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Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
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続:WRXを徹底的に検証する

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S4の世界がSTIをと異なる風格を備え始めた。
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誕生日を迎え、生まれて初めて薔薇の花束を戴いた。
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飯尾さん、ありがとうございました。
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彼は6速マニュアルのSTIを愛用されている。それにはビルシュタインでは無くカヤバ製のダンパーが付いている。
レヴォーグとWRX双方で、一般路を想定して走った場合、カヤバの優位性を感じていた。
新しいシャシーのダンパーストロークに対して、ビルシュタインは一定のギャップで独特の突き上げ感が目立った。
それに対してカヤバは全体のバランスにおいて、ビルシュタインより優れていた。
勿論サーキットを徹底的に走るような場面では、type-Sの方が優れていると思うが、実用域ではスムーズに全域でストロークするカヤバの方が好きだ。飯尾さんもその点を重視され、通常のSTIを選択された。
STIはタイヤサイズがS4より大きく、ワインディングをへばりついたように走る。
但しS4より戦闘的なクルマ造りになる。だから全体的に、しなやかさより強靱なイメージのクルマにならざるを得ない。
S4をそこまで強靱にする必要は無い。だから初めてドライブした時の印象も良かったし、
燃費も予想以上に良く優れたGTに仕上がっていた。
海外のハイパフォーマンスな2ペタルに比べると、今ひとつ物足りないサスペンションでもあった。
それが一年で大きく変わった。思った以上にビルシュタインの性能が際立った。
薔薇の持つ凄味を感じた。ただの花束とは一味違った。
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誕生日を境目に、愛用のグラスを木製に換えた。
淺場さんから頂いた漆塗りの逸品だ。唇が触れたときの質感は、一味も二味も違った。
焼酎の味が変わってしまうほどだ。
スバル国内営業本部から、
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素敵な扇子が届いた。
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何しろ手造りだから、
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団扇とは比べものにならない。
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最高の携帯涼風機だ。
何でもそうだが、拘り抜いて作られた製品には、一味も二味も三味も違う魅力がある。スバル WRX S4の真の実力を詳しく紹介する。
今回のコンテンツは、・テスト車の詳しい諸元・体感動画

それ以外はこの後のブログが引き継ぐ。
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【車名】スバル WRX S4 2.0GT-S Eyesight アドバンスドセイフティパッケージ ハイパフォーマンスタイヤ付【型式】VAGB4L8 DJC【主要諸元】全長×全幅×全高(mm):4595×1795×1475ホイールベース(mm):2650トレッド前/後(mm):1530/1540最低地上高(㎜):135車両重量(kg):1540最小回転半径(m):5.6乗車定員 5名【エンジン】FA20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCS DIT内径×行程(mm):86.0×86.0圧縮比:10.6最高出力:221kw(300ps)/5600rpm最大トルク:400N・m(40.8kg・m)/2000-4800rpm【燃料供給装置】筒内直接燃料噴射装置【変速機】スポーツリニアトロニック(マニュアルモード付)【燃費】12.4km/l (JC08モード)【標準装備】マルチインフォメーションディスプレイ付レッドルミネセントメーターキーレスアクセス&プッシュスタートアルカンターラ/本革(レッドステッチ)シート表皮電動パーキングブレーキ245/40R18タイヤ&アルミホイール運転席&助手席8Wayパワーシートオールウエザーパックウエルカムライティング&サテンメッキドアミラー【税抜き車両本体価格】3.420.000円(外装色クリスタルホワイト・パールは3万円高)
家族で使うスポーツカーらしく、久しぶりに4人でドライブした。
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目指した場所は御嶽山にある幻の滝だ。この山は大量の水を含んでいる。
だから川には沢山の滝があるが、山のてっぺんの滝は珍しい。
噴火の後、土石流が心配で今でも川にはアチコチにカメラが備えられている。
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遙か下に流れる川を恐る恐る見ていたら、
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娘に尻を押された。思わず悲鳴を上げたら笑っている。
悪魔的要素を持つオンナだ。
更に高い所に向かった。
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上のシーンを動画にした。
外から見る姿もなかなか良いし、ボクサーサウンドも魅力的だ。
家族で楽しく語らいながら高原に駆け上がる様子を、助手席から妻が撮影した。
解説しながら走るのとはまた違うナチュラルな走りだ。購入の決め手になるだろう。↓動画

この様に自然な雰囲気で走らせているが、強烈に曲がりべっとりと路面に食い付く。
STIとも違うこのクルマだけのフィーリングだ。
なぜなら、1年間掛けて本気で開発した専用サスペンションが搭載されているからだ。
なぜそれを解り易く説明しないのか。それは燃費が悪化したからだ。
それよりも解り易いASPを前面に出す方が売りやすかった。カタログの謎はこうして解けた。
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訃報

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大切な友人の二宮和年さんが急逝されました。開田で通夜の準備を済ませたところです。19日(日曜日)の午後6時から開田にある自宅で通夜が営まれます。
また出棺は20日午前8時となります。


葬儀は開田高原、瑞松寺で執り行われます。


お寺の住所は〒397-0301 長野県木曽郡木曽町開田高原末川1778−1です。
電話番号は0264-42-3011です。

そのような事情でしばらくブログの更新などを休ませて頂きます。



ドライブエクスペリエにお申し込みのお客様におかれましても、
今週いっぱい休ませて戴きますのであしからずご了承下さい。
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スポーツハイブリッドの撮影が、
お目に掛かった最後の機会になりました。
二宮さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

葬送

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あっという間に3日が過ぎた。
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「コンロを買ったから」と嬉しそうに言う二宮さんと、
4月に豆腐鍋を作った。
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この部屋に久しぶりに入り、
奇麗に片付けた。
翌日、通夜の席で初めてお母さんにお目に掛かった。
二宮さんは驚くほどお母さんに似ていた。



そして昨日は8時半の出棺から始まった。
本田さんらしい愛情ある葬送だった。


いきなり火葬場に向かわず、
ブルーベリー畑に霊柩車を向かわせた。


これには驚いたが、
丁度カメラを持っていたので撮影出来た。


大勢の人が見送る姿に胸が一杯になった。
動画には奇麗なブルーベリー畑が写っている。


涙で目が曇るのを抑えながら、
後に続いた。


昨日までの雨がピタリと収まり、
木曽馬の里で多くの人が見送ってくれた。


火葬が進む間、
息子さんとお話しした。
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向かって右が長男の元気さんで、
左側は妹さんのご主人だ。



実は、
二宮さんは徐々に自分の記録をまとめ始めていた。


その一つとして、
コナラの画像を一枚の名も無いCDに収めていた。


それを遺作だと思ったので、
元気さんに手渡すと同時に、
写真を公開しても良いか相談した。


そのご快諾を戴いたので、
故人を偲びながらご覧戴こうと思っている。


斎場から遺骨を抱いた元気さんを助手席に、
遺影を抱いた奥さんを後席に乗せ、
開田高原、臨済宗「瑞松寺」へと向かった。
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スバリストだった二宮さんを、
最後にフォレスターに乗せてあげる事が出来た。
本当に嬉しかった。


1時半からの葬儀には、
京都から福島さんも会葬して下さった。
ありがとうございました。


朝から水分以外は喉を通らなかったので、
まだ抜け殻みたいな感じだ。


昨日のDEの予約にも対応出来ませんでした。
ご来店戴いたにも関わらず、
快くご理解戴いたお二人に、
心よりお詫び申し上げます。



会社に戻ったら、
ブログを行進するモチベーションを持てと、
岐阜スバルから再びS4が届いていた。
今夜から大阪まで出張し、
約束通り少なくとも25日迄にはS4の性能をブログで紹介する。



それまでは二宮さんの遺作をじっくりご覧戴きたい。
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写真をアップしてたら涙が浮かんだ。


これだけの腕を持つ人を失ったことは、
開田高原にとっても果てしなく大きな損失だ。


写真のタイトルは生前に二宮さんが全て付けた。




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コナラの黄葉


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コナラを見守るオリオン座



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夏本番


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蕎麦ニゴとコナラ


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銀河の中で

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月灯りで癒されて




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見守る星達


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光を浴びて


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秋の日射し



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小鳥を見守って



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星空(ダイスケの丘より)




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青空の下で


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静寂の中で


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爽やかな風


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朝霧をまとって


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天の川をまとって


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落葉


二宮さん、安らかに。











スバルWRX S4ハイパフォーマンスタイヤ仕様を徹底的に解明

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8年前の夏に遡る。
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STIから2007を拝借した。初めて乗った時、
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その完成度に驚いた。

カチッとして重厚感があるのに、その走りはしなやかで瑞々しかった。
いつも山形から届くお土産の味に似ていた。
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芋羊羹だ。
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いつも平方さんから頂く大好物は、まるで裃を纏ったようだ。
セロファンでピシッと長方形に包まれ、それを解いても奇麗な形が崩れない。
そっと囓ると、前歯に柔らかくて確かな歯応えを感じる。べたつかずサッパリした味なのに、濃い甘さが口の中に広がる。
あの時レガシィに、その姿に通じる純粋で豊潤な味を感じた。
平方さんに来て戴いたが、ゆっくり話す時間が無かった。
午後からDEの予約が入っていた。
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現在オートマチックの走行体験車はアウトバックだけだ。レガシィもここまで昇華した。快適性や安全性は比較にならないほど向上した。9年の月日を改めて感じる。
最新のレガシィは、これまでよりひとクラス上のクルマに育った。
従って高級車のカテゴリーまで購入ターゲットに出来る。
一つ前のレガシィは、米国生産車と国内生産車を作り分け、車幅をそれぞれの国に合わせて変えていた。
過渡期のクルマ造りで大変な時期だったが、大きくても安全なクルマを選ぶお客様に喜ばれた。
結果的にレガシィらしい成功を収めたクルマとなった。
しかしSTIがコンプリート化するクルマとしては、そのコンセプトに大きな変化があったことから、相応しくない方へと進んでいくことになる。
そういう事情もあり4代目レガシィのSTIコンプリートは、異常なほど高値が続き、中古車の実態とかけ離れた相場を形成してしまった。
ようやくその虚像が崩れる日を迎えた。
榊原さんからお土産を戴いた。
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海老煎餅の味がとても良かった。
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常識を覆す味付けを施した赤車エビだった。
もう一つは、入れ物ごと食べらるユニークな海鮮煎餅だった。
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ありがとうございました。
開田から訃報が届いたのはその直後だった。すぐ向かったので、それ以降のDEに対応出来なくなった。
この場を借りてお詫びいたします。
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この一年間でR1から始まりスポーツハイブリッドまで、二人で数え切れないほどシャッターを切った。ブログに沢山の想い出が残っている。コナラプロジェクトについて、
木曽町の町長とお会いする事になった。これから募金をどう使うのか決める。
慌ただしい日が続いたけれど、ようやくいつものペースを取り戻した。

心配して戴いた皆様に、
この場で改めて御礼申し上げます。
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神奈川からいらっしゃった岡田さん。お土産をありがとうございました。
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群馬の前田さん、お土産をありがとうございました。
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一宮の永島さん、お土産をありがとうございました。
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岐阜の棚橋さん、お土産をありがとうございました。
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くにゃオールさんから支援物資が届いた。
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沢山の「元気」をありがとうございました。

皆さんから沢山の元気を戴き、「S4」のレポートをまとめる原動力になった。
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そもそも「WRX S4」とは何か。スバルインプレッサWRXの遺伝子を受け継ぎ、世界の舞台で際立つ本物のスポーツセダンだ。
でも決して特別な車では無い。ラリーの遺伝子をそのまま引き継ぐクルマなら、マニュアルシフトの「STI」がある。
スバルは「S4」を別のブランドに育成中だ。「S4」なら普通の人でも楽しく扱える。
腕に自信のある人も落胆させない。スポーツカーを超える性能を引き出せるからだ。
こう書くのは簡単だが、その説明は難しい。
簡単に言うと「S4」は「満足度の幅」が過去最大だ。
特にその中でも、今回追加された「幅広タイヤ仕様」は、その能力を強烈に際立たせた。
優れたセダンの資質は何か。
まず乗り降りが容易に出来る事だ。
次にオトナが4人ゆったりと座れることだ。
そのために余裕のあるレッグスペースや頭上高が必要になる。シートの座り心地も大切だ。
荷物を入れるトランクも、出来るだけ大きい方が良い。
それを確かめるために、実際にオトナが4人乗り、「S4」を走らせた。
しかも家族で旅するシチュエーションとしては、最も苛酷な条件の下だった。
STIなら一人で試しても良いが、「S4」の実力を語るには4人乗車が不可欠だ。
いよいよ結果をまとめる。
御嶽ロープウエイの駅まで一気に駆け上がった。
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これには特別な名前が付いていない。
でも、乗れば解る。明らかに新しいグレードだ。そう思うとムズムズしてきた。
価格表に記された味気ない「ハイパフォーマンスタイヤ付」という表現だけでは、完全にASPの影に隠れてしまう。
相変わらずカタログには2つのグレードしか無い。「S4」にアイサイトは標準装備だ。だから回りくどく表示する必要もないので、勝手にグレードを与えてしまった。それくらい別次元のクルマだ。
これまでの2.0GT EyeSightは、単純に2.0GTで良い。

2.0GT-S EyeSightは、簡潔に2.0GT-Sで良い。
そしてハイパフォーマンスタイヤ付を、2.0GT-S EyeSightと呼ぶのは不条理だ。
あえて2.0GT「type-E」と名付けたい。Eは欧州を指す。追加されたS4は、欧州のプレミアムスポーツに匹敵するサスチューンを与えられた。

「TypeーE」に大型リヤスポイラーは不要だ。アメリカンな外観より、論理的な方が好ましい。
唯一の願いは、インテリアのレッドステッチを、例えコストアップの要因になろうとも、グリーンステッチにして欲しい。

