尿酸の生成を抑制する薬が切れた。ニュルから戻って一か月以上過ぎ、
足の痛みは消えた。
だが約二か月の間に渡り飲み続けたが、左足の親指にはまだ腫れが残る。
左右を比べると明らかに左の方が赤くて腫れが残る。
血液の兆候も悪くないし、
尿検査も結果は上々だ。
今回の発作が相当ひどかったので、
予後の安定に時間がかかるのだろう。
そんな所見をもらって、
もう一度採血した。
ドクターが最後に、
「野菜や海草など頑張って食べてください」と言われた。
実は野菜や海草が大好きなのでたくさん食べます・・・、
むしろなるべく炭水化物を食べないようにしているので、
あえて肉をたくさん食べるようにしています、
と伝えた。
ドクターに、
特にスポーツを愛好するわけでもないし、
体を鍛えようと思っているわけでも無いのですが、
ニュルブルクリンクで他人に迷惑をかけず、
走る事だけは続けたいんですよ、
と伝えた。
するとドクターは、
「それって相当激しいスポーツですよ」と言った。
このドクターもクルマ好きだなのだろう。
でもニュルに行くのはちょっと違う。
汗をびっしょりかくので、
確かにスポーツともいえる。
が、
クリスチャンの走りを見ると、
今置かれている環境がスポーツではないことを自覚できる。
彼の走りに心が弾む。
その走りこそ求めていた「仙人の走り」だ。
彼の年齢に達する前に、
同じ域までで達したいと渇望するようになった。
だからトレーニングなのだ。
自発的に楽しむような軟な考えでは続かない。
閉じ込められた環境下で、
指導者に従わないと身につかない。
苦しさを感じなければ意味がないのだ。
だから、
耐えうるコンディションを維持する事に、
嬉しさを覚えるのだろう。
じゃなければ続かない。
その日も泳いで家に帰ると、
並んでいたのは好物ばかりだった。
先日手に入れたホンシメジが、
良い味のホイル蒸になっていた。
キノコって本当に美味しい。
野菜主体の料理が占めたが、
脚の腫れがこれほど長引く。
だがもっと酷かった時を思い起こすと、
今の状態はまるで比較にならない。
酷い状態になったのは、
平成16年にBPE誕生した時だ。
あの時は杖が必要だった。
とにかく元気だった。
体が快調だと少々無理しても気にならない。
計算して食べたりしないから、
体は重くなる一方で、
それはまさしく未病の状態だった。
重いクルマしか作れなくなった、
今のSUBARUを象徴するような健康状態に陥っていた。
そのスパイラルから抜け出せたきっかけが、
B4の3.0R「spec.B」を手に入れたことだった。
待望の6発6速がついに誕生した時、
心が躍るほど楽しかった。
シュンと回るエンジンに惚れ惚れし、
強靭で軽量なボディと、
よく動くしなやかな脚が「己」を見直すきっかけになった。
その年の暮れ迄に体重を14kg落とし、
ダイエットを成功させた。
念願の60kg未満を達成したのだ。
あの時の驚きを今も忘れられない。
久しぶりに、
きっかけとなったクルマが戻った。
リフレッシュを兼ねた車検で、
お預かりすることになり、
念入りな整備を施した。
漸くクルマが仕上がり、
テストを依頼されたので、
いつものコースを丁寧に走った。
トリップメーターをリセットした。
先入観を持ちたくない。
だから「完成した」と整備士がいう場合、
一切何も聞かないでクルマを走らせる。
乗り味は悪くない。
あたりが柔らかく、
走っていて気分が良い。
とてもリニアな特性で、
体に不快な衝撃や振動が全くない。
トランスミッションも気持ちよく入る。
GDB型インプレッサとそっくりな手触りだ。
ブレーキはやや頼りないが、
制動力が足りないわけではない。
直線路では問題にならないが、
山岳路のワインディングを走ると、
ちょっとスパイスが足りない。
決して仕上がりが悪い訳ではないけれど、
ライントレース性に乏しい。
シフトフィールはWRXだ、
けれど、
その他はspec.Bから普通のGTの設定に変わった、
そんな印象を持った。
戻って北原課長にテスト結果を伝えた。
シフトフィールが良い理由は、
当社から購入時にクイックシフトに交換し、
今回のリフレッシュでリンクのブッシュを交換したからだと言う。
なるほどそういうことか。
ちょっとスパイスが足りない理由もよくわかった。
ダンパーはビルシュタインだが、
特に柔らかく設定されている。
お客様ご自身が好みを製作側に直接伝え、
減衰力の立ち上がりからリニアな特性に仕上げた。
高速側もなるべく衝撃を感じないように、
特に意識して設定したようだ。
それならば納得がいく、
かなり満足のいく脚に仕上がったと思う。
ではライントレース性の不満はそれが原因なのだろうか。
うーん。
まさかタイヤじゃないだろうなと、
