暖かい1日だった。
早いもので間もなく一年になる。オークション会場で息も絶え絶えだったサンバーを連れ帰り、
ガルパンと名付けて再生させた。
色と言い、
全体の佇まいと言い、
理想に近い車だった。
車検整備が終わったので、
脚代わりに使い始めた。
小型貨物車として蘇らせたので、
毎年車検を受ける必要があるけれど、
古いクルマにはかえって好都合だ。
タイヤはヨコハマ製を選んだ。
特に指示したわけでは無いが、
整備士の杉本君が各社の製品を比較し、
コストパフォーマンスも考えた上で決めた。
軽快な走り味だ。
ステアリングも軽くなった。
特に高性能なクルマでは無いので、
タイヤの差ではさほど体感する事は無いかと思ったが、
バタンバタンと不快な印象だった乗り心地が、
比較的スムーズになった。
かなり古いタイヤが付いていたので、
差が出て当たり前だが、
貨物用のタイヤとして悪くない仕上がりだ。
正に「the・SAMBER」だ。
この空間は学生時代に乗り倒したK87を思い出させる。
東京の田無に暮らしている頃、
サンバーバンやREX5バンを乗り倒した。
アルバイトで百貨店の配送もしたし、
自分の引っ越しにサンバーを使ったら、
赤帽のおじさんに「ウチでアルバイトしないか」と誘われた。
面白いおじさんで、
赤帽なのにミニキャブに乗っていた。
その頃はもう中津スバルでアルバイトを始めていたので、
おじさんの要望に応えられなかったが、
もう一年早ければ、
そのおじさんの弟子になりたかった。
小回りのきくキャブオーバースタイル。
見切りはとても良い。
ただし、
この頃のクルマは衝突安全性能が著しく劣るので、
最近の「殺人カー」が至る所で増殖し始めた環境下では、
走行する時により一層注意が必要だ。
夜間は走らない。
高速道路も丁寧に走る。
自分より、
相手の責任で酷い目に遭うので、
出来るだけシティランナバウトとして使用して欲しい。
原付バイクより安全なので、
使い分ければ良い。
本当にあの当時を思い出す、
古くさいステアリングホイールだ。
付いてきたステアリングは、
ちょっと危険な要素があった。
だから北原課長が在庫の中から探し出したのだろう。
サンバーに乗って郷愁を感じていたら、
東京から丸川さんがTV2に乗って来店された。
一昨日きちんと見学を事前に申し込まれ、
昨日の朝、
余裕を持って到着された。
お土産をありがとうございました。
オーストラリアに旅行されたそうだ。
うん!
確かにオーストラリアの味だ。
オーストラリア人も甘いものが大好きで、
街中にチョコレートショップが建ち並ぶ。
懐かしく味わわせて戴きました。
それに加え、
「インプレッサハウスに飾って下さい」と、
奉納品を承った。
珍しいミニカーだ。
イギリスのハンバーサイドという警察署のパトカーらしい。
貴重品をありがとうございました。
そのあとかわら版を取りに行ったり、
慌ただしく一日が終わった。
ジムに滑り込んで、
コアリメイクに参加し、
もう一度会社に戻って残務を片付けた。
とても片付く状態では無かったので、
早く目覚めたついでに、
デスクワークを片付けることにした。
誰もいないオフィスに入ると、
かわら版が綺麗に積み上げられていた。
折り込み料がちょっと考えられないほど大幅な値上げになった。
昨日も触れたように、
有料購読して戴くお客様も増えたし、
離れた場所に新聞折り込んでももったいない気がした。
そこで今月から折り込み部数を一気に減らし、
その分を回数に回すことにした。
費用対効果を測定するための実験だ。
値上げが見直しのきっかけになった。
かわら版の横に頼んでおいたマニュアルが添えてあった。
大宮君が帰宅前に作ってくれていたようだ。
しっかり準備して、
お客様に喜んでもらおう。
チラシに書ける予算を、
もう少し狙いを定めて工夫して使う。
もう一つ見直すきっかけになったのは、
あのポルシェが中津川にチラシを撒いた。
最初見た時は嘘だと思ったが、
彼らもそこまでやらなければならない時代になったんだな。
チラシには一定の法則があるので、
それを試行錯誤の中から、
うまく有効に働くよう常に学ぶ必要がある。
そんな事を考えながら、
チラシの奥を見て、
昨日のお土産を思い出した。
ちょうど運び忘れたサブロクのミニカーもあったので、
ケースを掃除して運ぶことにした。
サブロクのケースは樹脂が少し黄ばんでいるが、
艶には衰えが無い。
ヘッドライトが黄ばむように、
光の強い所だと合成樹脂が紫外線で黄ばんでしまう。
インプレッサの方は、
黄ばんでいないが少しクラックが入っていたので、
箱から出して汚れも拭いて入れ直すことにした。
結局洗った方が早かったので、
サッと洗ってファイバークロス雑巾で拭いた。
ルーフのアンテナが曲がっているのが気になった。
ひょっこりさんに触発され、
修正を自分でやってみる気になった。
21年前に作られたポルトガルの製品で、
インプレッサにとってかなり有名なブランドだ。
やり慣れないことは止めた方が良かった。
幸いにも細い針なので、
刺して固定出来そうだった。
何とか差し込むことが出来た。
工房に行ってボンドを探したが、
こんな使えないモノしか見つからなかった。
しょうが無いので爪楊枝で根元に糊を盛って、
ケースの中にそっと収めた。
そんな事をしていたら、
丸川さんに取材されたことを思い出した。
ここに来るにあたって、
様々な質問を用意されていた。
どうしてスバルが好きなのか、
いつからか、
そこが・・・などかなり謎が多いようだった。
それもそのはずだ。
聞けば彼は東京電機大学を卒業して、
4月から新生(株)SUBARUにエンジニアとして入社する。
しかも大学時代にフォーミュラSAEプロジェクトに携わり、
パワートレインの設計と製作を担当したそうだ。
なるほど。
オーストラリアのお土産の持つ意味が良く分かった。
学生時代にサンバーを乗るっておこうという気構えも気に入った。
このようなプレゼンテーションを考えて、
富士重工の入社試験にも臨んだのだろう。
よく勉強している立派な青年だ。
彼も恐らく一番好きなのはインプレッサだろう。
何が好きですか?
