預かっていた22Bが遂に完成した。
ボルタレンのおかげで痛みが治まった。
これで安心してテストが出来そうだ。
出張前にどうしても完成させたかった。
既に北原課長が30kmほど走らせ、
細部を入念に点検済みだ。
次のステップに移った。
高速道路を等速走行し、
3000rpm以下でエンジンを回し続けた。
それにしても素晴らしくライントレース性能が高い。
そしてミシュランのパイロットスポーツのおかげだろう。
硬いサスの衝撃を柔らかくいなす。
旋回性能も素晴らしい。
GC8の個性を研ぎ澄ませた後世に語り継がれる名車だろう。
こういう道を流して走ると、
22Bに2.2リットルのエンジンを搭載した理由が良く解る。
峠に差し掛かると花桃が満開だった。
相変わらずヤマザクラも花盛りだ。
エンジンキャパシティを増やし、
低速からトルクに厚みを持たせたので物凄く乗りやすい。
一つ一つ丹精を込め手作業で作り込まれた珠玉の作品。
スペックを紹介したい。
併記したBRZと比べるのも面白いだろう。
なぜ再三にわたりBRZに6気筒エンジンを載せようと、
強く語る理由が読み取れるはずだ。
【正式名称】
インプレッサ PREMIUM SPORTS COUPE
22B-STi VERSION
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
E-GC8改
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4365×1770×1390
参考 BRZ:4270×1775×1320
ホイールベース(mm):2520
参考 BRZ:2570
トレッド前/後(mm):1480/1500
参考 BRZ:1520/1540
最低地上高(㎜):140
参考 BRZ:130
車両重量(kg):1270
参考 BRZ:1250(GT)
最小回転半径(m):5.2
参考 BRZ:5.4
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ22改/水平対向4気筒2.2L DOHC16バルブ
インタークーラーターボ
内径×行程(mm):96.9×75.0
圧縮比:8.0
最高出力(PS):280/6000rpm
参考 BRZ:207/7000rpm
最大トルク(kgf・m):37/3200rpm
参考 BRZ:21.6/6400-6800rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【燃費】
不明
【税抜車両本体価格】
5.000.000円
ボディカラー:ソニックブルー
B-factionの入り口には、
当時のカタログがそのまま展示されている。
そこには「競技車両として作られていない」と、
はっきりと記されている。
それを競技仕様に改造したら、
壊れるに決まっている。
なぜか。
回りくどい言い方なので解らないかもしれないが、
「改造したらエンジンが持たない」と明確に断っているのだ。
22Bの良さをボデイに奪われがちだが、
実は真の良さを求めるとエンジンに行きつく。
「壊れたら2リットルに換装すれば良い」
そう考える人もいるだろうが、
それでは22Bの持つ味を全く再現できない。
あの異様なほどスバルらしいサウンドも、
乗りこなし易さ、ライントレース性能の秀逸さなど、
ワークスチューンの2.2リットルエンジンがあるから実現した。
競技に出るようなシビアコンディションを想定せずに、
プレミアムな高性能クーペを作ったのだ。
抜群の質感を持つエンジンだが、
EJ20ほどの耐久力は無い。
長年競技用に大量生産されたエンジンと、
プレミアムな方向に振ったエンジンは「本質的な作り方」も違う。
テストは無事に終わった。
さあ、
いよいよオーナーの元に帰る日が来た。
望桜荘の庭では、
芝桜が盛りを過ぎ、
ひっそりと静まり返った。
季節の移り変わりは早い。
右を見ると、
花壇にも変化が現れた。
綺麗に咲いたすずらんが一斉に頭を垂れ、
花菖蒲がめきめきと花芽を伸ばした。
アヤメ、しょうぶ、カキツバタといえば、
