早いものだ。

まだ夏の名残がある頃、究極のインプレッサオーナーが集った。22Bオーナーズミ-ティグから、もう二ヶ月以上過ぎた。



かわら版を構成する時は、どうしても深夜まで会社に残りケリを付ける。午前様にならぬように帰りたいところだが、締め切りがある。

全てを紹介しきれないが、
22Bオーナーの皆さん、沢山のお土産ありがとうございました。
22Bは初代インプレッサの昇華した姿だ。そしてS203も珠玉の作品だ。この二つはインプレッサの歴史で燦然と輝く。「売れてしまう前に見たかった」と、吉村さんが遊びに来て下さった。

美味しいお土産をありがとうございました。




東京から秋田さんも車検にいらしゃった。



出張中に香川県から長谷川さんがいらっしゃった。偶然だが長谷川さんの愛機もBE5だった。




BH/BE型レガシィにも根強いファンが多い。ツインターボの持つ味と、
「サイズ感」が手放せない魅力だろう。
そして重量との微妙な組合せも注目すべき点だ。
スバルの魅力は深く、その特徴が個々の趣味趣向と合致すると、それから離れられなくなる。BE5は開発した桂田さんの拘りが各所に入り、
とても重厚感がある良いクルマだ。足回りにマルチリンクを採用したり、
安全性能を更に高めた。
その結果ちょっと重くなった。そこでツインターボエンジンを磨きに磨き、
重さを感じさせない速いクルマに変えていった。水平対向エンジンがマスター4に仕上がると、加速はドラマティックだった。シュアトラックのLSDをフロントに仕込んだ5速のブリッツェンは、物凄くステキな操縦性を楽しめた。今思い出してもドキドキする。離れられなければ、
離れずに大切にすれば良い。
面白いクルマが集まった。
ビッグマイナー後のBL5だ。
ハッキリ言うと、6速より5速の方が面白い。

ちなみに三代目レガシィBE型のRSKは、
オートマチックだと1480kgある。
それが四代目BL型になると一気に軽くなった。最も軽くなったクルマは100kg差が出たようだが、この2.0GTは1430kgなので、RSKと比べると50kgほど軽い。

ターボシステムをツインスクロール化したので、すぐ最大過給圧に達する。最大トルクの発生回転数も下がった。だから5速MTの相性が思いの外素晴らしい。自分が乗るつもりで仕入れて、
徹底的に清掃し予防整備を施す。クルマを良く見て、内部をバラバラにすると、


大切に使われたGG3が下取りに入った。
愛嬌のある顔を見ると、とてもスクラップに出来ない。奇麗に清掃して展示した。

まさにウルトラCの開発だった。デザインに十分な時間と金を掛け熟成させていれば、理想の仕上がりになっただろう。未完成なまま丸目は発売の時を迎えた。この移行は時期尚早だったかもしれないが、当時はチャレンジする価値があった。お客様から批判が相次ぎ、
悲劇のクルマになったが、この顔は一番好きだ。ロゼのスポーツワゴンが入ったら
「縁」が生まれてきた。
不思議で面白いクルマに出会った。

地味なシルバーのようだが、決して地味では無い。B4のブリッツェンを思い出す、
プレミアムシルバーはキラキラ輝く配合だ。
数奇な運命を感じさせるクルマで、ワンオーナーに近いだろう。連れ帰ってクルマの疲れを癒そうと思った。




点検を済ませてテストすると、

WRX NBの新車価格は2.462.000円だった。XV2.0iーL EyeSightとさほど変わらない。SUV真っ盛りの状況を見ると、
明らかに時代の変遷を感じる。浮田さんのRA-Rは、二代目WRXで最も速いクルマだ。それを最右翼とすると、
丸目のNBは左派の極みだろう。真逆のクルマだから面白い。
specC Type RA-R320馬力、重量1390kg。1.4トンを切ったのでパワーウエイトレシオは凄い。ちなみにS203の車重は1445kgなので、
パワーウエイトレシオはRA-Rに劣る。サイズ感の近い四代目レガシィを比較する。
5速MTのBL5の2.0GTは1430kgだ。重量はS203ときっ抗しているが、40馬力少ない280馬力だ。
とは言うものの、パワー上イットレシオは、どれも凄い。この辺りはクルマを面白くする要素として絶対見逃せない。

実際国内ラリーで速いクルマに仕上がっている。Sが重いのはベースにRAが無いだけの事。いまはそんな余裕が無いだけで、これからが楽しみだ。
さてここでNBと同じ価格帯のXVを引き合いに出す。現在販売しているXVのEyeSightは、パワーウエイトレシオは10.6となる。と言う事はNBでさえ約半分しかない。NBが面白いという理由を納得してもらえただろうか。
上の画像でNBの左側にある、1.5i-Sの5MTもユニークなので、今後のブログに注目して欲しい。
MTは本当に魅力的なんだ。これに乗るか乗らないかで人生が変わると言っても過言では無い。
NBをテストした後でクルマの詳細を調べた。

