ライフワークが何かと問われたら、迷うこと無く答える。
1.スバルが大好きだから、更にブランドの価値を高める。
2.その発展と永続的な繁栄のために働く。
それは決して夢では無い。大きな野望だ。
毎年それを実感する出来事がある。
「大きな夢」なら頓挫するだろう。ところが、野望は果たせる。
果たす事が目的だから、目標を定めたら、それに向かってまっしぐらに進めば良い。
そして大切なことを忘れてはいけない。野望を実現させるために、稼がなくてはならない。
「稼ぐ」というと生臭く聞こえるかもしれないが、企業活動を永続的に進めるために欠かせないことだ。
「全人類にスバルの良さを周知する」それくらいの意気込みも必要だろう。
お客様を見送って国道脇に立っていたら、目の前を撮影キャラバンが通過した。
お!カッコイイじゃないか。2台のロードバイクが連なって走る。その時信号が赤になった。2台の自転車と随伴車は先頭で停止した。そのミニバンは相模ナンバーだった。最近、神奈川からお客様が多い。
だから、何となく眺めていた。カメラを抱えた男性が身を乗り出し、自転車を走らせる様子を撮影していた。
「ほほー、楽しそうだ」と見つめていたら、自転車の男性がこちらを見て、にっこりと笑った。そして、「いつもブログを見てます!」と挨拶してくれた。
嬉しかった。
キャラバン隊のカメラマンは、こちらに向けて「バシャバシャッ」とシャッターを切った。
更に、「それを参考にしてSにしました!」と続いた。
「えっ?何のことですか」と問い返すと、「STIを買いました」
そう言い残して彼等は走り去っていった。
驚いたけど、気持ち良かった。爽やかな人達だった。コメントを楽しみに待っています。
彼等が走り去ると、すぐ愛知県のナンバーを付けたBMWが滑り込んできた。ドライバーが降りて、「この辺りにBMWのディーラーはありませんか?」と困った顔をした。まだ新しいクルマだった。
「この辺りにはありませんので多治見まで戻って下さい」そう告げると、「困ったな、警告ランプが点いて止まりそうなんだ」と言う。そして、「申し訳ないけど電話を掛ける間、ここに止めさせて戴いて良いですか」と言った。
「もちろん良いですよ」と答えた。しばらくしたら、その男性が店内に現れた。「BMWがクルマを取りに来るので、このまま待たせて戴けますか」と頼まれた。そこで、
「全く動けませんか」と尋ねると、「少し位なら問題はなさそうだ」と言われたので、「ここでは積載車に積みにくいでしょうから、工房へクルマを入れて下さい」とご案内した。
テリトリーを考えた時、生息数によって受け持つ広さが変わる。岐阜県内のBMWの拠点数は3つだ。
BMWの社員は礼儀正しい。
クルマを引き上げる時、丁寧に名刺を置いて挨拶して行かれた。
偶然だが、彼等もシルバーウイークに折り込みチラシを入れた。中津スバルが折り込んだ日だった。
この地域はBMWの拠点からかなり離れている。 情報発信の有効な手段の一つに、「折り込みチラシ」がある。中津スバルは30年以上前から、折り込みチラシを続けている。
昔に比べ回数が増えた。「かわら版」になり、最近では毎月2度入れることもある。だんだん楽しみにしてくれる人も増えてきた。
かわら版には、一般的にチラシで刺さる「ワード」を入れない。
定期的な情報発信で、ブランド力を持続的に高めるのが目的だ。
手っ取り早く、人々の嗜好をこちらにフォーカスさせるには、商品の中身に加え「嘘でも良いので」刺さる「ワード」が必要だ。
最近の傾向が良く解る。「決算」「10万円値引き」嘘でも良いから入れたヤツが勝ちだとばかりに、薄っぺらい内容が並ぶ。
マス広告だから企画も手ぬるい。最近は「10」がキーワードだから、何にでもこじつける。
来た人全員に「感じる秋」がプレゼントされそうなチラシもある。
太っ腹だなと感じても、中身は希薄だ。
良くも悪くもナショナルブランド化が進んでいる。チラシは手っ取り早く作れるが、中身は淋しい。あるチラシは、「総勢100名様に当たる!」と威勢が良い。でも、これは分子だ。
良く見ると全国キャンペーンと書いてある。その分母がどれだけあるのかまでは、一向に解らない。 その点、BMWは大した物だ。ドン!と中身で勝負し、拠点数の少なさをチラシでカバーしている。
しかしオモテの標準価格が500万円を超えるので、刺さるチラシにはなり得ない。でも、かなりの効果を出しているはずだ。