優雅で綺麗な花を咲かせることで人気が高い。
「何れ菖蒲か杜若」という諺が頭に浮かんだ。
どちらも優れていて選択に困ると言う意味だ。
杜若は水辺に生えるのである程度見分けられそうだが、
あやめとしょうぶは良く解らない。
いくつかの見分け方があるらしい。
その一つが花の根元だ。
しょうぶの花の根元は黄色いと聞いた。
従ってこれはしょうぶだ。
見るからに豪華な花で、
まるで着飾った美しい女性の様だ。
以前からこの二台に強い近似性を覚えている。
ただしBRZの走りには優れた万能性があるけれど、
4000rpm前後のトルク不足は否めず、
じれったい思いをすることがたまにある。
ターボじゃだめだ。
燃費や環境性能より、
濃い味を優先する。
そんなクルマを待っている人が必ずいる。
SVXに乗った人達は、
ほぼ100%「素晴らしい」と評価した。
軽量なFRスポーツに、
直噴ターボは似合わず、
エンジンキャパシティでトルクを補うほうが、
よりリニアな走りを楽しめる。
スロットルの開きに合わせ、
素直に力強くクルマを前に出せるからだ。
それにはH6(BOXER6)の搭載が一番ふさわしい。
それが出ると、
「いずれ菖蒲か杜若」となる。
実質的な22Bの後継機であり、
物凄く良いクルマになるだろう。
実は22Bのことを実質的な「Sシリーズの起源」だと思っている。
だから別名を「S200」と付けている。
デスクに戻り一息ついた。
中田さんから戴いた饅頭を開いた。
艶々として美しい。
ヨモギの香りが素敵で、餡もほど良く甘い。
緑のシーズンにぴったりのお菓子だ。
甘さに浸りながら振り返った。
スバル100年の祝い事は「インプレッサハウスの建立」だった。
次はSTI「30周年」が目前に控えている。
それに向け何を祝い事にしようかと、
算段を始めた。
当社のファンに22Bの良さを味わってもらえるよう、
特定の人だけに向けた「S200レンタカー計画」を立ち上げる。
22Bの良さを知り、
STIから6気筒を搭載したBRZを、
なぜ誕生させるべきなのか強く世に求める発信をするためだ。
どんな事業になるのか楽しみにしてほしい。
ボルタレンのおかげで痛みが治まった。
これで安心してテストが出来そうだ。
出張前にどうしても完成させたかった。
既に北原課長が30kmほど走らせ、
細部を入念に点検済みだ。
次のステップに移った。
高速道路を等速走行し、
3000rpm以下でエンジンを回し続けた。
それにしても素晴らしくライントレース性能が高い。
そしてミシュランのパイロットスポーツのおかげだろう。
硬いサスの衝撃を柔らかくいなす。
旋回性能も素晴らしい。
GC8の個性を研ぎ澄ませた後世に語り継がれる名車だろう。
こういう道を流して走ると、
22Bに2.2リットルのエンジンを搭載した理由が良く解る。
相変わらずヤマザクラも花盛りだ。
エンジンキャパシティを増やし、
低速からトルクに厚みを持たせたので物凄く乗りやすい。
一つ一つ丹精を込め手作業で作り込まれた珠玉の作品。
スペックを紹介したい。
併記したBRZと比べるのも面白いだろう。
なぜ再三にわたりBRZに6気筒エンジンを載せようと、
強く語る理由が読み取れるはずだ。
【正式名称】
インプレッサ PREMIUM SPORTS COUPE
22B-STi VERSION
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
E-GC8改
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4365×1770×1390
参考 BRZ:4270×1775×1320
ホイールベース(mm):2520
参考 BRZ:2570
トレッド前/後(mm):1480/1500
参考 BRZ:1520/1540
最低地上高(㎜):140
参考 BRZ:130
車両重量(kg):1270
参考 BRZ:1250(GT)
最小回転半径(m):5.2
参考 BRZ:5.4
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ22改/水平対向4気筒2.2L DOHC16バルブ
