明確な定義がある訳では無いが、仕事を考える上で思う事がある。
自己流
・創意工夫を繰り返し自分で作り上げた技
・簡単に誰でも真似できない
・他から見たら凄いと思う
我流
・行き当たりばったりで進めた仕事が身に染み付いた
・誰も真似してはいけない
・他から見たらバカに見える
今日の朝礼で全員に諭した。
我流はダメだと。
人の言う事に耳を貸さず、
思い込みや誤解で突っ走ると、
周りが凄く迷惑するからだ。
どうせなら自己流をトコトン磨きなさい。
スバルから面白いクルマが出たと持った。
2009年の東京モーターショーでの出来事だ。
当時は森郁夫社長がSUBARUを引っ張っていた。
スバル ハイブリッド ツアラー。
それはまるで降って湧いたように現れたコンセプトカーだった。
この頃のデザインを考えると、
とても褒められたものでは無かった。
今更どうしてガルウイングなのかと、
常識を疑うデザインで、
酷い代物だった。
とりあえずレガシィを未来風にアレンジしましたと言うだけで、
古臭い面構成ではあったが、
「これを市販化して急場をしのげば」と思ったのも事実だ。
この時スバルにはHEV事業部が誕生し、
その責任者にエクシーガを開発した大雲さんが就任した。
会場でお目に掛かったので、
「こんなモノが出る事を知っていたの」と聞くと、
「今日初めて見ました」と言われた。
モーターショーなので、
突拍子の無いクルマが出ても不思議ではない。
夢を語る場だから。
「大雲さん、
これでいいからカッコ良いワゴンを手っ取り早く作って早く売りましょう」
と言うと、
「良いですね」と大いに盛り上がった。
昨日のように思い出すが、
あれからもう9年目になる。
背景にはレガシィの不振があった。
クルマは良かった。
大きいクルマだと批判もあったが、
市場を良く分析した売れるクルマだ。
じゃあなぜスタートでつまずいたのか。
エコカー補助金と言う悪魔の施策だった。
この時からメインストリームにプリウスが登り、
せっかく開発したが、
中途半端な社会情勢で電気自動車はお荷物のように扱われた。
選択と集中の名のもとにNECに売却されると、
待ってましたとゴーンが飛びついた。
その二年後、
取って付けたハイブリッドは消えたが、
アドバンスドツアラーコンセプトの名のもとに、
焼き直されたスポーツツアラーが現れた。
これも我流のデザインとしては良く出来ているものの、
同時にデビューしたメルセデスの前では、
まるで赤子同然の出来栄えだった。
豊かな面構成はデザインが何かを勇猛に語る。
当時は恐ろしくて口に出せなかったが、
完璧に敗北している。
何しろスバルには昔からデザインの育つ土壌が乏しかった。
造形言語は海外外注だったし、
それもちょっと失敗しただけで徹底的に叩き潰された。
更に困った事に、
SUBARUにはグローバルマーケットという部署が存在し、
2013年のジュネーブショーから新たな提案を始めた。
それがVIZIVの源流だ。
今見ても寒気がするくらい酷い。
海外の事だから関係ないが、
嘘で固めたポリシーが酷すぎた。
出来もしないディーゼルのプラグインハイブリッドを語り、
何だか変てこりんなデザインだった。
何しろひどすぎた。
その年の秋に東京モーターショーが開催された。
いよいよレヴォーグが姿を現し、
SUBARUは勢いづいたが会場にドンと置かれたVIZIVを見て、
開いた口がふさがらなかった。
これほどひどいでっち上げのクルマは、
もう存在する価値が無いと思ったので写真すら撮らなかったことを覚えている。
VIZIV レボリューションと名付けられた出展車は、
ジュネーブショーに登場したVIZIVを、
薄紫から緑が買ったシルバーに色替えし、
パワーユニットだけをレヴォーグ用のテンロクDITに置き換えていた。
嘘ばっかりのクルマだから、
ステレオカメラで360度センシングし、
オートパイロットも実現すると書いてあった。
こんな二番煎じをよくやるなあと思い、
それからVIZIVを心の中から抹殺した。
そして翌年の2014年に、
ジュネーブショーでまたしてもVIZIVが発表された。
どうせ大したことないとたかをくくり、
意識の中に置いていなかった。
ところがである。
翌年の全国販売店大会でVIZIV2を見て腰を抜かした。
物凄く塊感があり、
すぐにでも欲しいと思うほどだった。
サイドビューを見ると、
ダイナミック×ソリッドの源流であることが解る。
しかも同時にVIZIV GTコンセプトまでデザインした。
これは仮想空間で走るクルマだが、
本気のデザインであることが良く解る。
ここからVIZIVを見直した。
スバルのデザインポリシーのコアを具現化すると読んだからだ。
そしてその翌年に、
VIZIVヒューチャーが炸裂した。
物凄い完成度のデザインだった。
それに何に具現化するか明確に解る。
SUBARUにようやくデザインの柱が出来た瞬間だった。
自己流で苦労して磨きつづけないと、
凄みのあるデザインはできない。
GTコンセプトは、
超合金鰹節がデザインコンセプトだった。
それがまた思わぬところで炸裂した。
昨年の東京モーターショーで姿を現した、
VIZIVパフォーマンスコンセプトだ。
GTコンセプトはグランツーリスモの世界で走るクルマだが、
そのエッセンスをリアルワールドに持ち込んだ素晴らしいデザインだ。