現在タンカラーと組み合わせているステッチで十分だ。たったそれだけで「2.0GT Type-E」が成り立つ。
それほど、
このシャシーの完成度は高い。
今後このブログで説明する場合に限り、他のS4と混同しないよう勝手に「Type-E」と表記する。
FHIの高津さん、ここは是非笑って許して欲しい。
これほどお見事なクルマだと、高い所に登るのが楽しくて仕方がない。
実に気分が良いので、更に勢いが付き、自分の脚で行ける所まで行きたくなった。
これが「モチベーション」だ。
もし気分が落ち込んだら、良いクルマで高い所に行こう。
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久しぶりにロープウエイに乗った。
これなら安全に御嶽山の様子を間近で見れる。
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山頂に着くと、以前と変わらぬ風景だったが、所々に火山灰が目立った。
この日はてっぺんから噴気もジャンジャン出ていた。
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終点の先にある山小屋まで行き、
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皆で御嶽の神様に手を合わせた。
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この日は絶景だった。乗鞍岳の右側に槍ヶ岳が見えた。
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年配の人達も眺望を楽しんでいた。少しくらい足腰が衰えても、クルマがあればこんなに澄んだ空気が味わえる。
幻の滝を教えると、
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とても喜んで戴けた。携帯電話のカメラ機能がよく解らないそうで、妻が使い方をアドバイスしていた。スマホの機能を使いこなせないので、その気持ちが良く解る。
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この双眼鏡を使うと滝が一番良く見える。カメラのズームレンズでは、流れる落ちる水しぶきが見えない。100円入れて滝を見ると、
とんでもない量の水に驚いた。
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豪快な火山だ。あれほどの高所になぜ大量の水源があるのか。
腹が減った。家族の意見は開田の蕎麦で一致した。
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木曽馬の里まで一気に駆け下りた。
ここでスバルの取り組むブランディングの確かさに感心した。これまで「ふらついた」商品企画が目立ったが、発表以来「S4」には一本の芯を感じる。
スバルは平気でSTIと混同するネーミングを与えてきた。今は「S4ブランド」を確立させる意気込みが生まれた。
以前から「S4」を正しくブランディングする為に、次の掟が必要だと考えている。まず、1.6リットルダウンサイジングターボは禁忌だ。直噴ターボなら何でも良いわけでは無い。400N・m以上の最大トルクを持たせる事が大切だ。
それに優れた4WDシステムを組み合わせ、老若男女でもさりげなく乗りこなせる「風情」が必要だ。
次に、スバルのスポーツブランドは、価格を必ず300万円台に留める事だ。
「S4」をそのように育てれば、「G4」と「B4」の存在も徐々に際立つ。
400万円を超えるブランドは「STI」に任せるという、次の道も開けてくる。
逆にSTIコンプリートが400万円を切るようでは、腰の引けたクルマしか出せない。
理由は簡単だ。335万円の「Type-E」は、メーカーラインを出荷した状態で、既にSTIコンプリートの資質を持った。
冒頭で4代目レガシィの、Tunede by STI 2007に触れたのも、それと「S4」の近似性を見たからだ。


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STIの歴史に残るコンプリートカーを振り返る。【車名】
LEGACY B4 2.0GT spec.Btuned by STI 2007MODEL
【型式】
CBA-BL5
【主要諸元】
全長×全幅×全高(mm):4635×1730×1425ホイールベース(mm):2670トレッド前/後(mm):1490/1495最低地上高(㎜):150車両重量(kg):1480最小回転半径(m):5.4乗車定員 5名
【エンジン】EJ20/水平対向4気筒2.0L DOHC16バルブデュアルAVCSツインスクロールターボ内径×行程(mm):92.0×75.0圧縮比:9.4最高出力:191kw(260ps)/6000rpm最大トルク:343N・m(35.0kg・m)/2000rpm
【燃料供給装置】EGI
【変速機】スポーツリスポーツシフトE-5AT
【燃費】表記無し(JC08モード)
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【標準装備】STIチューニングビルシュタインダンパー&コイルスプリングブレンボ製ブレーキSTIピロボールブッシュ式リヤサスペンション専用チューニングECU&TCUSTIスポーツマフラー225/40R18ポテンザRE050A&STIアルミホイールSTIフレキシブルタワーバーSTIステンレスメッシュブレーキホースSTIフロントアンダースポイラー&トランクスポイラー
【税抜き車両本体価格】3.940.000円(外装色クリスタルホワイト・パールは3万円高)
2007年と言えば「SIシャシー」が誕生した頃だが、4代目レガシィはSIシャシーと縁が無い。
今になって考えてみると、SIシャシーの要素をいくつか取り入れていたのだろう。
tuned by STI 2007のマルチリンク式リヤサスペンションは凄かった。
操縦性能と乗り心地を高次元でバランスさせた、優れたサスペンションに蛻変していた。
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この写真が脚の動きを一番解り易く見せている。撮影したのは当時、岐阜新聞中津川通信局に在駐した松野記者だ。
tuned by STIが、2005から2006に変わった時は、ベース車のマイナーチェンジ対応が主だった。ところが2007は根本的に違っていた。

最も大きな変化は、シャシーの基本を見直したことだ。それまでは硬く締める方向に進んでいたスポーツシャシーの考え方を、緩める方向に転換した。
それが4つのタイヤの動きを変えた。
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何度か往復し、
4つのタイヤがしなやかに路面を掴み、コシのあるゴツゴツしないサスペンションに痺れた。
芸術的なサスチューニングによる足腰の魅力と、小気味よいボクサーサウンドに調律された専用マフラーが、
それまでのスバルでは味わえなかった世界を初めて創り出した。
一人で走るとだんだんダイナミックになる。
さらに速度を上げて進入しても、クルマの挙動を完全に支配できた。
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この様に。
何度同じ所をハイペースで攻めても、シャシーは一向に音を上げなかった。
ハイパフォーマンスカーは、卓越した動力性能を、シャシー性能が上回れば上回るほど価値が高い。
「強靱でしなやか」と一口に言っても分かり難いが、
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うねった路面を軽快に走る姿は、クルマの全てを正直に語る。
開田高原のアスファルト路面には癖がある。奇麗に整っているように見えるが、
そのサーフェスには複雑な表情が有る。
安心感のあるサスの動きと、思いのままに扱える操縦性に感動した。
ただしtuned by STI 2007は、
STIのコンプリートカーとして、改造車の範囲を抜けられなかった。
だがこの成功は次の「S402」に繋がった。STIの歴史を語る上で、「S402」を絶対に欠かすことは出来ない。
なぜならば「S402」は、FHIのラインで製造された唯一のSTIコンプリートカーだ。いまだにこのクルマを超える作品が現れないのは、STIからその土壌が消えたからだ。
これらを今の状況にあてはめると、「Type-E」の質が解る。
「TypeーE」は、標準生産モデルとして、遂にtuned by STI 2007をキャッチアップした。

しかし「S402」を超えた訳ではない。
「S402」を語る逸話がある。4人乗車の「M3」と2名乗車の「S402」が、ノルドシェライフェで「ほぼ」互角に渡り合った。
その時のドライバーはどちらもプロの日本人だ。出会いは全くの偶然。結果的に「S402」が「M3」に道を譲ったが、両車の価格差を考えると、「S402」の優秀性が理解出来るだろう。
「Type-E」も御嶽の上り下りを通じて、ハッキリとその優秀性を見せつけた。
4人乗車の状態で、一人乗りのtuned by STI 2007を超えた。
しかも、コンプリートカーのようにシャシーに様々なテンションを掛ける事も無く、素の性能だけで上回ってしまった。
動力性能にも同じ事が言える。tuned by STI 2007のエンジンとトランスミッションには、STIのコンピューターチューニングが施されていた。
特にSI-DRIVEのインテリジェントモードに手が入り、エンジンの出力特性をリニアに引き上げた。「あの味」を体で覚えると、なかなか忘れられない。

4人乗った状態で、
「あの味」を思い出したと言うことは、
「Type-E」も大きなポテンシャルを持つ。
感心しながら蕎麦屋に行くと、

蕎麦前に美味しい白菜漬けが出た。
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草食一家なので蕎麦や漬物が大好物だ。白菜漬けは特に目が無い。発酵して旨味の出た野菜は、シンプルだが実に美味い。
一年掛けて熟成された「Type-E」は、真っ白な炊きたてのご飯に、これを添えて食べる美味しさだった。
次に山ほどある蕎麦に箸が進み、これらもペロリと平らげた。
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特にこの日は辛味大根を用意してくれたので、余計に箸が進んだ。
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何も付けずに辛味大根だけで食べると、余計に蕎麦の味が際立つ。甘いのだ。
クルマも余計なモノを付けずに、素の状態を知ることが大切だ。
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素の状態が悪い蕎麦に、いくら美味しい汁を付けても満足できる状態にはならない。
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この日の蕎麦はあまりに美味しかった。ざる一枚をペロリと辛味大根を添えただけで平らげた。
皆の腹が満たされたので、「Type-E」に乗って牧場へ向かった。
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スポーツ性能は、他に類を見ないほど高い。「日本に稀なハイパフォーマンスカー」と言っても過言では無い。

セダンとしての資質も高い。4つのドアは大きく開き、乗り降りの姿勢も楽だ。
シートの座面は滑りにくい素材で、カラダにジャストフィットする。不必要なほど拘束しないので、座り心地も良く乗り降りも妨げない。オトナ4人がゆったりできる。前席の余裕はもちろん、後席のニースペースもヘッドクリアランスも十分だ。
トランクスペース広く、ヒンジに工夫が施され荷物もたっぷり入る。

乗り心地も全般的に優れている。
セダンに必要な柔らかさを持ちながら、
スポーツセダンに必要な優れた操縦安定性も併せ持つ。

以前の動画で、アスファルト路面に段差があると、場合によって突き上げが出た、とレポートした。
理想を言えば無い方が良い。だが硬いブッシュを使ったクルマに、ある程度の荷重がかかると避けられない特徴だ。
最新型のBMWで同じ突き上げを感じた事を思い出した。
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空港からオトナ4人で乗った時、同じようなシチュエーションで似た突き上げを感じた。
放牧場に到着した。木曽馬の姿はどこにもなかった。
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いつもなら居るはずだが、視野のどこにも一頭も見えない。妻は馬より蕎麦の花に夢中だった。時の過ぎゆくのは速い。
ちょうど中川さんが通り掛かったので声を掛けた。
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彼は最近ユニークなお土産を開発した。
ここでしか換えない美味しいビスケットだ。
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タピタのパン屋さんとコラボしてるので美味しい。中川さんも自宅に石窯を持つほどの料理好きなので、味は抜群だと思う。
毎日ほぼ完売してしまうらしいので、木曽馬の里に行ったら真っ先に購入して欲しい。
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中川さんに馬の居場所を聞くと、草を探して丘の向こう側に移っていったらしい。子馬も二頭放たれているそうだ。
それなら呼べば良い。
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日頃から人馬関係?をきちんと整えている。
本気で呼べば来るはずだ。

妻は「おーい」と呼ぶ姿を見て、「何と馬鹿な男だろう」と思ったらしい。
ニンジン振りながら馬を呼ぶ、「オバカな写真」を撮ったつもりだったが、思わぬ展開に驚いた。
繰り返し呼ぶうちに丘の向こうに馬の背が見え始めた。
すると娘が気付いて、「あれ、馬が見えたよ」と言っている。
その内、こちらをじっと見る馬の存在に気がついた。そして一頭が走り始めた。
これには仰天したらしい。
嬉しそうに「ヒヒーン」と鳴きながら、子馬まで従えて来た。
動画をご覧戴きたい。馬でもクルマでも、日頃から嬉しがることをしてやれば、良く言うことを聞くはずだ。
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ニンジンは丸ごと与えず、囓らせた方が良い。てこの原理で食いちぎると、コリコリッと美味しそうに食べる。
だがデカイ歯が怖いと、オトナでもビビるようだ。
子馬はまだニンジンの美味しさを知らないが、人なつっこいので近くにドンドン寄ってくる。
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どんなもんだ。と言う顔をするのが妻にとってシャクに障るそうだ。
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ちょうどカリフォルニアから外人のツアー客が訪れていた。細かく刻んだニンジンや林檎を用意していたが、馬が居ないので半ば諦め掛けていたようだった。
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娘は慣れた手つきでニンジンを食わせていた。
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まだ小学生ぐらいの外国人は、餌を持つ手も頼り無く、少し腰も引けていた。
いくらアメリカ人でも、テキサス生まれじゃないと、馬はちょっと苦手なのかな。良い想い出になった事だろう。馬を呼ぶことが出来て良かった。

思いっきり開田で休日を楽しむのなら、良いクルマが不可欠だ。家族を飛び切りの場所へ連れて行った。
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ある場所から一瞬にして、空気の匂いが変わり、味まで変化する。
ただし熊が出るかもしれない。こう言う場所では、必ず声を出しながら歩く。

親子4人の性格が良く解る。
ちょっと引くタイプと、
積極的にガンガン前に行くタイプの半分ずつに分かれているのだ。
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奇麗な山野草がアチコチに咲いていた。
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ありとあらゆる場所に美しい苔がある。

まさしく癒やしの空間だ。
こうして4人乗車で200km以上走り回り、皆「Type-E」の性能に満足した。
その翌週、同じクルマで大阪に向かった。
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4人乗車でも卓越した動力性能と、操縦安定性を誇った「Type-E」から、約180kgのウエイトをそぎ落としたらどうなるのか。
クルマの本質は、
乗って、乗って乗り尽くさないと解らない。
高速道路で、
これまでとの違いが更に際立った。高原ドライブとは全く違う、高速巡航性能が際立つのだ。
矢のように加速し、粘着テープで路面に貼り付くように減速できる。
ブレーキペダルの踏み込みに対して、リニアに制動力が立ち上がる。
ブレンボの必要性を全く感じない。高速域からでもナチュラルで気持ちの良いブレーキだ。
ダンピングが良く効いて、姿勢変化も少なく、クルマの挙動を手の中に収められる。
このクルマの場合、SI-DRIVREはデフォルトでiモードにセットされる。
もうそれで充分速い。一人乗りだと凄く身軽で、STIに引けを取らない。
スポーツリニアトロニックは、SI-DRIVEと協調し、S#モードを選択すると8速自動変速に様変わりする。
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いやはや参りました。MT派を懐柔してしまうデキの良さだ。
いるか要らないかは別にして、最近の多段式ATは8速が主流だから、やる気になれば何でも出来るぞ!と誇示している。
BRZの6ATのように、最近は多段式ATのダイレクト感も凄い。
でも段数には制限がある。
スポーツリニアトロニックの場合は、それに制限が無いので面白い。
昔からCVTに馴染んでいると、CVTに比較して、多段式ATの連続性が良いという気持ちが、実はイマイチ良く解らない。
だからSモードでオートステップ制御になる気持ち良さを是非知って欲しい。
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まだ雨の降る前のドライコンディションで、SとS#を比較した。
S#は強烈な出力とパドルシフトで、ゲーム感覚でドライブを楽しめる。
Sでフルスロットルすると、これがまたドラマチックなんだ。
気持ち良くシームレスに加速するかと思うと、ちょっと強めのスロットル操作で、ポンポンと段階的に変速する。
高速道路を飛ばすなら、こちらの方が楽しいかもしれない。

