なぜこんなに面白いクルマが、もっと多くの人に買ってもらえなかったのか。 開田高原で久しぶりにコナラを眺めながら、当時を振り返ってみた。
ソリッドの白いボディは、
湿った空気の中で際立っていた。
ピュアホワイトは平成8年に発売され、
最初こそ恐る恐るの出だしだったが、
結果的に大ヒットした美しい白だ。
純白にすると青みがかるので、
それを防ぐ努力を続け、
遂に完成させた名作だ。
このクルマが発売された当時、
国内ではSTI出なければWRXでは無いような風潮があった。
まだエアコンレスも選べたので、
一番安いSTIのスペックCだと274万円で用意されたが、
ほとんどの人達はブレンボやDCCD、
それにBBSの付いたSTIを求めた。
すると車体価格は331万円になった。
それでもSTIを求めた。
当時のラインナップではやむを得なかった。
何しろこの直前までNAのWRXまで作った時代だ。
そういう時だから、
廉価版のイメージしか持たない普通のWRXは、
ほとんどの人に見向きもされなかった。
今乗ると、
こんなに良いのに・・・・。
会社に戻りBRZに乗り換えた。
真っ赤なキャリパーとソリッドカラーのGTは、
スバルが大切にしてきた韻の再来だ。
スポーツカーには、
やはりソリッドカラーが相応しい。
STIのゴールドに対して、
WRXはガンメタリックのホイールを履いていた。
この時から対向キャリパーは、
ブラックから冴えたレッドに変った。
22Bから採用が始まった赤いキャリパーが、
白い車体と渋いガンメタのホイールに映えている。
こうして較べると、
BRZにピュアホワイトのボディカラーが似合うと力説する理由が分かるだろう。
ソリッドが欲しい。
パールはもう不要だ。
じっくり厚く染め上げた純白だ。
この当時のピュアホワイトより塗装の厚みを増せば、
パールよりダイナミック×ソリッドのデザインコンセプトに沿うだろう。
そして、
更に極めて面白い事実を見つけた。
他のグレードには無い、
BRZのGTだけに感じる優れた乗り心地は、
改良型DタイプのWRXとそっくりだ。
涙目になってから2度目のマイナーチェンジで、
STI同様にスイープするレッドルミネセントメーターも手に入れた。
水平対向4気筒のDOHCターボエンジンに大きな変化は無いが、
シャシーにはかなりの改良が加えられた。
というのもニュルブルクリンクで更に上を目指すには、
ホイールの強化がどうしても必要だった。
その前提として、
支えるハブやボールベアリングも大幅に強化する必要があった。
そこで持ち出したのが、
過去にSVXで採用したことのある設計基準だ。
このようにしてSTI系だけ、
ホイールのPCDが114.3に変更され、
リヤサスの軽量化も同時に進めた。
STIはラテラルリンクをアルミ化したが、
その恩恵を被り素のWRXも片側だけではあるものの、
アルミ化されバネ下重量の軽減に繫がった。
WRXのベースそのものを高めないと、
STIも劇的に向上しない。
これらの効果で、
羽の無い知的なWRXが誕生したのだが、
スバルはそれを上手く顧客に伝える術を持たなかった。
価格の割に装備も充実していた。
375パイのMOMO製本革巻ステアリングホイールや、
スポーツシートを標準装備し、
運転席にはスーパーシートリフターを備え、
ゼロ次安全性能も高められた。
スペックを比較すると、
面白い事実が浮かび上がるはずだ。
【車名】
インプレッサ WRX
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GDAD48D KL
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1425
ホイールベース(mm):2525
トレッド前/後(mm):1485/1480
最低地上高(㎜):140
車両重量(kg):1360
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCSターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:9.0
最高出力kW(PS):184(250)/6000rpm
最大トルクN・m(kgf・m):333(34.0)/3600rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【燃費】
11.8km/l (10・15モード)
【税抜車両本体価格】
2.478.000円
ボディカラー:ピュアホワイト
STIのブルーを基調としたインテリアに対して、
WRXは同じ形状のまま、
表皮をブラックとグレーのファブリック/ジャージに変えた。
こうしてWRXはSTIとは一味異なる、
扱いやすくて高性能なスポーツセダンに生まれ変わった。
このタイプから、
