スパルタンとラグジュアリー
この相対する言葉が好きだ。
BIANCO AVUS
F430の白いボディカラーは理想的なソリッドカラーだ。
内装はロッソ。
カーペットはヌーボーロッソ。
ダッシュボードはアルミ製だった。
日本市場向けのアイテムがふんだんに装備され、
ロッソ スクーデリアと呼ばれる、
真っ赤なブレーキキャリパーが「どストライク」に刺さった。
タイヤはスバルにもよく使われたポテンザのRE050で、
カーボンブレーキが173万3000円。
特別製のホイールが24万7000円
ステッチも4万2000円で白に変わっていた。
メーカーオプションだけで200万円を超えていた。
6速MT車の車両価格は1980万円で、
2ぺタルも21万円高で選べる。
V8の4.3リッターで490馬力を8500回転で発生。
最大トルクは47.4kgmを5250回転で発生。
車両重量は1510kg
乗ったことは無いがどんなクルマか想像は付く。
正直な事を言って、
欲しいと思ったことは一度もない。
と言うより住む世界の違うラグジュアリーなクルマだ。
スクーデリアとは厩舎を意味し、
ワークスマシンであることを臭わせる。
タイヤはフロントが225/35ZR19
リヤが285/35ZR19
欲しいと思ったことは無いが、
間近でホンモノに接すると圧倒される。
ベタベタ触るような真似を許さない気高さを持っている。
つまり「オーラ」を放っている。
このクルマに近寄って写真まで撮影した理由は、
別にこれがF430だったからじゃない。
ビアンコ アヴォスというボディカラーに一目ぼれしたからだ。
ビアンコならおおよそ見当がついたが、
アヴォスとは何か。
ドイツのサーキットで、
ヨーロッパ最古の自動車専用道路。
何しろアウトバーン建設のきっかけとなった歴史ある場所だ。
今はサーキットではないが高速道路として使われている。
ここで行われた最後のFIグランプリで、
フェラーリが優勝しコースレコードも樹立した。
ニュルブルクリンクとは真逆で、
コーナーが2つしかなく直線と両端のヘアピンだけ。
頭のネジが緩むと死に直結するサーキットだった。
スバルも次はスクーデリア ビアンコを狙ってほしい。
スパルタンではなくラグジュアリーなBRZは、
水平対向6気筒エンジンさえ搭載させることが可能になれば、
必ずや実現するだろう。
その時には是非ソリッドのホワイトを塗ってほしい。
ラグジュアリーなクルマの近くには、
やはりラグジュアリーな場所が存在する。
このホテルは日本に鳴り物入りで参入した、
色々とおもてなしの行き届いたホテルだと言う。
これがラグジュアリーか、
と言うとそうではない。
こんなことをタクシーに貼る付ける程度では、
ラグジュアリーではなくプレミアムのカテゴリーだろう。
こんなタクシーが嫌味に思えて仕方がなかった。
25年ほど前に、
マイアミのコーラルゲーブルズで、
ラグジュアリーなホテルばかりを視察したことがある。
日本でも優れた宿があるように、
優れた空間づくりとおもてなしが特徴だった。
規模が小さい方がラグジュアリーだと感じる。
規模は小さいが、スバルにはラグジュアリーなクルマは一切ないし、
これからも一切不要だ。
嫌味なメーカーに成り下がらないためには、
基礎からきちんとプレミアムとは何かを見直す必要がある。
半面、
スパルタンなクルマを作らせたら物凄い実力を持つ。
そこは兵器メーカーの末裔たる由縁で、
凄みを感じる作品は多々ある。
それに昔は今と違ってスパルタンなクルマを簡単に作れる素地があった。
今はBRZに少し残るが、
あのクルマの場合、
ショップチューンでは負のスパイラルしか生まれない。
スバルのクルマはハイパワーにしたり、
シャシーの特性を変えてバランスを崩すと、
滅茶苦茶面白くなる性質があった。
しかしBRZは高度なバランスの上で成り立っているので、
今回の様にメーカーが本腰を入れないと凄みを感じるクルマが出来ない。
スバル本体でまるで「S」のようなBRZを作ってしまった。