文句なく欲しいクルマだ。
誰もが次のクルマが何かを予感できる。
夢のあるデザインだ。
そして2018年のジュネーブショーが開催された。
そこに現れたのは、
VIZIVツアラーコンセプトだった。
続きはまた明日。
これから福島さんの車をテストしなければならない。
次もメチャクチャ面白いから楽しみにして欲しい。
自己流
・創意工夫を繰り返し自分で作り上げた技
・簡単に誰でも真似できない
・他から見たら凄いと思う
我流
・行き当たりばったりで進めた仕事が身に染み付いた
・誰も真似してはいけない
・他から見たらバカに見える
今日の朝礼で全員に諭した。
我流はダメだと。
人の言う事に耳を貸さず、
思い込みや誤解で突っ走ると、
周りが凄く迷惑するからだ。
どうせなら自己流をトコトン磨きなさい。
スバルから面白いクルマが出たと持った。
2009年の東京モーターショーでの出来事だ。
当時は森郁夫社長がSUBARUを引っ張っていた。
それはまるで降って湧いたように現れたコンセプトカーだった。
この頃のデザインを考えると、
とても褒められたものでは無かった。
今更どうしてガルウイングなのかと、
常識を疑うデザインで、
酷い代物だった。
古臭い面構成ではあったが、
「これを市販化して急場をしのげば」と思ったのも事実だ。
この時スバルにはHEV事業部が誕生し、
その責任者にエクシーガを開発した大雲さんが就任した。
会場でお目に掛かったので、
「こんなモノが出る事を知っていたの」と聞くと、
「今日初めて見ました」と言われた。
モーターショーなので、
突拍子の無いクルマが出ても不思議ではない。
夢を語る場だから。
「大雲さん、
これでいいからカッコ良いワゴンを手っ取り早く作って早く売りましょう」
と言うと、
「良いですね」と大いに盛り上がった。
昨日のように思い出すが、
あれからもう9年目になる。
クルマは良かった。
大きいクルマだと批判もあったが、
市場を良く分析した売れるクルマだ。
じゃあなぜスタートでつまずいたのか。
エコカー補助金と言う悪魔の施策だった。
この時からメインストリームにプリウスが登り、
せっかく開発したが、
中途半端な社会情勢で電気自動車はお荷物のように扱われた。
待ってましたとゴーンが飛びついた。
その二年後、
取って付けたハイブリッドは消えたが、
アドバンスドツアラーコンセプトの名のもとに、
焼き直されたスポーツツアラーが現れた。
これも我流のデザインとしては良く出来ているものの、
同時にデビューしたメルセデスの前では、
まるで赤子同然の出来栄えだった。
完璧に敗北している。
造形言語は海外外注だったし、
それもちょっと失敗しただけで徹底的に叩き潰された。
更に困った事に、
SUBARUにはグローバルマーケットという部署が存在し、
2013年のジュネーブショーから新たな提案を始めた。
今見ても寒気がするくらい酷い。
海外の事だから関係ないが、
嘘で固めたポリシーが酷すぎた。
出来もしないディーゼルのプラグインハイブリッドを語り、
何だか変てこりんなデザインだった。
何しろひどすぎた。
その年の秋に東京モーターショーが開催された。
いよいよレヴォーグが姿を現し、
SUBARUは勢いづいたが会場にドンと置かれたVIZIVを見て、
開いた口がふさがらなかった。
これほどひどいでっち上げのクルマは、
もう存在する価値が無いと思ったので写真すら撮らなかったことを覚えている。
VIZIV レボリューションと名付けられた出展車は、
ジュネーブショーに登場したVIZIVを、
薄紫から緑が買ったシルバーに色替えし、
パワーユニットだけをレヴォーグ用のテンロクDITに置き換えていた。
嘘ばっかりのクルマだから、
ステレオカメラで360度センシングし、
オートパイロットも実現すると書いてあった。
こんな二番煎じをよくやるなあと思い、
それからVIZIVを心の中から抹殺した。
そして翌年の2014年に、
ジュネーブショーでまたしてもVIZIVが発表された。
どうせ大したことないとたかをくくり、
意識の中に置いていなかった。
ところがである。
翌年の全国販売店大会でVIZIV2を見て腰を抜かした。
すぐにでも欲しいと思うほどだった。
ダイナミック×ソリッドの源流であることが解る。
これは仮想空間で走るクルマだが、
本気のデザインであることが良く解る。
スバルのデザインポリシーのコアを具現化すると読んだからだ。
そしてその翌年に、
VIZIVヒューチャーが炸裂した。
物凄い完成度のデザインだった。
SUBARUにようやくデザインの柱が出来た瞬間だった。
自己流で苦労して磨きつづけないと、
凄みのあるデザインはできない。
GTコンセプトは、
超合金鰹節がデザインコンセプトだった。
それがまた思わぬところで炸裂した。
昨年の東京モーターショーで姿を現した、
VIZIVパフォーマンスコンセプトだ。
そのエッセンスをリアルワールドに持ち込んだ素晴らしいデザインだ。
誰もが次のクルマが何かを予感できる。
夢のあるデザインだ。
そして2018年のジュネーブショーが開催された。
そこに現れたのは、
VIZIVツアラーコンセプトだった。
続きはまた明日。
これから福島さんの車をテストしなければならない。
次もメチャクチャ面白いから楽しみにして欲しい。