なぜそう推測できるのか。それは、この地域は田舎なので、伝統的に名古屋に向かって商圏が伸びている。それは「帚星」のような構成を産んで、
高額商品ほど西へ向かって購入ベクトルが働く。
BMWを買える場所が何処にでも在るわけでは無いので、広範囲のチラシも成り立つ。
ただし、大きな問題がある。
それはチラシに於ける限界価格だ。500万円はその限界を超えている。
でも興味を持つ客を店頭に呼べる。それを上手くキャッチできれば、
効率の良い販売が可能になる。
理論的にはそうだが、クルマ屋はどこでも大変だ。
なぜか・・・・・。それはアメリカナイズされた、馬鹿げた戦略のスタンダード化だ。
これは中小の商店も弱体化させてきた。いたる所にそれは垣間見える。
「マーケティング」とは、如何に市場の動向を分析し、自社の商品をたくさん買ってもらえるようにするか、またサービスの売上を高めるかに尽きる。
顧客満足度の調査もその一環だ。
顧客を満足させる手段に、「無料化」は切っても切れない「プライオリティ」だ。
そうじゃ無いと言う人も居るだろう。
でも断言できる。最も馬鹿げた米国の無料化は、「本の立ち読み」だろう。
20年ほど前から、米国では立ち読みを大歓迎する大規模な本屋が現れた。
何でもアメリカが一番だと信じている馬鹿なコンサルタント会社は、それは素晴らしいと持ち上げた。
腰や膝に問題を抱えている人の「分母」が多いアメリカと、日本の環境は少し異なる。アメリカでは通用しても、本屋が無料で「座ってもらう場所」まで用意し、立ち読みを無料で促進するなど、日本では「卑しい客」を増やすだけだ。
間違った平等意識だろう。
座って読みたければ「図書館」に行くべきだろう。
立ち読みなど、「うしろめたい」気持ちでやるべきなのに、堂々と許す店があるから、それが当たり前になる。
すると甘やかされた客が増え、図書館と大規模書店を混同するようになる。
高い税金を払っているので、無料で図書館を堂々と使うべきだ。そして行政は大規模書店並みに駐車場を完備し、住民サービスするべきだ。なのに、そういうことに金を使わない。図書館は時代遅れで、箱物行政はいけないと言う独善者が居た。それが民主主義というのなら仕方が無いが、そもそも人間は平等では無いのだ。
平等に甘やかされた人間は、常識と非常識の端境が解らなくなる。
その結果、さんざん書店で立ち読みしても、何も買わずに平気で帰る。
楽しんだから「お金を落とす」という基本的な「行儀」を忘れ、ただひたすら「平等」だけを追い求める様になる。
自動車会社にも同じ事が言える。カフェプロジェクトで成功したダイハツは、スイーツの力で女性客の心をガッチリ掴んだ。
横目でそれを見たスバルは、全国ディラーの中古車拠点の一つ一つまで、スバルスタンダードを強要した。
その結果、コーヒーからジュースまで、自由にメニューから選んで戴くスタイルが標準化している。
どこの自動車会社も、だいたい同じ状況だろう。
隣の犬がどこかに預けられてしまった。秋田犬の「ユウ」と毎朝挨拶していたのに、もう何ヶ月も顔を見ていない。
そこに野良猫が居着いた。隣の人は優しいので、既にネコを飼っていたこともあり、うろつく野良猫に餌を与えてしまった。
それ以来、その家を離れなくなり、時間が来ると「猫なで声」を出す。
あの「媚びる鳴き方」が「鳥肌が立つほど」嫌いだ。ネコ好きな人には申し訳ないが、「石を投げたくなる」ほど嫌だ。そして遂に犬小屋の使用を野良猫に許した。
日中は温々とその中で眠る。
朝夕毎日野良猫が、生きるために玄関先で媚びている。相手を見て「猫なで声」を放つ。
それが平気な人と、
シバイテ追い払いたい人には価値観の差がある。野良猫の出す声を聞くと、米国の自動車セールスの伝統的なしゃべり方を思い出す。
彼等は初対面の客に「ネコ撫で声」を使う。
これは米国社会で自動車ビジネスが形成される中で、根付いてしまった独特の癖だ。四半世紀前、初めて米国を訪れた。その時、クルマの販売環境に驚いた。日米であまりに大きな差があった。
訪問販売の無い米国では、クルマの受注は100%店頭だ。
来店した顧客を掴み契約を取る。だから土日だけの契約セールスも多い。
そこでは、「猫なで声」が必須アイテムだった。
ネコ嫌いには、米国のセールスが使う、独特の「ネコ撫で声」を好きになれない。
高いブランド力を持つBMWも、チラシ集客すると、「猫なで声」を使うようになるのかもしれない。
