が後期型に比べ劣るのか。


いや、それは違う。


これが歴史上の悪戯というものだ。


様々な面白い事実を、
その時代のクルマたちは隠し持つ。


並行リンク式のTY75型トランスミッションは、
高出力対応のTY85に対してかなり軽い。


その上、
後期型は様々なアメニティが加わり、
最終的に1.5トンを超えてしまった。


だからこのBP5は相対的に凄く軽い。


高速道路でスロットルを全開にした瞬間、
GC8の身軽な走りを思い出した。


同年代のGDBやGDAとはまた異なる、
実に素直でフレッシュな味だ。


【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4680×1730×1470
ホイールベース(mm):2670
トレッド前/後(mm):1495/1485
最低地上高(㎜):155
ホイールベースに注目して欲しい。
最新のXVや次期フォレスターも全く同じ2670mmだ。


いわゆるスバルにとって、
実に使い慣れたホイールベースだ。


だからこのBP5の挙動は、
SUBARUを扱い慣れたドライバーにとって、
とても心地良いはずだ。


車両重量(kg):1430
最小回転半径(m):5.4
乗車定員 5名


GC8ほど軽くは無いが、
ツインスクロールのチタンターボが、
重量増加を完全に出力特性で補った。


【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブ デュアルAVCS ツインスクロールターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:9.5
最高出力kW(PS):206(280)/6400rpm
最大トルクN・m(kgf・m):343(35.0)/2400rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5速マニュアルトランスミッション
【ステアリングギヤ比】
15.0:1


このステアリングギヤ比にも注目だ。
GC8以降のSTIが持つステアリングギヤ比と同じだ。


流石にRAの13:1ほど過激では無いけれど、
そのクイックな効果は凄く出ている。


峠道で抜群なんだ。


スッと僅かにハンドルを押すだけで、
峠道のスムーズに鼻先を変える。
操舵応答性が抜群な理由の一つに、
倒立式のビルシュタインダンパーを装備していることも上げられる。


当時の「面白いクルマを作ろう」と胸に刻んでいた、
開発チームの姿が容易に浮かんだ。


後々GRBの開発に携わった森PGMも、
VABの開発に携わった高津PGMも、
4代目レガシィ開発の中核を担っている。


お二人ともSTIで活躍中だから、
今後のSTIがリリースするクルマの、
これはルーツと言っても良い。


何しろ軽さは性能だ。


その重要性はXVでも顕著だ。


既述したように、
XVも同じ2670mmのホイールベースだ。
車体重量はこのBP5より更に20kg軽い1410kgだから、
走りのツボを押さえると物凄くスポーティに操れるのだ。


レガシィに話を戻す。


【燃費】
13.0km/l (10・15モード)
【標準装備】
HIDプロジェクターロービーム
215/45R17タイヤ
大径ツインマフラー
ビルシュタインダンパー
アルミ鍛造製フロントロワアーム
アルミ製リヤアーム&アッパーリンク


【税抜車両本体価格】
2.880.000円(メーカーオプションレス車)
この当時もパールホワイトは3万円高かった。



高速道路をしばらく流した。
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GWが終わり遂に対面通行が始まった。
中央自動車道で最も危険な場所なので、
漫然と走らないよう注意して欲しい。


対向するトラックが、
いつ飛び込んでくるか解らない。


予測して中央線を幅広く取っているので、
戦闘態勢を維持して運転して欲しい。


中間地点に着いたので、
クルマを停めて各部を点検した。
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タイヤはまだ使えるが年季も入っている。
クルマ購入と同時にMC6を選ぶと良いだろう。


更にライントレース性能が高まり、
その優れた操舵応答性に痺れるはずだ。


このような峠のワインディングで、
車体重量が1.5トンを超えるのか、
それとも下回るのか、
その差は走りの上で実に大きな差を生む。


これから発売されるクルマには、
新しい時代に求められる、
様々なハードルを飛ぶことが要求される。


その上で日本人の嗜好に合わせた商品開発が進む。


正直にはっきり言おう。
一般的な日本人のドライブスキルでは、
クルマの正確な味を綿密に知ることは出来ない。


だからクルマが重かろうと軽かろうと、
普通の人には差が良く解らないだろう。


だからそれまでより扱い易くなっていさえすれば、
ほとんど誰からも文句は出ないはずだ。


しかしその差が解る者に対しては、
重量増加は難敵になるだろう。


例えば、
フォレスターハイブリッドを見ると、
過去も含め国内にあるスバル車の中で、
かなり重いクルマの部類に入る。


その領域に足を踏み入れたクルマはほとんどないはずだ。


例えば重いと言われるSVXの最終モデルでも、
その車体重量は1590kgと、
1.6トンを切っていた。


国際的にトップクラスの性能を目指し、
高出力な6気筒エンジンを搭載するために、
強度と剛性の双方を極めた結果の車両重量だ。


今の時代はそれに加え、
電池とモーターまで持つ必要がある。


新型フォレスターのガソリンエンジン搭載車は、
1520kgなので「微増」の範疇だろう。
それがハイブリッドになると、
一気に100kg重い1620kgになる。


今後は軽いクルマを益々作れなくなる。


安全性能も要求されるし、
重く作って燃費を良くしないと税制面でも不利だ。


だから面白い。




こうして隠れた名車をクローズアップできる、


平成の時代に作られたSUBARUなら、
それに対する技術と情報さえあれば何も心配は無い。


この2.0GTの様に隠れた名車が、
まだザクザクと眠っている。


それに経験ある技術者が一手間加えると、
大量生産される新車には出せない味が作れる。




最近の豆腐は工場で大量生産される。
でも全て大量生産かと言うと、
決してそうではない。


確かにスーパーで売られる豆腐より高いが、
凄く美味しい豆腐がある。
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例えばこの豆腐になぜ惹かれるのか。


まず良い豆腐作りと切っても切れない環境がある。
この追域で一番寒い土地柄だが、
そこで午前2時から仕込むと、
真似のできない上等な豆腐が生まれる。
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ここには、
大量生産される味とは違う何かがある。
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SUBARUは前を向いてクルマを作ればよい。


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その結果は後からついてくる。
あれだけ峠道で踏み込んだのに、
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燃費は二ケタを記録した。
このエンジンも制御が単純なんだ。


だから面白いのかもしれない。
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17インチで充分動力性能とバランスが取れている。
ブレーキ性能もブレンボを要求するほど低くない。


むしろレースに使うわけでは無いから、
軽量化を考えるとこの方が良い。
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エンジンはとても快調で、
まだまだ衰える様子を見せない。


最近の傾向を考えると、
MTの消滅やマルチシリンダーの廃止は止むを得ないと悟った。


でも大丈夫。


20年前には想像できなかった。


これほどあの頃のクルマが長持ちすると、
全く予想だにしなかった。


このクルマでさえ、
まだ12年しか経過していない。


クルマとの付き合い方は様々だ。
スバリストの将来は明るい。


なぜかって。
中古車があるからさ。



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