Quantcast
Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3281

コンチネンタルタイヤの実情

$
0
0
ドイツを毎年訪れるようになり、
最近特にどっぷり浸かっているモノが2つある。


まず赤ワインだ。


本当ならアップルワインを炭酸で割りたいが、
それは簡単に手に入らない。
赤ワインは常温で美味しいので、
味に深みがあって好きだ。


そしてもう一つが、
皆さんご存知のようにコンチネンタルタイヤと言う訳さ。


スバルはコンチと馴染みが薄く、
過去にOEM供給を受けた記憶が無い。


ちょっともったいないと思ったら、
良い話も聞けた。


スバルは現在マレーシアでノックダウン生産を行っている。


スバルは航空機でノックダウンを現在も続けているが、
自動車のノックダウンはプライドが許さなかった。


その代わり各国の地場資本にノックダウンをさせている。


中国でレックス、
台湾でドミンゴなど懐かしい名前が思い浮かぶ。


そのマレーシアで生産されているスバル車には、
コンチネンタルのマックスコンタクト5が装着されている。


なるほど。
それは十分納得できる。



MC5の性能はWRX STIにも充分整合した。


さてこのMC5や、
とても雨天で性能が際立つSC5等は、
比較的納入が円滑に進む。


それに対して、
SVX用に調達したアップデートされた最新版は、
実に納期が不透明だ。


適応範囲の少ないサイズのせいもあるだろうが、
225/50R16のウルトラコンタクト6も、
プレミアムコンタクト(PC)6も、
2ヶ月待った現在でも生産未定となっている。


じっくり待つしか無いが、
SVXの走りがどう変るか確かめたくて、
もう喉から手が出るほど履いてみたい。


ここでコンチネンタルの戦略を少し紐解いてみよう。


基本的に5から6にアップデートしている最中で、
それぞれタイヤの性能も大きく進歩している。


その中でヨーロッパとアジアにおける、
地域的な状況を考慮した商品展開が進められている。


アジアにアウトバーンは無いからね。


まずアジア向けの戦略商品が、
以前取り上げたCC6だ。
f0076731_22035624.jpg

そしてもう一つが、
スバルマガジン編集部のSVXに装着するUC6だ。


ウルトラコンタクト(UC)と言うだけあり、
当初はマックスコンタクト(MC)と入れ替わると聞いていた。


ところが最新の情報では、
アジア向けの商品を拡充するため、
3本柱に据えることになった。


ヨーロッパでは、
スポーツ性能で評判の良いSC5を、
プレミアムタイヤのPC5が吸収する形で、
PC6にアップデートした。


このタイヤを中津スバルのSVXに装着して比較する予定だ。


そのPC6を基軸に置き、
エコタイヤのエココンタクト(EC)5を、
EC6にアップデートした。


そしてこれまでのフラッグシップだった、
コンチスポーツコンタクト(SC)5Pを、
SC6にアップデートしたのだ。


f0076731_21212446.jpg
このテストピースは、
実際のSC6をカットして、
キチンと作れているか確かめるモノだ。


コンチネンタルタイヤを採用するホンダは、
次期シビックタイプRに、
このペッタンコなタイヤを装着するらしい。


f0076731_21030186.jpg
テストピースを見て欲しい。
指を差している所までカーカスコードが伸びている。


カーカスコードはタイヤの骨格に相当する部材だ。


通常ならサイドウオールの真ん中あたりで終わるが、
ショルダー部を回り込みトレッドゴムの下まで続いていた。


スバルでは絶対にこんなに極端なタイヤを装着させないだろう。
どう見ても扁平率は30%しかない。
f0076731_21031664.jpg
スバルとホンダの企業文化の差が現れている。


S207に装着したいタイヤだが、
ワンサイズ下しか現在作られていない。


最新のWRXにベストマッチするタイヤだ。


アラミド繊維を織り込んだスパイラルキャッププライが、
トレッドゴムの下で、
バンテージのような役割を担う。


さあ、
ヨーロッパにおけるタイヤは、
スーパースポーツ系のSC6、
コンフォート系のPC6、
エコ・スタンダード系のEC6と駒が揃った。


それをアジアの特性に合わせて、
マレーシアで作るのがコンチの世界戦略だ。


すなわちヨーロッパのタイヤフィロソフィーはそのままに、
現地生産で価格競争力を高めたタイヤが続々と生まれる。


まず下からヨーロッパのエココンタクト(EC)6に相当する、
コンフォートコンタクト(CC)6を今春発売し、
追いかけるようにUC6を発売した。


次はMC5をMC6にアップデートするだろう。


ところで最新のコンチに関する印象で、

最も大きく感じることが2つ有る。


一つは音が静かなことだ。
後述するDWS06も「6」にアップデートしたせいか、
予想以上に室内騒音が少ない。


室内だけで無く外も静かなようだ。


SC5Pの通過騒音に対して、
SC6は3デシベル(dB)騒音レベルが数値的に下がった。


もう一つ感じることは耐摩耗性だ。


コンチのコンパウンド技術には定評がある。
トレッドパターンはコピーできても、
コンパウンドの配合は簡単にコピーできない。


コンチを履くとびっくりする理由の一つだ。


運動性能が高いだけでは優れたタイヤになれない。


コンパウンドには、
その他に転がり抵抗の少なさ、
そして耐摩耗性も高い次元で要求される。




このように最新の情報を集めると、
地味な存在だったエクストリームコンタクトDWS06が、
非凡なタイヤだという理由が分かる。
f0076731_22495784.jpg
いち早くこの存在をフォーカスしたが、
感じたことは決して間違いでは無かった。
特異なトレッドパターンを持つのに、
音が静かなのは「6」にアップデートしているからだろう。


この辺りのコツを、
コンチは完全に握った。
f0076731_22504348.jpg

最初からこの韻には何かの理由があると思っていた。
カタログにも書いてない。


ヒントはトレッドウエアインディケーターにあった。


流石に井上さんも宮本さんも、
f0076731_22535468.jpg
この文字に刻まれた意味をご存じなかった。


ヨーロッパのタイヤだから、
インターミディエート インディケータ(水滴マーク)があるはずだと指摘すると、
宮川さんがエンジニアの水野さんを呼びに行った。


そして解ったことは、
驚きの事実だった。


Dはドライ、
Wはウエット、
Sはスノーを示すことは既に説明したが、
刻印の深さは知らなかった。


Dは残り1.6ミリでスリップサインと同じ深さだ。
Wは3ミリでインターミディエート、即ち水滴マークと同じ深さだ。
Sは4ミリで一番速く消えて無くなる。


そう、このタイヤはトレッドを見るだけで、
現在のパフォーマンスが認識できるのだ。


面白いタイヤと出会って、
これからタイヤ選択の幅が大きく広がった。


タイヤも是非中津スバルで選ぼうじゃ無いか。


おわり

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3281

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>