改めて言うまでもないが、
本当に良く出来たクルマだ。
車体を奇麗に洗った。
下回りにも温水スチームを掛け、
塩分を徹底的に洗い流した。
B4との旅は通算で850kmを超えた。
これぐらい走らないと真実は見えない。
名車の条件にも色々あるが、
どうしても外せない大切な部分は、
ドライバーが最も触れる部分に、
どれくらい深い作り込みが成されているかであろう。
名車かどうか判断するのに、
ドアハンドルはとても重要な要素だ。
この部分だけは凌駕できていない。
最近レヴォーグで出張したり、
XVでテストを繰り返したり、
楽しいクルマにたくさん乗った。
でも、
このB4と付き合って、
毎日ドアハンドルを握りながら、
「これがプレミアムと言うことか」と重ね重ね感じた。
コストを掛けたのか、
掛けていないのか、
一発で判断できる。
そして次に重要なのは、
しっかりとしたトランスミッションを作れるのかどうか。
売れる売れないはメーカーの都合で、
消費者は関係ない。
選択の余地を残してくれたのか、
くれていないのかで、
名車なのか、
そうで無いのかが良く解る。
後期モデルには6速も設定されている。
でもそれはBOXER6と組み合わせた後の副産物だ。
本来なら、
ターボには軽いトランスミッションの方が相性が良い。
だから性能的には5速の方が優れていると思っている。
前軸に近いところで数十㎏に相当する重さの違いがあると、
ドライバビリティにかなりの差が出る。
ローから
セカンドに入れる。
レバー比と肘の位置関係がとても良く、
シフトしやすくなっている。
同時期のインプレッサとは、
操縦性が異なる。
同じ時期のGDA型WRXの場合、
戦闘力重視なので、
もっとサクサクピョンピョンチェンジできる。
それに対してレガシィは、
いわゆる「ナイフでバターを切る」感触を有している。
さほど気を遣う必要がない。
スタートはアイドリング状態からゆっくり脚を浮かせながら、
クラッチミートのタイミングを感じたら、
スッと繋いでやれば良い。
ショックのないスタートが出来るはずだ。
繋がったらグッとアクセルを開ける。
この当時の電子制御スロットルは、
今よりずっとリニアなので、
圧倒的に扱いやすい。
最近は電子デバイスが働き、
グッと踏んでも開かない。
息をつくようにしばらく待って、
そこから急に開く。
今はこれが当たり前なので、
慣れた人には問題ないが、
アクセルケーブルの付いたクルマに乗っていた世代には、
どうしても受け入れ難い部分だ。
もっとも、
S207にはそういうことがないので、
大量生産しないコンプリートカーには、
今後も好きなタイプの制御を与えてくれるだろう。
BP/BL系に乗ると、
嬉しくなる理由は、
その辺りの具合が実に良いからだろう。
一番気持ちの良い領域になる。
高速道路など、
ほとんど5速と4速で走り抜けられる。
6速だとシフトワークがもう少し忙しくなる。
BL5の魅力は何と言っても軽さだ。
6気筒エンジン搭載車なら、
トータルで考え6MTが相応しい。
だが、
ターボモデルは軽いボディと、
軽いミッションを組合せパワフルな運動性能を導き出す方が、
実際に走らせると遙かに面白い。
大体このあたりにレバーが位置する。
並行リンク式のミッションは、
やはり気持ちの良いダイレクト感があり、
横置きエンジンのスポーツ4WDでは、
絶対に出せない品質の高いシフト感覚を楽しむことが出来る。
豊田市を往復して、
一つ気になったのは低速トルクのムラだ。
アイドリングからクラッチを繋ぐと、
本来の出足より少しぎこちない気がした。
黒ブリの時にも感じた、
もっさり感だ。
それを思い出したので、
ルテニウムプラグを使ってみたくなった。
新車装着された白金プラグだ。
7万キロなら何の問題も無く、
性能的にも十分だ。
交換の必要はない。
ところが良いモノの味を知ると、
やっぱり使いたくなる。
電極を寄り細く出来るので強い火花が出せる。
しかも外側電極の先端に白金チップを溶接してあるので、
電極上部まで火炎伝搬しやすく、
燃焼効率が上がる。
その外側電極も、
上の画像にある白金プラグの外側電極と比較して、
明らかによりオーバルな形状になっている。
当然、オーバルの中に火種が出来る訳だから、
こちらの方が火炎伝搬がスムーズに行える。
なるほどなあ、と解るはずだ。
特にエンジンオイルも「レ・プレイヤードゼロ」にすると、
より効果が解るが、
