今月は移動距離が増え、
時間軸がずれたような錯覚に陥る。
岐阜県を代表する街の一つ、
旧古川町(現在の飛騨市古川)に行ってきた。
初めて来て驚いた。
同じ県に住んでいて恥ずかしい話だ。
こんなに素敵な街とは思わなかった。
訪問先は井之廣製菓舗さん。
明治時代から100年以上続く、
「味噌煎餅」の老舗だ。
紹介したスペシャルな商品の他にも、
生姜や酒粕など、
様々な工夫を施した商品がある。
味はまたゆっくり紹介しよう。
夕暮れの佇まいが素敵な街だ。
近くに酒蔵も二軒ある。
最近のトピックスは、
上映後大ヒットとしている「君の名は」だ。
この映画に出る街のモデルになったらしい。
スバルは古い街並みに似合う。
映画に出たスバルは沢山ある。
その中でも特に宮崎アニメ「おもひでぽろぽろ」に、
スバルR-2が使われた事が印象深い。
昴整備工房にR-2がやって来て、
レヴォーグと仲良く肩を並べた。
この「スバルR-2」を保存する事になった。
不思議な縁が途切れない。
こうして見比べるとR-2のシンプルな魅力が良く分かる。
当時の工房にタイムスリップしてみよう。
レヴォーグの代わりにスバルFF-1が並んでいた。
もう一台肩を並べたのが望桜荘にあるサンバーだった。
こうやって思い出すと符号が解る。
当時の開発者達はハイフォンに拘った。
FFで一番とか、
RRで二代目などと考えて付けたんだろうな。
両方とも同じ年にデビューした。
R-2が発売されたのは昭和44年だった。
この頃のスバルは全体的にシンプルで素敵なデザインだった。
これ以降になると、
悪趣味な悪い癖が出るようになる。
それはマイナーチェンジの度に顔つきが悪くなる事で、
昭和50年代が終わるまで続いた。
最近のスバルデザインでは考えられない過去だ。
まず翌年からサンバーの顔つきがおかしくなった。
モデルチェンジした事を誇示しないと売れなかったのだろう。
上品な顔に入れ墨のようなSUBARUが刻まれた。
FF-1はスバル1000の良さを引き立てた。
それこそ現在のスバルデザインの原型だろう。
ところがサンバーが醜悪な顔になった途端、
次にFF-1が1300Gになると、
それはどう見ても救いようのないブス顔になった。
まさしく、
デザインの責任者が替わった事を裏付けた。
今のスバルでは考えられないほど、
当時はデザイン力に欠けた時代で、
レオーネ レックス ストロングサンバーへと悪魔の歴史が続いていく。
可愛そうに、
R-2は単なる短命な生涯ではなく、
最後はドブスな顔にされ散々な目に遭わされて引退した。
昭和47年に僅か2年と11ヶ月で悲劇の生涯を閉じた。
デザイン部長は常に重い責任を背負う。
自覚の無い人が担当者になると、
後世に残る失敗をする。
慌てて開発されたレックスは、
後方視界が悪く酷いクルマだった。
吉田拓郎をイメージキャラクターに据えたのが新鮮だったくらいで、
レオーネ同様のコークボトルラインを強調した、
トレンドラインを安易に追っただけの駄作だった。
決して格好の悪くなかったサブロクが、
長年造られ古くさくなった。
そのために、
いくら良いデザインポリシーでも、
トレンドから外れ「スバルはかっこうわるい」と貶された。
そこでじっくりブランドを燻蒸させる余裕など無い。
当時は高度成長期のまっただ中だった。
R-2のどこが悪いんだよ。
前オーナー小森さんも、
きっとその思いが強かったはずだ。
ギュッと中に凝縮している。
心を込めて磨き直す。
このクルマが中津スバルの新たな仲間となった。
小森さんが手に入れてから、
メンテナンスを担当し続けた。
主の居なくなったR-2はどこか寂しげだ
ボディを綺麗にしてやりたい。
何となく華が無い。
新型インプレッサもイメージカラーをシルバーにしたので、
もの凄く損をしている。
このR-2もまさにネズミ色で地味そのものだ。
隣の妻の方が10歳くらい年上なのに、
遙かに若々しくて艶がある。
オリジナルカラーに見えるが、
幾度となく塗り直されたようで、
色斑や塗料垂れが彼方此方にある。
ネズミ色と言うより、
これではドブネズミだ。
安全に乗るためにシートベルトが加えられ、
丁寧に管理されていたようだが、
素人のメンテナンスではそろそろ限界だ。
この頃のクルマは湿気がこもりやすく、
油断するとカビだらけになる。
このクルマも例外では無い。
綺麗にスチームクリーナーで清掃し、
シートも張り替えてやりたい。
オーナメント等もしっかり揃っている。
今見ると質が高いデザインだが、
あの時代に「辛抱」と言う文字は似合わなかった。
十年以上経って突然ブレイクした事がある。
ただでさえ2ストロークは人気が無くなり、
逆発進するのでボコボコに世論で叩かれた。
都会ではそれ相応に売れたので、
下取りしたR-2がいくらでも安い値段で入手できた。
中古車を父がドンドン仕入れ、
それをリフレッシュしてガンガン売った。
黄色 水色 深紅 等のカラフルなR-2は、
この地方のオシャレな若者にウケた。
塗り直そうかな。
どうしようかな。
