工房の入り口に国道を横断するための地下道がある。
境目に芝生を張り、進入路と綺麗に分けて環境改善にも役立てている。
そこに真っ黒いものがうずくまっていた。
良く見たら鴉だった。
何をしているのかと思って手を叩いて追っ払うと、4羽のツバメが聞いたことのない鳴き声を上げながら、一斉に鴉に向かっていった。
もんどりうつように飛び去ったのを見て、何か嫌な予感がして地下道に入ると、元気良く鳴り響ていた雛の声が全くしない。 巣は破壊され、雛も残らず消えていた。
巣の破片と共に雛の羽の一部も落ちている。 何があったのか想像できる。動物界は弱肉強食の世界なのだ。
クルマも戦闘能力を高めないと、国際競争で敗れ弱肉強食の餌食となる。
フォレスターとXVを比べて、それぞれの違いをレポートしたが、肝心の新旧比較が出来ていなかった。 比較したのはXVが最初にデビューした時のB型で、16000kmちょっとしか走行していない上物だ。
B型に乗るのは久しぶりだ。 今回もXVのデビューはB型からで、既に投入されたSPORT/G4で得た事を、ある程度織り込んで発売したはずだ。
新旧をスペックで比較してみたい。
【車名】スバル XV 2.0i-L EyeSight【型式】GP7B5TC TOC【主要諸元】全長×全幅×全高(カッコ内新型):4450×1780×1550(4465×1800×1550)mmホイールベース(カッコ内新型):2640(2670)mmトレッド前/後(カッコ内新型):1535/1540(1555/1565)mm最低地上高(カッコ内新型):200(200)mm車両重量(カッコ内新型):1390(1440)kg最小回転半径(カッコ内新型):5.3(5.4)mm乗車定員 5名【エンジン】FB20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCS内径×行程(mm):84×90圧縮比:10.5最高出力 110kW(150ps)/6200rpm 新型直噴113kW(154ps)/6000rpm最大トルク196N・m(20.0kg・m)/4200rpm 新型直噴196N・m(20.0kg・m)/4000rpm【燃料供給装置】EGI【変速機】リニアトロニック(マニュアルモード付)【燃費】15.8km/l (JC08モード) 新型16.0km/l (JC08モード)【標準装備】【税抜車両本体価格】2,350,000円(ベース車)ボディカラー:タンジェリンオレンジ・パール
ルーフレール一つ見ても、新型は全く違うデザインになり、キープコンセプトではあるが全く違うクルマに育った。今回のインプレッサは「まずXVありき」で作られていることが、こういう部分からも良く解る。 旧型とはいえ基本的によくできたクルマなので、走り出しても古臭さを感じる事は全くない。
でも新型XVは少し動かしただけでも、「これは静かになった」とびっくりする。
エンジンそのものも静かだが、一切の雑音を遮蔽してしまったような感じがする。アイドリングからそっとスタートすると、モーター駆動のハイブリットと錯覚するほどだ。
旧型XVで国道を13kmほど走ると、シャシーの雑味を明確に感じるようになった。 新型になってフロントフレームの強度が増したことが、乗り比べるとより鮮明になる。
新型は煮込んだビーフシチューのような、柔らかくてコクのある味がする。
このクルマはどうしても、フロントタイヤからフレームに少しゴロゴロした走行音が伝わる。
新型XVはこのバイブレーションが激減し、更にリヤサスペンションから感じる、コトコト遊ぶような乗り味も消えた。
逆に新型で覚える独特の揺さぶりを全く感じない。
これは旧型の走行距離が、丁度良く馴染んだところに来ているせいもあるのだろう。
クルマさえ馴染めば新型XV特有の、まるでボディの左右を人が抱えて持ち上げ、ゆさゆさ揺するような動きは消えるかもしれない。
時速60km以下で国道を流すと、燃費はとてもよくなり直噴エンジンに負けず劣らずだ。 これがリニアトロニックと、走行抵抗の少ないシンメトリカルAWDの長所だ。