今回はエンジンオイルを交換して間が無いので、
もったいないから止めた。
プラグを交換するためには、
周辺の補器類をかなり取り外す必要がある。
ちょうど良いので、
出張に備え特別装備を調達した。
密かにしまい込んでいた秘密兵器を取り出した。
本来はGRB型WRXのための装備だが、
GRBのフロントストラクチャーはBL系を元にして開発されたので、
その部品を四代目に流用できる。
吸気抵抗を減らし、
シリンダーへの充填効率を高める。
明らかにエンジンのレスポンスが変わる。
マニュアルミッションだから、
その辺りがより手に取るように解る。
同時にウオッシャータンクから、
ウインドウウオッシャーを抜き取った。
これは他の社用車に入れて再利用する。
通常のウインドウウオッシャーではなく、
アイスウオッシャーを原液のまま3本投入した。
例え原液のまま注入しても氷点下10℃以下では凍結する。
氷点下10℃なら十分だと思うかも知れないが、
走行中にマイナス10℃になるところが、
中央自動車道には沢山ある。
それと気をつけなければいけないのは、
溶かした氷によって稀釈されることもあるし、
乾燥した環境だと蒸発する事で気化熱を奪う。
だから瞬時にフロントウインドウが凍り付く。
あれほど危険な思いをするくらいなら、
一本350円くらいの製品を、
けちらない方が良い。
全部入れ替えても、
パイプラインの中に稀釈したウインドウウオッシャーが残っていると、
そいつが凍るので危険だ。
とくにリヤワイパーへのチューブは長いので、
青い液体が確認できるまで一度出す。
高速道路で役立った。
高速道路上には半端じゃ無い量の塩水が散布された。
たとえ雪が降らなくても、
日中に溶けた路肩の雪が路面に滲み出し、
凍結して危険な場所もある。
試しにアイスウオッシャーを噴霧したら、
奇麗にガラスの汚れを拭い落とせた。
実にクオリティが高く、
適切な範囲に濃い霧上のウオッシャーを噴き出す。
この場所には特に沢山の融雪剤が残っていた。
言い方は悪いがねとねとだ。
酷い成分が含まれている。
すぐにフロントウインドウがギトギトになるので、
噴霧してワイパーで拭う。
ほらこんなにスッキリする。
安全に走るための必需品だ。
サービスエリアで検証した。
ピラーからルーフに掛けて流れた痕がある。
ボディに付いたからといって何の心配も要らない。
エンジンルームを開けて、
念のために点検した。
異常なし。
左側のインダクションボックスが光っている。
カーボン製の空気導入口が、
とても奇麗だ。
加速する時の吸気音が変わるだけでなく、
ターボチャージャーのウエストゲート作動音も頻繁に聞こえ、
スポーティーな雰囲気を更に演出する。
これで排気効率の良いマフラーを付けたら、
鬼に金棒だ。
アイスウオッシャーはジャブジャブ使った割に減っていなかった。
念のために装着したダンロップのDSXー2も点検し、
異常がないか確認した。
おとなしく走るせいもあり、
新品と変わらない状態を保っている。
ウインタードライブにスタッドレスタイヤは必需品だ。
だからサマータイヤで走るより、
安くても良いのでウインタータイヤを履くべきだ。
しかし、
このB4には完全に性能面で物足らない。
サマータイヤよりは良いけれど、
ヨーロッパのウインタータイヤには及ばない。
最近VABにコンチネンタルのスタッドレスを履いていた。
あの性能を知ると、
このタイヤでは思い切って走る気にならない。
一般的な日本人ならこれで十分だが、
B4の性能を知るものにとって、
何とも中途半端なタイヤだ。
あえて良い点を上げるとすれば、
乗り心地の良さだ。
時速80㎞の領域なら何の不満もなく走れる。
ギヤを4速に落とす。
レーンチェンジして追い越す時、
それだけで充分な加速をしないなら、
オオカミスイッチの出番だ。
少し長めに押すと「ピッ」という音と共に、
クルマの特性が変わる。
加速感が鋭くなる。
ハンドルから手を離さず、
指先一つでエンジン特性が変えられるのは、
とても便利で面白い機能だ。
またギヤを5速に戻す。
クルマはやっぱりマニュアルミッションの方が面白い。
少しずつ渋滞してきて、
巡航速度が遅くなった。
後ろを付いていくうちに面白いことに気がついた。
それはB4の動きに対して、
明らかに違う衝撃漢和性能を有していた。
でもどこかで見たことのある動きだ。
道路の段差を超えると、
まず「ドン」とクルマが上下に揺れる。