それに対してWRXはどうか。
少し振り返ろう。
まず最初からクロスミッションでエアコンレスを平気で作っていた。
そしてSTIがヒットし、
カタログモデルになった。
購入したオーナーはあれこれ工夫し、
普通のSTIからスパルタンなクルマを作った。
これなどその典型で、
ラリーに出るわけでもないのに、
気分だけを味わった車だ。
これは相当面白くて、
次のオーナーは最後の最後までしゃぶりつくした。
続いて奇跡のクーペが誕生し、
計算外の重量バランスが偶然効果を発揮し、
スバルを3連覇に導いた。
そして昴は初めてプレミアムなクルマを作っった。
これはあくまでもプレミアムなクルマだ。
最近少し異常なほど煽る人たちがいる。
確かにこのクルマには、
その気になればフェラーリを買える様な人も乗っている。
けれどもラグジュアリーではない。
自分の会社で作れないから高田工業に作ってもらっている。
トルク不足を補うために2200ccを搭載しただけで、
競技で使えるほどタフなエンジンではない。
内装もインパネもそれほど素晴らしいものではなく、
スパルタンなクルマを無理やりプレミアムにした苦労の塊だ。
確かに500万円は安かった。
ただしSTIも損をしているわけではない。
ちゃんと損益分岐点を考えた。
ただ本当ならば555万円で売るところを、
値付けにビビッてあっという間に売れてしまった。
理由は簡単で、
販路を確立できずにブランドだけが先を走っていた。
このクルマの価値は、
555万円を上回るものでもなければ、
それを下回る事は無い。
すなわち最初から絶対値が決っているクルマだ。
だから555万円以上出してこのクルマを買う人間はアホだと思う。
投機の対象になった商品に近寄らない方が身のためだ。
焦らないでも、
もっと良いクルマを買える日がもうじき来る。
スパルタンなクルマにぞっこんなので、
スパルタンでプレミアムになると痺れてしまう。
22Bではミッションも車体も限界に達したので、
次のクルマで本気を出した。
エンジン開発が追い付き、
遂に牙をむいたのがこのクルマだ。
ここでフェラーリのエンジン能力を振り返る。
F430の車両重量は1510キロなので、
最大トルクの47.4で割ると、
トルクウエイトレシオは31.85kgとなる。
S202のエンジンはトルクウエイトレシオが33.9だ。
同じころから動力性能だけ見れば、
結構良い勝負をしていた。
だが202な何しろ思いっきりスパルタンだから。
だから危ないほど凄い。
1330kgで39.28kgm。
軽いボディと急激に高まるブースト圧が、
このクルマを危険な領域にアッと言う間に持ち込む。
カミソリの切れ味だ。
STIは次々にプレミアムなクルマを成功させた。
Sシリーズはベース車が完成の域に達し、
コンプリートの体制を整えプレミアムな味付けで続々とリリースされた。
S203,204 401 402は22Bの延長線に近い。
それに対してバランスを崩して面白くしたクルマがある。
それがS202の延長線上のクルマだ。
RA-Rは1390キロの車重に増えていたが、4000回転で44kgmの最大トルクを発生した。
ここでEJ20の出力は事実上凍結されている。
こいつは凄いクルマで、
トルクウエイトレシオは32kgを切る31.59kg。
F430の31.85さえ下回る。
だから大量生産できないのではなく、
大量生産してはいけないクルマだった。
そして最新のS07は、
奇遇にもフェラーリと同じ1510キロの車重で、
RA-Rより更に低い3200から4800回転で、
44kgmの最大トルクを発生出来るようになった。
こうしてスパルタンでプレミアムになり、
クルマの質がドンドン高まっている。
トルクウエイトレシオは34.58kgだが、
ホンモノの速さを持っている。
スパルタンなクルマに、
プレミアムな性能は似合う。
STIにラグジュアリーなクルマを作らせたら、
日本のラグジュアリーホテルのようになる。