と聞かれた時、
インプレッサと答えた。
特にインプレッサWRXが好きだ。
もしくはインプレッサWRXを、
レガシィで作るという野望を果たした、
BL系のspec.Bも良い。
夢は何ですかと丸川さんに聞かれたので、
「夢は無い、野望ならある」と答えた。
彼が帰ったあと、
「そういえばもう一つあったな」と思い出した。
BRZも凄く良い。
そんな事を考えていて、
あっと思い出した。
一昨日、
フラリと突然シムスレーシングの遠山さんが現れた。
三重県のイベントの帰りに、
わざわざ寄ってくれたのだが、
お互い時間が無くて少し話せただけだった。
次はこの前のように飲みに行きましょう。
お互いに何を話したかというと、
BRZの実戦における戦闘能力についてだった。
彼もBRZで様々なパーツを開発している。
BRZのタイムが伸びない理由は何か。
彼が言うにはファイナルレシオだという。
なるほど。
これが新型車より前のクルマの相場を上げる原因か。
「今年の86/BRZレースで、
開幕戦からしばらくの間、
クラブマンのトップクラスが、
プロレーサーを凌ぐ場面もありそうですよ」
遠山さんがニヤリと不敵に笑った。
幸いにも当社には新型のGTと旧型のRが揃っている。
理由がもう一つ分かった。
最初下ろしたBRZのRA,
あれが一番好きだった。
あのクルマ、
かなりハイギヤードだったんだ。
高速道路を走ると、
まるで滑るようだった。
阿部紹介が思いっきり金を掛けたデモカーより、
帰りの高速道路が愉しかった。
あのクルマ、
手放すんじゃ無かった。
Rに乗りたくなったので筆を置きたい。
続きをお楽しみに。
早いもので間もなく一年になる。オークション会場で息も絶え絶えだったサンバーを連れ帰り、
ガルパンと名付けて再生させた。
色と言い、
全体の佇まいと言い、
理想に近い車だった。
車検整備が終わったので、
脚代わりに使い始めた。
小型貨物車として蘇らせたので、
毎年車検を受ける必要があるけれど、
古いクルマにはかえって好都合だ。
特に指示したわけでは無いが、
整備士の杉本君が各社の製品を比較し、
コストパフォーマンスも考えた上で決めた。
ステアリングも軽くなった。
特に高性能なクルマでは無いので、
タイヤの差ではさほど体感する事は無いかと思ったが、
バタンバタンと不快な印象だった乗り心地が、
比較的スムーズになった。
かなり古いタイヤが付いていたので、
差が出て当たり前だが、
貨物用のタイヤとして悪くない仕上がりだ。
正に「the・SAMBER」だ。
この空間は学生時代に乗り倒したK87を思い出させる。
東京の田無に暮らしている頃、
サンバーバンやREX5バンを乗り倒した。
アルバイトで百貨店の配送もしたし、
自分の引っ越しにサンバーを使ったら、
赤帽のおじさんに「ウチでアルバイトしないか」と誘われた。
面白いおじさんで、
赤帽なのにミニキャブに乗っていた。
その頃はもう中津スバルでアルバイトを始めていたので、
おじさんの要望に応えられなかったが、
もう一年早ければ、
そのおじさんの弟子になりたかった。
小回りのきくキャブオーバースタイル。
見切りはとても良い。
ただし、
この頃のクルマは衝突安全性能が著しく劣るので、
最近の「殺人カー」が至る所で増殖し始めた環境下では、
走行する時により一層注意が必要だ。
夜間は走らない。
高速道路も丁寧に走る。
自分より、
相手の責任で酷い目に遭うので、
出来るだけシティランナバウトとして使用して欲しい。
原付バイクより安全なので、
使い分ければ良い。
古くさいステアリングホイールだ。
付いてきたステアリングは、
ちょっと危険な要素があった。
だから北原課長が在庫の中から探し出したのだろう。
サンバーに乗って郷愁を感じていたら、
東京から丸川さんがTV2に乗って来店された。
昨日の朝、
余裕を持って到着された。
お土産をありがとうございました。
オーストラリアに旅行されたそうだ。
うん!