それは彼等に似合わない。そこに落ちていくと、常識が非常識になり、非常識が常識になる。
このあたりでは、
昔から人々が蜂を食べる習慣を持つ。
地蜂を食べることは当たり前だが、
さすがにオオスズメバチはあまり食べない。
焼酎に漬け、
薬にしたりするが、
食べるという話はあまり聞かなかった。
けれども最近では珍味として需要があり、
この様に売られている。
アブや蚊は血を吸うために人に群がる。
しかし蜂は刺激を与えない限り、
襲ってくることは無い。
しかし恐ろしいことには変わりない。
ここには「蜂は恐ろしい」という常識がある。
だからラッピングして並べることも、
決して非常識とは言い切れない。
これが新宿の高島屋だったらどうなるか。
不特定多数の人間が出入りする場所で、
これと同じ事を許されるはずが無い。
ほとんどテロに近いだろう。
「蜂は恐ろしい」と教えられていない者は、
容易にラップを破ることが出来る。
地域格差というけれど、
それは当たり前のことだ。
平等に出来るはずがない。
平等にしたら、
こんな光景を見ることは出来ないだろう。
動画の中に無邪気な子供が笑顔で写っている。
客と売り手の暗黙の了解があり、
このスタイルが定着している。
他にも「生きた蝮」が売られている。
ここは動物園では無いが、それよりリアルな観察が出来る。
働き蜂がけなげに働く姿が哀れだ。
大きな蜂が、
卵からかえった幼虫に、
口移しで何か与えているように見える。
ところがそれは全く違う。
成虫は攻撃力に特化している。
だから物を食べて消化する器官を持たない。
オオスズメバチは地蜂だ。
地中に巣を作り、
他の蜂の巣を襲う。
また昆虫を仕留めると筋肉だけを食いちぎり、
肉団子を作る。
それを幼虫に与え、
自らは幼虫が口から出す糖分を吸収する。
囚われの身なのに、
幼虫の面倒を見る姿に悲しみを感じたが、
調べてみると大間違いだった。
蜂の社会構造は、
持ちつ持たれつの関係が徹底し、
複雑で神秘的な世界を作っている。
商品となった今も、
働き蜂の存在が、
幼虫の鮮度を維持する「要」なのかもしれない。
企業の鮮度を維持する要は「お客様」だ。
お客様の中には「この店を育てたい」と思う方もあれば、
「単に情報だけが欲しい」という方もいらっしゃる。
フューチャーカスタマーという考え方もあるが、
基本的に「今」を重視してプライオリティを決める。
そして、
繁忙時には普段と違う体制を作る。
医療の世界には「トリアージ」という常識がある。
大規模災害など、多数の負傷者が出た時を想定している。
重篤な度合いに応じて、
治療のプライオリティを赤と黄色と緑色に分ける。
助かる見込の無い人は「黒」に仕分けられる。
黒を診察する者は誰も居ない。
ここに民主主義で言う、
平等など存在しない。
大きなイベントが重なり、
DEのCプランまで進めたので、
大変大きなエネルギーを使った。
珍しい光景だが、
見学するにもマナーが必要だ。
トリアージを考えると解るだろう。
「赤」:クルマを買うために来店された方。或いは事故や緊急の故障で給を要する者。
「黄」:継続商談で入店された方。或いは点検整備や車検整備など期間限定の予約作業。
「緑」:クルマを買いたくて探しに来た人。事前登録してオフ会や見学を申し込んだ人。
「黒」:見に来た、遊びに来た、ただ情報だけが無料で欲しい。
ここにはメーカーの推奨するスバルスタンダードは通用しない。
即ち薄っぺらい平等意識など無いと言うことだ。
この様子から空気を読んで、
丁寧に挨拶して見学する人も居る。
離れたところで邪魔にならぬよう、
気遣いもしてくれる。
そういう人も居れば、
そうで無い人も居る。
見かけないレガシィが店頭に横付けされた。
他府県のナンバーで、
見たことも無いクルマだから、
御得意様では無いことは一目で解る。
ご用件を伺うと、
「見学に来た」と言うので、
裏にある駐車場を案内した。
「解りました」と言ったのに、
そこから移動するどころか、
並んでいる22Bの近くへバックで移動してきた。
もしもの事があったら大変だ。
静止して何をするのか目的を聞くと、
運転席で悪びれた様子も無く、
「一緒に記念写真を撮りたくて」と言った。
丁重に「困ります」とお断りして、
移動を促した。
そして来場登録した上で見学するように諭した。
アンケートなども渡したはずだが、