だからスパルタンで、
プレミアムなクルマに徹すると良いだろう。
それができる会社だと思う。
歴代のクルマで「最もスパルタン」なクルマを、
縁あって入手した。
価格のつけようがない逸品だが、
それが解る人は少ないだろう。
とんでもない心臓を手に入れた、
歴史の合間で埋もれていたクルマだ。
これを作れる会社が、
何故ハイブリッドに触手を伸ばしたのか。
やっと長距離を走ることができた。
高速道路で意外に燃費が良く、
過去に乗ったXVハイブリッドと何が違うのか戸惑った。
最も驚いたことは、
STIの広報車両と足回りのフィーリングが違う。
このクルマは量産初号機なので、
特に念入りに作られたと聞いているが、
やはり足回りの設定は最後の最後まで熟考したのだろう。
BRZのGTはベットリと路面に張り付くように走る。
XVのtSはシャシーが路面にタイヤを境にして引き付けられる様な走り方をする。
50万円のプレミアム感がそれ以上に味わえる。
マフラーの音がスポーティーで、
実に爽快な気分に浸れるのも、
このクルマの特徴だ。
スパルタンではなく6気筒エンジンを搭載したプレミアム感が嬉しい。
アイサイトを有効活用すると、
時速80kmでもモーターで走る。
回生エネルギーを有効活用し、
クールな一面も見せつける。
このクルマの良い所は気取らない所だ。
ラグジュアリーなホテルに食指が伸びないが、
美味しそうな温泉にはついつい引き寄せられる。
スマホで検索すると、
違う場所に連れていかれるが、
やはり食い物と温泉は儀文の下で確認する方が良い。
熱くて驚いたが、
このくらい熱いとすっきりする。
満足度200%の湯だった。
230円で入浴できる理由は豊富な湯量と絶妙な温度だろう。
これ以上高温だと、
冷やすコストが必要になる。
STIの今後は明るいと思う。
気取らない温泉のように振る舞い、
抜群の湯で勝負する。
30年と言う節目を控え、
勉強する必要性に直面しているのはセンスだけだ。
本来なら全てソリッドカラーで勝負すべきだった。
色の選択肢が狭いのが、
このクルマの伸びを妨げている。
黒いボディもオレンジのホイールが無いと、
何も格好が良くない。
通常のxv以上にtegoshiには派手な靴が必要だ。
ハイパーブルーを活かせない事も痛い。
この色にイエローグリーンを組み合わせていれば、
おそらく今の2倍確実に売れる。
そういう観点からブラックを選び、
ルーフレールもつけなかった。
それが功を奏し、
ちょっと謎的な雰囲気を振りまいている。
このクルマ気に入った。
プレミアムとは何かを考えるためにもしばらく愛車にしたい。
プレミアム感を出す素材にXVハイブリッドを選んだ理由は、
平川社長の「6気筒」に対するこだわりから生まれている。
ドイツのプレミアムカーも素晴らしい。
M3はむやみに19インチ化せず、
しっかりグリップさせる性能を優先していた。
このクルマは本当に良かった。
4リッターのV8で420馬力を8300回転で発生する。
車重は重く1650kgあるが、
それを感じさせない仕上がりの良さだった。
最大トルクを3900回転で40.8kgm発生する。
と言う事はトルクウエイトレシオが40.44と思わぬ数値だ。
でも高回転を使わずにニュルをぶんぶん走り回れた。
かえって回転を上げ過ぎると遅い。
1200万円にふさわしいクルマだった。
それがフルモデルチェンジでM4になると、
エンジンは3リットルのストレート6になり、
431馬力を7300回転で発生させるよう改良された。
車体は40kg軽量化され、
1610kgとなった。
驚くべきことに、
最大トルク56.1kgmを1850から5500回転で発生させる。
凄い近代兵器だ。
トルクウエイトレシオは、
28.67と驚異的数値だ。
数値と魅力が比例しない所が、
くるまつくりの難しい所だ。
下からパワーが出て軽いはずなのに、
最終モデルのM3のような「欲しい」と思わせる魅力に乏しい。
ここにシリンダーの数と、