そして料金所で渋滞すると、CVTの優位性は最高潮を迎えた。
どのようなシチュエーションでも、とにかくギクシャクしない。
大阪の環状線を走って実感した。「S4」にMTの搭載は不要だ。スバルの誇るスポーツリニアトロニックを、S4ブランドで徹底的に極めるべきだと思った。
それほど2つの組み合わせは良い。
スバルが高出力トランスミッションの開発を、リニアトロニック一本に絞ったのは、決して間違いでは無い。
そもそも300N・mに対応するリニアトロニックを、独自開発したことが凄い。
これをSTIと混同させず、「S4」ブランドとして眺めると価値が解る。
現在のハイパフォーマンス2ペダル市場は、高性能な多段式オートマチックトランスミッションと、ツインクラッチを用いたDSG(DCT)にほぼ別れている。
スバルはそのどちらにも関わらず、CVTで高性能化を極めた。
その効果はてきめんだ。名神高速道路から環状線や近畿道に合流するような、特に混雑する高速道路で明確な優位性を持つ。
多段式ATでは足りないギヤ比を、CVTはいとも簡単に産み出す。
デュアルクラッチが苦手とする低速域で、CVTは明らかに滑らかでショックがない。
スバルもレガシィで多段式ATを開発した。tuned bySTI 2007の、調律されたエンジンと5ATの組み合わせも悪くなかった。
それと「TypeーE」をトルクウエイトレシオで比べてみよう。BL5→343N・m/1480kg4.31kg/N・m
VAG→400N・m/1540kg3.63kg/N・m
この差は数値以上に気持ち良い。
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その上、混んだ市街地走行でとても効率が良い。だからトータル燃費が素晴らしく良くなる。
会議で美味い弁当が出た。
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蓋を開けると、見るからに美味そうに様々な食材が詰まっている。
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S4はこんなクルマだ。優れた安全性能。卓越した走り。環境変化をモノともしない優れた駆動制御。これらは下半分のご飯だろう。そして上に並んだ美味しいおかずが、ぶつからないEyeSightや、アドバンスドセイフティパッケージ(ASP)などの運転支援機能だ。
ASPの中でも特に中核を占める機能が、スバルリヤヴィークルディテクション(SRVD)だ。
SRVDは、死角車両検知(BSD:ブラインドスポットディテクション)と、車線変更支援(LCA:レーンチェンジアシスト)と、後退時支援(RCTA:リヤクロストラフィックアラート)に大別される。
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アイサイトの前方予防安全システムに対して、SRVDは後側方領域をカバーする安全システムだ。
アイサイトで補いきれない部分を、レーダー検知技術を活用し、「スバル オールアラウンド セイフティ」の一翼を担っている。
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もともと米国向けに開発が始まったシステムだ。北米の自動車環境は他の国とかなり違う。
米国における都市部のハイウエイは3車線以上で、自分の周りに常に複雑な自動車環境が存在し、それを検知することで目を見張るような効果を生む。
しかし日本でも、最近では複雑な道路環境が増えてきた。環状線から京滋バイパスに向かうジャンクションなど、典型的な場所だろう。
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ナビも高性能化し、道を解り易くMFDに出力する。
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以前より解り易くなっただけに、急なレーンチェンジも多くなった。
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それだけにSRVDが車線変更時や後退時にドライバーの視界を確保する意味は大きい。システムは単純だ。リヤバンパーの左右に、24GHz帯のレーダーを二つ備えているだけだ。
それぞれのレーダーは、車両を検知し演算するECUを内蔵している。左右のレーダーの内、左側がマスターレーダー、右側がスレイブレーダーの役割を担う。
スレイブとは非常にアメリカらしい表現だ。車両データはマスターレーダーがCANを通じて入手し、マスターはスレイブと専用CANを通じて相互通信する。
まずBSDは車両後方3mまでの後側方を死角と認識し、時速10㎞以上で作動する。
LCAは車線変更の際に、高速で近づくクルマを検知する。24GHz帯のレーダーは、70mの検知距離を持つので、衝突予測時間をレーダー内部で演算できる。
RCTAは後退するときに後方を横切ろうとするクルマを検知する。
このシステムは珍しいものでは無く、既にベンツには遙か以前に採用された。
したがって今回のシステムのサプライヤーは、コンチネンタルオートモーティブである事は明らかだ。
しかしS4に搭載するために、開発本部は数々の努力を積み重ねた。
同じ車線に居るクルマを認識させない工夫や、遠くのクルマに警報を発さないために、スバル独自の技術を盛り込んだ。
凄いのは「ゼロ円キャンペーン」だ。まるで携帯電話のチラシのようだが、スバルは購入者に対してキャンペーンを張っていた。
7万円以上の価値を持つASPを、購入する人に対して「無料」で付けた。
またしても苛酷な条件が偶然揃った。大阪への道程がいつもより長く感じた。

強烈な雨が襲ってきた。
アイサイトが機能を停止したほどだった。
しかし、それをモノともせず、
まるで晴れているかのように平然と走れた。
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これまで紹介した弁当のおかずは、見た目で味がおおよそわかる。
しかしご飯の違いはわかりにくい。カタログで後回しにされた、
新開発サスペンションの概要もそれと良く似ている。
たった一年間で飛躍的にサスペンション性能が向上した。その理由の一つは、サスペンションのフリクションを机上で計算出来るようになった。
このブログでも、良く「気持ちが良い」とか「美味しい」と表現するように、クルマの運動性能を論理的に数値化することは難しい。
特にドライバーがステアリングを操作し、タイヤが転舵を始めた時、どのように力が加わるのか。
そしてクルマがどのように回頭していくのか、解らないことがまだまだ多い。それを実験で繰り返し煮詰めるが、
結果を求めるのにかなりの時間が掛かる。
クルマにはロールとピッチとヨーの3軸の動きがあるが、その中でもヨーの出方を机上計算できれば、サスペンション開発の時間は大幅に短縮できる。
スバルはその技術を確立した。それが「TypeーE」の誕生に繋がった。もう一つの技術的進歩は、WRXの車体剛性の高さだ。
最近の自動車行政では、不用意にクルマを軽く作ると登録諸費用が高くなる。
したがって重くする工夫を凝らすのが、最近の傾向だ。勿論、ただ重くしては意味がないので、燃費も同時に高める必要がある。
スポーツカーのように、燃費に対してハードルが高いクルマほど、最近では軽いことを宣伝文句に使い難くなった。
しかし新型WRXは世界的に見ても、業界でトップクラスの軽量化技術を実現した。
ただ軽いだけでなく、スポーツカー並みの低重心化技術や、世界トップクラスの衝突安全性まで確立している。
WRXで新たに採用された技術は多い。設計から材料の選択、生産する技術まで多岐にわたっている。
その結果、WRXの実際の重さは、前のモデルよりトータルで5.4kg軽い。僅かな数値と侮れない。新型の捻り剛性は46.2%も旧型より向上した。これは軽量化指数を跳ね上げるので、旧型に対してそれは33%も向上した。
その秘密を握るのは東亜工業かもしれない。
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TOAのロゴをNBR参戦車などでご覧になった方も多いだろう。社長車を見ただけで、クルマ好きの度合いがビンビン伝わってくる。飯塚社長が中津スバルを訪れてくれた時、東京に出張していた。
残念だった。是非工場見学に伺いたい。
WRXでは車体骨格の45%に、590MPa以上のハイテンションスチールを使っている。その他にもアルミの採用で高強度化と軽量化を進めた。
しかし車体剛性を高めるために、更なる高剛性設計が盛り込まれている。だから塊感のある走りが楽しめる。

素の状態でSTIのコンプリートを超えた秘密が、ここに隠れている。
ハイテンションスチールも、
一番硬いモノだと980MPa級だ。
それがセンターピラーに使われている。
更に硬いホットプレス加工材も、
フロントピラーの剛性向上に役立っている。


フロントピラーはその機能上、
出来るだけ細くて剛性が高い方が良い。


断面を小さくしながら強度を高める方法を開発した。


それがパッチワーク&ホットプレス技術だ。


固い鉄を溶接した後、
600℃くらいまで熱してガツンとプレスする。


これがホットプレス加工材だ。


とてつもなく硬い。


しかし従来の工法ではプレス加工した後で、
もう一度スポット溶接する必要があった。


当然その部分は一度柔らかくなるので、
熱影響で強度が下がる。


新しい技術でホットプレスの前に、
全ての溶接を完結させる技術を編み出した。


この様に優れた技術の蓄積で、
「Type-E]は誕生した。
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往復510㎞を走って、
1リットル当たり10.5kmの実燃費だった。

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惜しいのはアイドリングストップが備わっていないことだ。以前の説明では、CVTの内部油圧を保持するためのオイルポンプを付ける余地がないと聞いた。
次のマイナーチェンジで、全てのクルマにアイドリングストップを望みたい。
それが唯一の課題だろう。
スバルのリリースした新たな商品は、とても素晴らしい。
ライン品質でしか出せない優れた特徴を備え、操縦安定性はコンプリートカー並みだ。研ぎ澄まされた性能を持つのに、お値段は僅か5万円の差に過ぎない。
ゼロ円キャンペーンと併せると、欧州のハイパフォーマンスカーの乗り味を、たったの335万円で手に入れられる。
ああ、なんて素晴らしいんだ。最後に総括したい。
念のため「Type-E」と「GT-S」のダンパーとスプリングを詳細に分析した。価格表で区分されたVAGB4S8と、VAGB4L8の部品構成を調べ共通部品を洗い出した。その結果ダンパーは全て別の設定に置き換えられていた。タイヤをもう一度見直し、ビルシュタインと徹底的に煮詰めた。
フロントのスプリングも新開発だ。共通部品はリヤのスプリングだけという、
想像通りの結果になった。
今回のS4は、「理想の乗り味に如何に近づけるか」という命題に対して、「Type-E」という解を導き出した。
これを実現させるための技術開発に加え、忘れてはならないことがあるようだ。
FHIには素晴らしい料理人が育った。
辰己英治、渋谷真とうい双璧に対して、とうとうそれを引き継ぐ役者が現れた。WRXの操安全体をまとめたようだ。
効果は顕著に表れ、「type-E」は乗り心地と限界性能の双方で大きく進歩した。
またレヴォーグとも共有していた、アクティブトルクベクタリングの過敏な反応も霧散させた。
サスペンションのフリクションを低減させ、245/40R18の高いグリップ力を生かし切っている。
タイヤのパフォーマンスをしっかり引き出せば、アクティブベクタリングも過敏にならない。
これは普通の人には解らない。でも最新のアウディやBMWのハイパフォーマンスカーを乗りこなす人は、ドイツ仕立てのVDCとの違いを感じるだろう。
昨年、大阪をレヴォーグの2.0GT-Sで往復した時、
高速道路を高い速度でクルージングした。
下りで僅かに舵角が掛かると、旋回方向に向かって外側の前輪に特徴的なVDCの反応が出た。
それが危ないわけでは無いし、不快なわけでも無い。
「なぜだ」と思ったに過ぎない。
「TypeーE」で同じ行程を走った。
「たった一年で・・・・」
その仕上がりには、もう唸るしかなかった。最高の料理は、「ヘビーウエット」という苛酷な状況下で、特に美味い!
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迷う必要は何もない。
「Type-E」を安心して購入して欲しい。
おわり

「刺激」と「攪拌」

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痩せた畑には作物が実らない。
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畑が素晴らしくても市場が痩せると作物が売れない。

市場が痩せてしまわないないためには、
根気よく「刺激」と「攪拌」を続けねばならない。


それにしても、
なにが面白いのか良く解らない。


文学賞を受賞した作品など買ったことは一度も無い。
友人が興味をそそられて購入したので、
ちょっと斜めに読んでみた。


良く本を戴くが、
ざっと読んで面白ければ残す。


面白く無ければ、
斜めに読み飛ばしそのままリサイクルだ。


直木賞や芥川賞は元々菊池寛が作った宣伝のための賞だ。


文藝春秋が主体になり、
活字離れを防ごうと必死に「刺激」と「攪拌」を繰り返している。


又吉に才能もあるのだろうが、
ジャーナリズムとって極めつけのニュースソースだろう。


一定の型にはまりさえすれば、
手っ取り早く強烈な話題性を巻き起こす素材の方が良い。


調布で痛ましい飛行機墜落事故が起きた。


あのニュースを聞いて、
30代の青年が、
僅か数百時間の飛行経験で、
なぜ指導資格を持てるのか疑念を感じた。
あまりにも手っ取り早さを感じるし、

格好も良すぎる。


格好良い物は長続きしない。
同じ「型」の存在を、
昨年の年度総会で、
船井総合研究所が招いた組織にも感じた。


「ティーチ フォー ジャパン」という、
手っ取り早く派遣教師を作る組織の説明を聞いたとき、
アメリカ仕込みが鼻についた。


アメリカに感じる魅力も多いが、
そのまま日本で永年に渡り成功するだろうか。
それほど世の中は甘くない。


世の中に「刺激」と「攪拌」は絶対に必要だが、
その手順や「熟成の時」を軽んずると、
短命に終わる。
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日本を代表する文学賞も、
一皮剥けば「大規模な出版PR」だ。


乗せる方も、乗せられる方も、
それさえ解っていれば良い。


あの賞を取ったからと言って、
「面白い」と保証されているわけでは無いのだ。


そこにはさほど罪は無い。


もう居ないと解っていたが、
自然に足が向いてしまった。



痩せた土地を肥沃に変え、
田中さんは努力を積み重ね、
ブルーベリー農場を作った。
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そしてここまで育ち、
今年も美味しい実を付けた。


凄まじい「刺激」と「攪拌」だ。


決して格好の良くないことを永年に渡って続けた。
その結果がここに有る。


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水曜日も素晴らしい果実が、
次々と出番を待っていた。
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あれほど心配してくれた人が居なくなったので、
コナラも淋しい事だろう。
二宮さんが立ち上げたコナラプロジェクトについて、オブザーバーが集まり意見を交わした。
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久しぶりにカフェKAZEで、
二宮さんを偲びながら酒を酌み交わした。

方向性をはやく決め、
募金を生きたお金にする必要がある。




集めた募金の扱いが決まった。


高原の澄んだ空気の中で深い眠りに就いた。


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目覚めると良い天気だった。
KAZEのマスターも「刺激」と「攪拌」の権化だ。
凄まじい執念で「開田の今」を盛り上げようとしている。
4月に訪問した時より、
店が膨らんでいた。
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なんと屋根ぎりぎりまで壁を伸ばす工事が始まっているでは無いか。デッドスペースを有効に活かすには、日頃の苦労の中から徐々に蓄積された経験が生きる。
格好良くスパッと決められない代わりに、格好悪くても良い物が残る。
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開田でミニライブが息長く続くのは、マスターの努力があればこそだ。
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これでかなりステージも快適になるだろう。増えた奥行きが僅か数十センチでも、何十メートルにも相当する価値が生まれたはずだ。
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完成期限が定まらないのが悩みのようだ。
是非開田に行ったら、マスターの顔を見て欲しい。


まるで工事中のように見えたとしても、
ちゃんと営業している。
8月は夏休み期間中として、
ほぼ無休営業のはずだ。


美味しい朝ご飯を戴いた。
インディアナポリスへ行って以来、
パンの朝食は皆無だった。


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美味しい朝食で力を付けて、
木曽町長と面談した。
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開田高原のシンボルだったコナラの木や木曽馬も、
今では木曽町全体のシンボルだ。
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木曽町長の原久仁男さんは、
その事を良く解っていらっしゃった。
何しろ町長の名刺に開田の光景が刷り込まれている。
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これには感動した。
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開田ファームの田中さんも、
二宮さんが集めた募金の思いを切々と語られた。


二宮さんは決して格好良く無かった。
だが、
15年間の永きに渡り、
コツコツと積み重ねた努力があった。


そしてそれがコナラの周囲にオーラを生んだ。
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木曽町に、使用目的を指定した寄付として、30万円以上貯まった募金を託した。
これからも募金活動を続け、町にそれを寄付する事にした。

「刺激」と「攪拌」が無いと行政も膠着し、
市民活動の活気を奪う。
そのための「糧」にして欲しい。




国政にもそろそろ「刺激」と「攪拌」が必要なのかもしれない。


強行採決しないと、
国際的な国の面目も保てなくなる。


それもわかるが、
複雑で分かり難いことを承知で、
素人にごり押ししている。
するとどうなるか。


日本人はそれほど馬鹿では無い。
だから気をつけた方が良いだろう。


またアチコチで「刺激」と「攪拌」の火が燃え広がる。


その兆候は不景気という形で現れ始めた。


ゴールデンウイーク以降、
畑は元気だが、
市場は随分痩せてきた。


なぜか。


女性が防御モードに入ると、
お金の流動は一気に下がる。


そうした経済低迷の予感を、
「刺激」と「攪拌」で元気づけてきた。

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火曜日に「環境に優しい整備工場」として表彰して戴いた。
これも推薦を受け一定の型にはまれば受賞できる。
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振り返ると10年以上が過ぎ去った。
平成18年が最初かと思ったが、