見当たらないし挨拶やお礼があったかも定かでは無い。
その人が展示場でした事は、
知らない人の家に、
いきなり玄関から土足で上がり込み、
勝手に家の中を見てお礼も言わずに帰るという行為だ。
でも良く考えて欲しい。
その人が悪いのでは無い。
自動車会社各社が甘やかした対応を続けるうちに、
非常識が常識になったのだ。
すると、
常識的な扱いにたいして不満を感じる、
嫌な世の中が形成されてしまった。
プライオリティは、
まず生存することが一番に来る。
ここには蜂の世界のように、
持ちつ持たれつの関係がある。
企業を営む基礎だ。
次に、
この会社を「育てたい」と思うお客様を大切にする。
きちんと玄関から靴を脱いで入って戴く方なら、
丁寧にもてなす。
そして感動の時間を共有する。
それが解らない人は、
トリアージで示す「黒」に他ならない。
アルシオーネSVXの24周年を祝うイベントが、
中津スバルで開かれた。
一月ほど前に申し込みを戴き、
喜んで会場を提供させて戴いた。
思い思いのSVXで集まり、
自由に歓談するという内容だったので、
社員駐車場を開放した。
望桜荘も全面的に開放し自由に使って戴いた。
最初にご挨拶すると、
主催者の牛嶋さんに寄せ書きを頂戴した。
そればかりか、
凄いサプライズを頂戴した。
桐の箱だった。
それを開けるとワインが収められていた。
しかも一つ一つ手造りで、
名前まで刻んである。
これには驚いた。素晴らしいプレゼントだ。
他にも参加された皆様に、
多くのお心遣いを戴いた。
本当にありがとうございました。
それに対して、
お話しする時間を充分取れなかった。
申し訳ありませんでした。
挨拶の後でDEの予約が入っていたので、
すぐに準備を整えた。
埼玉から小暮さんご夫妻がいらっしゃった。
珍しい御神酒をありがとうございました。
一日でリフレッシュメンテナンスを施す間に、
Cプランを夫婦で体験されるという新企画だ。
2ヶ月前からご予約を戴き、
この日に備えプライオリティを定めた。
既にA・Bと体験され、
初めて後輪駆動車でレクチャーを受けられた。
奥様の役にも立った。
より客観的にドライブスキルを見ることが出来るようになり、
帰路になると、
ターンポイントをご主人にアドバイスできるようになった。
開田高原でフルコースのレクチャーと、
楽しい観光ポイントを案内した。
最高の天気だった。
まだ青々としたコナラを見て、
その後は馬と戯れて戴いた。
流石に大型哺乳類の近くは、
初体験だと怖いところがある。
着いた時には一頭も居なかったが、
こうして無事呼び寄せることが出来た。
DEから戻ると真っ暗になっていた。
SVXの皆さんをお見送りできなくて、
申し訳ありませんでした。
また是非お集まり下さい。
彼等がお帰りになった後、
社内で24周年アニバーサリーミーティングを絶賛する声が湧いた。
その理由は、
1.ゴミ箱を用意しなかったにも関わらず、紙くず一つ落ちていなかった。
2.使った座布団をキレイに積んでくれていた。
しかもただ積むだけで無く、
使ったモノと使わなかったモノを一目で解るように分けてあった。
3.どのSVXも人前に出す事を意識した美しいクルマばかりだった。
「大切に飼われている」と命を感じさせた。
いくつかのミーティングを開くと、
どうしても比較の対象になる。
それは仕方が無い。
SVXのミーティング参加者はオトナだった。
それに対して、
もう一つの方は、
1.ゴミ箱を用意したがそれに甘え空き缶まで突っ込んだ。
2.座布団は使いっぱなし。
後始末より自分たちの興奮に酔いしれた。
クルマを前にすると人の言うことがほとんど聞けない。
3.異常なほどクルマを労る。
家畜では無く恋人の代用品だ。
明らかにコドモだ。
甘やかしたので、
行儀が悪くなった。
でも、
これは仕方が無い。
この集まりは特別で、
「法事」のような物だ。
代田家では罰当たりなことに、
先祖を敬う宗教的な行事を一切やらない。
父が神も仏も都合の良い時しか信じないからだ。
だから、
その影響でこれからも無いだろう。
このオフ会だけは同好の集まりだと簡単に言い切れるものでは無い。
徐々に「身内の集まり」になりつつある。なぜか。それは「22B」という強運の持ち主が核にになっているからだ。
従って、彼等には言いにくい事を平気で言う。その方がお互いに幸せになれる。
