この一ヶ月間に4度目だ。関東方面に出撃して無事戻った。良い相棒のおかげで楽しく旅ができる。 それにしても良い天気だった覚えが無い。
今回も凄い台風の中を往復した。
被害に遭われた皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。
秋風が吹くようになると、望桜荘を訪れる来客が増える。 手入れを続けるうちに、境目のつもりで埋めてある、丸い自然石を乗り越えて苔が増えてきた。少し遡る。
8月11日の事だった。望桜荘の周りを掃除していて、苔の異変に気がついた。 茶色くなり枯れたしまったかのように変色している。一番酷い所の苔を取り除くと、土の匂いそのものが変だった。
そこで最低限の土を削り取り、その部分に近くにあった適当な大きさの石を置いた。
一ヶ月近く経ち、9月6日に写真を撮った。 近くで良く観察すると、自然治癒の様子がわかる。 枯れてしまった理由は今も不明だが、
何か液体を撒いたような感じがする。
ネコがうろついているので、
そこで何かしたのかもしれない。
丁寧に手入れしてあげれば、
ステキな絨毯が自然に広がる。
しかも高いお金を必要としない。
今年はブルーベリーも一本だけ枯れてしまった。
初夏の乾燥に耐え頑張ったが、
それぞれの株に差が出始めた。
お金を掛けずに知恵を掛けた。
夏の前に庭木を剪定した枝が堆く積まれたままだったので、思い切って新しい装備を用意した。
ケチでは無いつもりなので、
必要なことにはしっかりお金を掛ける。 フードプロセッサーのオヤブンのような機械で、
枝を奇麗にチップ化して、
ブルーベリーの周りに敷き詰めた。
自然には様々なイキモノが居て、循環しながら季節毎の活動を繰り返す。
庭から抜いた草も、一カ所に集め長時間積んでおく。この頃は草刈りしても生ゴミ扱いで、どこも処分に困る。
でも上手く使えば無料で堆肥ができる。
積んだ草の山があまりにも高くなったので、平滑に積み直し、一部を攪拌してカバーをかけ直した。 積んだ内側にもかなり草が生えていたので、抜きながら整えた。草を抜くと大量の蟻が出てくる。
雑草は上手い具合に発酵し、白い粉のような菌糸類が貼り付いている。独特の匂いだが、
決して悪くない。
そういう場所だから、色々な昆虫が屯し、それを狙って蟻が巣くうのだろう。砂のように細かい奴らだ。木の幹にも巣を作る。作られてしまうと一気に衰弱する。
土の一部かと油断した。毎年刺されるが、今年は特に酷い目に合った。 蚊の吸血と違って、最初は刺されたことすら気がつかない。
蚊取り線香を持っていても効かない。軍手に付いたら早く落とすべきだ。
あまり知られていないが、蟻は蜂の一種だ。なのでお尻に弱いけれど針を持つ。
巣を荒らされたわけだから、弱々しいが攻撃してくる。
その時は何ともない。翌日くらいに蚊に喰われたように腫れる。そこで舐めていると良くない。蚊と違って、ただかゆいだけで無く、刺された当たりに水泡ができる。カラダが猛烈にリンパ液を放出するのだ。
蟻だけに特有の蟻酸によって、タンパク質が分解される。刺された部分の皮膚も、徐々に崩壊するのでとても始末が悪い。 バンドエイドを貼った。
ところが激しい抗原抗体反応が起きているので、体液の圧力で風船のように膨らんでくる。出す物は早く出した方が良いが、ジクジクさせておく訳にもいかないので、こまめに手当てした。一番困るのは3日目ぐらいだ。猛烈にかゆくなり、思わず掻きむしる。だから傷口はどんどん悪化する。 生田さんに戴いた、
エアウオールが役立った。バンドエイドの上からくるりと巻くだけで、傷全体をカバーでき、水にも強い。
それなのに全く蒸れない。逆浸透圧の不思議な素材だ。
蟻は大したことないが、油断してはいけない。これが元で寝込むようなことになったら一大事だ。
もし刺したのが蟻じゃ無かったとすると、1週間後くらいに高熱を出す可能性もある。
ダニなどの媒介する、リケッチアに注意が必要だ。野山には注意しないといけない事が沢山あるが、自然環境の中で逞しく生きる動植物から教えられることは多い。
特に今月から来月に掛けて、寝込むわけにいかない理由が沢山ある。
まず今月の第三週に、様々な予約を受けている。ドライブエクスペリエのCプランは、