振動の抑制に対する基礎的な差があるのだろう。
STIがプレミアム感を出すのに電動化技術を使う手は、
おそらく平川社長しか考えなかったと思う。
こういうクルマに乗るのも、
スバリストがスバル歴のなかで重ねるべき経験だと思う。
買うかどうか迷っている人は、
是非購入して味わって欲しい。
丁寧に作られたプレミアムな味がきっと分かる。
終わり
この相対する言葉が好きだ。
F430の白いボディカラーは理想的なソリッドカラーだ。
内装はロッソ。
カーペットはヌーボーロッソ。
ダッシュボードはアルミ製だった。
日本市場向けのアイテムがふんだんに装備され、
ロッソ スクーデリアと呼ばれる、
真っ赤なブレーキキャリパーが「どストライク」に刺さった。
タイヤはスバルにもよく使われたポテンザのRE050で、
カーボンブレーキが173万3000円。
特別製のホイールが24万7000円
ステッチも4万2000円で白に変わっていた。
メーカーオプションだけで200万円を超えていた。
6速MT車の車両価格は1980万円で、
2ぺタルも21万円高で選べる。
V8の4.3リッターで490馬力を8500回転で発生。
最大トルクは47.4kgmを5250回転で発生。
車両重量は1510kg
乗ったことは無いがどんなクルマか想像は付く。
正直な事を言って、
欲しいと思ったことは一度もない。
と言うより住む世界の違うラグジュアリーなクルマだ。
スクーデリアとは厩舎を意味し、
ワークスマシンであることを臭わせる。
タイヤはフロントが225/35ZR19
リヤが285/35ZR19
欲しいと思ったことは無いが、
間近でホンモノに接すると圧倒される。
ベタベタ触るような真似を許さない気高さを持っている。
つまり「オーラ」を放っている。
このクルマに近寄って写真まで撮影した理由は、
別にこれがF430だったからじゃない。
ビアンコ アヴォスというボディカラーに一目ぼれしたからだ。
ビアンコならおおよそ見当がついたが、
アヴォスとは何か。
ドイツのサーキットで、
ヨーロッパ最古の自動車専用道路。
何しろアウトバーン建設のきっかけとなった歴史ある場所だ。
今はサーキットではないが高速道路として使われている。
ここで行われた最後のFIグランプリで、
フェラーリが優勝しコースレコードも樹立した。
ニュルブルクリンクとは真逆で、
コーナーが2つしかなく直線と両端のヘアピンだけ。
頭のネジが緩むと死に直結するサーキットだった。
スバルも次はスクーデリア ビアンコを狙ってほしい。
スパルタンではなくラグジュアリーなBRZは、
水平対向6気筒エンジンさえ搭載させることが可能になれば、
必ずや実現するだろう。
その時には是非ソリッドのホワイトを塗ってほしい。
やはりラグジュアリーな場所が存在する。
このホテルは日本に鳴り物入りで参入した、
色々とおもてなしの行き届いたホテルだと言う。
これがラグジュアリーか、
と言うとそうではない。
こんなことをタクシーに貼る付ける程度では、
ラグジュアリーではなくプレミアムのカテゴリーだろう。
25年ほど前に、
マイアミのコーラルゲーブルズで、
ラグジュアリーなホテルばかりを視察したことがある。
日本でも優れた宿があるように、
優れた空間づくりとおもてなしが特徴だった。
規模が小さい方がラグジュアリーだと感じる。
規模は小さいが、スバルにはラグジュアリーなクルマは一切ないし、
これからも一切不要だ。
嫌味なメーカーに成り下がらないためには、
基礎からきちんとプレミアムとは何かを見直す必要がある。
半面、
スパルタンなクルマを作らせたら物凄い実力を持つ。
そこは兵器メーカーの末裔たる由縁で、
凄みを感じる作品は多々ある。
それに昔は今と違ってスパルタンなクルマを簡単に作れる素地があった。
今はBRZに少し残るが、
あのクルマの場合、
ショップチューンでは負のスパイラルしか生まれない。
スバルのクルマはハイパワーにしたり、
シャシーの特性を変えてバランスを崩すと、