赤く塗装されたキャリパーを持つようになったと書いた。
フロントは16インチの対向4ポットで、
リヤは2ポットPODの対向ポットを持つディスクブレーキシステムを装備した。
それだけに留まらず、
EBD付4センサー4チャンネルABSを標準装備し、
ブレーキブースターを全車剛性アップした。
その上で超低膨張ブレーキホースを採用したので、
素晴らしくリニアな制動フィーリングを得ている。
遂に遂に・・・このタイプから、
WRXは全車倒立式4輪ストラットスポーツサスペンションを採用した。
そしてWRXにもリヤLSDを標準装備した。
しかも機械式では無く、
アクセルオンに合わせてリニアにLSD効果を発揮する、
トルク感応式のリヤデファレンシャルギヤ「シュアトラックLSD」だ。
だから走りの気持ち良さが違う。
BRZが欲しいけれど、
後席がどうしても必要な人は知的なセダンを求める。
フォーマルなS4も良いけれど、
それはWRX STIの延長線上にあるクルマだ。
それにスポーツセダンはピュアスポーツかーと異なり、
車体全体が重くなる要素が増える。
だからNAエンジンでは駄目だ。
STIの300馬力オーバーのエンジンや、
ドライバーズコントロールデフまで必要ないが、
胸の空くような気持ちよい走りが欲しい。
それがこのクルマのオーナー像だ。
このカスタマイズを見た瞬間に
見事に浮かび上がった。
前のオーナーは、
後席にもカップホルダーが必要な人だった。
そして4WDシステムは、
ビスカスLSD付センターデフ式4WDと、
軽量高剛性な5速マニュアルを組み合わせた。
375パイのMOMO製本革巻ステアリングホイールに、
運転席スーパーシートリフターや、
オートエアコンなど快適装備も当たり前になった。
メーカーオプションだったHIDも装備している。
当時はSTIの陰に隠れて、
注目されない車だった。
だが今だからこそ、
このような良い車を作るべきだ。
今のラインナップなら、
正しく告知すれば絶対に埋もれない。
マニュアル好きにとって、
思わぬヒット作となるはずだ。
そして大切なことは、
スッキリしたトランクリッドにすることだ。
これほど知的なクルマになる。
オプションで用意するスポイラーも、
知性を感じさせる物に絞り込む。
ステキなスポーツセダンを作るためには、
高度なセンスが要求され、
それを守る番人のような存在も必要だ。
このインプレッサのデザイナーは、
凄く実力があったのに、
開発する時間があまりにも短かったのだろう。
最初の丸目のセダンは、
ワゴンに較べ突出して面白いデザインだった。
性能もそうだが、
デザインの軸も良かったので、
年を追うごとにスポーツセダンらしくなった。
だから「Sシリーズ」がオーラを放った。
「S」は見事に蘇り、
これから孤高の道を歩むだろう。
それではGDAの様な面白いクルマをどうしたら作れるか。
提案したい。
阿部PGMはまだMTを諦めていないと明言した。
だからインプレッサ「G4」を使い、
三代目や四代目で繰り返した、
MTみそっかす路線を改めよう。
そして更に言えば、
インプレッサスポーツに同じパワートレインを搭載してはいけない。
売れれば良いと言うクルマでは無く、
明確にコンセプトを決めて買い手を限定するクルマにする。
インプレッサの走りは、
ワゴンよりセダンの方が奥の深さを持つ。
だからセダンに特化して、
高性能で安価なスポーツセダンを作る。
面白くて良いクルマが売れる土壌が育まれている。
昔は雑誌の評論でしか聞けなかった情報を、
今ではSNSで簡単に入手出来る。
金で動く論評では無く、
生の情報が手に入る。
ここに今書いているのも、
真実で生の情報だ。
今年のオートサロンに、
面白い提案があった。
面白いがこれを出したとして、
果たして誰が買うのだろうか。
「WRX」と「WRX STI」を二頭立てした時のように、
失敗することはほぼ間違いないだろう。
ここでスペックを紹介しよう。
【車名】
インプレッサ G4 2.0i-S EyeSight
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GK7A4BL QFC
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4625×1775×1455
ホイールベース(mm):2670
トレッド前/後(mm):1540/1545
最低地上高(㎜):130
車両重量(kg):1400
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
FB20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCS直噴
内径×行程(mm):84.0×90.0
圧縮比:12.5
