娘が言った。「お父さんがピルケースに痛風の薬を切っては入れるのを見て、
何だか嬉しくなった」
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この野郎。
ほんとうに酷い事を言う。
「いい気味~~~」だって。
これで2か月飲み続けた。
忘れる日もあるのでピルケースを手に入れた。
3か月目に入ったところで、
今朝いきなり発作が起きた。
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起き抜けに、
左足の指を曲げたら痛かった。
二日ほどムズムズしていたので予感はあった。
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急に腫れたので、
靴の模様がプリントされている。
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早速引き出しから湿布薬と、
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ロキソニンを取り出した。
薬を飲んでいたおかげで、
この程度で収まっているのだろう。
相当な尿酸値だったに違いない。
決して暴飲暴食したわけでは無いが、
エネルギッシュに動き回った事と、
あるモノが影響した。
過去に必ずトリガーとなる食べ物だ。
その名は「焼肉」だ。
20日にボディを簡易チェックした。
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ほぼ2か月ぶりの内容は、
決して悪くなかった。
体重は微増したが概ね安定した数値だった。
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あくまでも目安と心得ている。
しかし体調が良いので忙しさを楽しめた。
22日土曜日のスバルマガジン取材対応
23日日曜日のB級ライセンス講習会
24日月曜日の越前大野市視察訪問
25日火曜日の中部陸運支局表彰式
26日水曜日のスパ西浦走行テスト
この日に一度目のトリガーを引いた。
妻と焼肉を食べに行った。
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随分暑い中で撮影したので、
焼肉を凄く食べたくなった。
朝昼と食事を抜いたので、
余計においしかった。
生ビールも少々飲んだが、
それほど大した量ではなかった。
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問題はその翌日だ。
中古車組合の月例会が予定されていた。
会場を明らかにせず、
JR坂下駅に集合してほしいとだけ、
電話があった。
集まってから目的地は焼肉屋だと告げられた。
少しまずいなと感じた。
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3年前の発症も、
確か焼肉がトリガーだった。
忘備録を見て驚いた。
左足親指の発作は、
2014年7月29日で、
まさにほぼ同じ日だった。
この時もかわら版の締め切り直前だった。
こうしてみると、
体質と言うものは実に愉快で、
うまく付き合うしかない。
焼肉
締め切り
出張
これが痛風の三大要因だった。
宮山さんのサンバーも内科的症状で、
オーバーヒートが収まらない。
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一定の状態でオーバーヒートする。
一度目のやり方では、
目立った効果が出なかった。
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とにかくトリガーを引くと、
相変わらず怒り出す。
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北原課長も少しお手上げ状態だ。
そこでとにかくエンジン回りのクーリングシステムを完全分解させた。
コストはかかるが、
オーナーにも覚悟してもらうしかない。
対症療法ではオーバーヒートの根絶は無理だろう。
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全部ホースを外す作業は、結構手間がかかる。
走行距離が少ないせいで、
逆に不始末を起こすケースもある。
特に純正クーラントを使わずに、
水や社外品で放置すると、
内部から機能障害を起こす。
それをベースに考え、
宮山さんのサンバーをもう一度徹底的に調べた。
今日の午後になり北原課長から原因報告があった。
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中から腐食し、システム全体に影響が及んだ。
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スロットルボディもダメになっている。
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外したホースに、大量の劣化形成物が付着していた。
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人間で言えばコレステロールが動脈硬化を引き起こすのとよく似ている。
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どこまで元に戻せるか解らないが、この後も全力で回復に取り組む。
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クルマの体質もこのようにして形成される。
稲村さんに頂いたお土産は、
とても美味しいチョコレートケーキだった。
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箱を開けると、
更に小箱が現れた。
一つ一つ丁寧に包装されている。
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取り出すと甘い香りが漂う。
冷蔵庫に入れておいたので、
ひんやりと冷たい。
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娘が「これ本当においしいんだよね、大好き」と言った。何でも良く知っている奴だ。