確かにオーストラリアの味だ。
オーストラリア人も甘いものが大好きで、
街中にチョコレートショップが建ち並ぶ。
それに加え、
「インプレッサハウスに飾って下さい」と、
奉納品を承った。
イギリスのハンバーサイドという警察署のパトカーらしい。
貴重品をありがとうございました。
そのあとかわら版を取りに行ったり、
慌ただしく一日が終わった。
ジムに滑り込んで、
コアリメイクに参加し、
もう一度会社に戻って残務を片付けた。
とても片付く状態では無かったので、
早く目覚めたついでに、
デスクワークを片付けることにした。
かわら版が綺麗に積み上げられていた。
折り込み料がちょっと考えられないほど大幅な値上げになった。
昨日も触れたように、
有料購読して戴くお客様も増えたし、
離れた場所に新聞折り込んでももったいない気がした。
そこで今月から折り込み部数を一気に減らし、
その分を回数に回すことにした。
費用対効果を測定するための実験だ。
値上げが見直しのきっかけになった。
大宮君が帰宅前に作ってくれていたようだ。
しっかり準備して、
お客様に喜んでもらおう。
チラシに書ける予算を、
もう少し狙いを定めて工夫して使う。
もう一つ見直すきっかけになったのは、
あのポルシェが中津川にチラシを撒いた。
最初見た時は嘘だと思ったが、
彼らもそこまでやらなければならない時代になったんだな。
チラシには一定の法則があるので、
それを試行錯誤の中から、
うまく有効に働くよう常に学ぶ必要がある。
チラシの奥を見て、
昨日のお土産を思い出した。
ちょうど運び忘れたサブロクのミニカーもあったので、
ケースを掃除して運ぶことにした。
サブロクのケースは樹脂が少し黄ばんでいるが、
艶には衰えが無い。
ヘッドライトが黄ばむように、
光の強い所だと合成樹脂が紫外線で黄ばんでしまう。
インプレッサの方は、
黄ばんでいないが少しクラックが入っていたので、
箱から出して汚れも拭いて入れ直すことにした。
サッと洗ってファイバークロス雑巾で拭いた。
ひょっこりさんに触発され、
修正を自分でやってみる気になった。
インプレッサにとってかなり有名なブランドだ。
幸いにも細い針なので、
刺して固定出来そうだった。
工房に行ってボンドを探したが、
こんな使えないモノしか見つからなかった。
ケースの中にそっと収めた。
そんな事をしていたら、
丸川さんに取材されたことを思い出した。
様々な質問を用意されていた。
どうしてスバルが好きなのか、
いつからか、
そこが・・・などかなり謎が多いようだった。
それもそのはずだ。
聞けば彼は東京電機大学を卒業して、
4月から新生(株)SUBARUにエンジニアとして入社する。
しかも大学時代にフォーミュラSAEプロジェクトに携わり、
パワートレインの設計と製作を担当したそうだ。
オーストラリアのお土産の持つ意味が良く分かった。
学生時代にサンバーを乗るっておこうという気構えも気に入った。
このようなプレゼンテーションを考えて、
富士重工の入社試験にも臨んだのだろう。
よく勉強している立派な青年だ。
彼も恐らく一番好きなのはインプレッサだろう。
何が好きですか?
と聞かれた時、
インプレッサと答えた。
特にインプレッサWRXが好きだ。
もしくはインプレッサWRXを、
レガシィで作るという野望を果たした、
BL系のspec.Bも良い。
夢は何ですかと丸川さんに聞かれたので、
「夢は無い、野望ならある」と答えた。
「そういえばもう一つあったな」と思い出した。
BRZも凄く良い。
そんな事を考えていて、
あっと思い出した。
一昨日、
フラリと突然シムスレーシングの遠山さんが現れた。
わざわざ寄ってくれたのだが、
お互い時間が無くて少し話せただけだった。
次はこの前のように飲みに行きましょう。
お互いに何を話したかというと、
BRZの実戦における戦闘能力についてだった。
BRZのタイムが伸びない理由は何か。
彼が言うにはファイナルレシオだという。
なるほど。
これが新型車より前のクルマの相場を上げる原因か。
「今年の86/BRZレースで、
開幕戦からしばらくの間、
クラブマンのトップクラスが、
プロレーサーを凌ぐ場面もありそうですよ」
遠山さんがニヤリと不敵に笑った。
幸いにも当社には新型のGTと旧型のRが揃っている。
理由がもう一つ分かった。
最初下ろしたBRZのRA,
あれが一番好きだった。
あのクルマ、
かなりハイギヤードだったんだ。
高速道路を走ると、
まるで滑るようだった。
阿部紹介が思いっきり金を掛けたデモカーより、
帰りの高速道路が愉しかった。
あのクルマ、
手放すんじゃ無かった。
Rに乗りたくなったので筆を置きたい。
続きをお楽しみに。