何故か解らないが、当社は他の販売店の得意とする、普通の新型インプレッサを伸ばせない。
新型車の販売で今一つ「ノリ」が悪い理由で、一つ分かった事がある。
最新型のインプレッサで初期導入したクルマは、
SPORTの2.0iーSだった。
それがいけなかったのだ。
フルモデルチェンジの際には、ちょっとした不文律があって試乗車を選ぶ。
インプレッサでも初代以降、常にそれに倣ってきた。
最初の「筆下ろし」には、ベーシックグレードのFWDを使う。
それが最新型では、メーカーの指示に対してあまりにも素直すぎた。
クルマの真実を知るうえで、最も基本にしてきた事を、迂闊にも忘れてしまっていた。
これは今後のクルマ選びの上で、もう一度戒めにしなければならない。
その上でもこのクルマは実に面白い。
久し振りに「激変」を体感し、
本来持つ実力を大いに楽しんだ。
先日のブログでプラグを替えた所まで伝えた。
その結果は抜群だった。
ギヤ1速分どころか、
もっと大きな性能の余裕が生まれた。
低速トルクも厚みを増し、
高回転まで一気に吹き上がるようになった。
そもそも変だった。
EL15型エンジンはあんな実力じゃない。
最初出た時は地味だった。
GGAに初めて乗った時、
あまりにおとなしく感じて拍子抜けした。
ところが真打はやはり違った。
高速の伸びが良くて、
EJ15よりも出力特性が良かった。
初代インプレッサで4WDとFWDで、
2つのエンジンを使い分けていた頃があった。
エンジンのストロークは勿論同じだ。
ボアアップして排気量を上げ、
1500ccの85.0×65.8に対して、
1600ccは87.8×65.8のボア/ストローク比を持っていた。
それに対して、
EL15は77.7×79.0と、
スバル史上初のロングストローク型水平対向エンジンとして生まれた。
出力特性を比べよう。
EJ15が97馬力を6000回転で発揮し13.2kg・mを4500回転で出した。
EJ16は100馬力を6000回転で発揮し14.1kg・mを4500回転で出した。
それに対して、
EL15は110馬力を6400回転で発揮し14.7kg・mを3200回転で出した。
頭にEが付く理由はブロック設計そのものに大きな変化がないからで、
実に面白い組み合わせのエンジンだ。
ビッグボアのオーバースクエア型水平対向から方向転換させるために、
80.0以下の径を持つピストンに、
2500cc用の79.0というストロークを与えた。
その効果は抜群で、
思いっきり回すとめちゃくちゃ楽しいエンジンだ。
低回転からトルクが立ち上がるので、
4速ATとも相性が良い。
回して乗る典型的なクルマだから、
1.5リットルモデルでも乗り方さえ覚えれば楽しい。
実は初代インプレッサには、
隠れた名機も搭載されていた。
それをEJ18と呼ぶ。
これは87.9というほぼ1600ccに近いボアピッチに、
2000cc用の75.0のストロークを与えたものだった。
何となくEL15の誕生に、
このエンジンが影響を与えているような気がする。
EJ18は120馬力を5600回転で発揮し16.7kg・mを3600回転で出した。
EL15は110馬力を6400回転で発揮し14.7kg・mを3200回転で出した。
EL15は短命だったが、
なかなか面白いと思わないか。
まるで深呼吸するように、
胸いっぱいに空気を吸わせて走らせる。
それが愉しく走らせるコツなんだ。
さて、
このクルマのおさらいだ。
【車名】
SUBARU IMPREZA 1.5i-L AWD
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GH3
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1475
ホイールベース(mm):2620
トレッド前/後(mm):1495/1495
最低地上高(㎜):155
車両重量(kg):1300
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EL15/水平対向4気筒1.5L DOHC16バルブ AVCS
内径×行程(mm):77.7×79.0
圧縮比:10.1
最高出力kW(PS):81(110)/6400rpm
最大トルクN・m(kgf・m):144(14.7)/3200rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【ステアリングギヤ比】
15:1
【燃費】
16.2km/l (10・15モード)
走りが良くなったので、
他の粗が目立つようになった。
タイヤを見ると、
とても安心してアクセルを踏める状態ではない。
外側のブロック劣化が激しいので、