黄色にしようかな。
水色が良いかな。
まずバラバラにする事が先決だけど、
ブレーキも効かないしエンジンも掛からない。
それを直さなくちゃ。
次の答えは自然に導かれるだろう。
終わり
時間軸がずれたような錯覚に陥る。
岐阜県を代表する街の一つ、
旧古川町(現在の飛騨市古川)に行ってきた。
同じ県に住んでいて恥ずかしい話だ。
こんなに素敵な街とは思わなかった。
訪問先は井之廣製菓舗さん。
明治時代から100年以上続く、
「味噌煎餅」の老舗だ。
紹介したスペシャルな商品の他にも、
生姜や酒粕など、
様々な工夫を施した商品がある。
味はまたゆっくり紹介しよう。
夕暮れの佇まいが素敵な街だ。
近くに酒蔵も二軒ある。
最近のトピックスは、
上映後大ヒットとしている「君の名は」だ。
この映画に出る街のモデルになったらしい。
スバルは古い街並みに似合う。
その中でも特に宮崎アニメ「おもひでぽろぽろ」に、
スバルR-2が使われた事が印象深い。
昴整備工房にR-2がやって来て、
レヴォーグと仲良く肩を並べた。
不思議な縁が途切れない。
こうして見比べるとR-2のシンプルな魅力が良く分かる。
当時の工房にタイムスリップしてみよう。
レヴォーグの代わりにスバルFF-1が並んでいた。
もう一台肩を並べたのが望桜荘にあるサンバーだった。
こうやって思い出すと符号が解る。
当時の開発者達はハイフォンに拘った。
FFで一番とか、
RRで二代目などと考えて付けたんだろうな。
両方とも同じ年にデビューした。
この頃のスバルは全体的にシンプルで素敵なデザインだった。
これ以降になると、
悪趣味な悪い癖が出るようになる。
それはマイナーチェンジの度に顔つきが悪くなる事で、
昭和50年代が終わるまで続いた。
最近のスバルデザインでは考えられない過去だ。
まず翌年からサンバーの顔つきがおかしくなった。
モデルチェンジした事を誇示しないと売れなかったのだろう。
上品な顔に入れ墨のようなSUBARUが刻まれた。
FF-1はスバル1000の良さを引き立てた。
それこそ現在のスバルデザインの原型だろう。
ところがサンバーが醜悪な顔になった途端、
次にFF-1が1300Gになると、
それはどう見ても救いようのないブス顔になった。
まさしく、
デザインの責任者が替わった事を裏付けた。
今のスバルでは考えられないほど、
当時はデザイン力に欠けた時代で、
レオーネ レックス ストロングサンバーへと悪魔の歴史が続いていく。
可愛そうに、
R-2は単なる短命な生涯ではなく、
最後はドブスな顔にされ散々な目に遭わされて引退した。
昭和47年に僅か2年と11ヶ月で悲劇の生涯を閉じた。
デザイン部長は常に重い責任を背負う。
自覚の無い人が担当者になると、
後世に残る失敗をする。
慌てて開発されたレックスは、
後方視界が悪く酷いクルマだった。
吉田拓郎をイメージキャラクターに据えたのが新鮮だったくらいで、
レオーネ同様のコークボトルラインを強調した、
トレンドラインを安易に追っただけの駄作だった。
決して格好の悪くなかったサブロクが、
長年造られ古くさくなった。
そのために、
いくら良いデザインポリシーでも、
トレンドから外れ「スバルはかっこうわるい」と貶された。
そこでじっくりブランドを燻蒸させる余裕など無い。
当時は高度成長期のまっただ中だった。
R-2のどこが悪いんだよ。
前オーナー小森さんも、
きっとその思いが強かったはずだ。
ギュッと中に凝縮している。
心を込めて磨き直す。
このクルマが中津スバルの新たな仲間となった。
小森さんが手に入れてから、
メンテナンスを担当し続けた。
主の居なくなったR-2はどこか寂しげだ
何となく華が無い。
新型インプレッサもイメージカラーをシルバーにしたので、
もの凄く損をしている。
このR-2もまさにネズミ色で地味そのものだ。
遙かに若々しくて艶がある。
オリジナルカラーに見えるが、
幾度となく塗り直されたようで、
色斑や塗料垂れが彼方此方にある。
ネズミ色と言うより、
これではドブネズミだ。
丁寧に管理されていたようだが、
素人のメンテナンスではそろそろ限界だ。
油断するとカビだらけになる。
綺麗にスチームクリーナーで清掃し、
シートも張り替えてやりたい。
今見ると質が高いデザインだが、
あの時代に「辛抱」と言う文字は似合わなかった。
十年以上経って突然ブレイクした事がある。
ただでさえ2ストロークは人気が無くなり、
逆発進するのでボコボコに世論で叩かれた。
都会ではそれ相応に売れたので、
下取りしたR-2がいくらでも安い値段で入手できた。
中古車を父がドンドン仕入れ、
それをリフレッシュしてガンガン売った。
黄色 水色 深紅 等のカラフルなR-2は、
この地方のオシャレな若者にウケた。
塗り直そうかな。
どうしようかな。
黄色にしようかな。
水色が良いかな。
まずバラバラにする事が先決だけど、
ブレーキも効かないしエンジンも掛からない。
それを直さなくちゃ。
次の答えは自然に導かれるだろう。
終わり