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Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
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BOXER6で高級ルテニウムプラグを試す

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季節外れの生暖かい風が日本列島を襲った。季節が狂うと不景気になる。
足元の景気は悪いが、日本の未来は明るい。
嵐が去った翌朝に、出勤するために玄関を出た途端、美しいヴィーナスが目に飛び込んできた。
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俗に「方角」と言うけれど、建物の向きには深い理由があるのだと解った。
東の空には「明けの明星」が美しく輝いていた。
何年ぶりに見ただろうか。玄関を出た途端にやる気が漲った。
未来が明るい理由を言おう。日本には高度な技術開発力がある。
5年前から金星には「あかつき」が居る。中津スバルの店頭に、メローペ80Aをセットしたのもその頃だ。
お隣の天体の気象状況を調べれば、地球の気象観測にも役立つ。「あかつき」は一旦金星の周回軌道投入に失敗し、近い軌道で太陽を周回していたが、今月の7日に再び金星周回軌道に投入を試み、それは見事に成功した。
ハヤブサと同じような、不死鳥ぶりを見せてくれた。
「あかつき」とメローペ80Aには繋がりがある。製造元のスターライトコーポレーションは、優れた天体望遠鏡のメーカーだ。

社長の大沼崇さんは生粋のスバリストだ。そんな彼から知らせがあった。
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「この写真は、金星探査機「あかつき」に搭載された、アルミのプレートです。富士重工がスバル用品を通して販売する、天体望遠鏡SUBARU Merope80Aの、発売記念プレートです。打ち上げ前の年末締め切りぎりぎりに、急いで自分で作成しJAXAに応募しました。12センチ×10センチの大きさで、探査機「あかつき」の外側に、重りとして貼付けられています」

これは素晴らしい話だ。
当社で「鋭意販売中だ!」とメッセージを送ると、「今後とも作り続ける事ができる限り、部品が尽きるまで生産します。1つ1つ丁寧に作っています!よろしくお願い申し上げます!」と答えが返ってきた。
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科学技術の最先端には、素晴らしい未来が開けている。
そして足元も大事だと感じた。あかつきを金星軌道に投入する二日前、工房の前に植えられた翌檜を手入れした。
ここを治すタイミングを見計らっていたが、12月の気温が比較的高い絶好な朝を狙った。
月に2回ある環境整備の時間を使い、一気にパワーを投入した。以前にも紹介したが、蟻が巣くい無残な姿になっている。
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樹皮が剥げ落ち、海綿化した部分もある。
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素人の浅知恵かもしれないが、何もやらないより良いだろう。
既に蟻は冬眠状態だ。
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まずエアブローして木粉を飛ばす。
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蟻の穴を中心に念入りに掃除し、骸骨のようになった幹の汚れを取り除く。
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白亜化して木材のようになった部分に、樹脂塗料を塗った。あまり浸透させず、当面強度を保持させた方が良いように感じたからだ。
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そしてトップジンを塗った。消毒効果が高く、これまでも梅の樹勢回復や、山桜の腐食部除去に利用した。
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かなり広範囲に塗ることになったが、これで少しは巣くう蟻も減るだろう。
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たかが蟻だが、奴らを舐めるといけない。噛まれるとタンパク質が酵素で破壊され、いつまでもかゆいし、傷口から大量のリンパ液を放出する。
そういう時に蟻が蜂の親類だと実感する。
この木にはシロアリまで共生し、少し厄介なことになっていた。
無理も無い。この辺りには昔から腐朽した樹木が多いので、それを好む生物も当然多い。
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一本目の治療が終わった。
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Before
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After
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他の木も多かれ少なかれ被害を受けているが、両端の2本が酷く、特にこの木は倒木を防ぐために巻いた鎖を噛み込み、一部が壊死している。
この夏の台風で傾き、応急処置したばかりだ。ステンレスの鎖で支え、樹脂塗料とトップジンで養生した。
生暖かい冬の嵐が襲ったのは、ほんの数日後だった。
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翌檜は激しく揺れながら嵐に耐えた。嵐は見方を変えると掃除屋だ。
樹木に付いた枯葉や枯れ枝、それに鳥の巣や異物を奇麗さっぱり振り払う。
これは先端技術では無い。けれども自動車整備業にとって、諦めずに治すことは大切な技術だ。
スバルの6気筒エンジンが大好きだ。特にBLEには拘りがあるので、取り憑かれたように搭載車を手に入れる。そして丁寧に蘇らせる。とても魅力があるからだ。
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この個体は72000㎞を少し超えた。機関外観とも絶好調だ。
ただし以前から考えていたことがある。それはスパークプラグの交換だ。交換前後でどのように性能が変化するか、ジックリと確かめたかった。
黒鰤を愛用していた時にも紹介したが、最近のプラグとスバルの相性はとても良い。
時にはギヤ1速分のトルク増を感じるほどだ。
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まず換える前に数十㎞ほど走らせて見た。
「6発」×「6速」の快感は、所有したことのある者にしか解らない。このレバーを操作すると、例えようのない甘さが湧き起こる。
ターボでは出すことの出来ない、中低速の力強さと、ウルトラスムーズな回転フィールは、他の何と比較することも不可能だ。
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このクルマは72.000km程度しか走っていない。恐らく前のオーナーは、プラグに何の感心も示さなかったはずだ。