中津スバルを「スバリストの聖地」と名付けたのは、彼等に他ならない。
中津スバルも、22Bオーナー達も、この集まりが始まってから、幸せになる事はあっても、不幸になったと聞いた事が無い。
だから子供じみた真似をすると、人前でも平気で叱りつける。
縁起の悪いことをするヤツも同じだ。
行儀が悪くても、彼等なら許せる。
なぜか・・・それは躾ける楽しみがあるからだ。
お互い子供で無ければ、酔狂な集まりを死ぬまで続けることは出来ないからね。
この楽しい集まりの話は、次の機会に。
1.スバルが大好きだから、更にブランドの価値を高める。
2.その発展と永続的な繁栄のために働く。
それは決して夢では無い。大きな野望だ。
毎年それを実感する出来事がある。
「大きな夢」なら頓挫するだろう。ところが、野望は果たせる。
果たす事が目的だから、目標を定めたら、それに向かってまっしぐらに進めば良い。
そして大切なことを忘れてはいけない。野望を実現させるために、稼がなくてはならない。
「稼ぐ」というと生臭く聞こえるかもしれないが、企業活動を永続的に進めるために欠かせないことだ。
「全人類にスバルの良さを周知する」それくらいの意気込みも必要だろう。
お客様を見送って国道脇に立っていたら、目の前を撮影キャラバンが通過した。
お!カッコイイじゃないか。2台のロードバイクが連なって走る。その時信号が赤になった。2台の自転車と随伴車は先頭で停止した。そのミニバンは相模ナンバーだった。最近、神奈川からお客様が多い。
だから、何となく眺めていた。カメラを抱えた男性が身を乗り出し、自転車を走らせる様子を撮影していた。
「ほほー、楽しそうだ」と見つめていたら、自転車の男性がこちらを見て、にっこりと笑った。そして、「いつもブログを見てます!」と挨拶してくれた。
嬉しかった。
キャラバン隊のカメラマンは、こちらに向けて「バシャバシャッ」とシャッターを切った。
更に、「それを参考にしてSにしました!」と続いた。
「えっ?何のことですか」と問い返すと、「STIを買いました」
そう言い残して彼等は走り去っていった。
驚いたけど、気持ち良かった。爽やかな人達だった。コメントを楽しみに待っています。
彼等が走り去ると、すぐ愛知県のナンバーを付けたBMWが滑り込んできた。ドライバーが降りて、「この辺りにBMWのディーラーはありませんか?」と困った顔をした。まだ新しいクルマだった。
「この辺りにはありませんので多治見まで戻って下さい」そう告げると、「困ったな、警告ランプが点いて止まりそうなんだ」と言う。そして、「申し訳ないけど電話を掛ける間、ここに止めさせて戴いて良いですか」と言った。
「もちろん良いですよ」と答えた。しばらくしたら、その男性が店内に現れた。「BMWがクルマを取りに来るので、このまま待たせて戴けますか」と頼まれた。そこで、
「全く動けませんか」と尋ねると、「少し位なら問題はなさそうだ」と言われたので、「ここでは積載車に積みにくいでしょうから、工房へクルマを入れて下さい」とご案内した。
テリトリーを考えた時、生息数によって受け持つ広さが変わる。岐阜県内のBMWの拠点数は3つだ。
BMWの社員は礼儀正しい。
クルマを引き上げる時、丁寧に名刺を置いて挨拶して行かれた。
偶然だが、彼等もシルバーウイークに折り込みチラシを入れた。中津スバルが折り込んだ日だった。
この地域はBMWの拠点からかなり離れている。
昔に比べ回数が増えた。「かわら版」になり、最近では毎月2度入れることもある。だんだん楽しみにしてくれる人も増えてきた。
かわら版には、一般的にチラシで刺さる「ワード」を入れない。
定期的な情報発信で、ブランド力を持続的に高めるのが目的だ。
手っ取り早く、人々の嗜好をこちらにフォーカスさせるには、商品の中身に加え「嘘でも良いので」刺さる「ワード」が必要だ。
最近の傾向が良く解る。「決算」「10万円値引き」嘘でも良いから入れたヤツが勝ちだとばかりに、薄っぺらい内容が並ぶ。
マス広告だから企画も手ぬるい。最近は「10」がキーワードだから、何にでもこじつける。
来た人全員に「感じる秋」がプレゼントされそうなチラシもある。
太っ腹だなと感じても、中身は希薄だ。
良くも悪くもナショナルブランド化が進んでいる。チラシは手っ取り早く作れるが、中身は淋しい。あるチラシは、「総勢100名様に当たる!」と威勢が良い。でも、これは分子だ。