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プレートを紛失してしまったが、
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それより古い記録もあった。
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10年前のこの日は出張と重なり、
会長に代理出席を頼んだ。
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振り返ると、
この時も受賞者は少なかった。


時が過ぎ、
一時の勢いは姿を隠した。
この賞を戴かなくても困るわけでは無いし、
形骸化が進んでいることもあって、
今年は10年前のように減ってしまった。


メーカー系のディーラーはトヨタカローラとホンダだけ。
三菱は仕方が無いにしても、勢いのあるマツダ、それにスバルや日産も居なかった。


ましてや軽自動車のディラーは全く関心が無い。
飛ぶ鳥を落とす勢いだったスズキや、
女性のハートを完全に掴んだダイハツも、
環境には興味を示さない。


最大のトヨタ系列さえ、
僅か一社なのだ。



なぜ表彰申請を続けるのかというと、
それをモチベーションの維持に使う。

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周辺の環境を改善する大切さに気がつき、
やり続けるうちに望桜荘の産声が聞こえ始めた。


平成17年の秋から18年の12月まで、
様々なことが次々に起きた。


そしてから19年から望桜荘の企画を立ち上げ、
20年の4月に一年がかりで完成させた。
その「刺激」と「攪拌」は明確な形を残し、
今も続いている。


「刺激」と「攪拌」が無いマンネリ行政は、
いとも簡単に形骸化を生むが、
それをプラス思考で活かす。


受賞を励みにして、
環境改善の「スキーム」を見直せるからだ。


7月から新たな機材を追加した。
こうして工夫を随所に折り込み、

言われてやるのでは無く、

やりたいからやるプログラムを編み出す。





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かわら版も200号からもう204号だ。
新型車が一つも無いのに、
スバルは変化に絶え間が無い。


今春発表された新型BRZの蛻変に驚いた。
すると直後にスポーツハイブリッドが誕生した。


正直な所、

5月以降クルマを取り巻く経済状況は悪化の一歩だ。



スポーツカー市場も明らかに痩せてしまい、
全く元気が無い。
残念ながら、
かわら版203号で十分な「刺激」と「攪拌」が出来なかった。
「痩せ」させず「活気づく」よう意識を変えるために、
具体的に何をするのか。



かわら版もマンネリ化すると、
それが形骸化を産み、
結果を出せなくなる。



それを防ぐ努力を続け、
200号から204号迄まで短いスパンで発行した。


最近の特集はインプレッサと深い関わりを持つ車種ばかりだ。


スバルファミリーで、
レガシィとエクシーガはインプレッサに比べ少し系統が異なる。


GP系の基本設計はとても優れている。

今も全く色褪せないばかりか、
ハイブリッドのシャシーとしても活かせた。


GP系のコンポーネントを共用しBRZも開発された。


レヴォーグはその骨格を大幅に強化し、
専用のダウンサイジングエンジンと新しいスキンを纏って生まれた。

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S4もG4をベースに開発され、

驚くほど見事なクルマが誕生した。


かたや最もベーシックな1.6のスポーツも、
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昨年の暮れ、
驚くほど素晴らしいクルマになった。


8月号のかわら版で、
クロスオーバー7を俎上に上げた。


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クロスオーバー7は、
エクシーガのほぼフルモデルチェンジだ。
アウターパネルや灯火器類を共用したので、
そう名乗ることを許されない。


けれども乗るほど好きになったステキなクルマだ。
BRZの後回しにしたのは、
大きな間違いだった。


そのクロスオーバー7を中心に据え、
204号の構成が出来上がった。
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そしてこの夏は、
次の「刺激」と「攪拌」を企てた。
既に次の号も構成に入った。




夏休みフェアで、

かわら版で特集した新型車を一気に味わえる。
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そして今月から裏面に目玉を置くことにした。
チラシには即効性も大切だから、
出血サービスが必要だろう。
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「刺激」と「拡販」で、
この夏もフルスロットルだ!!!




もっちりしたインプレッサを楽しむ

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猛暑の中津川を象徴する、美しい笠置山だった。
会議室の窓から格別な眺めを楽しんだ。
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村上さんは島根県にお住まいのSVXオーナーだ。
今年の2月に初めてお目に掛かった。


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笠置山の夕日と重なる、
オレンジ色のSVXと記念写真を撮った。


その村上さんから陣中見舞いが届いた。

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面白い梱包で大切に輸送された逸品だ。
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瓶詰めしたばかりのお酒に驚き、
早速冷蔵庫に収納した。
美味しいお酒をありがとうございました。
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生田さんからも凄いモノが届いた。
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まず蕩けるような甘さを持つスイカだ。
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そして次に沢山の軟骨が届いた。
とても美味しい恒例の贈り物だった。

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社員に精を付けて欲しいという、
温かいメッセージも添えられていた。


この場を借りて心より御礼申し上げます。


岐阜スバルの杉山君から、
美味しい沖縄土産が届いた。
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しっかり試飲したと、
嬉しい事を言ってくれる。
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確かに美味かった。
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珍しい泡盛をありがとうございました。
皆さんからの応援で、かわら版の制作に弾みが付く。
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ブログの更新にもやり甲斐が産まれる。ドラフトが完成した翌日も暑かった。
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イベントに備え、望桜荘の庭を手入れした。植物にも少し疲れが見えていた。
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でも苔はスクスクと増えた。井戸水をミスト化して与え続け、乾燥を防ぎ続けた。
草取りしていたら、妙な物に気がついた。
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棒を突き刺したような穴がある。
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樹種によって穴の数に違いがある。たとえば花梨の近くには全く無い。
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ところが梅の周りには、アチコチに沢山ある。興味深い事に、
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根の張る方向に沿って穴がある。
まるで地中の根を記すようだった。
穴の上を辿ると、
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蝉の抜け殻があった。地中で7年間ほど過ごし、ようやく出てきたのかと思うと、とても儚い気分になった。
この後は生殖行為にふけり、雄は猛り狂ったように鳴きながら、地上で最後の晩餐を繰り広げるのだ。
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銀杏の木も、
根元にたくさんの穴が開いている。
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頭上を見ると、
ギョッとするほど抜け殻がある。
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羽化したばかりアブラゼミが、
葉の間に見えた。
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7年前、この望桜荘が誕生した。

因果関係がある。
その時、蝉が卵を産む環境が整ったのだろう。



トノサマガエルにしろ、
蝉にしろ、
この小さな庭の中に一つの宇宙が出来た。
蝉の一生はとても永い。



7年間も地中で生活し、
コツコツと力を蓄え華やかな時を迎える。
最近の研究結果で、

蝉の地上生活期は意外に長いと解明された。


クルマの開発も、
蝉のように長い間水面下で進められ、
地上に商品をして現れる。


長い間熟成された技術は、
一気に「糖化」して咲く、
それは竜舌蘭にも重なる、
代々継承される事象だ。


やはり残ることが、
何よりも大切だろう。


ふと望桜荘が誕生した時を思い出した。
「こけら落とし」に森宏志さんをお招きし、
新世代のWRX STIを熱く語って戴いた。


まさかその直後にWRCから撤退するとは、
夢にも思っていなかった。


森さんは三代目WRXの開発責任者だが、
その前は新世紀レガシィも担当した、
技術開発本部のエースだ。
スバルの歴史に残る、
カーオブザイヤー受賞車は、
落ち着きを取り戻したスバルの開発環境から生まれた。


潤沢な開発資金と、
優秀な技術者に支えられ素晴らしいクルマが産まれた。


当時の開発環境からすれば、
その後産まれる三代目インプレッサにも、
同じ期待が集まった。


しかしレガシィ風の安定性と、
重厚感を求めるクルマ造りは、
市場の期待を裏切った。


そしてリーマンショックによるラリー撤退へと繋がる。


さらに記憶を遡る。

二代目インプレッサの誕生も波乱に富んでいた。
21世紀を見据え、
急遽始まった二代目の開発は、
とんでもない荒技の繰り返しだった。


そこを乗り越え、
一気に3つの車型を同時に出した。


今のスバルでは絶対に出来ないだろう。
更にリコール問題の発生は、開発に大きなブレーキを掛けた。
インプレッサは、常に時代の狭間で波瀾万な産まれ方をする。
今から四半世紀前の1990年に遡る。この年はスバルに取って不毛だった。
主力車種がモデルチェンジの谷間を迎え、
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新型車は新規格サンバーだけ。そのサンバーも4気筒エンジン搭載を急ぐ余り、品質管理に課題が多かった。それは販売最前線に試練を与えた。
まさに売れば売るほど苦労の連続だった。
長期間フルモデルチェンジが無く、待ちに待った顧客が多かった。そのためよく売れたが、
それが製造現場の混乱も招いた。


なにもかも朝令暮改の連続だった。


ネコの目のように、
補修部品の番号が変わった事を昨日のように覚えている。


エアコンもオプションだった。
だからディラーの部品センターも苦労が絶えなかった。
同じ年式でも、
純正部品番号が違う。

どうしてかと思うほど、
エアコンキットの部品の品番が異なった。


CVT搭載とスーパーチャージャーエンジン誕生は、サンバーにハイパワーを求める顧客に受けた。
だが技術的に目新しく、いくら性能が良くても販売の現場と富士重工の理想は乖離していた。
乗用車を目指したディアスと、過去の上級貨物系「try」が混在し、レパートリーも混乱。熱心に開発しても、
軽自動車なんて「所詮使い倒し」だった。
それにやっと気がつき、踏ん切りを付けるまで20年以上掛かった。
翌年の1991年には、SVXが誕生した。
ようやく明るい兆しが見え始め、VIVIOの誕生で落ち着きを取り戻した。
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脆弱だったREXの商品力を一気に引き上げた。特に後年の「ビストロ効果」は、
末期モデルでスバルが見せる底力を、他のメーカーに思い知らせた。
富士重工の経営は決して良くなかった。工場稼働率も非常に厳しく、日産パルサーの受託生産を決定したのは、1991年1月18日の事だった。
この時代の節目に、思い切って社屋を一新した。だからその時代を良く覚えている。
その当時、クルマの技術開発に置ける高機能化を、最新の計測技術が支えていた。
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当時の専門誌だ。あの浜松フォトニクスも、自社の得意とする技術で燃焼解析を誇示していた。右ページの堀場製作所は、排気ガスアナライザーだけで無く、人間に変わって運転席にセットし、運転状況を正確に再現する高性能ロボットを開発していた。
周辺の技術革新は相次ぎ、1992年以降、各メーカーから壊れにくくて高性能な自動車がゾクゾクと誕生した。
この安定期に誕生したのがインプレッサだ。どんなライバルが居たか振り返る。まずトヨタから、マークⅡ、チェイサー、クレスタのⅢ兄弟が誕生した。そしてホンダからはドマーニが誕生した。2つは消滅したが、
インプレッサは残った。
当時発表された、3車それぞれの「開発の狙い」を紐解く。
「トヨタ マークⅡ三兄弟」1.洗練されたプロポーションの美しいスタイル2.安らぎと高まりを両立させた高質な走り3.人と地球に優しいクルマ造り
「ホンダ ドマーニ」1.永く、そしてセンス良く使いこなすことを前提とする、取り回しに優れたサイズ、デザインの追求2.ドライバが、安心感に裏打ちされた気持ち良い走りの出来る、クラスを超えた安全性能の追求3.乗る人全てが実感出来る、多角的な領域から捉えた快適性能の追求
「インプレッサ」1.流麗で高品位なスタイリングの実現2.軽やかな加速感、このクラスでは卓越した走り味の実現3.ファミリーカーとして必要十分な快適性の確保
何を言っているのか分かり難いホンダに比べ、トヨタとスバルは開発の狙いが解り易い。
この強烈なライバルの中で、なぜインプレッサだけが残れたのか。
そのキーワードが開発の狙いの中に見事に現れている。
それは「卓越した」という表現だ。
スバルはいつも「卓越した」何かを持っている。それさえ忘れなければ永遠に不滅だ。
卓越するとどんな味になるのか。
そこが今回のキーワードだ。
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天昇堂の高橋さんが来店された。
素晴らしいお菓子をありがとうございました。
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社長に就任され、
これからの活躍が楽しみだ。
おめでとうございます。

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戴いたお菓子は、
初めて見るものだった。
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結ばれた二つの袋を切り離す。
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最中の皮を出し、
もう一つの袋を開ける。
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中ににある見事な羊羹を取り出す。
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それを最中にして、
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パクリと食べる。
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餡と求肥の見事なハーモニーで、
香ばしさと「もちもち感」が秀逸だ。


若尾さんご夫妻からも、
ビックルするような贈り物が届いた。
いつもありがとうございます。
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宮古島のマンゴーは、
とても甘い。
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大きいマンゴは勿論美味しい。
でも今回は驚いた。
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初めて見た小さいマンゴーが、
強烈に甘かったからだ。
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プルーン位のマンゴーに、
ナイフを入れ皮を剥く。
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種もしゃぶり尽くせるほど甘い。
南国のフルーツならではの、
「もちもち感」がマンゴーの魅力だ。



滋賀県から中瀬さんがいらっしゃった。
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お土産に大津名物を戴いた。
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近江の和菓子も、

京都の影響なのか極めて美味しい。


中津川の和菓子も、
近江商人によって伝えられたのだろう。
味の共通性を感じる。

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封を切ると美しさに見とれた。
白い部分を餅羹と呼ぶ。

風味は名古屋のういろうにも通じる。
中津川の郷土菓子「からすみ」も似ている。



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素朴で柔らかだ。
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程良い粘りけが「もちもち感」を盛り上げる。
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美味しいお菓子をありがとうございました。久しぶりにスポーツブルーのWRXを預かった。
車検と同時にペイントを施し、
車体を若い頃に蘇らせる。
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このGC8も「もちもち感」が高い。
どうしても手放せない気持ちが良く解る。
切っても切れない同志なのだ。
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伊藤さんのGGAも、
同じ雰囲気を漂わせていた。
リフレッシュメンテナンスが終わり、最終確認の高速テストで、完成度の高さを見直した。
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恵那山トンネルもリフレッシュの真っ最中だ。
上り線のトンネルの方が新しいが、
良く見れば中はボロボロだ。
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上下線とも側壁の補強が進んでおり、
間もなく改善されるはずだ。

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高速走行性能は申し分なかった。
眠気予防には、
ファミマのホットコーヒーが良い。
だが苦みが残る口の中に水が欲しい。
クルマを止める。

湧き出る水が「もちもち」して甘いのだ。

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水にも味がある。
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清水をコップで受けた。

何の変哲も無い水だが、
そこには卓越した何かがある。
先を急いだ。
国道19号線に出ると、
前にR2がいた。

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R2が右折し、
その前の車に追いつく。

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湧き水を飲んだ時、
走り去ったサンバーだった。
サンバーの向こうからR2が現れた。
世の中は軽自動車に席巻された(笑)
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軽快に走るサンバーを、
登坂車線で追い抜き中津川市内に入った。


