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Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
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スバルSVXと冬の星空ツアー

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社員に「外向き情報発信を強化してくれ」と伝えた。そのように行動を変えてから半月が経った。
それを継続するには、まだまだエネルギーが必要だ。
命じた以上、率先垂範せねばならない。
毎日ブログを更新する理由は、「情報発信の重要さ」を社員に示すためでもある。
もう一つは、いつも楽しみにしていてくれる愛読者のためだ。
「怖いもの見たさ」の人も居るようだが。(笑)
先日このブログでも紹介した、銘酒「東洋美人」の送り主がいらっしゃった。
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島根県浜田市の村上さんだ。

いつもご心配頂きありがとうございます。


今回はセカンドカーのレガシィで立ち寄られたが、
村上さんもアルシオーネSVXの熱烈なオーナーだ。

毎年贈って戴く新酒のように、
SVXはいつまでも色褪せない。



村上さんがSVXを手放せないように、
当社にとってもSVXは重要な文化財だ。


勘違いされると困るのだが、
決して「SVX」が大好きなのでは無く、
発売当初から「文化的価値」を見出していたからだ。


まさしく窮鼠猫を噛むように、
レオーネやレックスしか作れなかった時代から決別した。


ジャスティやドミンゴしか作る事を許さなかった支配者を蹴り出して、
「舐められない」クルマ造りをやり遂げた。


後に来た支配者から、
「失敗作」の烙印を押され、
歴史の闇に一度は葬られた。


だがスポットライトを当て続けて26年経った。


これは明確なスバル車だが、
アルシオーネは意図的な「飛躍」を謀ったので、
余りにも日本車離れしている。


だから「アルシオーネ類」だけを好む人も多い。


でも中津スバルを、
単なる「SVXマニア」だと勘違いしてもらっては困る。



SVXは今のスバルが失った覇気を、
再度蘇らせる力を持つ。


だから執念を燃やし、
世界唯一のフロント搭載型水平対向マルチシリンダーエンジンをフォーカスする。


ヘブンス園原にも執念を感じた。
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去年の春先とは全く異なる姿に驚愕したからだ。


昨日、天空の楽園を現地調査した時、
「スターツアー」のセットを見て考えた。


ここを訪れるためには「宇宙船」が必要だ。


それに相応しいクルマは、
SVXをおいて他には無い。


そうなると朝から矢も立ても堪らなくなり、
出社次第すぐ準備に取り組んだ。


工房へクルマを移動し、
北原課長に高速走行前提の点検整備を依頼した。


こうして今日のSVXレンタカー化計画は、
順調かつ一気に進んだ。




機関絶好調、
外観上質。


天井からトランクが少し禿げているが、
腐食など一切無い。


書類を用意し、

お昼過ぎに高速道路へ滑り込んだ。
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既に大鶴さんの手で、昨年中にエステが終わり、気持ちの良いインテリアに整っていた。
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メーターパネルの美しさを見たら驚くだろう。

ハンドクラフトのシフトポジションインディケーターが装着されている。


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これは意外に便利だ。
大トルクエンジンで振動がほとんど無いため、
誤って3速のシフトポジションに入れても気付かない。


目に入りやすい場所に、
ギヤの段数が表示されているから、
一段下までセレクタレバーを引きすぎた時に重宝する。


マット加工されたインパネパネルの中に、
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懐かしいカーステレオがセットされている。


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ナビと入れ替えようかとも思ったが、
カセットテープを聴くのも懐かしくて良い。
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久しぶりに聴いてみようか。


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助手席側を見ると、
死角の少なさが良く分かる。


ヒドゥンと呼ばれる独特の手法で、
ガラスとガラスが接続されている。


SVXの開発で苦労した事の一つに、
この三次曲面ガラスがある。


岐阜に到着すると3月ならではの景色が横たわっていた。


何人もの警備員がクルマを誘導し、
一昔前に良く見たパチンコ屋のオープンみたいだった。
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3月も半ばを過ぎ、
持ち込み車検が増えているようだ。
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駐車場にクルマを置くと、周りはニッサンだらけだった。
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ショールームから出したばかりのような新車が色違いで並んでいた。