いつも以上に体調管理が大切だ。今から予約に備え体調を崩さないよう、コンディションを万全に整えお客様を待つ。
早いもので初めてからあっという間に一年が過ぎた。9月6日からスタートし、記念すべき最初のお客様は中田さんだった。最初は戸惑われたが、DEの効果をすぐ体感されたようだ。 振り返ると、
安全に、そして何よりも「続けること」を重視した。多くのお客様から喜んで戴いた事が、継続への原動力になった。
気持ちも新たに2年目をスタートさせる。
これからは車検とセットしたメニューを作ったり、特別なクルマを用意して、レクチャーと同時にスバルを極めるプログラムなど考えたい。
これまでも、徐々にステップアップされる参加者の為にCプランを用意した。
本当にスバルが好きなお客様と、
更に深い味わいを楽しんで戴く。
そのためにまず「3箇条」を決めた。
1.魅力的なクルマを選ぶ
2.魅力的な場所を目指す
3.的確で面白い運転指導
これから更に色んなアイディアを盛り込んで、
今後はCプランをより重視して進める。
今月の予約に備え、
東京からここへ直行した。
イルカのショーを見るためには、2200円払わなければならない。
エキサイティングで素晴らしいが、人工の海水環境だ。コンクリートの設備は頑丈で安全だが、息苦しいビルの空間に身を委ねなければならない。
だが設備を作るコストと、維持する努力に対して2200円は安い。
イルカの居る場所と同じくらい、馬の居る場所も素敵だ。 もっと嬉しいことに、
素晴らしい環境に入場料は掛からない。
Cプランの舞台は一カ所とは限らない。参加する人の個性を見ながら、その時々に合わせたミステリーツアーを楽しんで戴く。
何となく、付き合うのに手間が掛かる、と思われる方も居るだろう。
それは確かにその通りだ(笑)
ブルーベリー農場の季節も終わりに近い。
最後の写真展が継続されていた。 誰でも無料で見ることができる。
開田の厳しさは、
外から見ただけではなかなか解らない。
住んで初めて解る冬の苛酷な環境がここに有る。
田中さんとナホちゃんが雪を掘るリアルな姿だ。二宮さんは力強い写真を撮った。
このように大変な努力を積み重ねて、 入園料は800円だ。
解り易くシンプルでカラダに良いから、ファンが沢山居る。 苗木も入手できるので自家栽培も可能だ。
農園の中に入る前に、簡単なルールを読んで欲しい。
農場の中に入ると、まだまだ勢いの良いブルーベリーがあった。
晩稲の品種だろう。
大きい実を付けている。
田中さんは一人で黙々と作業していた。仕事の邪魔をしたくなかったので、そっと静かに引き上げた。
彼はブルーベリーの「味」と、 素晴らしい環境で勝負している。「素」の持つ気合いを感じる。
ここは品川のアクアパークと対極にある世界だ。
食べ物にも「素」の大切さが現れる。
開田の白菜は漬け物にすると飛び切り美味い。
この日はラッキーデーだった。あるじが山で摂ってきたばかりの「コムソウ」だ。今年の初キノコは、
物凄く美味しかった。
大根おろしとポン酢で、キノコから出る「素」の旨味を楽しんだ。
これらを「蕎麦前」という。本来の手打ち蕎麦に絶対必要なアイテムだ。
蕎麦を打つ間を持たせるための料理にも、素の良さが光る。
このような旨味と、BRZの出す味がピタリと重なる。
「素のBRZ」は特別凄いスポーツカーでは無いが、体に良くて「あるじ」の言うことを良く聞き、思いっきり気持ちくなれる逸品だ。
さらにここからの流れを比べてみよう。スポーツカーを使った長距離旅行には、一定のしきたりが必要だ。 美味い蕎麦を食べるにも、それなりの準備が要る。
一般的なザルソバでもそれなりの準備が必要だが、ここまでの装備は必要無い。しかし「とうじそば」には「そば」以外に、これほど沢山のアイテムが出そろう。ネギの薬味もダブルでもらう。さらに一味唐辛子と「山葵」を特別にリクエストする。
ただし全てのお客様にそれらが出るわけでは無いので勘違いしないで欲しい。Cプラン専用の内容だ。
「蕎麦前」と「とうじセット一式」が整った。奇蹟の漬物「すんき」を汁に投入する。 BRZをソバに例えると、コイツは良質なプレミアムガソリンだ。