今度はミライースだらけになった。
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対向車線に目を移して、
思わずギョッとした。
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プレオを先頭に軽自動車のオンパレードだ。軽自動車だけでなく、プリウスもそうだけど、「燃費」という分かり易さと、税の安さで大ブレイク。
移動の手段に、現在の軽自動車は何の不便も無い。異常繁殖は歪な環境が生んだ必然の結果だろう。
会社に帰ると次のテスト車が用意されていた。


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リフレッシュメンテナンスの完了したGDBだ。
同じインプレッサでも、
その特性はかなり異なる。


両方ともB&Bサスを装着し、
モチモチ感のあるクルマになった。

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際立つクルマに蘇らせるために、
リフレッシュメンテを施す。
いよいよ仕上がりだ。
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ヘッドライトは丸い方が良い。
マイナーチェンジ後のブラックベゼルに惹きつけられる。
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スバルを熟成すると「もちもち」になる。

整備も同じだ。
万全に仕込んだB&Bサスペンションを付け、

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遂にリフレッシュが終わった。

いよいよ主の元に帰る。



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中津スバルオリジナルのダンパーは、
乗り味に拘った設定にしてある。
二代目から三代目にモデルチェンジし、
更に四代目のデビューでどのように蛻変するのだろうか。
どうしてこれほどのヒット作になったのか振り返るため、
相棒を乗り換えた。
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4万5千キロ以上走行した2.0iに、
モチモチの色気を感じた。

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岐阜の表彰式から開田高原を経て、


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南信を回った。
発売当時の2リットルFWDに500km以上乗り、
FWDの良さを見直した。

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「もちもち感」のある性能は、
前輪駆動車の方が解り易い。


最新型とはまた違う、
熟れた味だ。
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「改善の積み重ね」が1.6i-Sや、
アクティブスタイルを生んだ。


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特に1.6のFWDとどのような差があるか。


改めて良く解ったことは、
「もっちり」感だ。
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ここに「クルマの面白さ」が有る。
「ひとくくり」に出来ないイキモノだ。


このエンジンは普段使っているフォレスターと同じだ。
それを、
軽量で駆動損失の無い車台と組み合わせると、
これほど「もっちり」した味になる。


これは驚きだった。
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むせかえるような夏の空気を感じた。

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ユニークなお店を発見した。
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これはアルシオーネの味に似ている。
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「ましのワイン」は製品の宣伝をほとんどしていない。


偶然通りかかって見つけたお店だ。
スバリストの琴線に響く味だとおもう。
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当たり前のように山葡萄のワインがあるが、
野生種を畑に降ろして栽培したそうだ。




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シードルもオリジナルの製品だ。
この辺りは又ゆっくり紹介しよう。

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うっかりしてお名前を聞くのを忘れたが、
愛車はスバルだ。


レヴォーグへ乗り換えを計画中らしい。


翌日、岡山から岡田さんが愛機を受け取りに来られた。
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久しぶりにエンジン音を聞いた。
当社にも動態保存されているが、
しばらくエンジンに火を入れていない。


この個体には、
何か誕生の秘密がある。


実際に売られていたクルマと、
何かどこかが違うのだ。


初代フラット6は、
コクがあって甘酸っぱい味がする。岡田さん、撮影させて戴きありがとうございました。
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アルシオーネVXのフロントオーバーハングは長い。


執念で6気筒を押し込んだのでやむを得ない。オーバーハングの長さが、甘酸っぱさに繋がるのだろう。これは当時のスバル車全般が持つ、共通した瑞々しさかもしれない。
地中で活動する蝉が、不完全変態の最終局面を迎えるように。
地中からトンネルを掘って地面に頭を出した。その瞬間かもしれない。
エンジンを上から見て、
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オーバーハングの大きさを実感する。車軸とエンジンの関係は、AWDである以上変える事が出来ない。しかし、この後改良を積み重ね、ドンドン短くなった。
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上下を比べると良く解る。下は入れ替わるように入庫した奥村さんの22Bだ。
羽化のために樹を登り始めた蝉が、パックリ背中を開いた瞬間だろう。
究極の4WDでここまで詰めた。インプレッサ22Bの「もちもち感」は、オーナーの魂の入り方でそれぞれ異なる。
だからちょっと例えようが無い。


量産品では無く、
手造りしか出せない味が1台毎に醸し出されている。

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b&Bサスペンションが出来上がった。



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22Bのリフレッシュが遂に終わった。
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奥村さん、ありがとうございました。
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北原課長も、
満足できる仕事が出来たと喜んでいる。
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久しぶりに主と再開し、
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22Bが本当に嬉しそうだった。
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尻尾を振りながら走り去る姿が、

目に焼き付いた。


モチモチしたクルマは、
全て卓越した何かを持っている。


そんなクルマと出会えると、
人生にまた一つ大きな喜びが生まれるだろう。


おわり

最終版インプレッサ スポーツハイブリッドの特性を徹底的に解き明かす

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インプレッサ スポーツハイブリッドの、
メーター内に緑のレディランプが点灯したら、
ちょっと面白い乗り方がある。


それを実際のシーンで撮影した画像で説明しよう。
ブログの後半を良く見て欲しい。
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クオーツブルーの2.0iーSで初めて高速道路を走った。そのテストでは、まず中津川と豊田市の間を移動した。
XV HYBRIDとの違いに感動し、次に悪路走破性能を確かめたくなった。そこで開田高原で雨の林道を走行し、二年間で進歩した総合性能に感心した。姿勢を下げた2.0i-Sでも、
かなりの悪路走破性能を持つことを実証できた。
一ヶ月ほど経過し、改めてスポーツHYBRIDの持つ、「GT」としての能力を確かめたくなった。クオーツブルーは夕日に映えた。


特にスタイル-Sパッケージと、ダークガンメタリック塗装のホイールが、低く構えたスポーツのフォルムと見事に溶け合って美しかった。

今回の相棒はパールホワイトのHYBRID 2.0iーSだ。外装色以外は全く同じ装備を持つ。
大阪に出張した時のS4と同じ色だが、スポーツと組み合わせると、夕日の中で違う趣を見せる。
このクルマも夕日に映えた。
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遂に「GT」の能力を東京往復で試す。
出張の目的は良質車の仕入れだ。それともう一つは、青森スバルの大川さんと、秋田スバルの木村さんに会うためだった。
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東北で絶好調なこの二人から、元気をもらう。厳しい夏を乗り来るためだ。宮城スバルの安部ちゃんも居た。彼らが元気な理由は、中古車相場の大幅な上昇だ。特にエクシーガはミニバブルの状態で、CO7の誕生と同時にワゴンが消滅し、極上中古車のエクシーガは、数十万円も相場が上昇した。
高値で在庫を処分できれば、その潤沢な資金でガンガン仕入れる事ができる。スバルの中古車相場に精通する彼らは、見事な活躍を繰り広げている。
彼らは邪道では無く王道を歩む。プロの道を東北の三人から学んでいる。
東京まで片道300km以上ある道程を、二日間で一気に走った。スポーツHYBRIDの、ポテンシャルをまとめる。
「EyeSightについて」ちょっと疲れが溜まっていた事もあり、

眠気を少しでも催したら休むと決めて居た。


途中のPAで仮眠したこともあり、
予定が少し遅れた。
それは想定内のつもりだったが、
中央自動車道の混雑は想定外だった。
混雑が続き到着時間は大幅に狂った。

本格的な夏休みが始まり、平日でも長い渋滞路が生じたようだ。
こんな時にアイサイトが役立つ。ぶつからない性能も凄いが、やはりアダプティプ クルーズ コントロール(ACC)の優位性は抜き出ている。

談合坂SAでトイレ休憩し、
出た直後から徐々に渋滞が始まった。


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完全に停止したり、
ノロノロと運転が始まったり、
少しも楽しくない運転を延々と続ける羽目になった。


完全に停止した時、
MFDを確認した。
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丁度午後5時だった。
予定ではもう東京に着く時間だった。
ちなみにこの表示を説明する。
この時の気温は30℃。
アイドリングストップでエンジンとモーターも休止。
ニッケル水素電池はほぼ満タン。
中津川を出てからの燃費はリッター当たり11km弱。


燃費値はソコソコだが、
ここまでの道程をおとなしく走ってきたわけでは無いので、
充分納得出来る結果だ。


またノロノロ運転が始まった。
ここからACCを作動させると、
運転の負担が大幅に和らぐ。



「ついていく」機能が際立つ。
条件が揃い既にEVモードになっている。
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スバルXVハイブリッドと比べると、
モーターだけで走れる領域が増えた。


リジュームスイッチを押し上げ追従を促した。
エンジンは止まったままだが、
前のクルマについて行き始める。
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そして前方の車との間の距離が開くと、
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ほとんど気がつかないほど静かに、エンジンが瞬時に起動する。
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長時間に渡り渋滞路でACCを使い続けると、
バージョン2と3の違いを感じるようになる。
その最も大きな要因は、
カメラの違いだ。


これまでそれほど意識しなかったが、
バージョン3に乗り慣れた後だと、

ブレーキランプの認識の差を実感した。


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赤色を認識出来るS4のつもりだと、
思わずヒヤリとさせられる。


再追従を促した位置と、
車間距離のアンマッチがあり、
「ぶつかる」と思わずブレーキを踏んだ。


制動が掛かるタイミングがS4とは違ったためだ。


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渋滞で有名な小仏トンネルに入り、
エコクルーズコントロールをセットした。
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スポーツHYBRIDが、
その機能を持つことさえ忘れていた。




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XVハイブリッドでは確かに有効だった。
でも正直な所、
スポーツハイブリッドは性能差が良く解らない。

この時はECO-Cをオンにしても、
どのように変化したか全く解らなかった。


「ハイブリッドの性能向上について」

今回のハイブリッドシステムは、
以前に比べ全体のマネージメントがかなり変わった。
インプレッサそのものの基本性能も良くなったので、
モーター走行領域の拡大や、
充電速度など性能向上をしっかり感じ取れる。


これまでもECOーCをオンにして、
EV走行を最大限に活かせた。


その機能自体は今でもあるが、
スポーツHYBRIDだと、

こうすると簡単に時速80㎞までEVで走る。


下の画像を見ると、
時速60㎞でメーター内に「READY」と表示が出ている。
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このとき、余りエンジンに負荷が掛からないシチュエーションだったら、
軽く制動力が掛からない程度に、
ブレーキペタルを「ペトリ」と踏む。


するとロックアップでも働くのか、
エンジン回転が2000rpm当たりまでピョンと跳ね上がる。


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その直後にエンジンはストンと活動を止める。
一切ショックも無く見事にEV走行に切り替わり、
そのまま優しくスロットルを踏むと、

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時速80㎞までモ-ターだけで走る事が出来る。


上手な発電と回生で、
以前より動力用主電池の充電状況が良くなった。



だから自分のモノにして、
オーナーが自分流に調教すると、
なかなか面白いスポーツ性能を発揮する。


スバルはこのクルマ専用の、
スポーツマフラーを造ると良い。


下向きにせず、
左右対称の二本出しにしたら、
きっと売れると思う。
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この日は日暮れになっても気温が高く、

エアコンのコンプレッサーが働き続けた。


だからアイドリングストップに移行しない。
渋滞路でエネルギー回生は燃費に有利に働くはずだが、

この時ばかりはそうとも言えなかった。


でもニッケル水素電池の能力が、
かなり向上したのに加え、
充電マネージメントも見直された結果、
以前より簡単に満充電になる。


プリウスが大ヒットし、
容量の割には小型化された。
そのおかげで、

スバルはハイブリッド車を割安に作れる。


トヨタのストロングハイブリッドに比べると、
モーター走行領域の幅広さでは性能的に劣るが、


以前より渋滞時で簡単にEVモードに移行する。



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ハイブリッドならではの注意すべき事もある。
ACCをセットして追従している時、
渋滞して停止すると、
数秒でブレーキの液圧保持から開放される。
EPB仕様なら、開放と同時にパーキングブレーキが掛かる。


ところが通常のサイドブレーキではそうはいかない。
警報のあとブレーキを踏まないと、
クルマはモーターの力で前へ進み出す。


S4やレヴォーグばかり乗っていたので、
少し横着になった。
この時もぶつかる様な気がして、
慌ててブレーキを踏んだ。


あくまでも印象なので、
実際にぶつかることは無いとは思うが、
気をつけるべきだろう。


モーター領域が広がって、
欲を言えばもっと上を望みたくなるが、
現状で最高のバランスを手に入れたとも言える。
上り坂で車の負荷が大きくなると

すぐエンジンが始動するが、
これが実にシームレスで気持ち良い。



隅田川の花火で大混雑する東京に、
やっとの思いで辿り着いた。


居酒屋に早速駆けつけると、
つまみを揃えて待っていてくれた。
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ようやく東北の勇士達と酒を酌み交わし、
鋭気を養った。
翌日の戦いに備えようとしたら、
他の勇士が現れた。


スバルの中古車を司る男を邪険には出来ない。
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彼の選んだ店に曳きづり込まれ、
辿々しい日本語の会話を楽しんだ。


流石に酔いが回って、
もう帰ろうとしたが、
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「だんな、もう一時間居やしょうや」と、
渡辺さんのパワーは全開だ。
とてもこの若さにはついて行けず、
後ろ髪を引かれながらホテルに帰った。


インプレッサスポーツが数あるハイブリッドの中で、
どんな場所にいるのだろうか。
その優位性は、
スバル本来のクルマらしさが存在することだ。


例えば速く走らせる時、
スロットルをギュット踏むと、
モーターアシストが働き、
まるで六気筒エンジンのように気持ち良く加速する。
その微かに「ブーン」と唸るようなエンジンサウンドが、
溜まらなく気持ち良い。
ここが他のハイブリッドと一番違うところかもしれない。



悪路から高速道路まで相当走り込んだが、
スポーツ性能はかなりのレベルだ。
エンジンも重厚なボクサーサウンドを奏でる。
居酒屋で食べた最高の牡蠣を思い出した。


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この牡蠣の大きさにも驚くが、
味も素晴らしい。
ミルキーで柔らかい、
かるく噛むだけで、
海洋ミネラルが喉の奥に甘く流れ込む。
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この味はスポーツHYBRIDの加速時に感じる、
BOXER6の食感に似ている。


一夜明けエンジンをスタートさせたら、
電池がほとんど空になっていた。


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前夜も暑くて、
品川では架線が切れて電車が止まるほどだった。
朝の東京はまだ午前8時だ。
それなのに、
うだるような暑さだった。


前を走る路線バスが突然壊れた。
運転手があわてて降りて、
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交通整理を始めた。
その横をかいくぐり大通りに出ると、
この右側に仕事場がある。


仕入れを終え、
再び高速道路に乗った。
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強烈な暑さだった。
でもインプレッサは絶好調だった。
踏み込むと気持ち良く加速する。
モーターでエンジンをアシストしながら、
高速道路でも徐々に燃費が向上した。
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「優れたシャシー性能について」

なぜWRX並みのコーナリング性能を持つのか。
改めて同じ場所で3車を比較すると、面白いほど高速旋回性能が似ている。ヒントはタイヤにあった。
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このクルマは、他のインプレッサに比べ、
全く違うサスペンションジオメトリーに見直されている。