良く見ると全国キャンペーンと書いてある。その分母がどれだけあるのかまでは、一向に解らない。
しかしオモテの標準価格が500万円を超えるので、刺さるチラシにはなり得ない。でも、かなりの効果を出しているはずだ。
なぜそう推測できるのか。それは、この地域は田舎なので、伝統的に名古屋に向かって商圏が伸びている。それは「帚星」のような構成を産んで、
高額商品ほど西へ向かって購入ベクトルが働く。
BMWを買える場所が何処にでも在るわけでは無いので、広範囲のチラシも成り立つ。
ただし、大きな問題がある。
それはチラシに於ける限界価格だ。500万円はその限界を超えている。
でも興味を持つ客を店頭に呼べる。それを上手くキャッチできれば、
効率の良い販売が可能になる。
理論的にはそうだが、クルマ屋はどこでも大変だ。
なぜか・・・・・。それはアメリカナイズされた、馬鹿げた戦略のスタンダード化だ。
これは中小の商店も弱体化させてきた。いたる所にそれは垣間見える。
「マーケティング」とは、如何に市場の動向を分析し、自社の商品をたくさん買ってもらえるようにするか、またサービスの売上を高めるかに尽きる。
顧客満足度の調査もその一環だ。
顧客を満足させる手段に、「無料化」は切っても切れない「プライオリティ」だ。
そうじゃ無いと言う人も居るだろう。
でも断言できる。最も馬鹿げた米国の無料化は、「本の立ち読み」だろう。
20年ほど前から、米国では立ち読みを大歓迎する大規模な本屋が現れた。
何でもアメリカが一番だと信じている馬鹿なコンサルタント会社は、それは素晴らしいと持ち上げた。
腰や膝に問題を抱えている人の「分母」が多いアメリカと、日本の環境は少し異なる。アメリカでは通用しても、本屋が無料で「座ってもらう場所」まで用意し、立ち読みを無料で促進するなど、日本では「卑しい客」を増やすだけだ。
間違った平等意識だろう。
座って読みたければ「図書館」に行くべきだろう。
立ち読みなど、「うしろめたい」気持ちでやるべきなのに、堂々と許す店があるから、それが当たり前になる。
すると甘やかされた客が増え、図書館と大規模書店を混同するようになる。
高い税金を払っているので、無料で図書館を堂々と使うべきだ。そして行政は大規模書店並みに駐車場を完備し、住民サービスするべきだ。なのに、そういうことに金を使わない。図書館は時代遅れで、箱物行政はいけないと言う独善者が居た。それが民主主義というのなら仕方が無いが、そもそも人間は平等では無いのだ。
平等に甘やかされた人間は、常識と非常識の端境が解らなくなる。
その結果、さんざん書店で立ち読みしても、何も買わずに平気で帰る。
楽しんだから「お金を落とす」という基本的な「行儀」を忘れ、ただひたすら「平等」だけを追い求める様になる。
自動車会社にも同じ事が言える。カフェプロジェクトで成功したダイハツは、スイーツの力で女性客の心をガッチリ掴んだ。
横目でそれを見たスバルは、全国ディラーの中古車拠点の一つ一つまで、スバルスタンダードを強要した。
その結果、コーヒーからジュースまで、自由にメニューから選んで戴くスタイルが標準化している。
どこの自動車会社も、だいたい同じ状況だろう。
隣の犬がどこかに預けられてしまった。秋田犬の「ユウ」と毎朝挨拶していたのに、もう何ヶ月も顔を見ていない。
そこに野良猫が居着いた。隣の人は優しいので、既にネコを飼っていたこともあり、うろつく野良猫に餌を与えてしまった。
それ以来、その家を離れなくなり、時間が来ると「猫なで声」を出す。
あの「媚びる鳴き方」が「鳥肌が立つほど」嫌いだ。ネコ好きな人には申し訳ないが、「石を投げたくなる」ほど嫌だ。そして遂に犬小屋の使用を野良猫に許した。
日中は温々とその中で眠る。
朝夕毎日野良猫が、生きるために玄関先で媚びている。相手を見て「猫なで声」を放つ。
それが平気な人と、
シバイテ追い払いたい人には価値観の差がある。野良猫の出す声を聞くと、米国の自動車セールスの伝統的なしゃべり方を思い出す。
彼等は初対面の客に「ネコ撫で声」を使う。
これは米国社会で自動車ビジネスが形成される中で、根付いてしまった独特の癖だ。四半世紀前、初めて米国を訪れた。その時、クルマの販売環境に驚いた。日米であまりに大きな差があった。
訪問販売の無い米国では、クルマの受注は100%店頭だ。
来店した顧客を掴み契約を取る。だから土日だけの契約セールスも多い。