黒鰤も13万キロ近く使われていたが、オイルや消耗品の管理は抜群でも、プラグだけは手つかずだった。
だからプラグを交換した後に、驚くほど性能が向上し感動した事を、昨日のように覚えている。
このクルマも少し忙しさが和らいだら、愛車にしたいと考えているので、プラグを交換することにした。
3.0R spec.Bには、新車の時からイリジウムプラグが付いている。だからもっと美味しいご馳走を与えた。
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まず右バンクのプラグを外した。杉本整備士が言うには、一度も外した形跡が無いそうだ。
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右バンクのプラグはどれも均一に劣化し、エンジンに特に問題は無い。
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中心電極もハッキリしていて、当然交換時期には達していない。
しかしどんなものでも劣化する。安定動作を保証できても、最も高性能な状態を維持出来るほど、消耗部品の世界は甘くない。
本来なら定期交換した方が、いつまでも高性能を維持出来る。
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この角度から見ると一目瞭然だ。プラチナより堅いイリジウムは、中心電極から強い火花を出す。
受ける側の白金電極は否応なしに劣化し、決して最良の状態では無かった。
そこでご馳走を取り出した。
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これは世界初のプラグだ。
中心電極の材質をイリジウムでは無く、
ルテニウムに変更した。
ルテニウムは白金族の金属元素だ。とても堅く融点も2500℃と非常に高い。2001年に野依良治博士がノーベル化学賞を受賞した際、この金属が研究に大きく関わったと発表された。
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右側が古いイリジウムプラグで、左側が新品のルテニウムプラグだ。
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こうして上下で見比べると良く解るが。ルテニウムプラグの外側電極は、大きくオーバル状にうねり、火炎伝搬がとても良さそうだ。
大きくうねらせられる理由は、外側電極の先端にある。
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イリジウムプラグは外側電極で、そのまま中心電極の上まで覆った。
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ところがルテニウムプラグの外側電極には、プラチナで突き出しが付けられている。
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だからその分外側の電極の湾曲角度が大きく、火炎伝搬しやすい。そのうえ突き出した電極の真上にも火が回り込み、燃焼効率を上げる。
まさしく一目瞭然なのは中心電極そのものだ。堅ければ細くすることが出来る。
細いほど火花が散らず、力強い放電が可能になる。
細くしながら耐久力まで高められるのは、ルテニウムという金属を手に入れたからだ。
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さっそくいつものコースで走りを確かめた。小雨が降りエンジンは余計に機嫌が良い。
昔から感じることがひとつある。スバルのボクサーエンジンは雨が大好きだ。湿った空気を吸い込むと、ボクサーエンジンも濡れたように艶やかになる。
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この時のエンジン回転は3000rpm前後だった。
そこからから4000rpmまでを多用すると、ゾクゾクするようなボクサーサウンドが室内に響く。
澄んで透明な音色に、重低音が混ざり合う、質の高い真のボクサーサウンドだ。
プラグ効果は明らかで、サウンドにも影響を与えると思ったほどだった。
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70キロ以上を連続して走り、高速道路では思い切ってアクセルを踏んだ。ナカツシェライフェの標高差を考えれば、この燃費に全く不満は無い。77㎞をほぼ全力で走り、1リットル当たり10㎞を僅かに切ったが、
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性能向上を充分体感出来た。このプラグは実に面白い。是非一度試してみては如何だろう。
杉本整備士も自信を持って、イリジウムからの交換をお薦めしている。
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軽自動車も含めスバルの全ての車種にほぼ対応する。彼に気軽に相談してほしい。
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正月のイベントに向けて彼が鋭意準備中だ。お楽しみに。


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