だからレヴォーグと同じサイズのタイヤが装着できた。
開発担当者が同じだから出来た芸当だろう。



何から何まで見直されたリヤサスの動きは、
兄貴分のS4やレヴォーグにそっくりだ。


前輪のグリップも上がり、
姿勢が下がったから、
コーナリングの限界性能も高まった。

高速道路から一般路まで実に楽しい。
日本で必要としない、時速170kmを超えるような領域で、ようやくモーターとDITの差が現れる。
どこまでもエンジン回転が伸びていくDITに対して、ハイブリッドはモーターが足を引っ張り回転に重さを感じさせる。
また、なぜだか解らないが、ある走行速度で6000回転を僅かに超えると、回転制御も介入する。
しかし日本では使わない部分なので、モーターでエネルギー回生する方が遙かに現実的だ。
時速100㎞くらいでは、操縦安定性や、乗り心地に対して電池の存在感を感じない。
だからブロンドの美女を想像するレヴォーグに対して、スポーツHYBRIDは和風なのだ。
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共に走った距離は712kmに及んだ。
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これだけ走ればハッキリ言える。
スバル車の際立つ個性の中には、
ブロンドの美女を思わせるクルマもある。


でも、インプレッサスポーツHYBRIDは、
日本人にピッタリ合った和風美人だ。


見かけはフォルクスワーゲンの影響を受けた、
端正な顔立ちだが、
中身は和服の似合う優しい人。


それがインプレッサ スポーツHYBRIDだ。
独自の世界を確立した新しい仲間に、
改めて拍手を送りたい。


この後XVがどのように変わるのか、
ますます楽しみだ。


おわり


努力と忍耐

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伝えたい事がありすぎて、空欄の多いブログになった。
これから東京まで出かけなければならない。だから一気に完結させる。伝えきれない部分を、出張から戻り次第、再び展開するつもりだ。
夏祭り最終日の朝を、紅白揃ったおめでたいクルマと共に迎えた。
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今回のイベントは、
昨年より開催期間を四日減らし、その分内容を濃くした。
昔からイベントを続けている理由は、お客様と密度の高い接触が出来るからだ。
普段心掛けていることに、「無知の知」がある。
一見すると簡単そうな言葉だが、なかなか奥が深く、侮ると大きな落とし穴に転がり込む。
なぜなら、自分自身も含め、「知らないこと」を「知っているつもり」になり、正しく「知る努力」を怠るからだ。
そういう努力を怠った人間は、つまらないミスを平気で犯したり、人にも甘い代わりに自分にも優しくなる。
その結果、仕事の質を下げる方向にベクトルが向く。

「無知の知」を日常で自然に意識するために、どんな力が必要なのだろうか。ふと気がついた。それは心の中にフライホイールを持つことだ。
「モチベーション」という便利な言葉が有るじゃ無いか、という人が居るかもしれない。
今から20年ぐらい前に、急激にポピュラーになった単語だ。
初めて聞いた時から「大嫌い」な言葉だった。解釈が曖昧で、最も日本語にそぐわない英単語だ。
フライホイールは、クルマのエンジンに付く馴染みのある部品だ。
スバル1300Gに乗っている頃、これを旋盤で削ってもらった。軽くするとエンジンレスポンスが抜群に良くなる。でも乗りにくいクルマになる。ギクシャクして、走り始めにエンストしやすい。

フライホイールがあると、エンジンの回転エネルギーを保存し、滑らかにシフトアップできる。だからクルマに欠くことの出来ない部品だ。
このフライホイールを心に付け、大きくすればするほど、やる気が漲る。
心のフライホイールを大きくして、動かす力も強くするには何が必要か。
真っ先に頭に浮かんだのは、「努力」×「忍耐」=「フライホイールの大型化」という計算式だ。
開催日数が4日減っても、イベントの来場組数は前年とほとんど変わらなかった。
でも重要なことは来場や売上金額より、
当選件数だ。
これは昨年の当選実績を上回り、最終来場者の一つ手前になっても一等賞が出た。
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結局、この顔が見たくてイベントを続けて居る。これが「努力」×「忍耐」=「フライホイールの大型化」の具現化なのだ。

新しい息吹も現れ始めた。今回のイベントには沢山のお客様が来場された。その中に青森県津軽市にお住まいのフォレスターユーザーがいらっしゃった。
ご本人の希望で顔と名前は伏せるが、目的は商談では無く、ドライブエクスペリエだった。
この二年間ほど月曜日の夜9時過ぎから、「コアリメイク」というプログラムを週に一度続けて居る。
そこでは女性のインストラクターが、大勢の参加者にカラダの動かし方をアドバイスする。
担当者が良く入れ替わり、もう4~5人目ぐらいだ。今のインストラクターは新米なので、時々参加者にアドバイスされながらホノボノとした雰囲気でレッスンが続く。
この雰囲気を大切にしながら、一対一のレクチャーをどう進めるのか常に考えている。
大勢を一気に教えるなら、決まった型を一通り繰り返せば良いが、個人レッスンの場合はそれぞれのケースでやり方が異なる。
だから、個人的に教える方が難しい。
人に何かを「教える」事を、決して偉そうにしているわけでは無い。
「教える」とは生きる希望を語り合うことで、「学ぶ」とは心に真実を刻むこと。
これはフランスの詩人「アラゴン」の言葉で、座右の銘だ。
DEを通して伝えていることはただ一つ。「スバルの本当の愉しさを正しい知識とスキルで更に極めて欲しい」
中津スバルに集まる様々な人達は、それぞれ目的を持っている。ここにあるものをただ見たいだけの人も居るだろう。
中には情報だけを一方的に求められる人も居るが、もっと深く関わろうとする意思を持ち、来場される人が増えた。
その人達から嬉しく感じることは、強い「共感」だ。
目を見ただけで解る。
DEを始めたきっかけは、今振り返ると「共感」が源流にある。
今月はDEの申し込みが多い。岡山から荻野さんが来店された。
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通常なら対応できないが、この日は自由になる時間がいつもより多く、
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午前と午後に分け、一日で二つのプランを体験して戴いた。
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きびだんごをお土産に戴いた。
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大変美味しく頂きました。
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兵庫県の井端さんも、お友達と初めてDEを体験された。
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美味しいお酒をありがとうございました。生酛はやはり違う。
イベントに先立ち、
インプレッサスポーツで治部坂を訪れた。


ハイブリッドの特性を調べるため、
山の中を走り回っていたら、
奇妙な畑が見えた。
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降りてみるとゲレンデを区画整理し、
沢山のコスモスも植えられている。
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気になって仕方が無かったので、思い切って訪問した、
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冬だけで無くオールシーズンド客を呼ぶための努力が見えた。
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僅かな料金で好きな時間滞留できる。
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中津川から1時間ほどで到着できるなら、
ここを経由してDEも企画できる。
ちょっとワクワクしてきた。

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オレンジ色のTシャツが良く似合うステキな女性だ。
この人からチケットを買った。

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「犬も歩けば棒に当たる」そんな諺を思い出した。
思わず鐘を鳴らしたくなった。
カーンと一発叩いてから、
足許見て気がついた。


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ふーん。年輪も凄いが、このヒビに目が釘付けになった。
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鐘の向こうを見て、なんだか不思議な気持ちがしてきた。柔らかくて甘酸っぱい感じだ。
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遠くのオレンジ色に目が釘付けになった。
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登り始めると咲き始めたばかりだろうか。緑のお布団にちりばめられたコスモスが、とにかく、理屈抜きで新鮮だった。
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真夏の日差しの中でとても輝いている。奇麗だった。
更に昇ると、胸に突き刺さるオレンジ色が現れた。
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良い光が来てオレンジ色の花畑に痺た。
他にも花が溢れていた。


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安全面も充分に配慮され、
両手に荷物を持っていても、
リフトから安全に降りることが出来る。
ここからも花畑が続く。
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冬は更に上までリフトで昇るのだが、
今のシーズンはここから下りを歩きながら、
美しい花を楽しむ。
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上の花畑のユリはすっかり消え失せ、
僅かに残ったユリが哀愁を感じさせた。


季節は巡る。
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美しいあじさいもピークを過ぎていた。

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それに代わり咲き誇るのは
オミナエシだ。


花の名前は良く聞くが、
現物と一致したのはこれが初めてだ。
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特徴が丁寧に記されているので勉強になる。
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黄色い艶やかな世界に酔いしれた。
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妻の大好きなかすみ草もある。
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こちらも盛りを過ぎ、
哀愁を漂わせていた。
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それに代わって真っ盛りになったのが、
美しいオレンジの正体だ。
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この景色を見たら、
リフト料金がただ同然だと思うだろう。
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ここから南下し最後の中継点に向かった。
途中のトンネルに面白い仕掛けがある。


このあたり一帯を指す、
「どんぐり」のテーマソングが、
道路に刻まれた刻印によるロードノイズで奏でられる。

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駐車場にクルマを置き、
お昼ご飯を食べに行くと、
目的のお店は休業中だった。


残念だ。
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山元さんにお目に掛かるのは、
また次の機会としよう。


仕方が無いので、
すぐ隣りにあるうどん屋へ入った。
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アットホームな手打ちうどんのお店は、
地元の人達ばかりで賑わっていた。
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それもそのはずだ。
しっかりした「かま玉」だった。
料金以上の満足感を得て、
中津川に戻った。
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Cプランの第二コースにアレンジ出来る。

Bプランを体験して戴くと、希望者には次のステップをご用意する。
小暮さんにBプランを体験して戴いた時、
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美味しいお酒を戴いた。
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市販していない気合いが入ったお酒だった。
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とても旨かった。
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二宮さんと酌み交わした良い想い出が出来た。
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愛機インプレッサWRXのリフレッシュメンテナンスをご予約戴いた。そして整備と同時にいよいよCプランにチャレンジされる。
9月が今から楽しみだ。
実はこの春先に、小暮さんのDEでSTIを使用して以来、このクルマをレクチャーカーから外し凍結した。
インプレッサスポーツHYBRIDに乗り、
スバルのスポーツカーの行方をどう見定めるのか、
実は大いに悩んだ。


それは東京を行き帰りするクルマの中で、
ますます大きくなった。


スポーティーなハイブリッドの今後も含め、

今後必要なブランドを感じたままに伝えよう。



新しいSTIに乗り、
しかもそれが「S」だと、
がっかりする事がある。


環境性能のハードルを越えるために、
軽さに拘る必要も無くなり、
STIは完全に宙ぶらりんだ。


従って「S4」(VAG)ならば仕込み甲斐のある車になるが、
STI(VAB)だと実にどっちつかずの味になる。


BP系の6速MT搭載車のような濃い味と凄味も無いし、
インプレッサSTIらしい狂気に満ちた加速感も無い。


本気でSTIが「GT3」のようなクルマを出すのなら面白い。
そういう方向に振る勇気を持たないと、
スバルのクルマ造りがつまらなくなる。


現在、涙目GDBが異常な高値を維持する理由も、
実はそこにある。
オークションなどで、
利益度外視でせり上げる連中が居るから、

下手に触ると危なくてしょうが無い。


例えば11年前のクルマでも落札金額が169万円と、
ミニバブルの状況になっている。
これが今の現実だ。
「S」シリーズのすさまじさが、
ミニバブルに輪を掛ける。
「STI」がSを作れない以上、
それはやむを得ない。


エンジンのバランスを取り、
スバルとは別次元の「本物のブランド」を目指していた頃と、
今のSTIが根本から違うことは、
既に何度も語った。
またクルマの軽さは最も解り易い性能なのに、
それを上手に説明するスキルや、
手法そのものも無くなってしまった。


例えばスーパーGT等と言う、
特殊なモータースポーツにお金を使っても、
STIが売るためのクルマには何の役にも立たない。
スバルが枠を持っていることが貴重らしく、

手放そうとしないが本質的な何かが足りない。


最新のWRX「S4 type-E」に比べ、
STIがつまらなく感じる理由は、
まずシャシーにある。



実際のところVAB自体、
それほど売れているわけでは無い。
ボディ剛性を40%以上高めたことは凄い事だと思いうが、
ダンパーストロークが短いので、
クルマそのものの容量が足りないように思えてしまう。


リヤサスのジオメトリーを苦労して開発し、
GRBのようにリヤが踊らないサスになった。
しかしスバルの熟成能力が余りにも高いので、
VABは普通の人が楽しむ限界点の手前だと、
GVBの最終型のこなれたクルマに面白さで負ける。


もっと軽くして、
スロットルもバンバン開く戦闘的な車にすると、
きっと面白いだろう。


そのためにはSTIそのものを、
早くスバルブランドを超える、
二本柱に建て直さないと行けない。


S402迄の潮流が今でも続き、tSを企画しなければ、
恐らく既にSTIは一台500万円以上ののブランド力を持っていた。
電動化技術を優先したり、

アイサイトに拘るのは、
スバルブランドだけで良い。


次のシャシーも竹中社長の時代から続く、
長期計画の元で進んでいる。
そこにあるのは電動化優先だと言うことが、

新しいGPEに乗ると匂いとして良く解る。
大きいタイヤを付けて、
はみ出す分をオーバーフェンダーでカバー。


電池を低い位置に入れて重心下げたが、
マス増加による上下左右で増えた慣性をジオメトリーで逃げる。
最新のGPEで710㎞ほど走り、

日本では通用するが欧州では絶対に通用しないと思った。


時速60㎞から110㎞までの加速感は、
何とも素晴らしくて惚れ惚れするが、
時速150㎞以上ではモーターのフリクションが逆に気になる。


伸びやかに吹けきれない。
何しろDレンジで走行中に回転抑制制御にはいる。


最初はビックリした。
でも良い点もあれば悪い点もある。
時速140㎞以上の高速領域では完全に不利でも、
その領域は日本の国情でアウトになる。

それにしても、
レッドゾーンに入るまでギュンと伸びるハイブリッドは凄い。
これと、
レヴォーグと、
S4 typeEは、
高速コーナーのしっとりした面白さが共通だ。
スバルブランドのトップカテゴリーとして充分際立っている。


だからこそ、
最近のスバル車のシャシー限界が際立つようになった。

開発する人達に、
昔のスバルを知らない人が増えたからだろう。
だから「この程度で良い」となるのかもしれない。


甘い味のするパワー感と、
切れ味のある旨さは違う。


これが最大の問題だ。


切れ味の良さを出すのがSTIの仕事だろう。
それが出来ない理由は、
308馬力、
43kgmというパワーを当たり前にしてしまったことだろう。


刃の先が丸くて切れない。


もはや450馬力ぐらい出して当たり前だ。
そうしないとSTIそのものが生き残れない。

最新のWRX STIはシャシーやクルマの立ち位置に対して、
完全にアンダーパワーだ。


スタイルも惜しい。
街中でレヴォーグやS4に出会うと、
真っ先に「眼力」に釘付けになる。
その後ででかすぎるグリルと、
ボンネットの穴に「惜しい」と思う。
もうリヤウイングなど絶対に不要だ。
あれ付けないと売れない、
という人が居るからだと思うが、
もうそろそろ脱却して良い。