エアコンダクトに備えられたエアコンフィルターの確認だ。このクルマのオーナーは、エアコンにフィルターというものがある事すら知らなかったかもしれない。交換しないドライバーも予想異常に多いが、
この当時は意識しない人も多かった。
クルマを「見なくても」買える人達は、「クルマって滅多に壊れない」と思い込んでいる。
人間もそうだが、元気に動き回っていても病気を抱えている人は多い。
イキモノと違ってクルマには自然治癒力が無い。
だからこそ出自のハッキリしないクルマにとって、「真のプロ」が必要とされる。
プロが介在すると価格が高くなると、市場で直接材料を買う人も増えたけれど、「プロ」とは決して呼べない人も介在する事が増えてきた。

納得いくまで走らせて、譲り渡すプロはどのくらい居るのだろう。
手っ取り早く済ませる事も大切だが、掃除に拘りがある。
おかげで社員も理解してくれるので、いつも工房の清掃に気合を入れる。



本当にスッキリする。
水を撒き洗剤を薄めた溶液をデッキブラシに付け、ゴシゴシと洗う。





氷とタイヤの間にある水の膜だ。
タイヤの宣伝文句では聞いていても、
実際には現実味が無い。
でも工房の床を洗えばカラダで解るだろう。
コンチネンタルのスタッドレスタイヤが届いた。


おおよそ推測できる。
1.ウインタースポーツラジアルを活かせる環境では無い。
2.誰でも売る事が出来ないタイヤなので、戦力が分散しスタッドレスが売れない。
だからコンチは国内で売り難いモノより、
スタッドレスタイヤに自らの持つ数々のノウハウを注ぎ込んだ。
戦略を変えたのだ。
BRZのようにタイヤに頼らないクルマは、
ピレリソットゼロと相性が抜群だった。
フォレスターでも悪くなかった。
VABにウインタースポーツを取り付けても面白いが、
コンチネンタル社が戦略を変えてまで日本に投入するスタッドレスタイヤが、
どれくらい凄いのか味わいたくなった。


タイヤの個性がハンドリングに大きく表れる。
コンチの面白い点は赤く塗った部分にある。

ブロックが接合して噛み合い強度が増すというのだ。
取り付けたのでテストしたいが、
雪が降るまでにまだ少し間がある。
そんな時に舟橋さんから電話が掛かってきた。
「車検でお願いしたいのは、ロイヤルコースの全面撥水ガラスコート加工です」
もともと中津川ご出身だが、
名古屋に転居されてからもお付き合いさせて戴いたが、
ここ数年間お目に掛かっていなかった。

ドア一つ開けるのに痛みを乗り越える勇気が必要で、元気だったころのように気
軽なドライブがなかなか出きないのですが、通院と買い物に重宝しています」
これには驚いた。
更に、
「古い車なので、買い替えも考えたのですが、なんせ病気のおかげで治療費用がか
さみ(国内では治療法が見つかっていないので、すべて自費診療で、検査もアメ
リカに送っていたりするのです・・・)その余裕がありません」
と続く。
取りに来てもらえないかというご依頼だった。
そんな事情なのに放っておけない。
水曜日なら余裕があるので名古屋まで行ける。
そんなわけで愛知県まで足を伸ばした。

銀色よりはるかに状態は良い。

病魔と闘うモチベーションを維持している。
多角的症状が無いだけに、
周りの理解がなかなか得られない難病だ。

大変な苦労をされているが、
持ち前の明るい性格で苦難と闘っている。

体の動きは80歳くらいの年齢になってしまったと仰った。
だからこそ、
少し疲れた愛機を元気にしたいと思われたのだろう。
部屋に招いて戴き、
ハーブティーをご馳走になった。
ふとワーキングデスクを見ると、
かわら版206号がピンで留めてあった。
WRX STIの特集号だ。
それを読みモチベーションを維持して下さったのだろうか。
少しでも役立てたのならとても嬉しい。

消耗した部分も多いが、リフレッシュにそれほど高額な金額を必要としないだろう。

小雨がぱらついてきた。

1300Gの頃から、
スバルの高性能車は、雨が降ると能力が高まる。
快調に飛ばして会社に帰ると、
石神さんから「かわら版がもうすぐ刷り上がります」と電話が入った。

路面温度はまだ10℃以上あるけれど、
岐阜まで高速道路を往復し実力を試せる。

濡れた路面で10℃以上。
ContiVikingContact6はどんな走りを見せたのか・・・・・、
続きを明日まで待って欲しい。