思い切って新品に交換し大胆な走行を楽しみたくなった。
ブランドは勿論コンチネンタルを選び、
最もフツーのタイヤを履かせた。
とは言うものの、
コンチが作るタイヤがフツーであるわけがない。
しかも6テクノロジーが注がれている。
中央の溝に見えるのがゼロデシベル・イーターだ。
空気の流れを解析して波を分散させるよう設計されている。
手裏剣の様なパターンは、
ハーモニック・コンフォート・チャンバーだ。
ヘルムホルツ共鳴器の原理に基づき、
路面からの音波を反射させて音を相殺する効果がある。
ドイツ人が考えそうな、
実に理屈っぽいタイヤだが、
当りは柔らかいし静かだし、
軽いクルマにとってグリップのバランスが良いのでキモチ良い。
それらの静かさを際立たせる6テクノロジーは、
もう一つの特徴を持っている。
他の6シリーズと共通する耐摩耗性の著しい向上だ。
グリップを低下させずにロングライフ化を実現した。
タイヤを交換するついでに、
ダンパー周りをチェックした。
キャリパーが塩害で少し錆びているが、
性能には関係ない。
交換して直ぐ高速道路に向かった。
まずオドメーターを確認した。
6万キロちょっとの上物だ。
リセットボタンを押して、
メーターをゼロにセットした。
最初はゆっくり慣らし、
タイヤが温まった所でペースを速めた。
高速道路を7kmぐらい走っただけで、
バランスの良さが良く解った。
コンチネンタルらしいライントレース性を持ち、
遮音性の低いベーシックカーでも不快なノイズが侵入してこない。
このあと下りのワインディングで一皮むいて、
後は思う存分走りを楽しんだ。
何しろ、
すれ違うクルマも追い抜くクルマも一切ない。
4連続のカルーセルを一気にクリアすると、
前方に工事中の看板が現れた。
真っ暗で誰も居ないから、
外に出ると何かに襲われそうな気がした。
それぐらいシーンと静まり返っていた。
タイヤの表情を観察した。
適度に馴染んでいる。
この角度だと特徴的なブロックパターンはほとんど見えない。
そっと表面を撫でてやった。
しっとりとして心地よい。
なるほど、
ウイスパー・コンパウンドと呼ばれる、
特殊なポリマーをは配合されたトレッドは、
このように路面の凸凹に密着するのか。
触ると良く解る。
そのまま自宅に帰った。
翌朝明るい場所で良く見ると、
装備の充実ぶりが解る。
標準装備も盛りだくさんだ。
まず希少な5速マニュアルに組み合わされるのは、
伝統のスポーティーなセンターデフ式フルタイム4WDだ。
吹けの良い1.5L水平対向4気筒DOHCエンジンは、
AVCSと等長等爆のエキゾーストシステムを持つ。
オートACに本革巻ステアリング、
それにHIDヘッドライトとキーレスアクセス&プッシュスタートも装備。
アルミホイールと良く合うスパークシルバーの外装色は、
どこから見てもクールで老若男女を問わず似合う。
スタイルも良いし性能も一クラス上だな。
ザパさんのデザインは、
何年経っても飽きがこない。
スバルらしい噛めば噛むほど味の出るクルマだ。
まさにコンチネンタルタイヤは、
こんなスバルのためにある。
もう一度さすってやった。
テンゴやテンロクには、
このタイヤを与える方が面白い。
お値段も安いし、
マニュアルでぶん回したい人にも全く問題ない。
ところでこのクルマの変速比は、1速 3.454
2速 1.947
3速 1.296
4速 0.972
5速 0.780
減速比 4.444
になっているが、
これは兄貴分のフォレスターと全く一緒だ。
ちなみに先日テストしたSUBARU FORESTER 2.0XSは、
全く同じ駆動方式でAWD(全輪駆動)だ。
主要諸元は、】
全長×全幅×全高(mm):4560×1780×1675
ホイールベース(mm):2615
トレッド前/後(mm):1530/1530
最低地上高(㎜):215
車両重量(kg):1430
最小回転半径(m):5.3
となっている。
発動機のスペックは以下だ。
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブ AVCS
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:10.2
最高出力PS:148/6000rpm
最大トルクkg・m:19.5/3200rpm
ステアリングギヤ比は15:1
豊かなトルクで走るフォレスターも面白い。
重量差は100kgあるので、
重心の高さやホイールストロークを考えると、
フォレスターの走りもなかなかのものだった。
このようにインプレッサとフォレスターは、
切っても切れない関係にある。
現行型フォレスターは、
その関係から一歩飛翔した。
しかしSGPを採用するにあたり、
