樹脂の部品は炭素を引き付ける。 だからどうしても黒ずんでくる。
定期的に拭う事で命が輝く。
モノには魂があるので、
それを常に意識すると見えないモノが見える。
毎朝の掃除も環境から設備へと移行した。
分担して拭う。
樹木の下には苔が生えやすい。
それ自体は環境の良さを示すが、
少々みすぼらしくもある。
だから綺麗に拭う。
手で拭うばかりではなく、
雨に拭ってもらえる時もある。
昨日の雨は清々しかった。
雨に晒すというより、
雨に拭われた気がした。
そんな朝だった。
望桜荘の庭に敷いた自然石も、
きっと雨に拭われただろう。
良い塩梅に湿っている。
そこで先日敷き詰めた新しい部分を、
洗うのではな、
水で拭ってみた。
ホースから水を僅かに出し、
重力で石の真上に落とす。
乱暴に水を撒くと、
せっかく石の間に落ち着いた土を浮き上がらせてしまう。
だから出来るだけ丁寧に、
上から狙って石の上に落とした。
拭う前の自然石の様子は、
これまでとほとんど変わらず、
落ち着くのはまだまだ先だと感じた。
拭うと明らかに石の色が変わったので、
数日掛けて乾燥すると趣が変わるだろう。
同じように水で拭った。
新しい高圧洗浄機は、
まさに拭うように汚れを落とす。
8時に初めてホースを繋ぎ、
洗いたい場所にセットした。
難点は少しエンジンをかけるのにコツが要ることだ。
でもコンセントもコードも必要無く、
機動性に富みパワフルこの上ない。
エンジン式のメリットは、
エンジンに慣れ親しんだ者にとって、
本当にぴったり馴染んで素晴らしい。
セットから洗浄まで、
一時間かけて全てやり終えてくれた。
望桜荘の桜に目をやると、
青空に映えてイキイキしていた。
秋に高圧洗浄で幹を拭ったので、
木肌が美しく健康そうに見える。
気になるのは夏の台風で折れた枝が、
一向に落ちることなく垂れ下がっている事だ。
見かねた北原課長が「取りましょうか」と言ってくれた。
流石だ。
とにかくこの二人は身のこなしが鋭い。
あっという間に登ると、
大宮君が高所用の剪定ばさみを渡した。
本当なら枝元で切除したいが、
それはとても無理だという。
そりゃそうだ。
ツリークライミングの装備を用意して、
完全に安全確保した上でなければ危ない。
川に落ちた枝を回収して、
この樹の凄さを知った。
物凄く枝が重い。三人がかりで引き揚げて、桜の横に置いた。
腐朽が広がり耐え切れず、風の力で折れた様だ。 すなわち生き腐れしていると言う事だ。
少し乾かしたらノコギリで刻みながら、
海綿腐朽菌の浸透状況を確認する。
これだけ立派な枝なので、
チップにして利用するなど、
良いアイディアがあれば教えて戴きたい。
大きな樹になると、
どうしても拭いたくても拭えない所がある。
また腐朽した部分が全体に広がるのは、
植物にとって宿命だ。
毒が回らないよう、
何とか早めに手を打ちたい。
人間も拭うべき時に拭う事が大事だ。
毒が全体に回らぬように。
過去に例のない珍しいリコールのため、
自分で自分の尻が拭えないという、
少し困った事件が起きた。
整備や検査に間違いはない。
だがインターフェイスに問題があった。
当社のお客様は、
社員を育てようといつも考えて下さるので、
本当にありがたいと感謝している。
受付からお渡しまでの中で、
彼の話す内容に欠落があり、
しかも書類の説明も一方的過ぎた。
それが本人には咀嚼できないため、
大宮君が一肌脱いでロープレをやりましょうと言ってくれた。
そこで早速昨夜杉本君とリハーサルして、
台本なしでロープレが出来る準備を整えていた。
人の尻を拭う仕事が、
自らできるようになった成長が本当に嬉しい。
言われてからやるのではなく、危機意識を持ったらすぐ自ら動く。
リコール作業後の引き渡しの際に、どのような工程を考えるべきかというロープレが始まった。
ロープレとは「型」を作る練習だ。 どんなスポーツにも必ず型があるように、接客や作業にも一定の型が必要だと言える。
まずお詫びから入り、誰が何をしたのかを明確に説明する。
今回の場合は法定12か月点検のお客様が対象だ。 北原課長が整備を担当したとして仮定し、まず課長から説明があった。お客様から戴いたリクエストを基に、点検結果と交換部品の内容をお客様に話した。
まずその料金の精算をお願いし、次のリコールについて大宮君からお客様薬の杉本君に、リコールの趣旨をもう一度お話しする。 その時に検査員の吉村君も立ち合い、検査結果に何も異常が無かったことを説明する。
その上で大宮君は整備記録簿を机上に出し、その意味をお客様に説明する手本を見せた。 整備と検査の違いを明確にしなければならない。 その上で「検査をしないで出荷された訳ではない」事も分かり易く伝える。
そして無資格だと言う事が何を意味するのか、当社の検査員は何を何のためにするのかを的確に伝える。 そしてお客様に、「なぜ申請書を書いていただくのか」伝える。 ただここに「サインをください」だけでは不十分だ。
解っている人なら、そんな事を言われなくても良いと思うはずだ。