BMWだって苦労している。
重かったM3は熟女の味がしてとて好きだったが、
M4にはつまらない味だと感じた。
乗ってみて特段に軽いとも思えなかった。


しかしクルマ自体の変化は激しくて、
驚くほど高性能だが、
乗らされている感が強かった。

これは東西どちらも同じ悩みを持っているのだと思う。


M4のドライバビリティは、
かなり良くなっているはずなのに、
少しも面白くない。


それが今年はどう変わったのか、
10月にその答えが見られそうだ。


スバルはS4という意匠を手に入れた。
これをしっかり伸ばすべきだ。
S4と言うブランドを育てる必要がある。



その代わりSTIグレードを手放し、
STI自身ににホンモノの「S」を作らせよう。
今のままでは完全にアウトだ。



本気で作ったS4の脚は、

辰己さんがSTIに来た頃の味そのものだ。
今後はスバル自身が、
カタログモデルのSTI等と言う馬鹿げた物を作らなければ良い。

元に戻ると言うこと。


日本で取り残されてしまったのは、
道具を正しく使わなかったことに対して罰が当たっている。


同じ事はBRZにも言える。
動力性能に変化が無いクルマを、
STIがあれほど割高で売っても意味が無い。


高性能なNAのパワーユニットに手を入れられない以上、
もう終わりかもしれない。


トヨタはBMWと組めば簡単に次の手が撃てる。
WRX STIとBRZが次のビッグマイナーチェンジで、

どうなるかが今後を占う決め手になる。


だから「努力」と「忍耐」大切だ。



STIをCプラン専用車にするのは、
そこが解るドライバーを増やさないと、
STI自体の底上げが出来ないし、
裾野が広がらないからだ。


良いクルマにいくら仕上がっても、


結構トルクフルなエンジンになっても、
ミッションのタッチが良くなっても、
足回りが適当な硬さとしなやかさで秀逸になっても、
特筆すべきはNVHの低減が出来ても、
それは卓越したクルマにはならない。


それなりに高級感があり、
持つ人の満足感を満たしても、
度肝を抜くクルマでは無い。
STIのクルマは突き抜けたパワー感が必要だ。


そうで無ければ心が弾まない。


BRZで東京を往復し、
次のブログで更に深く分析したい。

夏のイベント開催中

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夏祭りの中日が無事終わった。
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皆さんに楽しんで戴けて感無量だ。
ここまで順調に開催できた。
初日の朝、午前6時半に出勤し、設営前の会場を眺めた。
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3台のイベントカーも所定の位置に付き、社員の出勤を待っていた。

誰もいない会議室で、
三角クジを入念に混ぜ合わせた。
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新聞を確認すると、
かわら版の折り込みも万全だった。
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今年の夏祭りは、
特賞を用意し抽選に気合いを入れた。

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準備したボックスを賞品の横に置き、
朝礼が始まった。
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特等のマウンテンバイクは、
かなり高性能で走破性が高い。
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社屋の周りもこの日のために整えた。
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お土産センターの品揃えも十分だ。
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イベントカーの位置を調整し、
店頭を艶やかに設営した。
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お子様向けのプログラムも拡充した。
いつもの風船釣りに加え、
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ジャンケンでスーパーボールをプレゼントする。
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チャーミング屋台に、
スーパーボールや、
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ゼリーを冷やした。
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内部に更なる工夫を凝らし、
より屋台らしくなってきた。
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氷が涼しさを呼び、
イベントの雰囲気を盛り上げている。
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人気のダーツゲームも準備が整った。
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得点に応じて駄菓子の買い物を楽しんで戴く。
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特に現行インプレッサをイベント期間中に限り、特別価格でご奉仕する。
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コンチネンタルタイヤも現物を用意した。


これはスバルと抜群の相性だから、
実物をご覧戴こう。
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いよいよイベントが始まった。
風船釣りは子供に大人気だ。


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風船釣りに夢中になる姿を見るのは、
イベントの楽しみの一つだ。
何度見ても微笑ましい。
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恒例のダーツも大好評だ。
雰囲気が盛り上がり、
イベントに華が咲く。

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人気の抽選会で、
スタートから僅か1時間で一等賞が出た。
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イベントは幸先良くスタートした。
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柘植さんを始め、

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安藤さんにも1等賞が続出した。


特等のマウンテンバイクも近いうちに出てしまいそうだ。
と思ったら、
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田口さん、
おめでとうございました。
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井口さん、
おめでとうございました。
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西尾さん、
おめでとうございました。
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もう一人の西尾さんも、
おめでとうございました。


当選を追加したので、
安心してご来場戴きたい。






郡上八幡から福手さんがいらっしゃった。
一等のメロンをゲットされた。
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美味しいお土産をありがとうございました。
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社員の手がドンドン伸び一気に無くなると、
群馬の前田さんがいらっしゃった。


お土産をありがとうございました。
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疲れを取るのに程良い甘さ。
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かりんとう饅頭、
とても美味しゅうございました。
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試乗も大人気だ。


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東京からマホちゃんも来てくれた。
レヴォーグに試乗して、
正確なドライブスキルを覚えてもらった。
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もう免許も取ってすっかりオトナだ。
夜のカラオケも楽しかった。
是非また誘って欲しい。


クロスオーバー7も
反響が大きくて、
嬉しい悲鳴を上げている。
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田口さんに試乗して戴いた。
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後席のお嬢さんの笑顔が、
このクルマの出来の良さを物語っている。


今日も沢山の皆さんとお目にかかれて本当に嬉しかった。


小川さん、
コメントをありがとう。
次のご来店を心より御待ちしています。

千葉から鈴木さんがいらっしゃった。

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お土産を戴いた。
何となく特別なオーラが出ている。

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大きな梨は特別製だそうで、
品種開発の賜らしい。

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鈴木さんのクロスオーバー7が眩しかった。
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また是非お出かけ下さい。
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やはり特別製だけあり、
大きくて甘かった。


くにゃオールさん、
ご来店ありがとうございました。
脱水防止のアクエリアスが大活躍だ。
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暑い展示場で、
いつでも飲めるように冷やしている。
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コーヒーカーに常備して、
早速飲んだ。
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やっぱり夏に最高の飲み物だ。


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社員の脱水防止に役立っています。





羽島市から田中さんがいらっしゃった。
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珍しいお菓子を戴いた。
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体に優しいクッキー、
美味しく頂きました。
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イベントはまだまだ続く。
今年の夏は盛り上がってるぞ!

「こうとり」

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夏祭りで集まったアンケートだ。次のイベントに向けて分析を始めた。
さて、親友を紹介したい。
相原正文君だ。
祖母同士が友人。父親同士も友人で幼なじみ。
彼とは高校入学で再会し、それ以来親しく付き合っている。
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見たとおりのスポーツマンだ。サッカーが得意で、大学時代もサッカー部に所属。
友人の中では最も運動神経に優れている。卒業と同時に教師の道を歩み、今年から校長先生として更に才能を発揮している。
奥さんの恭子さんとも、相原君を通じて知り合った。彼女とも大学時代からの付き合いなので、気心も知れた関係だ。久しぶりに夫婦揃って遊びに来てくれたので、同乗試乗をサービスした。相原君の愛機はBL5のGTなので、
当然S4が次の愛車候補だ。
ドライバー交代の前に、旋回性能がどれぐらい凄いのか、実際に走らせて説明したところ、奥さんを悲劇が襲った(笑)。
大きなコーナーの手前で、進入角度をしっかり整え、そのままピュンと進入したら、後席から「ウッソー!」と大声が聞こえた。
何かと思ってルームミラーを確認したら、彼女が水平方向にぶっ飛びながら、「ゴツン」とドアに頭をぶつけた。
シートベルトを締めたのか、走る前に確認した。なのに、人の言うことを全く聞いていない。
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今度はしっかり締めたので、相原君に運転を代わった。
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校長先生に良く似合う、パールホワイトのS4だ。
アンケートに夫婦揃って愉快な回答があった。
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右のアンケートがハンドルを握った相原君。左の来場アンケートが恭子さんからだ。
正直なところ、二人とも自動車の運転は「おっくう」だという。
二人とも抜群の運動神経を誇っていた。まだまだ運転スキルも伸びる。もったいないと思うが、日本の自動車環境ではやむを得ないだろう。何事もそうだが、興味が無ければ次のステップも登らない。
逆に高校時代に運動音痴で、「けあがり」さえできず、もう少しで落第する所だった。
音楽も死ぬほど嫌いで、人前で唄うなんて考えられなかった。
美術など何が良いのか解らず、絵の具の匂いを嗅ぐのも嫌だった。
そんな人間が全く逆の事をしている。人生とは摩訶不思議だ。
ヒトは死ぬまで勉強するという、宿命を背負ったイキモノなのだ。
50歳を境目に水泳が好きになり、最近は1000m泳いだタイムを、健康のバロメーターにしている。
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苛酷な夏のイベントに、健康管理を欠かせない。13日の夜に1000mを泳ぐと、
タイムは28分36秒71だった。
その頃、日本中を震撼させる残虐な事件が起きた。犯人が逮捕されて良かったが、後味の悪い事件だ。最近のお年寄りには、
寝屋川で起きた事件がどのように映っているのだろうか。


物心が付いたばかりの頃、
おばあちゃんの口癖は、
「暗くなると、こうとりが来るよ」だった。


「こうとり」とは「人さらい」のことだ。
まだ中津川の駅前通りを、
牛車が時々通ることもあった。


まさに終戦後と、
高度成長期の過渡期だった。
その頃「吉展ちゃん誘拐事件」が起きた。
「こうとり」と聞くと、
無性に夜が怖かった。


特に「死んだらどうなるか」と思えば思うほど、
暗い闇に飲み込まれそうになり、
怖くて眠れない時もあった。


子供は早く寝るに限る。
成長ホルモンがたっぷり出てスクスク育つ。
本来ヒトは昼行性のイキモノだ。
夜徘徊して良い事など一つも無い。


だから怖い思いをさせるのも、
大切な手かもしれない。


最初の怖い思いが「死に直結」とは、
余りに酷すぎる。


子供を諫めたり、
励ましたりする大切な役割を、
祖父母が担っていた。


最近の世の中で、
「祖父母」と言われる人を見ると、
その役割を知らないのではないかと思う事がある。
やらなくてはいけない事を疎かにして、
やらなくて良いことを深く考えずにしてしまう。


それほど、
見ていて逆のことをする人達が多くなった。
人間は歳を重ねると、若い時と逆の方向に向かうのだろうか。
さて出張から帰り、すぐに泳いだ。前回から9日目になる22日の夜、
1000mのタイムは28分24秒48だった。
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バロメーターは正直に、
ハードな毎日を有意義に過ごしたことを告げた。精神も身体も充実し、12秒ほど短縮した。どうしても不摂生になりがちなので、娘は夜の食事を低カロリー高タンパクに作る。健康維持は何よりも大切で、
絶好調を夜の食事が支えてくれた。
イベントが終ってからも、
各地からお客様が来店された。

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東京の小川さんに、ステキなお土産を戴いた。
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袋を覗くと珍しい色のA12が見えた。スバル1000のコレクションに奥行きが産まれた。
サブロクの下から美味しそうな箱が出てきた。
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これは小川さんが子供の頃から食べている御菓子だ。
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目黒の洋食屋がそのルーツだという。
目黒と新橋の2店舗だけで、洋菓子一本で勝負している凄いブランドだ。どれも美味しいが、このチョコレートケーキには舌を巻いた。
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美味しいお菓子をありがとうございました。
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小川さんと入れ替わるように、
愛知県から宮里さんがいらっしゃった。
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先月のAプランに続き、Bプランを希望された。
Aプランではステアリング捌きと、ブレーキのタイミングを主に伝える。
Bプランではラインセッティングと、ライントラッキングが主な練習になる。
コーナーのどこを通ってスムーズに走るか、まずそれを頭で計算する。次に描いたイメージ通りにそのラインをクルマでなぞる。
これに必要なのは、それぞれ全く別のスキルだ。
宮里さんにお土産を戴いた。

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珍しい抹茶あん入りのわらび餅を、
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冷蔵庫で冷やし、
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付属の「きな粉」をまぶして食べた。抜群の風味だった。
17日の月曜日、午前中に宮里さんのDEを終え、午後から同じコースでGC8をテストした。
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間もなく23万kmになる初代WRXを、しっかりしたクルマに整える。

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中瀬さんからお預かりして、
もうすぐ1ヶ月近くになる。
今後も可能な限り好調に性能を維持させたい。

今回のテーマは「シフトフィール」だ。
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シフトリンケージの一部パーツが、
既に生産を終了して久しい。
従って部品交換以外の方法で、
変速時の手応えを大幅に改善する。


午前中とは打って変わり、
高速道路で渋滞が生じていた。
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珍しく恵那山トンネルのかなり手前から、
ノロノロ運転が始った。
トンエルの中をゆっくり走ると、
劣化の状態が良く解った。
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通過中のドライバーが、
どうしてもこの作業を見るので、
走行速度が落ちる。
だから自然渋滞が起きていた。
笹子トンネルの事故以来、
恵那山トンネルでは詳細な調査と改善が続いている。


設備もイキモノも時間が経てば老化する。
それをカバーするために一番大切なことは、

何と言っても定期点検に尽きる。
トンネルを出て、
渋滞は一気に無くなり、

そこから本来のGC8を確かめた。


ワインディングに行くと、
相変わらず「舞う」ように走る。
素晴らしい持ち味は健在で、

老化を全く感じさせなかった。


スバルのラインアップで、
同じ味を持つクルマはBRZだけだ。
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出発に先立ち、
フォレスターを使うのか、
それともBRZを選ぶのか思案に暮れた。


GC8に乗ったことで、
大いに刺激を受け、
真っ白なピュアスポーツカーを相棒に決めた。

BRZは「舞う」ように走る。既に3台のBRZを乗り継いだが、それぞれに個性があった。そしてどれも気持ち良い走りは格別だった。
最新のBRZは、ピュアスポーツの名に恥じない性能を更に磨いた。そして同時に、GT的な味も色濃くなった。
それを一番感じさせるのが、高速道路上に於けるリヤサスペンションの動き方だ。
サスペンション取り付け部の剛性アップは、マルチリンクやダブルウイッシュボーン式の弱点と言える、フリクション増加を低減させた。
従って後ろ足がスムーズに良く動き、上下動をストレス無く吸収する。
路面の抑揚に合わせ、車体が持ち上がりストンと落ちる時の、具合が実に滑らかになった。
以前なら、トッコン、トッコンと上下する場面で、最新型はピョンギュッ、ピョンギュッと言うように、踏みしめるようにトレースする。
会社を出るのが遅れたので、少し道を急いだが、疲れを知らずに六本木に到着した。
既に午後10時を過ぎていたが、東京のど真ん中で、良い食事を満喫した。
これは「まこもだけ」を炙り、味噌だけを添えたシンプルな料理だ。
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カウンターの上に並ぶのは、ほとんどが野菜。
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色が悪いな、と思ったら生の枝豆が並んでいた。注文したらその場で茹で始めた。
ちょっと飲みすぎたが、翌日も来ると約束し、その店を後にした。
そして最も重要な翌朝の会議に臨んだ。船井総研はとてつもなく広い分野で研究会を主宰する。
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その全国大会が毎年夏開かれる。特に今年の会議が重要な理由があった。
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自動車分野とまるで縁の無かった船井総研だが、近年は軽自動車の新たなビジネスを開拓し、全国的に大成功を続けて居る。
そもそも創業者の船井幸雄から、自動車の匂いなど全く感じた事が無かった。
むしろクルマなど嫌いだろう。ほとんど興味が無かったと思う。要するにクルマを乗り回す愉しさとは無縁な人だった。