同業者にしか解らない匂いがプンプン漂っていた。


彼らも年度末で苦労してるな。


こちらの苦労は余るのでは無く足りない苦労だが、
ニッサンは販売力があるので余っても簡単に売りさばけそうだ。


弱小なスバルにはそんな余力は無いけれど、
大事にクルマを育てた歴史が、
今の姿を形作った。

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古いナンバーを外し、
裁断機の中に入れた。
書類を提出すると、
来るのにかかった時間ぐらい待たねばならなかった。
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昼飯を食べずに走ってきて良かった。
タイミングが悪いと手こずったかもしれない。順調に「わ」ナンバーを取得出来た。
封印を受けて場外に乗り出した。SVXに乗ると無性にステーキが食いたくなる。
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しかも脂の少ない柔らかな赤身が良い。


240gの赤身は、
焼加減をレアに指定し、
血の滴るような出来映えだ。


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肉欲的なクルマにはステーキが良く合う。
シームレスな加速感。


母指球で軽くアクセルペ樽を押さえると、
ヴーンという快活な排気音と共にクルマが前に軽く出る。


堪らない旨味を感じる、
水平対向DOHC4カム24バルブエンジンだ。


せっかく美味しいのに、
それを損なう稚拙なところを見つけた。


赤身のステーキに添えられた、
硬く乾いたスパゲッティのような幼稚な感触。


ドイツ人なら怒り出すような、
味気ないベークドポテト。


それと同じように、
このSVXには絶対にやってはいけないカスタマイズが施されていた。


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PCDが同一だからと言って、20年近く年の離れた、息子の靴では荷が重い。
WRX STIは強度を重視する余り、通常の鋳造ホイールはとても重い。
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更に幅の広いタイヤを引っ張って付ける関係から、ハンドリングにナーバスな傾向が生じる。
味が随分落ちていた。
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ビルシュタインに換装され、サスの横剛性は向上しても、タイヤとのマッチングが悪く、ビルシュタインの弱点ばかりが目立った。
足回りで褒めるべき長所がまるで無い。
いくらサスの横剛性が高くても、タイヤは充分にグリップしない。
だから限界が下がり、ライントレース性がお粗末だ。
路面の抑揚を拾いやすく、良い事は何も無い。
SVXをカスタマイズする上で、後に誕生する大出力車の機構を流用する事は、無駄と危険を生じさせるだけでメリットは少ない。
ホイールの大径化に注意が必要なのは勿論だが、トランスミッションを載せ替えたり、ビッグキャリパーを使うなど、基幹性能をいじるような真似も止めた方が良い。
スタイルにほだされて、
重くて外径の大きなホイールを装着すると、クルマが一気にアンバランスになる。
要するにせっかくのSVXが、舞うように走れなくなる。
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このSVXには前オーナーの時代から、陰のように寄り添うドナーが居た。
ドナーはビルシュタインを搭載していた痕跡があった。
恐らくこのクルマからスワップされたのだろう。
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ドナーにはノーマルのダンパーが付いている。
タイヤとホイールもユニークだ。

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タイヤサイズはドノーマルだが、
ホイールにはマツダのマークが記されている。
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オーナーズ倶楽部の熱心なメンバーだったのだろう。車体のあちこちに、
愛情を感じるステッカーが貼られていた。
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このドナーにいつも驚くのは、
意外なほど簡単に始動出来る事だ。


SVXは暗電流が多く、
しばらく放置すると始動が困難になる。

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何か命の息吹を感じる不思議なクルマだ。

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だから部品を使わせてもらっても、
外したら元に戻し常に動くようにしてやりたくなる。


抹消謄本も無く、
ナンバーを取る事は出来ないが粗末にしたくない。

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凝った排気管が顔を覗かせている。

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中津スバルのオリジナルマフラーは太鼓を左右に分けたが、
こちらはそのまま小型化してデュアル出しになっている。

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かなり軽量化された感じがするし、
センターパイプまで専用品のようだ。

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これは一度試験してみる価値がありそうだ。


新しくレンタカーに生まれ変わったSVXも、
スバル生誕100年を記念するイベントの一環だ。


桜祭りに備え愉しい企画をドンドン考える。

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明後日の星空ツアーに揃って参加するつもりだ。
会場で見かけたら是非声を掛けて欲しい。


皆さんの参加を心待ちにしている。


終わり

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