最高出力kW(PS):113(154)/6000rpm
最大トルクN・m(kgf・m):196(20.0)/4000rpm
【燃料供給装置】
筒内直接燃料噴射装置
【変速機】
リニアトロニック(7速マニュアルモード付)
【燃費】
15.8km/l (JC08モード)
【税抜車両本体価格】
2.450.000円
ボディカラー:ピュアレッド
このクルマ、
GDA型のWRXより28000円安い。
これから伝える理想のクルマになる。
価格は250万円以下のまま、
アイサイトもEPBも必要無いスポーツセダンを作る。
STIと名前を付ける以上、
標準車の自然吸気エンジンでは駄目なのだ。
それにいたずらなインチアップやローダウンは、
クルマの素性を悪化させる。
だが今度のインプレッサはXVの開発に基軸を置き、
SGPも完成させたので、
フォレスター同様に18インチホイールが簡単に装着できるレベルまで基幹性能が向上した。
解るかな。
白いGDAがSTIの戦闘能力を高めた恩恵を被ったのと、
全く同じ方程式だ。
だからG4は苦労すること無く、
かなり高いスポーツ性能を手に入れている。
ステアリングギヤ比は13:1を標準としているほどだ。
だからSTIがちょっと手を入れれば、
もの凄くレーシーなクルマになる。
その素性はG4の方が上だ。
だからセダンに集中しワゴンに作らない。
比較して乗られると良い評価が出ない。
そこは商売が下手なSUBARUで良い。
これで1400kgを下回る、
4WDスポーツセダンを作れば、
「STI SPORT」を名乗れるクルマになる。
GDAは1360kgなので、
何とか40㎏軽量化する必要がある。
エンジンは軽くならない。
搭載するエンジンはFA20直噴多ターボでは無く、
FB16直噴ターボのレギュラーガソリン仕様。
2.5リットルまでエンジンの寸法は変らないので、
基本的にフロントが重くなる要素が増える。
そこでMT車だけ開発し、
トランスミッションにTY75を採用する。
インテークマニフォールドを樹脂のままにせず、
アルミの鋳物で作り、
BRZのよう吸排気の口径を増やす。
インプレッサでは「愛」の戦略上必要だった、
各種エアバッグのうち歩行者用エアバッグは外して軽くする。
重くなるキーレスアクセス&プッシュスタートシステムの搭載も止める。
リニアトロニックだけでも相当重いので、
TY75型のMTにすると、
かなり軽くなるはずだ。
バッテリーも小さい物にして、
軽くする方が良い。
フォグランプレス、
クリアビューパックレス、
スポーツシートに換え、
パワーシートレス、
アドバンスドセイフティパッケージレス、
以上だ。
なぜこれが素晴らしいのかを、
正しく伝えるスキルが無いと、
良いクルマが売れない。
スバルサウンドを気持ちよく放つ、
軽々としたスポーツセダンを安価に作って、
是非クルマ好きの目を覚ましてやろうじゃ無いか。
絶対面白いぞ。
終わり
ソリッドの白いボディは、
湿った空気の中で際立っていた。
ピュアホワイトは平成8年に発売され、
最初こそ恐る恐るの出だしだったが、
結果的に大ヒットした美しい白だ。
純白にすると青みがかるので、
それを防ぐ努力を続け、
遂に完成させた名作だ。
このクルマが発売された当時、
国内ではSTI出なければWRXでは無いような風潮があった。
まだエアコンレスも選べたので、
一番安いSTIのスペックCだと274万円で用意されたが、
ほとんどの人達はブレンボやDCCD、
それにBBSの付いたSTIを求めた。
すると車体価格は331万円になった。
それでもSTIを求めた。
当時のラインナップではやむを得なかった。
何しろこの直前までNAのWRXまで作った時代だ。
そういう時だから、
廉価版のイメージしか持たない普通のWRXは、
ほとんどの人に見向きもされなかった。
今乗ると、
こんなに良いのに・・・・。
真っ赤なキャリパーとソリッドカラーのGTは、
スバルが大切にしてきた韻の再来だ。
スポーツカーには、
やはりソリッドカラーが相応しい。
STIのゴールドに対して、
WRXはガンメタリックのホイールを履いていた。
この時から対向キャリパーは、
ブラックから冴えたレッドに変った。
22Bから採用が始まった赤いキャリパーが、
白い車体と渋いガンメタのホイールに映えている。
こうして較べると、
BRZにピュアホワイトのボディカラーが似合うと力説する理由が分かるだろう。
ソリッドが欲しい。
パールはもう不要だ。
じっくり厚く染め上げた純白だ。
この当時のピュアホワイトより塗装の厚みを増せば、
パールよりダイナミック×ソリッドのデザインコンセプトに沿うだろう。
そして、
更に極めて面白い事実を見つけた。
他のグレードには無い、
BRZのGTだけに感じる優れた乗り心地は、
改良型DタイプのWRXとそっくりだ。
STI同様にスイープするレッドルミネセントメーターも手に入れた。