「カヤシメジ」だけで出汁を摂った煮汁を、 豪快に沸騰させる。味が壊れると心配する向きもあろうが、そんなことはお構いなしだ。
なぜなら一番最初に一味とうがらしを投入する。この日は気分で14回振ったぞ。好みで火加減を調整していると、この汁が無性に飲みたくなる。 そういう時は、椀にすくって飲むと良い。
クエン酸の豊潤な味と、唐辛子の切れの良い刺激が、腸に染み渡るはずだ。
BRZに乗り、エンジンキーを回して左足をそっと離しながら、右足でスロットルを開ける。
その瞬間の心地よさと似ている。
蕎麦前を楽しむ間に、主役が登場した。
ちょっと待った。蕎麦の色がいつもと違う。もしや「新ソバ」では無いかと聞いいてみた。
隠していたわけでは無いが、「そうだ」と言う。
これは二期作の「わせ」なので、本格的な香りをまだ放っていないそうだ。
ところが「甘み」に富んでいて、なかなかの出来映えだ。
ここで山葵を使う。
ソバの甘みが山葵だけで食べるとシナジー効果で強くなる。 あまりのソバの甘みに、引き込まれるように箸が進み、1枚目を完食しかけて我に帰った。
BRZで走る時に、2速から3速とアクセルを踏み込み、カムに乗った瞬間を思い出すが良い。
あの思わず「イキソウ」になる心地よさは、本能がもたらす快感だ。
蕎麦の毒気に当たると我を忘れる。
そして本当の美味しさはここから始まる。
残った蕎麦を小さなザルに入れ、煮汁を通して食べる。
しゃぶしゃぶと勘違いしてはいけない。あまり取り過ぎず、一口で食べられる量を入れ、さっと1度だけくぐらせる。
椀の中に戻してから、それが茹でたてに蘇る。
いくら食べても飽きることが無い。2枚目の蕎麦も完食し、蕎麦湯も飲んだ。
これがBRZで「GTする」時のイメージだ。
高血圧になるぞと叱られそうだが、この残り汁には悪魔が潜んでいる。 それくらい美味しくて、支払いは僅か1600円だ。
蕎麦に付ける価格の限界点だろう。
素の味で楽しむ物には価格の限界がある。
また逆に言うなら、せっかくの素性の良さを持つのなら、それを活かして徹底的に安価で供給する。
蕎麦をいくら高級にした所で、2000円以上の価格を付けるべきではない。なぜなら蕎麦は「ハレ」の食物では無く「ケ」の食べ物だ。晴れを儀礼や祭の「非日常」の場とすると、ケ(褻)は日常生活を指す。
素の良さを活かすBRZはケ(褻)のスポーツカーだ。300万円以上出して買うクルマでは無い。 「お土産にもっていって」と茹でたてのトウモロコシをもらった。
これも泣かせるほど美味しい。
素の味の魅力は、底知れない魅力を持つ。
そして安い。BRZは生活に密着した「真の」スポーツカーだ。
それを解って載ると、これほど素晴らしい相棒は居ない。ただどれだけの人達がその事を理解しているのか良く解らない。この写真は2007年の8月29日に撮影したコナラだ。 まだ深く知り合った人は誰も居なかった。8年経過した。スカスカになり、遠くから見ても佇んでいる様子が違う。 あの頃からこの樹を大切に守る人が居た。
いつ行っても根本の周りは奇麗だった。それが誰なのか当時は知る由も無かった。 心配する者が居ないと、あっという間に荒れ果てる。 手を添えてコナラにそっと聞いてみた。
「お前はBRZの事をどうおもう」と。 愛情を掛け育て続ければ、まだまだ深い潜在能力を持つ。
だが忘れてはいけないことは、今のBRZは「素」の良さだけで勝負している。
そこが堪らなく良いのだが、手を抜くとすぐ衰える。 このアイスクリームの病巣はかなり深い。「並みより良い」では困るのだ。
BRZも「並みより良い」にならない為の、弛まぬ努力が必要だろう。これからも磨き続けることを願いたい。
今回も凄い台風の中を往復した。
被害に遭われた皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。
秋風が吹くようになると、望桜荘を訪れる来客が増える。
8月11日の事だった。望桜荘の周りを掃除していて、苔の異変に気がついた。
そこで最低限の土を削り取り、その部分に近くにあった適当な大きさの石を置いた。
何か液体を撒いたような感じがする。
ネコがうろついているので、
そこで何かしたのかもしれない。
丁寧に手入れしてあげれば、
ステキな絨毯が自然に広がる。