そこでは、「猫なで声」が必須アイテムだった。
ネコ嫌いには、米国のセールスが使う、独特の「ネコ撫で声」を好きになれない。
高いブランド力を持つBMWも、チラシ集客すると、「猫なで声」を使うようになるのかもしれない。
それは彼等に似合わない。そこに落ちていくと、常識が非常識になり、非常識が常識になる。
このあたりでは、
昔から人々が蜂を食べる習慣を持つ。
地蜂を食べることは当たり前だが、
さすがにオオスズメバチはあまり食べない。
焼酎に漬け、
薬にしたりするが、
食べるという話はあまり聞かなかった。
けれども最近では珍味として需要があり、
この様に売られている。
しかし蜂は刺激を与えない限り、
襲ってくることは無い。
しかし恐ろしいことには変わりない。
ここには「蜂は恐ろしい」という常識がある。
だからラッピングして並べることも、
決して非常識とは言い切れない。
これが新宿の高島屋だったらどうなるか。
不特定多数の人間が出入りする場所で、
これと同じ事を許されるはずが無い。
ほとんどテロに近いだろう。
「蜂は恐ろしい」と教えられていない者は、
容易にラップを破ることが出来る。
地域格差というけれど、
それは当たり前のことだ。
平等に出来るはずがない。
平等にしたら、
こんな光景を見ることは出来ないだろう。
動画の中に無邪気な子供が笑顔で写っている。
客と売り手の暗黙の了解があり、
このスタイルが定着している。
他にも「生きた蝮」が売られている。
働き蜂がけなげに働く姿が哀れだ。
大きな蜂が、
卵からかえった幼虫に、
口移しで何か与えているように見える。
ところがそれは全く違う。
成虫は攻撃力に特化している。
だから物を食べて消化する器官を持たない。
オオスズメバチは地蜂だ。
地中に巣を作り、
他の蜂の巣を襲う。
また昆虫を仕留めると筋肉だけを食いちぎり、
肉団子を作る。
それを幼虫に与え、
自らは幼虫が口から出す糖分を吸収する。
囚われの身なのに、
幼虫の面倒を見る姿に悲しみを感じたが、
調べてみると大間違いだった。
蜂の社会構造は、
持ちつ持たれつの関係が徹底し、
複雑で神秘的な世界を作っている。
商品となった今も、
働き蜂の存在が、
幼虫の鮮度を維持する「要」なのかもしれない。
企業の鮮度を維持する要は「お客様」だ。
お客様の中には「この店を育てたい」と思う方もあれば、
「単に情報だけが欲しい」という方もいらっしゃる。
フューチャーカスタマーという考え方もあるが、
基本的に「今」を重視してプライオリティを決める。
そして、
繁忙時には普段と違う体制を作る。
医療の世界には「トリアージ」という常識がある。
大規模災害など、多数の負傷者が出た時を想定している。
重篤な度合いに応じて、
治療のプライオリティを赤と黄色と緑色に分ける。
助かる見込の無い人は「黒」に仕分けられる。
黒を診察する者は誰も居ない。
ここに民主主義で言う、
平等など存在しない。
大きなイベントが重なり、
DEのCプランまで進めたので、
大変大きなエネルギーを使った。
見学するにもマナーが必要だ。
トリアージを考えると解るだろう。
「赤」:クルマを買うために来店された方。或いは事故や緊急の故障で給を要する者。
「黄」:継続商談で入店された方。或いは点検整備や車検整備など期間限定の予約作業。
「緑」:クルマを買いたくて探しに来た人。事前登録してオフ会や見学を申し込んだ人。
「黒」:見に来た、遊びに来た、ただ情報だけが無料で欲しい。
ここにはメーカーの推奨するスバルスタンダードは通用しない。
即ち薄っぺらい平等意識など無いと言うことだ。
この様子から空気を読んで、
丁寧に挨拶して見学する人も居る。
離れたところで邪魔にならぬよう、
気遣いもしてくれる。
そういう人も居れば、
そうで無い人も居る。
見かけないレガシィが店頭に横付けされた。
他府県のナンバーで、
見たことも無いクルマだから、
御得意様では無いことは一目で解る。
ご用件を伺うと、
「見学に来た」と言うので、
裏にある駐車場を案内した。
「解りました」と言ったのに、
そこから移動するどころか、
並んでいる22Bの近くへバックで移動してきた。
もしもの事があったら大変だ。
静止して何をするのか目的を聞くと、
運転席で悪びれた様子も無く、
「一緒に記念写真を撮りたくて」と言った。
丁重に「困ります」とお断りして、