当時の関係に戻ったかに見える。
ところがどっこい全く違う。
シャシーはやはり別モノなんだ。
それにしても、
やっぱり軽いクルマは良いね。
GH3の四駆が1300kgで、
SH5が四駆でも1430kgだった。
最近のクルマは重い。
だから2500のエンジンに統一するのだ。
この考え、
決して間違っていないがスバルストが付いてくるかな。
新型車の販売で今一つ「ノリ」が悪い理由で、一つ分かった事がある。
最新型のインプレッサで初期導入したクルマは、
SPORTの2.0iーSだった。
それがいけなかったのだ。
フルモデルチェンジの際には、ちょっとした不文律があって試乗車を選ぶ。
インプレッサでも初代以降、常にそれに倣ってきた。
最初の「筆下ろし」には、ベーシックグレードのFWDを使う。
それが最新型では、メーカーの指示に対してあまりにも素直すぎた。
クルマの真実を知るうえで、最も基本にしてきた事を、迂闊にも忘れてしまっていた。
これは今後のクルマ選びの上で、もう一度戒めにしなければならない。
その上でもこのクルマは実に面白い。
久し振りに「激変」を体感し、
先日のブログでプラグを替えた所まで伝えた。
その結果は抜群だった。
ギヤ1速分どころか、
もっと大きな性能の余裕が生まれた。
低速トルクも厚みを増し、
高回転まで一気に吹き上がるようになった。
そもそも変だった。
EL15型エンジンはあんな実力じゃない。
最初出た時は地味だった。
GGAに初めて乗った時、
あまりにおとなしく感じて拍子抜けした。
ところが真打はやはり違った。
高速の伸びが良くて、
EJ15よりも出力特性が良かった。
初代インプレッサで4WDとFWDで、
2つのエンジンを使い分けていた頃があった。
エンジンのストロークは勿論同じだ。
ボアアップして排気量を上げ、
1500ccの85.0×65.8に対して、
1600ccは87.8×65.8のボア/ストローク比を持っていた。
それに対して、
EL15は77.7×79.0と、
スバル史上初のロングストローク型水平対向エンジンとして生まれた。
出力特性を比べよう。
EJ15が97馬力を6000回転で発揮し13.2kg・mを4500回転で出した。
EJ16は100馬力を6000回転で発揮し14.1kg・mを4500回転で出した。
それに対して、
EL15は110馬力を6400回転で発揮し14.7kg・mを3200回転で出した。
頭にEが付く理由はブロック設計そのものに大きな変化がないからで、
実に面白い組み合わせのエンジンだ。
ビッグボアのオーバースクエア型水平対向から方向転換させるために、
80.0以下の径を持つピストンに、
2500cc用の79.0というストロークを与えた。
その効果は抜群で、
思いっきり回すとめちゃくちゃ楽しいエンジンだ。
低回転からトルクが立ち上がるので、
4速ATとも相性が良い。
回して乗る典型的なクルマだから、
1.5リットルモデルでも乗り方さえ覚えれば楽しい。
実は初代インプレッサには、
隠れた名機も搭載されていた。
それをEJ18と呼ぶ。
これは87.9というほぼ1600ccに近いボアピッチに、
2000cc用の75.0のストロークを与えたものだった。
何となくEL15の誕生に、
このエンジンが影響を与えているような気がする。
EJ18は120馬力を5600回転で発揮し16.7kg・mを3600回転で出した。
EL15は110馬力を6400回転で発揮し14.7kg・mを3200回転で出した。
EL15は短命だったが、
なかなか面白いと思わないか。
まるで深呼吸するように、
胸いっぱいに空気を吸わせて走らせる。
それが愉しく走らせるコツなんだ。
このクルマのおさらいだ。
【車名】
SUBARU IMPREZA 1.5i-L AWD
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GH3
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1475
ホイールベース(mm):2620
トレッド前/後(mm):1495/1495
最低地上高(㎜):155
車両重量(kg):1300
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EL15/水平対向4気筒1.5L DOHC16バルブ AVCS
内径×行程(mm):77.7×79.0
圧縮比:10.1
最高出力kW(PS):81(110)/6400rpm
最大トルクN・m(kgf・m):144(14.7)/3200rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【ステアリングギヤ比】