水平対向4気筒のDOHCターボエンジンに大きな変化は無いが、
シャシーにはかなりの改良が加えられた。
ホイールの強化がどうしても必要だった。
その前提として、
支えるハブやボールベアリングも大幅に強化する必要があった。
そこで持ち出したのが、
過去にSVXで採用したことのある設計基準だ。
このようにしてSTI系だけ、
ホイールのPCDが114.3に変更され、
リヤサスの軽量化も同時に進めた。
STIはラテラルリンクをアルミ化したが、
その恩恵を被り素のWRXも片側だけではあるものの、
アルミ化されバネ下重量の軽減に繫がった。
WRXのベースそのものを高めないと、
STIも劇的に向上しない。
これらの効果で、
羽の無い知的なWRXが誕生したのだが、
スバルはそれを上手く顧客に伝える術を持たなかった。
価格の割に装備も充実していた。
375パイのMOMO製本革巻ステアリングホイールや、
スポーツシートを標準装備し、
運転席にはスーパーシートリフターを備え、
ゼロ次安全性能も高められた。
面白い事実が浮かび上がるはずだ。
【車名】
インプレッサ WRX
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GDAD48D KL
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4415×1740×1425
ホイールベース(mm):2525
トレッド前/後(mm):1485/1480
最低地上高(㎜):140
車両重量(kg):1360
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCSターボ
内径×行程(mm):92.0×75.0
圧縮比:9.0
最高出力kW(PS):184(250)/6000rpm
最大トルクN・m(kgf・m):333(34.0)/3600rpm
【燃料供給装置】
EGI
【変速機】
5MT
【燃費】
11.8km/l (10・15モード)
【税抜車両本体価格】
2.478.000円
ボディカラー:ピュアホワイト
STIのブルーを基調としたインテリアに対して、
WRXは同じ形状のまま、
表皮をブラックとグレーのファブリック/ジャージに変えた。
こうしてWRXはSTIとは一味異なる、
扱いやすくて高性能なスポーツセダンに生まれ変わった。
このタイプから、
赤く塗装されたキャリパーを持つようになったと書いた。
フロントは16インチの対向4ポットで、
リヤは2ポットPODの対向ポットを持つディスクブレーキシステムを装備した。
それだけに留まらず、
EBD付4センサー4チャンネルABSを標準装備し、
ブレーキブースターを全車剛性アップした。
その上で超低膨張ブレーキホースを採用したので、
素晴らしくリニアな制動フィーリングを得ている。
遂に遂に・・・このタイプから、
WRXは全車倒立式4輪ストラットスポーツサスペンションを採用した。
そしてWRXにもリヤLSDを標準装備した。
しかも機械式では無く、
アクセルオンに合わせてリニアにLSD効果を発揮する、
トルク感応式のリヤデファレンシャルギヤ「シュアトラックLSD」だ。
だから走りの気持ち良さが違う。
後席がどうしても必要な人は知的なセダンを求める。
フォーマルなS4も良いけれど、
それはWRX STIの延長線上にあるクルマだ。
それにスポーツセダンはピュアスポーツかーと異なり、
車体全体が重くなる要素が増える。
だからNAエンジンでは駄目だ。
STIの300馬力オーバーのエンジンや、
ドライバーズコントロールデフまで必要ないが、
胸の空くような気持ちよい走りが欲しい。
このカスタマイズを見た瞬間に
見事に浮かび上がった。
後席にもカップホルダーが必要な人だった。
そして4WDシステムは、
ビスカスLSD付センターデフ式4WDと、
軽量高剛性な5速マニュアルを組み合わせた。
運転席スーパーシートリフターや、
オートエアコンなど快適装備も当たり前になった。
当時はSTIの陰に隠れて、
注目されない車だった。
だが今だからこそ、
このような良い車を作るべきだ。
今のラインナップなら、
正しく告知すれば絶対に埋もれない。
マニュアル好きにとって、
思わぬヒット作となるはずだ。
そして大切なことは、
スッキリしたトランクリッドにすることだ。
これほど知的なクルマになる。
知性を感じさせる物に絞り込む。
ステキなスポーツセダンを作るためには、
高度なセンスが要求され、
それを守る番人のような存在も必要だ。
このインプレッサのデザイナーは、
凄く実力があったのに、
開発する時間があまりにも短かったのだろう。
最初の丸目のセダンは、
ワゴンに較べ突出して面白いデザインだった。
性能もそうだが、
デザインの軸も良かったので、