しかも高いお金を必要としない。
今年はブルーベリーも一本だけ枯れてしまった。
初夏の乾燥に耐え頑張ったが、
それぞれの株に差が出始めた。
夏の前に庭木を剪定した枝が堆く積まれたままだったので、思い切って新しい装備を用意した。
ケチでは無いつもりなので、
必要なことにはしっかりお金を掛ける。
枝を奇麗にチップ化して、
ブルーベリーの周りに敷き詰めた。
自然には様々なイキモノが居て、循環しながら季節毎の活動を繰り返す。
庭から抜いた草も、一カ所に集め長時間積んでおく。この頃は草刈りしても生ゴミ扱いで、どこも処分に困る。
でも上手く使えば無料で堆肥ができる。
積んだ草の山があまりにも高くなったので、平滑に積み直し、一部を攪拌してカバーをかけ直した。
雑草は上手い具合に発酵し、白い粉のような菌糸類が貼り付いている。独特の匂いだが、
決して悪くない。
そういう場所だから、色々な昆虫が屯し、それを狙って蟻が巣くうのだろう。砂のように細かい奴らだ。木の幹にも巣を作る。作られてしまうと一気に衰弱する。
土の一部かと油断した。毎年刺されるが、今年は特に酷い目に合った。
蚊取り線香を持っていても効かない。軍手に付いたら早く落とすべきだ。
あまり知られていないが、蟻は蜂の一種だ。なのでお尻に弱いけれど針を持つ。
巣を荒らされたわけだから、弱々しいが攻撃してくる。
その時は何ともない。翌日くらいに蚊に喰われたように腫れる。そこで舐めていると良くない。蚊と違って、ただかゆいだけで無く、刺された当たりに水泡ができる。カラダが猛烈にリンパ液を放出するのだ。
蟻だけに特有の蟻酸によって、タンパク質が分解される。刺された部分の皮膚も、徐々に崩壊するのでとても始末が悪い。
ところが激しい抗原抗体反応が起きているので、体液の圧力で風船のように膨らんでくる。出す物は早く出した方が良いが、ジクジクさせておく訳にもいかないので、こまめに手当てした。一番困るのは3日目ぐらいだ。猛烈にかゆくなり、思わず掻きむしる。だから傷口はどんどん悪化する。
エアウオールが役立った。バンドエイドの上からくるりと巻くだけで、傷全体をカバーでき、水にも強い。
それなのに全く蒸れない。逆浸透圧の不思議な素材だ。
蟻は大したことないが、油断してはいけない。これが元で寝込むようなことになったら一大事だ。
もし刺したのが蟻じゃ無かったとすると、1週間後くらいに高熱を出す可能性もある。
ダニなどの媒介する、リケッチアに注意が必要だ。野山には注意しないといけない事が沢山あるが、自然環境の中で逞しく生きる動植物から教えられることは多い。
特に今月から来月に掛けて、寝込むわけにいかない理由が沢山ある。
まず今月の第三週に、様々な予約を受けている。ドライブエクスペリエのCプランは、
いつも以上に体調管理が大切だ。今から予約に備え体調を崩さないよう、コンディションを万全に整えお客様を待つ。
早いもので初めてからあっという間に一年が過ぎた。9月6日からスタートし、記念すべき最初のお客様は中田さんだった。最初は戸惑われたが、DEの効果をすぐ体感されたようだ。
安全に、そして何よりも「続けること」を重視した。多くのお客様から喜んで戴いた事が、継続への原動力になった。
気持ちも新たに2年目をスタートさせる。
これからは車検とセットしたメニューを作ったり、特別なクルマを用意して、レクチャーと同時にスバルを極めるプログラムなど考えたい。
これまでも、徐々にステップアップされる参加者の為にCプランを用意した。
本当にスバルが好きなお客様と、
更に深い味わいを楽しんで戴く。
そのためにまず「3箇条」を決めた。
1.魅力的なクルマを選ぶ
2.魅力的な場所を目指す
3.的確で面白い運転指導
これから更に色んなアイディアを盛り込んで、
今後はCプランをより重視して進める。
今月の予約に備え、
東京からここへ直行した。
エキサイティングで素晴らしいが、人工の海水環境だ。コンクリートの設備は頑丈で安全だが、息苦しいビルの空間に身を委ねなければならない。
だが設備を作るコストと、維持する努力に対して2200円は安い。
イルカの居る場所と同じくらい、馬の居る場所も素敵だ。
素晴らしい環境に入場料は掛からない。