移動を促した。
そして来場登録した上で見学するように諭した。
アンケートなども渡したはずだが、
見当たらないし挨拶やお礼があったかも定かでは無い。
その人が展示場でした事は、
知らない人の家に、
いきなり玄関から土足で上がり込み、
勝手に家の中を見てお礼も言わずに帰るという行為だ。
でも良く考えて欲しい。
その人が悪いのでは無い。
自動車会社各社が甘やかした対応を続けるうちに、
非常識が常識になったのだ。
すると、
常識的な扱いにたいして不満を感じる、
嫌な世の中が形成されてしまった。
プライオリティは、
まず生存することが一番に来る。
ここには蜂の世界のように、
持ちつ持たれつの関係がある。
企業を営む基礎だ。
次に、
この会社を「育てたい」と思うお客様を大切にする。
きちんと玄関から靴を脱いで入って戴く方なら、
丁寧にもてなす。
そして感動の時間を共有する。
それが解らない人は、
トリアージで示す「黒」に他ならない。
アルシオーネSVXの24周年を祝うイベントが、
中津スバルで開かれた。
一月ほど前に申し込みを戴き、
喜んで会場を提供させて戴いた。
思い思いのSVXで集まり、
自由に歓談するという内容だったので、
社員駐車場を開放した。
凄いサプライズを頂戴した。
それを開けるとワインが収められていた。
名前まで刻んである。
これには驚いた。素晴らしいプレゼントだ。
多くのお心遣いを戴いた。
本当にありがとうございました。
それに対して、
お話しする時間を充分取れなかった。
申し訳ありませんでした。
挨拶の後でDEの予約が入っていたので、
すぐに準備を整えた。
珍しい御神酒をありがとうございました。
一日でリフレッシュメンテナンスを施す間に、
Cプランを夫婦で体験されるという新企画だ。
2ヶ月前からご予約を戴き、
この日に備えプライオリティを定めた。
初めて後輪駆動車でレクチャーを受けられた。
奥様の役にも立った。
帰路になると、
ターンポイントをご主人にアドバイスできるようになった。
楽しい観光ポイントを案内した。
まだ青々としたコナラを見て、
流石に大型哺乳類の近くは、
初体験だと怖いところがある。
着いた時には一頭も居なかったが、
DEから戻ると真っ暗になっていた。
SVXの皆さんをお見送りできなくて、
申し訳ありませんでした。
また是非お集まり下さい。
彼等がお帰りになった後、
社内で24周年アニバーサリーミーティングを絶賛する声が湧いた。
その理由は、
1.ゴミ箱を用意しなかったにも関わらず、紙くず一つ落ちていなかった。
2.使った座布団をキレイに積んでくれていた。
しかもただ積むだけで無く、
使ったモノと使わなかったモノを一目で解るように分けてあった。
3.どのSVXも人前に出す事を意識した美しいクルマばかりだった。
「大切に飼われている」と命を感じさせた。
いくつかのミーティングを開くと、
どうしても比較の対象になる。
それは仕方が無い。
SVXのミーティング参加者はオトナだった。
それに対して、
もう一つの方は、
1.ゴミ箱を用意したがそれに甘え空き缶まで突っ込んだ。
2.座布団は使いっぱなし。
後始末より自分たちの興奮に酔いしれた。
クルマを前にすると人の言うことがほとんど聞けない。
3.異常なほどクルマを労る。
家畜では無く恋人の代用品だ。
明らかにコドモだ。
甘やかしたので、
行儀が悪くなった。
でも、
これは仕方が無い。
この集まりは特別で、
「法事」のような物だ。
代田家では罰当たりなことに、
先祖を敬う宗教的な行事を一切やらない。
父が神も仏も都合の良い時しか信じないからだ。
だから、
その影響でこれからも無いだろう。
このオフ会だけは同好の集まりだと簡単に言い切れるものでは無い。
従って、彼等には言いにくい事を平気で言う。その方がお互いに幸せになれる。
中津スバルを「スバリストの聖地」と名付けたのは、彼等に他ならない。
中津スバルも、22Bオーナー達も、この集まりが始まってから、幸せになる事はあっても、不幸になったと聞いた事が無い。
だから子供じみた真似をすると、人前でも平気で叱りつける。
縁起の悪いことをするヤツも同じだ。
行儀が悪くても、彼等なら許せる。
なぜか・・・それは躾ける楽しみがあるからだ。
お互い子供で無ければ、酔狂な集まりを死ぬまで続けることは出来ないからね。
この楽しい集まりの話は、次の機会に。