15:1
【燃費】
16.2km/l (10・15モード)
走りが良くなったので、
他の粗が目立つようになった。
とても安心してアクセルを踏める状態ではない。
思い切って新品に交換し大胆な走行を楽しみたくなった。
最もフツーのタイヤを履かせた。
コンチが作るタイヤがフツーであるわけがない。
しかも6テクノロジーが注がれている。
中央の溝に見えるのがゼロデシベル・イーターだ。
空気の流れを解析して波を分散させるよう設計されている。
手裏剣の様なパターンは、
ハーモニック・コンフォート・チャンバーだ。
ヘルムホルツ共鳴器の原理に基づき、
路面からの音波を反射させて音を相殺する効果がある。
ドイツ人が考えそうな、
実に理屈っぽいタイヤだが、
当りは柔らかいし静かだし、
軽いクルマにとってグリップのバランスが良いのでキモチ良い。
それらの静かさを際立たせる6テクノロジーは、
もう一つの特徴を持っている。
他の6シリーズと共通する耐摩耗性の著しい向上だ。
グリップを低下させずにロングライフ化を実現した。
タイヤを交換するついでに、
ダンパー周りをチェックした。
性能には関係ない。
まずオドメーターを確認した。
リセットボタンを押して、
タイヤが温まった所でペースを速めた。
バランスの良さが良く解った。
コンチネンタルらしいライントレース性を持ち、
遮音性の低いベーシックカーでも不快なノイズが侵入してこない。
後は思う存分走りを楽しんだ。
何しろ、
すれ違うクルマも追い抜くクルマも一切ない。
4連続のカルーセルを一気にクリアすると、
前方に工事中の看板が現れた。
外に出ると何かに襲われそうな気がした。
それぐらいシーンと静まり返っていた。
タイヤの表情を観察した。
この角度だと特徴的なブロックパターンはほとんど見えない。
しっとりとして心地よい。
なるほど、
ウイスパー・コンパウンドと呼ばれる、
特殊なポリマーをは配合されたトレッドは、
このように路面の凸凹に密着するのか。
触ると良く解る。
そのまま自宅に帰った。
翌朝明るい場所で良く見ると、
標準装備も盛りだくさんだ。
まず希少な5速マニュアルに組み合わされるのは、
伝統のスポーティーなセンターデフ式フルタイム4WDだ。
吹けの良い1.5L水平対向4気筒DOHCエンジンは、
AVCSと等長等爆のエキゾーストシステムを持つ。
オートACに本革巻ステアリング、
それにHIDヘッドライトとキーレスアクセス&プッシュスタートも装備。
アルミホイールと良く合うスパークシルバーの外装色は、
どこから見てもクールで老若男女を問わず似合う。
何年経っても飽きがこない。
スバルらしい噛めば噛むほど味の出るクルマだ。
こんなスバルのためにある。
もう一度さすってやった。
このタイヤを与える方が面白い。
お値段も安いし、
マニュアルでぶん回したい人にも全く問題ない。
ところでこのクルマの変速比は、1速 3.454
2速 1.947
3速 1.296
4速 0.972
5速 0.780
減速比 4.444
になっているが、
これは兄貴分のフォレスターと全く一緒だ。
ちなみに先日テストしたSUBARU FORESTER 2.0XSは、
全く同じ駆動方式でAWD(全輪駆動)だ。
主要諸元は、】
全長×全幅×全高(mm):4560×1780×1675
ホイールベース(mm):2615
トレッド前/後(mm):1530/1530
最低地上高(㎜):215
車両重量(kg):1430
最小回転半径(m):5.3
となっている。
発動機のスペックは以下だ。
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブ AVCS
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:10.2
最高出力PS:148/6000rpm
最大トルクkg・m:19.5/3200rpm
ステアリングギヤ比は15:1
豊かなトルクで走るフォレスターも面白い。
重量差は100kgあるので、
重心の高さやホイールストロークを考えると、
フォレスターの走りもなかなかのものだった。
このようにインプレッサとフォレスターは、
切っても切れない関係にある。
現行型フォレスターは、
その関係から一歩飛翔した。
しかしSGPを採用するにあたり、
当時の関係に戻ったかに見える。
ところがどっこい全く違う。
シャシーはやはり別モノなんだ。
それにしても、
やっぱり軽いクルマは良いね。
GH3の四駆が1300kgで、
SH5が四駆でも1430kgだった。
最近のクルマは重い。
だから2500のエンジンに統一するのだ。
この考え、
決して間違っていないがスバルストが付いてくるかな。