大宮君はペロリと食べて、「ナンスか?これめっちゃうまいです!」と目を丸くした。
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甘いお菓子は心の栄養だ。最新のWRX「STI」は、この煉瓦チョコケーキにそっくりな味だ。
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デフオートから
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オープンデフへ
走りなれたせいもあるので、一概に言えないがコーナーに入る角度も、抜ける速度も激変した。
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オートデフから
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オープンデフへ楽々とインにクリップできる姿勢が作れる。
タイヤの性能が明らかにブレーキを上回っていた。40分くらいで初期制動力に少し変化を感じた。不安は全くないが、少し焼けた感じがした。
それとリヤデフが思いの外早く限界点に達した。
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そこでクールダウンさせながらコースの外に出た。
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閾値を下げているのだろう。戻って点検したが、物凄く高熱になった様子はなく、センサーが安全性と耐久性を考え、早めに信号を送るのだと考えられる。
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リフトアップして、あらためて下回りを観察した。出っ張りも無く要所要所をガードし、綺麗に整えられている。だから空力も良いだろう。
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サーキット走行はクルマにダメージを与えない。そこが最もスポーツとして考えた時に、良い点だと言える。
サーキット走行と点検をセットで考えるのも良いと思う。
今後はそういうメニューも用意して、スポーツ走行をサポートしてはどうかと、北原課長に提案した。
例えば走行後のデフオイル交換や、下回り点検と同時に、キャリパーも綺麗に清掃する。
そんなメニューがあると便利だろう。タイプSはビルシュタインダンパーを標準装備している。
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以前のダンパーと全く性格が変わり、懐が深く乗り心地も良い。
ディスクブレーキキャリパーが、モノブロック構造になっている。
上の写真で見ると、左右に繋目のない一つの構造体だと解るはずだ。ダンパーの左にあるスタビライザーは、小径化されている。その効果がリヤタイヤの接地性に現れていた。
センターデフをフリーにして走ると、よりその効果が良く解る。
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リヤブレーキは18インチのモノブロック対向2POTだ。装着されているブレーキパッドは、銅規制対応の新開発で、従来の17インチに比べ、パッド面積を50%もアップした。
フロントサスペンションを見る。外観上は解らないが、タイヤを19インチにアップするためには、相当な開発費がかかる事を知っておくべきだ。
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物凄く精度の高い開発をすることで、このような乗り心地が良く、かつシャープで愉しいサスペンションに仕上がった。
メーカーチューンの面目躍如だと言えよう。前輪のコイルスプリングは、前のモデルよりバネ定数が下げられ、それに合わせたダンパーセッティングが施された。
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大胆なレモンイエローにペイントされた、18インチモノブロック対向6POTキャリパーが装着され、ローターはドリルドタイプになった。
穴をあけることで、パッド面のクリーニング効果と、耐フェード性能を向上させている。せっかく素敵なイエローにペイントされているので、汚れたらホイールを外して清掃してほしい。
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出来ない人が多いと思うので、今後はメニュー化してお客様に提案する。
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少し熱ダレしたがキャリパーに何の変化もない。
ダストは拭けば簡単に落ちた。
腰を落ち着けてイエローを定着させてほしい。赤や黒やシルバーに加え金色もある。
どのように使い回すのか謎だが、歴代のPGMがきちんとその意味を後継者に伝えることが大切だ。
その点で、STIにこのクルマの開発者が居ることは、今後の方向性を決める点で良い事だろう。高津PGMの後を引き受けた、五島PGMにはまだお目に掛かれていない。
室内に赤が残り、リップスポイラーにはピンクが新たにあしらわれ、統一感に乏しい現状から早く抜け出せると良いだろう。
そういうわけでWRX STIはとても良いクルマになった。
しかし問題が無いわけでは無い。ブレンボのブレーキは、今回全面的に新設計された。
それでは以前からあるSTIの、コンプリートカー用に設計された6POTモノブロックキャリパーは、いったいどこへ行くのだろうか。
新しく開発された前6POT後2POTのキャリパーは、STI全車に標準装備されている。
これは凄い事だ。新型車の価格がたったの7万円しか上昇していない事を考えると、かなりのバーゲンプライスだと言える。
ドリルドローターの効果もあり、熱ダレするような状況下でも、低速でブレーキが鳴くことは一切なかった。
でも逆に考えると、そこに熱ダレした原因があるのかもしれない。
ヨーロッパの高性能車は、サーキットをそれなりに走った後、当たり前にブレーキ鳴きする。
日本の消費者は無知なので、鳴くとすぐ異常だと感じる。