いよいよ高速ワインディングに入り本気で試した。 やはり能力差がはっきりし、SGPの威力が歴然とした。
このXVを新型と同じように走らせると、リヤのブレイクが早いので、無理のないアクセルワークと丁寧なターンインが鉄則だ。
まあクルマの運転が好きな人は、その特性を逆手に取ってクルマの向きを変えたりできる。
なので個人の好みによっては、旧型の方が良いと思う人もいるかもしれない。
2年前にビッグマイナーチェンジした時、リヤサスの横剛性が驚くほど高くなった。
それはSGPの開発で得た知見を、旧型に注いだからに相違ない。
けれどもSGPの剛性感は段違いだ。
リヤサスのグリップ能力は、まるきりレベルが違う。
だからスポーツカー並みのステアリングギヤ比も採用できた。
その効果は絶大で、ひょいひょいとクルマを自在に操れる。アイサイトの車線逸脱抑制機能も、クイックなステアリングギヤ比と向上効果で、微小な舵角でクルマを制御する。 XVはこういう道路も得意とするSUVだ。
これは新型も旧型も無く、XVに共通した嬉しい魅力だ。
ぎゅーんと下りきったら、スムーズなブレーキで速度を殺し、少し踏力を残したまま右へターン。
もの凄く気持ちの良いコーナリングが出来る。アップダウンの激しい道路を走ると、さすがに燃費が少し悪化する。 この後で高速道路も走った。
ところが車線規制で、一車線を延々と連なって走り、会社に戻るとトリップメーターは約70㎞だった。 省エネ走行を続けた事もあり、最終的な燃費はリッターあたり14km弱だ。 XVが中古車市場で根強い人気を持つのは、このように燃費も含めた基礎性能が良く、使い倒しても音を上げないタフなクルマに仕上がっているからだ。 たまに信号で止まる時があったが、このクルマのアイドリングストップはほとんど作動しなかった。
そもそも強い力でブレーキを踏まないと、アイドリングストップさせない設定だ。
デビュー時「お粗末なアイドリングストップ」と評したら、メーカーの担当者が目を剥いて怒った。
今となれば懐かしい思い出だ。新型XVは止まればごく自然にアイドリングを停止する。スムーズドライブが更に容易なクルマになった。
テストを終えデスクに戻ると、八王子の寄木さんから小包が届いていた。
開くと中からお礼状と共に一枚の絵画が現れた。 新潟県上越市の、山口秀夫さんの作品だ。
ありがとうございました。大切に飾らせて戴きます。
高速道路で愛車のフォレスターが故障して、ロードサービスで運び込まれたのがご縁だった。
また中津川方面にお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。
お待ちしております。
境目に芝生を張り、進入路と綺麗に分けて環境改善にも役立てている。
そこに真っ黒いものがうずくまっていた。
良く見たら鴉だった。
何をしているのかと思って手を叩いて追っ払うと、4羽のツバメが聞いたことのない鳴き声を上げながら、一斉に鴉に向かっていった。
もんどりうつように飛び去ったのを見て、何か嫌な予感がして地下道に入ると、元気良く鳴り響ていた雛の声が全くしない。
巣の破片と共に雛の羽の一部も落ちている。
クルマも戦闘能力を高めないと、国際競争で敗れ弱肉強食の餌食となる。
フォレスターとXVを比べて、それぞれの違いをレポートしたが、肝心の新旧比較が出来ていなかった。
B型に乗るのは久しぶりだ。
新旧をスペックで比較してみたい。