祈るような気持ちで足元を見た。
なぜか。
予想が外れてほしかった。
以前同じことを「黒鰤」で感じたことがあった。
結局予感がドンピシャで、
この車にはレグノが装着されたばかりだった。
お客様が車検に備え、
あらかじめご自身で交換されていた。
この微妙な違和感がどこから生じるのか。
それは柔らかめの「しなる」サスに設定したからではなく、
タイヤの基本的な形状が、
コーナリング時に路面の影響を受けやすいからだろう。
ロードフォールディングの点で不利なので、
狙ったラインを少しだがズレる。
何も違和感を覚えない人もいるだろう。
それぞれクルマに求める目的も違い、
ライントレース性能より、
見た目の良さを選ぶ人もいるはずだ。
ラーメンに全ての人が胡椒を入れる訳ではない。
でもはっきり言える事がある。
コンチネンタルは、
このクルマが作られた頃のスバル車全般と、
まず間違いなく相性が良い。
ライントレース性が高い上、
濡れた路面で性能低下が少ない。
だから路面の状況が悪くなればなるほど、
他社との性能差を大きく見せるスバルにとって、
コンチは最適な選択となるのだろう。
ブレーキはローターを研磨され、
交換すべきシールやホースは全て新品になっていた。
だから当初感じた頼りなさは、
まだ完全に慣れていなかったためだ。
ブレーキを優しく踏むので、
80km近く走ったが研磨の痕も残っている。
仕上げは上々だった。
名古屋市から加藤さんが来訪された。
2年前からDEに参加される日を思い描かれていたそうだ。
蕎麦の名店「かどふく」で食事した時に、
佐藤さんから背中を押されたそうだ。
お役にたてただろうか。
ステアリングワーク、
ブレーキングポイント、
アクセルワークの順でレクチャーした。
最近参加された中で、
ブレーキの離し方が非常に上手く感心した。
でもすべての方に共通する、
アクセルを踏むタイミングの間違いは、
体で覚えて頂くまでに少し時間を要した。
ひとりひとり人それぞれに、
独自の運転に対する「流儀」がある。
それを守り抜く事を否定するわけではない。
でも一つだけ言える事がある。
自らDEに価値を感じて来訪される人に、
運転の下手な人はまず居ない。
それでいて、
決して慢心することなく、
常に操る奥義を求めようとする。
このようなクルマ好きが、
やっぱりコアなスバリストなのだ。
「使う筋肉が違う」
この真髄を得ていただけたら幸いに思う。
また是非お目にかかりましょう。
足の痛みは消えた。
だが約二か月の間に渡り飲み続けたが、左足の親指にはまだ腫れが残る。
左右を比べると明らかに左の方が赤くて腫れが残る。
血液の兆候も悪くないし、
尿検査も結果は上々だ。
今回の発作が相当ひどかったので、
予後の安定に時間がかかるのだろう。
そんな所見をもらって、
もう一度採血した。
ドクターが最後に、
「野菜や海草など頑張って食べてください」と言われた。
実は野菜や海草が大好きなのでたくさん食べます・・・、
むしろなるべく炭水化物を食べないようにしているので、
あえて肉をたくさん食べるようにしています、
と伝えた。
ドクターに、
特にスポーツを愛好するわけでもないし、
体を鍛えようと思っているわけでも無いのですが、
ニュルブルクリンクで他人に迷惑をかけず、
走る事だけは続けたいんですよ、
と伝えた。
するとドクターは、
「それって相当激しいスポーツですよ」と言った。
このドクターもクルマ好きだなのだろう。
でもニュルに行くのはちょっと違う。
汗をびっしょりかくので、
確かにスポーツともいえる。
が、
クリスチャンの走りを見ると、
今置かれている環境がスポーツではないことを自覚できる。
彼の走りに心が弾む。
その走りこそ求めていた「仙人の走り」だ。
彼の年齢に達する前に、
同じ域までで達したいと渇望するようになった。
だからトレーニングなのだ。
自発的に楽しむような軟な考えでは続かない。
閉じ込められた環境下で、
指導者に従わないと身につかない。
苦しさを感じなければ意味がないのだ。
だから、
耐えうるコンディションを維持する事に、
嬉しさを覚えるのだろう。
じゃなければ続かない。
その日も泳いで家に帰ると、
並んでいたのは好物ばかりだった。
先日手に入れたホンシメジが、
良い味のホイル蒸になっていた。
野菜主体の料理が占めたが、
脚の腫れがこれほど長引く。
だがもっと酷かった時を思い起こすと、
今の状態はまるで比較にならない。
酷い状態になったのは、
平成16年にBPE誕生した時だ。
あの時は杖が必要だった。
とにかく元気だった。
体が快調だと少々無理しても気にならない。
計算して食べたりしないから、
体は重くなる一方で、
それはまさしく未病の状態だった。
重いクルマしか作れなくなった、