現にこれまでほぼ100%のお客様から、解っているから別に説明は無くても良いというニュアンスを受けていた。
だから吉村君には甘えがあった。 とは言うものの、人間には得手不得手がある。
木に登れと言われても登れない人間にとって、登れる人を「凄い人間だ」と思う。
だから整備が不得手なので、整備士の事を凄いと思っている。
逆説的に言うと、「木登り」が下手なように、「説明」が下手な人間がいても不思議ではない。
そこをどのように補い合うかがチームワークだ。
口下手な整備士の方が良い仕事をする。 口八丁手八丁という言葉があるけれど、そのような人間より、失敗するけどまじめな男の方が魅力にあふれる。 こうして型を作り、今日も一日無事に終わった。
皆さん有難う。明日もまた宜しくお願いします。
定期的に拭う事で命が輝く。
それを常に意識すると見えないモノが見える。
分担して拭う。
それ自体は環境の良さを示すが、
少々みすぼらしくもある。
だから綺麗に拭う。
手で拭うばかりではなく、
雨に拭ってもらえる時もある。
昨日の雨は清々しかった。
雨に拭われた気がした。
そんな朝だった。
望桜荘の庭に敷いた自然石も、
きっと雨に拭われただろう。
そこで先日敷き詰めた新しい部分を、
洗うのではな、
水で拭ってみた。
重力で石の真上に落とす。
乱暴に水を撒くと、
せっかく石の間に落ち着いた土を浮き上がらせてしまう。
だから出来るだけ丁寧に、
上から狙って石の上に落とした。
これまでとほとんど変わらず、
落ち着くのはまだまだ先だと感じた。
数日掛けて乾燥すると趣が変わるだろう。
同じように水で拭った。
新しい高圧洗浄機は、
まさに拭うように汚れを落とす。
洗いたい場所にセットした。
難点は少しエンジンをかけるのにコツが要ることだ。
でもコンセントもコードも必要無く、
機動性に富みパワフルこの上ない。
エンジン式のメリットは、
エンジンに慣れ親しんだ者にとって、
本当にぴったり馴染んで素晴らしい。
セットから洗浄まで、
一時間かけて全てやり終えてくれた。
青空に映えてイキイキしていた。
木肌が美しく健康そうに見える。
気になるのは夏の台風で折れた枝が、
一向に落ちることなく垂れ下がっている事だ。
見かねた北原課長が「取りましょうか」と言ってくれた。
とにかくこの二人は身のこなしが鋭い。
大宮君が高所用の剪定ばさみを渡した。
本当なら枝元で切除したいが、
それはとても無理だという。
そりゃそうだ。
ツリークライミングの装備を用意して、
完全に安全確保した上でなければ危ない。
この樹の凄さを知った。
腐朽が広がり耐え切れず、風の力で折れた様だ。
少し乾かしたらノコギリで刻みながら、
海綿腐朽菌の浸透状況を確認する。
これだけ立派な枝なので、
チップにして利用するなど、
良いアイディアがあれば教えて戴きたい。
大きな樹になると、
どうしても拭いたくても拭えない所がある。
また腐朽した部分が全体に広がるのは、
植物にとって宿命だ。
毒が回らないよう、
何とか早めに手を打ちたい。
人間も拭うべき時に拭う事が大事だ。
毒が全体に回らぬように。
過去に例のない珍しいリコールのため、
自分で自分の尻が拭えないという、
少し困った事件が起きた。
整備や検査に間違いはない。
だがインターフェイスに問題があった。
当社のお客様は、
社員を育てようといつも考えて下さるので、
本当にありがたいと感謝している。
受付からお渡しまでの中で、
彼の話す内容に欠落があり、
しかも書類の説明も一方的過ぎた。
それが本人には咀嚼できないため、
大宮君が一肌脱いでロープレをやりましょうと言ってくれた。
そこで早速昨夜杉本君とリハーサルして、
人の尻を拭う仕事が、
自らできるようになった成長が本当に嬉しい。
言われてからやるのではなく、危機意識を持ったらすぐ自ら動く。
リコール作業後の引き渡しの際に、どのような工程を考えるべきかというロープレが始まった。
ロープレとは「型」を作る練習だ。
まずお詫びから入り、誰が何をしたのかを明確に説明する。
今回の場合は法定12か月点検のお客様が対象だ。
まずその料金の精算をお願いし、次のリコールについて大宮君からお客様薬の杉本君に、リコールの趣旨をもう一度お話しする。
その上で大宮君は整備記録簿を机上に出し、その意味をお客様に説明する手本を見せた。
そして無資格だと言う事が何を意味するのか、当社の検査員は何を何のためにするのかを的確に伝える。
解っている人なら、そんな事を言われなくても良いと思うはずだ。
現にこれまでほぼ100%のお客様から、解っているから別に説明は無くても良いというニュアンスを受けていた。
だから吉村君には甘えがあった。
木に登れと言われても登れない人間にとって、登れる人を「凄い人間だ」と思う。
だから整備が不得手なので、整備士の事を凄いと思っている。
逆説的に言うと、「木登り」が下手なように、「説明」が下手な人間がいても不思議ではない。
そこをどのように補い合うかがチームワークだ。
口下手な整備士の方が良い仕事をする。
皆さん有難う。明日もまた宜しくお願いします。