滅茶苦茶面白くなる性質があった。
しかしBRZは高度なバランスの上で成り立っているので、
今回の様にメーカーが本腰を入れないと凄みを感じるクルマが出来ない。
スバル本体でまるで「S」のようなBRZを作ってしまった。
それに対してWRXはどうか。
少し振り返ろう。
まず最初からクロスミッションでエアコンレスを平気で作っていた。
そしてSTIがヒットし、
カタログモデルになった。
普通のSTIからスパルタンなクルマを作った。
これなどその典型で、
ラリーに出るわけでもないのに、
気分だけを味わった車だ。
これは相当面白くて、
次のオーナーは最後の最後までしゃぶりつくした。
続いて奇跡のクーペが誕生し、
計算外の重量バランスが偶然効果を発揮し、
スバルを3連覇に導いた。
これはあくまでもプレミアムなクルマだ。
最近少し異常なほど煽る人たちがいる。
確かにこのクルマには、
その気になればフェラーリを買える様な人も乗っている。
けれどもラグジュアリーではない。
トルク不足を補うために2200ccを搭載しただけで、
競技で使えるほどタフなエンジンではない。
内装もインパネもそれほど素晴らしいものではなく、
スパルタンなクルマを無理やりプレミアムにした苦労の塊だ。
確かに500万円は安かった。
ただしSTIも損をしているわけではない。
ちゃんと損益分岐点を考えた。
ただ本当ならば555万円で売るところを、
値付けにビビッてあっという間に売れてしまった。
理由は簡単で、
販路を確立できずにブランドだけが先を走っていた。
このクルマの価値は、
555万円を上回るものでもなければ、
それを下回る事は無い。
すなわち最初から絶対値が決っているクルマだ。
だから555万円以上出してこのクルマを買う人間はアホだと思う。
投機の対象になった商品に近寄らない方が身のためだ。
焦らないでも、
もっと良いクルマを買える日がもうじき来る。
スパルタンなクルマにぞっこんなので、
スパルタンでプレミアムになると痺れてしまう。
22Bではミッションも車体も限界に達したので、
次のクルマで本気を出した。
遂に牙をむいたのがこのクルマだ。
ここでフェラーリのエンジン能力を振り返る。
F430の車両重量は1510キロなので、
最大トルクの47.4で割ると、
トルクウエイトレシオは31.85kgとなる。
S202のエンジンはトルクウエイトレシオが33.9だ。
同じころから動力性能だけ見れば、
結構良い勝負をしていた。
だが202な何しろ思いっきりスパルタンだから。
だから危ないほど凄い。
1330kgで39.28kgm。
軽いボディと急激に高まるブースト圧が、
このクルマを危険な領域にアッと言う間に持ち込む。
カミソリの切れ味だ。
STIは次々にプレミアムなクルマを成功させた。
Sシリーズはベース車が完成の域に達し、
コンプリートの体制を整えプレミアムな味付けで続々とリリースされた。
S203,204 401 402は22Bの延長線に近い。
それに対してバランスを崩して面白くしたクルマがある。
RA-Rは1390キロの車重に増えていたが、4000回転で44kgmの最大トルクを発生した。
ここでEJ20の出力は事実上凍結されている。
こいつは凄いクルマで、
トルクウエイトレシオは32kgを切る31.59kg。
F430の31.85さえ下回る。
だから大量生産できないのではなく、
大量生産してはいけないクルマだった。
そして最新のS07は、
奇遇にもフェラーリと同じ1510キロの車重で、
RA-Rより更に低い3200から4800回転で、
44kgmの最大トルクを発生出来るようになった。
こうしてスパルタンでプレミアムになり、
クルマの質がドンドン高まっている。
トルクウエイトレシオは34.58kgだが、
ホンモノの速さを持っている。
スパルタンなクルマに、
プレミアムな性能は似合う。
STIにラグジュアリーなクルマを作らせたら、
日本のラグジュアリーホテルのようになる。
