S207の走行距離は1500km超えた。一週間ぶりに仕事を兼ねて長距離を走らせた。
ベストカーから依頼があり、
最新のスバルで何がお勧めなのか問われた。
原稿用紙5枚ほど、
思うことを書かせていただいた。
6月10日の発売が楽しみだ。
どんな記事になるのだろうか。
是非、書店で一冊購入してほしい。
出張先で無残なクルマを見た。
よく見るとトランクリッドも無く、
蓋物が全部無い。
骨格だけ晒されている。
理由はよく分からないが、
一旦修理しようとしてあきらめたのだろう。
顎に強烈なフックを食らったような損傷だ。
ルーフとクオーターパネルにも、
よく見ると歪みがあるので、
直せるようで難しい。
乗員の怪我を防ぐ代わりに、
クルマがその役目を終えていた。
出来れば何とかしたいと思ったが、
これではどうしようも無い
見ていたらBRZで走りたくなった。
風と友達になれるクルマだ。
それとまるで対極にあるのがWRXだ。
風を切るように突き進む。
とにかく溶けるように甘いクルマだ。
高速道路で加速したら、
ハーゲンダッツのバニラアイスを思い出した。
その瞬間の甘さは、
耳たぶくらいの柔らかさに溶かしたアイスだ。
木の匙ですくって食べると、
きっと同じ味がするだろう。
集中して原稿を書いた疲れなのか、
右の耳が痙攣するように痛い。
そこで高速道路を降りてから、
開田高原に脚を向けた。
4000rpmを境界線にした。
我慢を少し緩め、
たまに超えるような走りを始めた。
すると、
まるでクルマが水を得た魚のように生き生きし始めた。
国道19号線を離れ、
あまりクルマの通らない場所を走っていた時の事だ。
ブラインドコーナーを抜けた途端、
反対車線の脇に黒い人影のようなモノを見つけた。
最近、
くまモンがあちこちに現れる。
まるでそいつがうずくまっているように思えた。
とにかく真っ黒だった。
「まさか」と思ったが、
相手が振り向くと間違いなく熊だった。
しかも成獣だ。
至近距離で成獣を見たのは生まれて初めてだった。
最近東北地方では、
こいつらに襲われる人も続出し、
今年は注意が必要だと思っていたが、
まさかこんなに速く出会うとは思わなかった。
熊はこっちを見ると、
勝てないと判断したようだ。
何しろS207と言う、
桁違いの鎧を着ている。
振り向くと慌てて走り始めた。
両側がガードレールなので、
道沿いに進行方向めがけて走り始めた。
体をゆさゆさと揺すりながら、
結構な速度で逃げていく。
そこでS207で追いかけた。
フレキシブルなエンジンは、
思うようにクルマを相手に合わすことを可能にする。
すぐ追いつき、
左側のスポイラーで熊の尻をつついた。
ドンと当てようかとも思った。
だが、
さっき見たばかりのBRZを思いだし、
馬鹿な真似は思いとどまった。
尻を押したと同時に、
ガードレールの切れ目が現れ、
熊は左側の斜面に駆け上った。
窓を開けてiPhoneで写真を撮ろうとしたら、
のそのそと上の方に上っていた。
そこはDEのCプランで走る場所だ。
昨年の春、
後藤さんが参加された時、
その場所に案内した。
記憶を辿ってアルバムを開いた。
記録を残しておいて良かった。
この画像を見て、
熊がなぜ進行方向に逃げたのかよく分かった。
同じ場所からレクチャーカーを写した画像だ。
先の方に見えるカーブを抜けたら、
右側に熊が居た。
確かに逃げ道が無い。
黒いWRXの置いてある場所まで追いかけ、
熊のケツを突っついたわけだ。
ドラレコが付いていたら、
きっとユニークな動画が残せただろう。
窓の外から強烈な獣の匂いを感じた。
もし鎧が無かったら、
どうなってしまったか、
少し冷静に考えた。
結論は一つだ。
今年の山歩きで、
鈴やラジオは必需品だ。
とても快適だった。
復活するために温泉水を持ち帰った。
がぶがぶ飲泉し、
持ち帰った温泉水でご飯を炊いた。
いぶかしがる妻と娘に、
必ず全部食べると約束し、
炊いたご飯がこれだ。
塩加減も絶妙だ。
必要なミネラルが揃っているのだろう。
水の代わりに温泉水を入れただけだが、
とても良い味のご飯が炊けた。
食べた後、
温泉水で割った焼酎を飲んで、
ゆっくり眠った。
いつもやるべき事では無いが、
疲れでバランスを失った時に、
御嶽山の効能は最大の効果を発揮する。
熊とのバトルもやる気を取り戻すきっかけになった。
そういう訳で、
今朝は五時に起きて仕事を始めたがすこぶる快調だ。
5月を振り返り、
次のブログをまとめたい。