グリーンヘルの石

宮下さん、ありがとうございました。くろ玉を久しぶりに食べ、改めて面白いお菓子だなぁと実感した。見た目から想像する味と、実際に食べた味がまるで違う。小川さんに頂いたケーキも美味しかった。こちらも想像していたプチケーキの味ではなかった。これは確かにショコラだ。見た目と味の違いは、思いがけない感動を呼ぶ。
帰国して早々、また嬉しいものを戴いた。
手作りの「あじめ胡椒」だ。
正直、見た目はとてつもなく辛そうだが、実際には暴力的な味ではなく深い旨味を持つ。講師のクリスチャンもそんな人だった。
実に柔軟で懐が深い。それでいて、時に物凄く大胆なレクチャーを見せる。逆向きでエクスミューレに飛び込み、反復練習のスタートに戻る時も、時速９０キロくらい平気で出す。
危ないなどと言うセリフはめったに口にせず、参加者のスキルをバックミラーで見ながら引っ張る。
時にはついてこれないクルマも出るが、後続車が乗りに乗っているとお構いなしで猛速でレクチャーする。
ニュルの凄さはコースに立たないと解らない。このツルツルに磨かれた骨材が何を意味するのか。
グリーンヘル、すなわち緑の森に包まれた地獄では、至る所に悪魔が潜んでいる。
舐めてかかると痛い目に合う。人はそれぞれで、彼の場合はこのために来た節もある。
とても気分よく撮影させてくれた。
だがこの気持ちについていけない所もある。パートナーのキャスパーには、大変世話になった。
日本に来る機会があればコンタクトしてほしいと伝えた。
どうもこれ一度で終わる間柄ではなさそうだ。Ｍ４よ、本当に有難う。とても良い勉強をさせてもらった。

クリスチャンさん、お世話になりました。
4周も同乗させていただき、何かまた一つ吹っ切れた気がする。修了証書も無事頂戴し、あっという間に研修期間が終了した。
ＢＭＷからアウディにスイッチして、欧州のクルマ作りは、本当に上手く良いものを割り切って作ると感じた。つづく