【車名】スバル XV 2.0i-L EyeSight【型式】GP7B5TC TOC【主要諸元】全長×全幅×全高(カッコ内新型):4450×1780×1550(4465×1800×1550)mmホイールベース(カッコ内新型):2640(2670)mmトレッド前/後(カッコ内新型):1535/1540(1555/1565)mm最低地上高(カッコ内新型):200(200)mm車両重量(カッコ内新型):1390(1440)kg最小回転半径(カッコ内新型):5.3(5.4)mm乗車定員 5名【エンジン】FB20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCS内径×行程(mm):84×90圧縮比:10.5最高出力 110kW(150ps)/6200rpm 新型直噴113kW(154ps)/6000rpm最大トルク196N・m(20.0kg・m)/4200rpm 新型直噴196N・m(20.0kg・m)/4000rpm【燃料供給装置】EGI【変速機】リニアトロニック(マニュアルモード付)【燃費】15.8km/l (JC08モード) 新型16.0km/l (JC08モード)【標準装備】【税抜車両本体価格】2,350,000円(ベース車)ボディカラー:タンジェリンオレンジ・パール
ルーフレール一つ見ても、新型は全く違うデザインになり、キープコンセプトではあるが全く違うクルマに育った。今回のインプレッサは「まずXVありき」で作られていることが、こういう部分からも良く解る。
でも新型XVは少し動かしただけでも、「これは静かになった」とびっくりする。
エンジンそのものも静かだが、一切の雑音を遮蔽してしまったような感じがする。アイドリングからそっとスタートすると、モーター駆動のハイブリットと錯覚するほどだ。
旧型XVで国道を13kmほど走ると、シャシーの雑味を明確に感じるようになった。
新型は煮込んだビーフシチューのような、柔らかくてコクのある味がする。
このクルマはどうしても、フロントタイヤからフレームに少しゴロゴロした走行音が伝わる。
新型XVはこのバイブレーションが激減し、更にリヤサスペンションから感じる、コトコト遊ぶような乗り味も消えた。
逆に新型で覚える独特の揺さぶりを全く感じない。
これは旧型の走行距離が、丁度良く馴染んだところに来ているせいもあるのだろう。
クルマさえ馴染めば新型XV特有の、まるでボディの左右を人が抱えて持ち上げ、ゆさゆさ揺するような動きは消えるかもしれない。
時速60km以下で国道を流すと、燃費はとてもよくなり直噴エンジンに負けず劣らずだ。
いよいよ高速ワインディングに入り本気で試した。
このXVを新型と同じように走らせると、リヤのブレイクが早いので、無理のないアクセルワークと丁寧なターンインが鉄則だ。
まあクルマの運転が好きな人は、その特性を逆手に取ってクルマの向きを変えたりできる。
なので個人の好みによっては、旧型の方が良いと思う人もいるかもしれない。
2年前にビッグマイナーチェンジした時、リヤサスの横剛性が驚くほど高くなった。
それはSGPの開発で得た知見を、旧型に注いだからに相違ない。
けれどもSGPの剛性感は段違いだ。
リヤサスのグリップ能力は、まるきりレベルが違う。
だからスポーツカー並みのステアリングギヤ比も採用できた。
その効果は絶大で、ひょいひょいとクルマを自在に操れる。アイサイトの車線逸脱抑制機能も、クイックなステアリングギヤ比と向上効果で、微小な舵角でクルマを制御する。
これは新型も旧型も無く、XVに共通した嬉しい魅力だ。
ぎゅーんと下りきったら、スムーズなブレーキで速度を殺し、少し踏力を残したまま右へターン。
もの凄く気持ちの良いコーナリングが出来る。アップダウンの激しい道路を走ると、さすがに燃費が少し悪化する。
ところが車線規制で、一車線を延々と連なって走り、会社に戻るとトリップメーターは約70㎞だった。
そもそも強い力でブレーキを踏まないと、アイドリングストップさせない設定だ。
デビュー時「お粗末なアイドリングストップ」と評したら、メーカーの担当者が目を剥いて怒った。
今となれば懐かしい思い出だ。新型XVは止まればごく自然にアイドリングを停止する。スムーズドライブが更に容易なクルマになった。
開くと中からお礼状と共に一枚の絵画が現れた。
ありがとうございました。大切に飾らせて戴きます。
高速道路で愛車のフォレスターが故障して、ロードサービスで運び込まれたのがご縁だった。
また中津川方面にお越しの際は、是非お立ち寄り下さい。
お待ちしております。