今のSUBARUを象徴するような健康状態に陥っていた。
そのスパイラルから抜け出せたきっかけが、
B4の3.0R「spec.B」を手に入れたことだった。
待望の6発6速がついに誕生した時、
心が躍るほど楽しかった。
シュンと回るエンジンに惚れ惚れし、
強靭で軽量なボディと、
よく動くしなやかな脚が「己」を見直すきっかけになった。
その年の暮れ迄に体重を14kg落とし、
ダイエットを成功させた。
念願の60kg未満を達成したのだ。
あの時の驚きを今も忘れられない。
久しぶりに、
きっかけとなったクルマが戻った。
リフレッシュを兼ねた車検で、
お預かりすることになり、
念入りな整備を施した。
漸くクルマが仕上がり、
テストを依頼されたので、
いつものコースを丁寧に走った。
先入観を持ちたくない。
だから「完成した」と整備士がいう場合、
一切何も聞かないでクルマを走らせる。
乗り味は悪くない。
あたりが柔らかく、
走っていて気分が良い。
とてもリニアな特性で、
体に不快な衝撃や振動が全くない。
トランスミッションも気持ちよく入る。
GDB型インプレッサとそっくりな手触りだ。
ブレーキはやや頼りないが、
制動力が足りないわけではない。
直線路では問題にならないが、
山岳路のワインディングを走ると、
ちょっとスパイスが足りない。
決して仕上がりが悪い訳ではないけれど、
ライントレース性に乏しい。
シフトフィールはWRXだ、
けれど、
その他はspec.Bから普通のGTの設定に変わった、
そんな印象を持った。
戻って北原課長にテスト結果を伝えた。
シフトフィールが良い理由は、
当社から購入時にクイックシフトに交換し、
今回のリフレッシュでリンクのブッシュを交換したからだと言う。
なるほどそういうことか。
ちょっとスパイスが足りない理由もよくわかった。
ダンパーはビルシュタインだが、
特に柔らかく設定されている。
お客様ご自身が好みを製作側に直接伝え、
減衰力の立ち上がりからリニアな特性に仕上げた。
高速側もなるべく衝撃を感じないように、
特に意識して設定したようだ。
それならば納得がいく、
かなり満足のいく脚に仕上がったと思う。
ではライントレース性の不満はそれが原因なのだろうか。
うーん。
まさかタイヤじゃないだろうなと、
祈るような気持ちで足元を見た。
なぜか。
予想が外れてほしかった。
以前同じことを「黒鰤」で感じたことがあった。
結局予感がドンピシャで、
この車にはレグノが装着されたばかりだった。
お客様が車検に備え、
あらかじめご自身で交換されていた。
この微妙な違和感がどこから生じるのか。
それは柔らかめの「しなる」サスに設定したからではなく、
タイヤの基本的な形状が、
コーナリング時に路面の影響を受けやすいからだろう。
ロードフォールディングの点で不利なので、
狙ったラインを少しだがズレる。
何も違和感を覚えない人もいるだろう。
それぞれクルマに求める目的も違い、
ライントレース性能より、
見た目の良さを選ぶ人もいるはずだ。
ラーメンに全ての人が胡椒を入れる訳ではない。
でもはっきり言える事がある。
コンチネンタルは、
このクルマが作られた頃のスバル車全般と、
まず間違いなく相性が良い。
ライントレース性が高い上、
濡れた路面で性能低下が少ない。
だから路面の状況が悪くなればなるほど、
他社との性能差を大きく見せるスバルにとって、
コンチは最適な選択となるのだろう。
ブレーキはローターを研磨され、
交換すべきシールやホースは全て新品になっていた。
まだ完全に慣れていなかったためだ。
ブレーキを優しく踏むので、
80km近く走ったが研磨の痕も残っている。
仕上げは上々だった。
名古屋市から加藤さんが来訪された。
2年前からDEに参加される日を思い描かれていたそうだ。
蕎麦の名店「かどふく」で食事した時に、
佐藤さんから背中を押されたそうだ。
お役にたてただろうか。
ステアリングワーク、
ブレーキングポイント、
アクセルワークの順でレクチャーした。
最近参加された中で、
ブレーキの離し方が非常に上手く感心した。
でもすべての方に共通する、
アクセルを踏むタイミングの間違いは、
体で覚えて頂くまでに少し時間を要した。
ひとりひとり人それぞれに、
独自の運転に対する「流儀」がある。
それを守り抜く事を否定するわけではない。
でも一つだけ言える事がある。
自らDEに価値を感じて来訪される人に、
運転の下手な人はまず居ない。
それでいて、
決して慢心することなく、
常に操る奥義を求めようとする。
このようなクルマ好きが、
やっぱりコアなスバリストなのだ。
「使う筋肉が違う」
この真髄を得ていただけたら幸いに思う。
また是非お目にかかりましょう。