だからスパルタンで、
プレミアムなクルマに徹すると良いだろう。
それができる会社だと思う。
歴代のクルマで「最もスパルタン」なクルマを、
縁あって入手した。
それが解る人は少ないだろう。
とんでもない心臓を手に入れた、
歴史の合間で埋もれていたクルマだ。
何故ハイブリッドに触手を伸ばしたのか。
やっと長距離を走ることができた。
過去に乗ったXVハイブリッドと何が違うのか戸惑った。
STIの広報車両と足回りのフィーリングが違う。
このクルマは量産初号機なので、
特に念入りに作られたと聞いているが、
やはり足回りの設定は最後の最後まで熟考したのだろう。
XVのtSはシャシーが路面にタイヤを境にして引き付けられる様な走り方をする。
50万円のプレミアム感がそれ以上に味わえる。
マフラーの音がスポーティーで、
実に爽快な気分に浸れるのも、
このクルマの特徴だ。
スパルタンではなく6気筒エンジンを搭載したプレミアム感が嬉しい。
時速80kmでもモーターで走る。
回生エネルギーを有効活用し、
クールな一面も見せつける。
このクルマの良い所は気取らない所だ。
美味しそうな温泉にはついつい引き寄せられる。
スマホで検索すると、
違う場所に連れていかれるが、
やはり食い物と温泉は儀文の下で確認する方が良い。
このくらい熱いとすっきりする。
満足度200%の湯だった。
230円で入浴できる理由は豊富な湯量と絶妙な温度だろう。
これ以上高温だと、
冷やすコストが必要になる。
気取らない温泉のように振る舞い、
抜群の湯で勝負する。
30年と言う節目を控え、
勉強する必要性に直面しているのはセンスだけだ。
色の選択肢が狭いのが、
このクルマの伸びを妨げている。
黒いボディもオレンジのホイールが無いと、
何も格好が良くない。
通常のxv以上にtegoshiには派手な靴が必要だ。
ハイパーブルーを活かせない事も痛い。
この色にイエローグリーンを組み合わせていれば、
おそらく今の2倍確実に売れる。
そういう観点からブラックを選び、
ルーフレールもつけなかった。
それが功を奏し、
ちょっと謎的な雰囲気を振りまいている。
このクルマ気に入った。
プレミアムとは何かを考えるためにもしばらく愛車にしたい。
プレミアム感を出す素材にXVハイブリッドを選んだ理由は、
平川社長の「6気筒」に対するこだわりから生まれている。
ドイツのプレミアムカーも素晴らしい。
M3はむやみに19インチ化せず、
しっかりグリップさせる性能を優先していた。
このクルマは本当に良かった。
4リッターのV8で420馬力を8300回転で発生する。
車重は重く1650kgあるが、
それを感じさせない仕上がりの良さだった。
最大トルクを3900回転で40.8kgm発生する。
と言う事はトルクウエイトレシオが40.44と思わぬ数値だ。
でも高回転を使わずにニュルをぶんぶん走り回れた。
かえって回転を上げ過ぎると遅い。
1200万円にふさわしいクルマだった。
それがフルモデルチェンジでM4になると、
エンジンは3リットルのストレート6になり、
431馬力を7300回転で発生させるよう改良された。
車体は40kg軽量化され、
1610kgとなった。
驚くべきことに、
最大トルク56.1kgmを1850から5500回転で発生させる。
凄い近代兵器だ。
トルクウエイトレシオは、
28.67と驚異的数値だ。
数値と魅力が比例しない所が、
くるまつくりの難しい所だ。
下からパワーが出て軽いはずなのに、
最終モデルのM3のような「欲しい」と思わせる魅力に乏しい。
ここにシリンダーの数と、
振動の抑制に対する基礎的な差があるのだろう。
STIがプレミアム感を出すのに電動化技術を使う手は、
おそらく平川社長しか考えなかったと思う。
こういうクルマに乗るのも、
スバリストがスバル歴のなかで重ねるべき経験だと思う。
買うかどうか迷っている人は、
是非購入して味わって欲しい。
丁寧に作られたプレミアムな味がきっと分かる。
終わり