「ワニワニワニ」とクルマが上下動を収束できずに揺れる。
このサスペンション特性は、
レヴォーグに良く似ている。
一般の道路では感じないが、
高速道路のある速度域以上で、
ピストン速度の遅い領域の減衰力と、
高い領域での減衰力のチューニングにまだまだ甘い部分がある。
B4では感じない理由は、
ダンパーの長さの違いや、
恐らくセダンならではの隔壁を持つ車体構造によるのだろう。
こちらはマルチリンクなので、
上手く作り込むとダブルウイッシュボーンよりいなす能力が高まる。
なるほどなぁ、と感心しながら運転していたら、
とうとう渋滞が始まった。
ほとんど2速で走る事が出来る。
クラッチも切らずアイドリングだけで2速に入れっぱなし。
クラッチだけを優しく繋ぐ。
随分簡単に走れるのは、
クルマそのものが軽いからだ。
丸のウル値に到着した。
面白い野性的な出前車の後を走った。
きっと近くのビルの中庭で、
弁当の出張販売をするのだろう。
食べてみたくなるデザインだ。
地下駐車場にクルマを入れた。
洒落たデザインとトレンドのボディカラーだ。
内装色はおとなしく、
マリオレヴィの作品には思えなかった。
会議のあるビルに着きエレベーターに乗る。
いつも思うがでかいエレベーターだ。
体型に合わせ国際規格のエレベーターを使うのだろうか。
確かに息苦しくないが、
圧倒される大きさだ。
軽自動車の好調な動きにも少しずつ陰りが見え始めている。
その中でトヨタとスズキの提携に話が及んだ。
そこで空気を読まぬ発言をして、
迷惑を掛けたが、
多分当たるだろう。
元はと言えばスズキはGMグループだった。
紆余曲折でトヨタと組んだが、
結局困った時にはトヨタ頼みなので、
治まるところに治まった。
やくざじみたVWと組んで、
スズキも懲りたことだろう。
ダイハツがトヨタの子会社になって、
どうなることかと心配する人も多いかも知れないが、
これはダイハツにとって大変良い事だ。
なぜなら、
他の会社に立ち入られることは全く無くなるし、
潰れる心配もゼロになった。
アプローズの開発で失敗し、
トヨタが救済の手を強め、
徐々に関係を強化していた。
気がつけばスバルとトヨタも組んだことで、
軽自動車も開発する上で余裕が出来た。
トヨタまで軽自動車を売り始めるなど、
ダイハツにとって全く予想さえ出来ない「軽自動車市場」が出来上がった。
そんな時に、
瓢箪から駒のようにスズキとの提携が持ち上がった。
と言う事は、
マツダの軽自動車まで一つのグループに収まることになる。
そかしこの日の弁当は少々味に問題があった。
どれもこれも中途半端な出来だ。
特に揚げ物の横にドーナッツが載っている。
まずくはないが、
軽自動車のようなバラエティの弁当だった。
会議の席で、
わざと空気を読まなかった訳では無く、
もう少し深読みしないと、
日本の自動車産業の本質が見えないと思ったので、
あえて進行に口を挟んだ。
「これでダイハツは軽自動車の開発を止めますよ」
これが予想だ。
今半の弁当のように、
ソコソコの料理を詰め込んだ「軽自動車市場」を、
5社が集まれば席捲できる。
完全に孤立化したホンダと、
三菱を買収しただけの日産では、
今後太刀打ちできなくなるかも知れない。
勝手な予想なので、
簡単に受け取って欲しい。
そんな話をしてビルの駐車場に行くと、
ランボルギーニに火が入り、
甲高いエキゾーストノートを奏でた。
すると、
すらりとした脚の女性が助手席に乗り込んだ。
アドバンスドセイフティパッケージは必需品だろう。
蘇る金狼を思い出した。
会社に帰ると、
封書が届いた。
桑名のまき子さんから、
嬉しいプレゼントだ。
もう一つの色を開いて、
ブログを書きながら口にして、
ギョッとした。
一瞬、チョコレートに虫でも付いているのかと思ったからだ(笑)。
続いて妻からもチョコレートが届いた。
しばらく幸せな日が続く。
たんまりストックできた。
一宮から永島さんが来店された。
フォレスターご契約、
誠にありがとうございました。
お祝いに二人でうどんを食べた。
今日のような暑ささえ感じる日には、
冷たいうどんが気持ち良い。
永島さんと入れ替わるように、
滋賀県から「スバリスト一族の初心者」さんが来店された。
季節が変わったら是非ドライブエクスペリエに起こし下さい。
焼き鮎のエキスを練り込んだ若鮎パイだ。
しっかり精力を戴きました。
次のブログもお楽しみに。