STIと名前を付ける以上、従来の4POT2ピースではなく、コンプリート用の6POTと、性能比較を堂々と出すべきだ。
スバルの5年後を予想するのは比較的たやすい。
なぜか。
WRX「STI」を、ビッグマイナーチェンジで軽くすることができなかった。
これから誕生する「STI SPORT」も、恐らく重いクルマとして次々と発売されるだろう。
これらの事は、スバルの開発トップに、「クルマ好き」が長らく存在していない証明だ。
売れるクルマと良いクルマは真逆なことが多い。
本当は軽いクルマが良いクルマなのだが、売れるクルマにする言い訳にして、技術力の低下を隠している時がある。
その結果、足元のクルマは一見良いようでも、5年先になると低迷することは目に見えている。 現在のラインナップで、最も軽さを要求されるのはBRZだ。
このクルマもどんどん重くなる一方だ。
サーキットで感じた耐フェード性が低く、リヤデフもすぐオーバーヒートしてしまうのは、クルマが重すぎるからだ。
この点が残念でしょうがない。
今のアメリカでは、こういうクルマしか売れないのだろう。
しかしこれではこの先「スバル」ではなくなるようで怖い。
5年後を予想するためには、過去の絶頂期の五年後を見れば簡単に分かる。
そこで今日の午前中に、かわら版づくりを放っておいて、前頭葉にある引き出しを片っ端から開いた。
絶頂とどん底をスパイラルに繰り返し、右肩上がりで変化するのが、スバルの体質だと思えば間違いない。
まず、いずれアイサイトが足を引っ張るだろう。
今でもアイサイトを外した開発が出来なくなっている。MTが消えるのはそれが原因だろう。
過去を紐解こう。大阪万博から5年、1975年のスバルは踊り場で苦しんでいた。SEEK-Tや乗用4WDは新技術でも、肝心のクルマが古く、全く魅力に欠けて売れない頃だ。
その頃は中古車で食う事も難しかった。まだ市場が形成されない黎明期だった。
しかしその後の5年間で主力商品を全面刷新し、4WDの認知度を高めた。そして遂には軽トラまで4駆化した。
第二次黄金時代の幕開けだった。
それを継ぐ1981年からの五年間は大変だった。日産の監視下で開発された、ろくでもないリッターカーだった。ヴァンドーネの破産によるCVTの発売無期延期や、容量の少ないクラッチからの異音、また、重量操作による主力車の発売延期。中途半端なターボ車開発など、拡大路線が裏目に出て、度重なる失敗の連続だった。
1986年から環境が少しづつ変わり始めた。コアになるフルタイム4WDを完成させると、レオーネのイメージが上がり始めた。歴史的な6気筒エンジンの開発にも成功した。これが高性能メーカーへの脱皮が始まった時だ。
しかし次の5年は大変だった。無理な生産を続け、品質の悪いレガシィが大量に発生した。
1991年から景気が悪化し始め、打つ手が裏目に出て大幅な赤字に転落してしまう。
優秀な経営者だったが、当時の田島社長は、「バンカーにクルマの社長が務まるはずがない」と揶揄され、結果的に権力闘争に負けた。
SVXは「大失敗作」と封印され、足元しか見ない経営に突入した。アメリカでもブランドが確立せず苦労した時代だ。
それが1996年から劇的に変わっていった。280馬力のワゴン開発に成功し、アウトバックもヒットの兆しを見せた。軽自動車もレトロ風のデザインが受け、順番待ちの状態が続くようになる。STIも軌道に乗り、高額なSTIが飛ぶように売れた。
DCCDを開発したので、ホンモノを好む客が賛同したのだ。
そしてフォレスターが大ヒットして、新たな顧客を開拓し始めた。軽自動車が大きくなり、プレオもサンバーも大きく伸びた。だが97年から98年にかけて、大きな問題が連続して起きた。
まずリコール問題で大打撃を受けた。滋賀県で起きた顧客とのトラブルが発端だった。初期対応に乏しい体質が、その時の遠因だった。翌年には自衛隊との癒着に絡む贈賄事件が発生した。
皮肉にも次の5年は、21世紀への扉が開いた時だった。再び2001年からスバルは調子が悪くなる。
また短期間の開発で熟成が足りず、新型インプレッサは低迷。
STIもアンコントローラブルになり、S201と言う歴史に残る失敗作を発表。GMと提携したが、アライアンスが中途半端でトラヴィックも伸びない。満を持したレガシィも、グローバルで評価を受けず伸びなかった。プレミアム路線は正しかったが、マーケティングと商品企画が全く連携した機能を発揮しなかった。
その結果軽自動車は事業存続の将来性を危ぶまれ、開発中のリッターカー計画もとん挫した。海外ではトライベッカがパワー不足で売れなかった。
2006年になると、ステラ、インプレッサ、フォレスターが誕生し、バリュー路線が徐々にヒットし始めた。特にフォレスターは安い値付けが功を奏し、販売量は飛躍的に増えた。
ところが質感は大幅に低下し、動力性能に対する投資もほとんど行われなくなった。第三次オイルショックのせいで、燃費が悪いクルマが一斉に市場から消え始めた。
2010年になるとスバルは苦境に立たされる。エコカー補助金の対象にならず、フラッグシップのレガシィが販売低迷。しかし奇策として投入した「ぶつからないくるま?」が、その窮地を救った。マーケティングと開発が両輪で機能し、販売はグローバルで好転した。しかし東日本大震災の爪痕は大きく、新車のある年と無い年が出来て、いびつな販売環境になった。
2016年になり新たなシャシーを投入したが、日本の景気は日を追うごとに悪化して、経済事情の両極端化が加速された。国内各社は、新車効果が長続きしない状況に悩み始めた。スバルもアメリカだけに頼る経営基盤に傾いた。
供給不足から米国工場を能力増強し、開発車両の大型化が更に始まった。
米国サイズ優先で開発が10年続くと、何かの市場変化で好調な業績は一気に吹っ飛ぶ。
本来の存在価値である動力性能をないがしろにして、味の薄いクルマを作り続けると、日米自動車貿易摩擦で得た知見が生きない。
どっちつかずのクルマばかりだと、プレミアムな顧客も吸引できなくなる。
国内のクルマ離れは、「乗らないヒト」と「持たない人」、それに、軽自動車へと集中していった。
軽自動車一極が破たんし始めたのに、受け皿になるコンパクトで高性能な自社製品が無い。
と言う事で、またしばらくスバルの不調が始まるかもしれない。
でも利益が出せる経営ができるのは凄いことだ。赤字ではモノも言えないからね。
スバルはどん底に落ちないと、パフォーマンスを発揮しない。
2020年がその年だと思う。未来って意外と簡単に読めたりして(笑)