インタークーラーターボ
内径×行程(mm):96.9×75.0
圧縮比:8.0
最高出力(PS):280/6000rpm
参考 BRZ:207/7000rpm
最大トルク(kgf・m):37/3200rpm
参考 BRZ:21.6/6400-6800rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【燃費】
不明
【税抜車両本体価格】
5.000.000円
ボディカラー:ソニックブルー
B-factionの入り口には、
当時のカタログがそのまま展示されている。
そこには「競技車両として作られていない」と、
はっきりと記されている。
それを競技仕様に改造したら、
壊れるに決まっている。
なぜか。
回りくどい言い方なので解らないかもしれないが、
「改造したらエンジンが持たない」と明確に断っているのだ。
22Bの良さをボデイに奪われがちだが、
実は真の良さを求めるとエンジンに行きつく。
「壊れたら2リットルに換装すれば良い」
そう考える人もいるだろうが、
それでは22Bの持つ味を全く再現できない。
あの異様なほどスバルらしいサウンドも、
乗りこなし易さ、ライントレース性能の秀逸さなど、
ワークスチューンの2.2リットルエンジンがあるから実現した。
競技に出るようなシビアコンディションを想定せずに、
プレミアムな高性能クーペを作ったのだ。
抜群の質感を持つエンジンだが、
EJ20ほどの耐久力は無い。
長年競技用に大量生産されたエンジンと、
プレミアムな方向に振ったエンジンは「本質的な作り方」も違う。
テストは無事に終わった。
さあ、
いよいよオーナーの元に帰る日が来た。
望桜荘の庭では、
芝桜が盛りを過ぎ、
ひっそりと静まり返った。
右を見ると、
花壇にも変化が現れた。
綺麗に咲いたすずらんが一斉に頭を垂れ、
花菖蒲がめきめきと花芽を伸ばした。
アヤメ、しょうぶ、カキツバタといえば、
優雅で綺麗な花を咲かせることで人気が高い。
「何れ菖蒲か杜若」という諺が頭に浮かんだ。
どちらも優れていて選択に困ると言う意味だ。
杜若は水辺に生えるのである程度見分けられそうだが、
あやめとしょうぶは良く解らない。
いくつかの見分け方があるらしい。
その一つが花の根元だ。
しょうぶの花の根元は黄色いと聞いた。
従ってこれはしょうぶだ。
見るからに豪華な花で、
まるで着飾った美しい女性の様だ。
以前からこの二台に強い近似性を覚えている。
ただしBRZの走りには優れた万能性があるけれど、
4000rpm前後のトルク不足は否めず、
じれったい思いをすることがたまにある。
ターボじゃだめだ。
燃費や環境性能より、
濃い味を優先する。
そんなクルマを待っている人が必ずいる。
SVXに乗った人達は、
ほぼ100%「素晴らしい」と評価した。
軽量なFRスポーツに、
直噴ターボは似合わず、
エンジンキャパシティでトルクを補うほうが、
よりリニアな走りを楽しめる。
スロットルの開きに合わせ、
素直に力強くクルマを前に出せるからだ。
それにはH6(BOXER6)の搭載が一番ふさわしい。
それが出ると、
「いずれ菖蒲か杜若」となる。
実質的な22Bの後継機であり、
物凄く良いクルマになるだろう。
実は22Bのことを実質的な「Sシリーズの起源」だと思っている。
だから別名を「S200」と付けている。
デスクに戻り一息ついた。
中田さんから戴いた饅頭を開いた。
艶々として美しい。
ヨモギの香りが素敵で、餡もほど良く甘い。
緑のシーズンにぴったりのお菓子だ。
甘さに浸りながら振り返った。
スバル100年の祝い事は「インプレッサハウスの建立」だった。
次はSTI「30周年」が目前に控えている。
それに向け何を祝い事にしようかと、
算段を始めた。
当社のファンに22Bの良さを味わってもらえるよう、
特定の人だけに向けた「S200レンタカー計画」を立ち上げる。
22Bの良さを知り、
STIから6気筒を搭載したBRZを、
なぜ誕生させるべきなのか強く世に求める発信をするためだ。
どんな事業になるのか楽しみにしてほしい。