年を追うごとにスポーツセダンらしくなった。
だから「Sシリーズ」がオーラを放った。
「S」は見事に蘇り、
これから孤高の道を歩むだろう。
それではGDAの様な面白いクルマをどうしたら作れるか。
提案したい。
阿部PGMはまだMTを諦めていないと明言した。
だからインプレッサ「G4」を使い、
三代目や四代目で繰り返した、
MTみそっかす路線を改めよう。
そして更に言えば、
インプレッサスポーツに同じパワートレインを搭載してはいけない。
売れれば良いと言うクルマでは無く、
明確にコンセプトを決めて買い手を限定するクルマにする。
インプレッサの走りは、
ワゴンよりセダンの方が奥の深さを持つ。
だからセダンに特化して、
高性能で安価なスポーツセダンを作る。
面白くて良いクルマが売れる土壌が育まれている。
昔は雑誌の評論でしか聞けなかった情報を、
今ではSNSで簡単に入手出来る。
金で動く論評では無く、
生の情報が手に入る。
ここに今書いているのも、
真実で生の情報だ。
今年のオートサロンに、
面白い提案があった。
果たして誰が買うのだろうか。
「WRX」と「WRX STI」を二頭立てした時のように、
失敗することはほぼ間違いないだろう。
ここでスペックを紹介しよう。
【車名】
インプレッサ G4 2.0i-S EyeSight
【駆動方式】
AWD(全輪駆動)
【型式】
GK7A4BL QFC
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4625×1775×1455
ホイールベース(mm):2670
トレッド前/後(mm):1540/1545
最低地上高(㎜):130
車両重量(kg):1400
最小回転半径(m):5.3
乗車定員 5名
【エンジン】
FB20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCS直噴
内径×行程(mm):84.0×90.0
圧縮比:12.5
最高出力kW(PS):113(154)/6000rpm
最大トルクN・m(kgf・m):196(20.0)/4000rpm
【燃料供給装置】
筒内直接燃料噴射装置
【変速機】
リニアトロニック(7速マニュアルモード付)
【燃費】
15.8km/l (JC08モード)
【税抜車両本体価格】
2.450.000円
ボディカラー:ピュアレッド
GDA型のWRXより28000円安い。
これから伝える理想のクルマになる。
価格は250万円以下のまま、
アイサイトもEPBも必要無いスポーツセダンを作る。
STIと名前を付ける以上、
標準車の自然吸気エンジンでは駄目なのだ。
それにいたずらなインチアップやローダウンは、
クルマの素性を悪化させる。
だが今度のインプレッサはXVの開発に基軸を置き、
SGPも完成させたので、
フォレスター同様に18インチホイールが簡単に装着できるレベルまで基幹性能が向上した。
解るかな。
白いGDAがSTIの戦闘能力を高めた恩恵を被ったのと、
全く同じ方程式だ。
かなり高いスポーツ性能を手に入れている。
ステアリングギヤ比は13:1を標準としているほどだ。
だからSTIがちょっと手を入れれば、
もの凄くレーシーなクルマになる。
その素性はG4の方が上だ。
だからセダンに集中しワゴンに作らない。
比較して乗られると良い評価が出ない。
そこは商売が下手なSUBARUで良い。
これで1400kgを下回る、
4WDスポーツセダンを作れば、
「STI SPORT」を名乗れるクルマになる。
GDAは1360kgなので、
何とか40㎏軽量化する必要がある。
エンジンは軽くならない。
搭載するエンジンはFA20直噴多ターボでは無く、
FB16直噴ターボのレギュラーガソリン仕様。
基本的にフロントが重くなる要素が増える。
そこでMT車だけ開発し、
トランスミッションにTY75を採用する。
インテークマニフォールドを樹脂のままにせず、
アルミの鋳物で作り、
BRZのよう吸排気の口径を増やす。
インプレッサでは「愛」の戦略上必要だった、
各種エアバッグのうち歩行者用エアバッグは外して軽くする。
重くなるキーレスアクセス&プッシュスタートシステムの搭載も止める。
リニアトロニックだけでも相当重いので、
TY75型のMTにすると、
かなり軽くなるはずだ。
バッテリーも小さい物にして、
軽くする方が良い。
フォグランプレス、
クリアビューパックレス、
スポーツシートに換え、
パワーシートレス、
アドバンスドセイフティパッケージレス、
以上だ。
なぜこれが素晴らしいのかを、
正しく伝えるスキルが無いと、
良いクルマが売れない。
スバルサウンドを気持ちよく放つ、
軽々としたスポーツセダンを安価に作って、
是非クルマ好きの目を覚ましてやろうじゃ無いか。
絶対面白いぞ。
終わり