Cプランの舞台は一カ所とは限らない。参加する人の個性を見ながら、その時々に合わせたミステリーツアーを楽しんで戴く。
何となく、付き合うのに手間が掛かる、と思われる方も居るだろう。
それは確かにその通りだ(笑)
ブルーベリー農場の季節も終わりに近い。
最後の写真展が継続されていた。
外から見ただけではなかなか解らない。
田中さんとナホちゃんが雪を掘るリアルな姿だ。二宮さんは力強い写真を撮った。
このように大変な努力を積み重ねて、
ここは品川のアクアパークと対極にある世界だ。
食べ物にも「素」の大切さが現れる。
開田の白菜は漬け物にすると飛び切り美味い。
物凄く美味しかった。
これらを「蕎麦前」という。本来の手打ち蕎麦に絶対必要なアイテムだ。
蕎麦を打つ間を持たせるための料理にも、素の良さが光る。
このような旨味と、BRZの出す味がピタリと重なる。
「素のBRZ」は特別凄いスポーツカーでは無いが、体に良くて「あるじ」の言うことを良く聞き、思いっきり気持ちくなれる逸品だ。
さらにここからの流れを比べてみよう。スポーツカーを使った長距離旅行には、一定のしきたりが必要だ。
一般的なザルソバでもそれなりの準備が必要だが、ここまでの装備は必要無い。しかし「とうじそば」には「そば」以外に、これほど沢山のアイテムが出そろう。ネギの薬味もダブルでもらう。さらに一味唐辛子と「山葵」を特別にリクエストする。
ただし全てのお客様にそれらが出るわけでは無いので勘違いしないで欲しい。Cプラン専用の内容だ。
「蕎麦前」と「とうじセット一式」が整った。奇蹟の漬物「すんき」を汁に投入する。
「カヤシメジ」だけで出汁を摂った煮汁を、
なぜなら一番最初に一味とうがらしを投入する。この日は気分で14回振ったぞ。好みで火加減を調整していると、この汁が無性に飲みたくなる。
クエン酸の豊潤な味と、唐辛子の切れの良い刺激が、腸に染み渡るはずだ。
BRZに乗り、エンジンキーを回して左足をそっと離しながら、右足でスロットルを開ける。
その瞬間の心地よさと似ている。
蕎麦前を楽しむ間に、主役が登場した。
隠していたわけでは無いが、「そうだ」と言う。
これは二期作の「わせ」なので、本格的な香りをまだ放っていないそうだ。
ところが「甘み」に富んでいて、なかなかの出来映えだ。
ソバの甘みが山葵だけで食べるとシナジー効果で強くなる。
BRZで走る時に、2速から3速とアクセルを踏み込み、カムに乗った瞬間を思い出すが良い。
あの思わず「イキソウ」になる心地よさは、本能がもたらす快感だ。
蕎麦の毒気に当たると我を忘れる。
そして本当の美味しさはここから始まる。
しゃぶしゃぶと勘違いしてはいけない。あまり取り過ぎず、一口で食べられる量を入れ、さっと1度だけくぐらせる。
椀の中に戻してから、それが茹でたてに蘇る。
いくら食べても飽きることが無い。2枚目の蕎麦も完食し、蕎麦湯も飲んだ。
これがBRZで「GTする」時のイメージだ。
高血圧になるぞと叱られそうだが、この残り汁には悪魔が潜んでいる。
蕎麦に付ける価格の限界点だろう。
素の味で楽しむ物には価格の限界がある。
また逆に言うなら、せっかくの素性の良さを持つのなら、それを活かして徹底的に安価で供給する。
蕎麦をいくら高級にした所で、2000円以上の価格を付けるべきではない。なぜなら蕎麦は「ハレ」の食物では無く「ケ」の食べ物だ。晴れを儀礼や祭の「非日常」の場とすると、ケ(褻)は日常生活を指す。
素の良さを活かすBRZはケ(褻)のスポーツカーだ。300万円以上出して買うクルマでは無い。
これも泣かせるほど美味しい。
素の味の魅力は、底知れない魅力を持つ。
そして安い。BRZは生活に密着した「真の」スポーツカーだ。
それを解って載ると、これほど素晴らしい相棒は居ない。ただどれだけの人達がその事を理解しているのか良く解らない。この写真は2007年の8月29日に撮影したコナラだ。
いつ行っても根本の周りは奇麗だった。それが誰なのか当時は知る由も無かった。
だが忘れてはいけないことは、今のBRZは「素」の良さだけで勝負している。
そこが堪らなく良いのだが、手を抜くとすぐ衰える。
BRZも「並みより良い」にならない為の、弛まぬ努力が必要だろう。これからも磨き続けることを願いたい。