その船井総研で、自動車の強力なビジネスモデルを誕生させた男が居る。
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それが常務執行役員の中谷貴之だ。彼は上司を何人も飛び越え一気に役員になっただけで無く、中国で展開する船井総研のビジネスも統括する。
その晴れ舞台を応援せずに居られるはずが無い。
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しかも彼の講演が大会の封切りだった。さらに驚いたことに、中津川の優良企業が船井財団から表彰されると知った。
早速最前列に走り、お祝いを述べた。
友人の加藤景司さんだ。
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加藤製作所を中心に、いくつかの企業を束ねる中津川市の伝統的な企業だ。
三菱と古くから取引があり、最近ではMRJの部品製造を担うことになった。中津川市のポテンシャルを感じさせる嬉しい知らせだった。
講演の後、恵比寿に向かった。これほど慌ただしく移動する時は、クルマを絶対に欠かせない。約束通り、午前中にスバルビルへ滑り込んだ。久しぶりに7階から空を見ると、鉛色の風景が広がっていた。スバルビルに来て、昔を思い出した。
父が社長を務めている頃、新宿の本社まで送り届けたことがある。
当時は今より近いドアツードアの位置関係だった。
父がその時何を打ち合わせたのか、今では知る由も無いが、迎えてくれたのは成田部長だった。
多分「飲みましょう」ぐらいの軽い話だろう。
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そんなことを思い出しながら、ランチを摂った。
相変わらず恵比寿周辺には活気が溢れていた。
新宿とは全く違う、生活の匂いに溢れている。スバルは良い場所に本拠地を移した。本社で用件を済ませ、東京スバルの小松さんに挨拶し、次の目的地へ向かった。
上野までおおよそ60分掛かるが、デカイ鞄を提げてウロウロするより、BRZで走った方が遙かに速い。平日なら駐車場も空いている。
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ここはロダンの彫刻で名高い、
国立西洋美術館だ。

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130年以上前に作られたとは思えない、躍動的で張りのある作品だ。
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ロダン中心の彫刻展示コーナーを後にし、
順路に従い名画を楽しんだ。



国立西洋美術館に興味を持った理由は二つある。

今春、シカゴを訪れた時、
思わぬ名画に出会った。
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ブグロ-の裸婦画を目にした途端、
その柔らかな曲線に酔いしれた。
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これこそ心の栄養だろう。
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日本にもブグロ-の作品があると知り、
訪問する機会を窺っていた。
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紛れもない彼の作品だ。




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しかし、
またしても凄い絵画に出会ってしまった。
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何とも思わせぶりなタイトルだ。
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この眼力に引き込まれ、
絵の前からしばらくの間、
どうしても離れることが出来なかった。
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この引き込む力は、
まだ幼いBRZと何となく似ている。


スバルファミリーの中で、
BRZが担う役割はアヒルの子。
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「ひまわりだけがゴッホじゃない無い」
この絵はそう語った。
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ルノワールもある。
こうして絵画を眺めると、
今でも続く良い風習を感じることができる。


その反面、
僅か100年程度で、
人類がどれほど急激な繁殖を繰り返したのか、
それを改めて実感した。
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農村を舞台に繰り広げられる、
絵画の中の世界は極めて自然で優美だ。
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反骨精神の塊とも言えるピカソの作品は、
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常にユニークな性器ををモチーフに、
ヒトの本性を深くえぐる。
ピカソの絵画は、
キャンバスの上を、
筆が舞うように描かれている。
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この面白い絵のタイトルは、
「絵画」だ。なにか人を舐めてるところもあるが、
良く見るとなんだかとても奥が深い。



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この絵の前に、同じ柄のベストを着た人が集まっていた。何かの講習なのだろう。

他の絵の前でも同じ光景を見た。


リーダーとおぼしき女性の前に、
6~7人の年配の男女が腰を下ろし、
熱心に絵を見ていた。


「さあ、この絵は何をイメージしてるのでしょうか」

「何に見えますか」
と女性が彼らに問うたが、
誰一人としてそれに応える人は居なかった。


静寂だ。
悪い癖で思わず余計なことを口走った。



「これは縛られた犬が夕日を見ている絵」


皆こちらを見た。
ホーという人も居れば、
無感情な人も居た。


リーダーがあえて聞こえない振りをした所を見ると、
余計なことをしたのに違いない。


なぜ口を挟んだのか振り返ると、
オトナを幼稚園児のように扱い、
絵画の前に集団で座らせる行為が不愉快だったのかもしれない。


さらに付け加えると、
その中に凜としたお年寄りは居なかった。


ヒトに産まれ子供を作りやがて老いていく。
大勢の老人達が絵から何を学ぼうとしていたのか。
それは良く解らなかった。
意欲のある人達である事は間違いないが、
何か忘れているような気もした。




雨がぱらつく残暑の東京を、
BRZで縦横無尽に走り回った。
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上野から谷中を抜け、
白山道りへと向かった。
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道路は空いていて、
気持ち良く走る事が出来た。
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駐車中の宅配トラックを追い抜き、
正面を見るとなだらかな坂からバスが降りてくる。
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信号待ちで右側を見ると、
魅力的な商店街が隠れていた。


東京の風景はとてもステキだ。
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本郷に着き、
東大の間を駆け抜けた。
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そこから馴染みの街が姿を現す。
東京ドームを正面に見て、
右折すればそのまま新宿まで一直線だ。
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高島屋は駐車場のアクセスが良く、
店員も親切だ。


久しぶりにセオリーに顔を出した。
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そろそろ一着買って、
カジュアルに着こなしたい。
気さくな店員さんと雑談して高島屋を後にした。


駐車場を出て明治通りを南進する。
六本木までは目と鼻の先だ。


こうして丸一日に渡り、
BRZで東京の雑踏を舞うように駆け抜けた。


仕事を終えた後の黒ラベルが旨かった。

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つまみにネギを焼いてもらうことにした。
シンプルな料理だが、
ネギの甘みを抜群の火加減で炙り出している。


この味が、
豊潤な無濾過純米酒と見事に調和した。
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香り抜群、味したたか、喉越し柔和。
少し飲みすぎて、2日目の会議に遅刻しそうになった。
高輪プリンスホテルのパミールに車を滑り込ませると、会議が始まる寸前だった。
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ビジネスの傾向を発表し、意見を出し合う。
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ただし軽自動車の話題が多いので、
どうしても現実的になる。


少し話もかみ合わないので、
早めに席を立ち隣の建物に移動した。
看板には魅力的にリニューアルし、
7月10日にオープンしたと書いてあった。


誕生日が同じなら、
きっと良い事が沢山あるに違いない。
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さっそくエプソンがプリンスホテルで展開する、
アクアパーク品川に入った。
この水族館を見るのは初めてだ。


2200円払って入場すると、
夏休みでとても賑わっていた。


思わず目を疑った。


遊園地の設備がある。
しかもかなり怖いヤツだ。
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こいつを舐めてはいけない。
狭い所でこんな物に乗ったら、
違う理由で小便を漏らすほどの恐怖を味わう。
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ほら、思った通りだった。
ほぼ垂直になるので、
誰もが恐怖で絶叫している。


くわばら、くわばら。
海獣のカルーセルも奇妙だった。
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胡麻斑アザラシに跨がっても、
余り嬉しくない。


同じカルーセルなら、
ノルドシェライフェの方が良い(笑)
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ここまでは笑って済ませる冗談だったが、
ここまで来るとオヤッ?となる。


カフェかよ。


ちゃんとした物を早く見せろといらだってきた。
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次のコーナーではクラゲが現れたが、
少しもアカデミックでは無い。


ショービジネスと言えばそれまでだが、
千切れたクラゲのカラダを見て、
何となく活きの悪い寿司ネタを思い出した。


普通なら怒りがこの辺りで爆発する所だが、
ここからの光景が全ての不満をぶっ飛ばした。
長ーいエスカレーターで2階に上ると、
大きなスタジアムが現れた。
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沖縄や伊豆の水族館に比べ、
少々こぢんまりしているけれど、
圧倒的な存在感がある。


何しろ全て計算され尽くした造りなのだ。
しかもこのイルカは、
本番になると猛烈な速度で泳ぐ。
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今はまさにレッキの最中だ。
本番前のイメージトレーニングのように、
アクリル張りの水槽を気持ちよさそうに泳ぐ。


しつこいほど水が飛ぶから注意しろとアナウンスがある。


相撲でも一番迫力があるのが砂かぶりだ。
奇妙なことに、
一番迫力ある席が最後まで残る。
カッパを持ってないとずぶ濡れになるからだ。


そんなに心配しなくても、
ちょっと濡れるくらいだろう、と案内を無視していたら、
近くにお姉さんがやって来た。


「あのー、間違いなく濡れますのでご用意をお願いします」
と購入を促された。


価格を聞いたら100円だという。
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こりゃあ着た方が安心だ。
何しろ被るのは海水だ。
カメラもあるし用心した方が良い。
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2頭の腕白そうなイルカが位置に付いた。
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後で解ったが、
こいつらは観客に頭を振って水を掛ける役割も担っていた。
くるりと向こうを向くと、
2頭が揃って仰け反る様に水を観客席に放り込む。
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天井からカクテルライトに彩られたシャワーが吹き出すと、
いよいよショーが始まった。

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2頭のイルカの動きは、
まるでインプレッサWRXだ。


本当に舞うように水槽の中を高速でターンしながら、
空中を飛び回る。
イルカに掴まった人間も、
天井に向かって飛び上がった。


目にも止まらぬスピーディーな展開に息を呑む間もなかった。
すると、
最も大きなハンドウイルカが大ジャンプした。
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強烈な水しぶきが3列目まで覆った。
このイルカはアウトバックのイメージだ。


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このイルカ達は実に賢い。
そして演技が終わった後も練習を続けた。
それぞれのイルカに、
専任のトレーナーが付く。
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水槽の向こう側で男性のトレーナーがイルカに乗った。
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「イルカに乗った少年」という歌謡曲があった。「イルカに乗ったオッサン」もなかなか格好良い。

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この水族館はここから本領を発揮する。
「ザ スタジアム」と名付けられた大きな水槽で、
ドルフィンパフォーマンスが繰り広げられた。


それが終わると、
観客は一気に「ワンダーチューブ」に移動する。


見たことも無い魚に、
見たことも無い角度で接する事が出来て、
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いくら見ていても飽きない。
また魚の食性が良く解り勉強になった。

ごった返していたワンダーチューブも徐々に人がまばらになった。
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魚は泳いでるのでは無く、水中を舞う。


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エイの仲間は、
餌を食べるのでは無くバキュームしながら、
砂だけを吐き出す。
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伸ばした唇で器用に砂を吸い込むと、
舞い上がりながら上手に砂だけ吐き出す。
その時に宇宙人が笑うような奇妙な表情を見せる。
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眼の先に膜を持つ者も居る。
普段は抵抗を減らすため巻き込んで角のように尖らせているが、
捕食する時に上手に広げ口へ誘導する。


そのためこの魚の口は頭の下では無く先端にある。
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多くの子供達が魅せられたように凝視しているのが、水槽に映った姿で解るはずだ。ところが、ふと奇妙な光景に出会った。
狂ったように泣き叫ぶ、乳飲み子を抱えた老婦人の姿だ。
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泣き方が尋常では無かった。
子供の泣き方にはいくつかの種類がある。
あれほど泣くのには、
それなりの理由があるはずだ。


痛い、
冷たい、
怖い、等と言った緊急性を伴い、
腹が減ったとか眠いと言った、
甘えた泣き方では無い。


それなのに、
その老婦人はその原因を知ろうとせず、
平気で泣かせる。


娘とおぼしき女性は、
もう一人を背負いベビーカーを側に止め、
うつむいて何かをしている。


水槽の真ん前で人の流れも一切気にしない。


老婦人が子供を抱え水槽に背を向け、
数歩歩んだ時、
泣き叫ぶ理由が解った。


1歳にも満たない子供にとって、
その場所はゴーストタウンに近いのだろう。


特に大きなウミガメが恐ろしいようだ。


老婦人が振り返り、
水槽の方に向かっていくと、
また狂ったように鳴き始めた。
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そりゃあ怖いに決まってる。
こんな悪魔みたいなヤツが、
目の前で自分を睨み付ける。


これがトラウマになり、
強烈な好き嫌いが生じていくのだろう。


ムカデや蜂が死ぬほど嫌いなので、
その子の気持ちが良く解った。
毛の生えた動物も居る。


さっさとその場を離れ、
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カピバラでも見せる方が良い。
この穏やかなネズミは、
ホノボノしくて気持ちが癒される。
カワウソもなかなか愉快だ
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せせこましい動きは、
子供心を刺激するはずだ。


赤ん坊の状況認識力や、
記憶力を軽んじてはいけない。


やらなくても良いことを執拗に続け、
子供目線で気がつくべき事に眼が届かない。


最近の祖父母について、
「風呂の入れ方」もどうかと思う。
そんな出来事があった。


じいさんや婆さんになるのが、
若すぎるせいもあるのだろう。


「やまゆり荘」で見たくないモノを見た。


水族館で泣いた子と同じように、
その子も狂ったかの如く、
泣き叫んでいた。


抱いていたオッサンは、
明らかに親では無い。
歳格好からしたら、
その子が息子では余りに不自然だ。


洗い場で、
仰向けにした赤ん坊を、
せっせとシャンプーしていた。


その子は異常な声で泣き狂っていた。
ただシャンプーが嫌だけで無く、
他に何かを訴えている。


一回ぐらい洗わなくても死にはしない。
なぜそうもムキになって洗うのだろうか。


挙げ句の果て、
さほど年の差を感じないそのオッサンは、
その子を抱えて湯船に入った。


半身浴だが、
赤ん坊は堪ったもんじゃ無い。


爺さんは熱くないだろうが、
まだ歩けないような子供には、
刺激の大きい熱さだろう。


しかも「やまゆり荘」の湯は、
硫黄塩化物も多量に含まれた刺激性の強い湯だ。
硫黄臭く、塩辛くてタンサンも多い。
なぜ泣く子を無理に湯に入れるのか、
端から見ていると不思議だったが、
更に常識を逸脱する行動に出た。


湯から出た泣く赤ん坊を、
おシメも付けずに床に直接放置した。


公衆浴場の床がどれくらい雑菌だらけなのか、
この爺は知らないらしい。


しかも泣く子にとって、
次に想定すべき事は、
排便だ。


その時、
オッサンは子供を放置したまま、
ドライヤーで頭を乾かしていた。


子供が心配で見ていたら、
案の定、
泣き叫びながら排泄を始めた。


オッサンに注意を促すと、
うろたえトイレを往復し、
トイレットペーパーでかえってまき散らし始めた。


見かねて、
「すぐに服を着て受付に行き、理由を話して下さい」
そうアドバイスしたら、
素直に聞いて、
初めて父親らしき青年に、
「受付に行ってくるから見てろ」と声を掛けた。


雑なのか丁寧なのか、
良く解らない親子関係だ。
コミカルで済めば良いが、
余計な病気を拾ったり、
誤って死なせたり、
良くない行為に繋がることもある。


やらなくてはいけない事を放棄し、
やらなくても良い通説に支配される。


アクアパークで、
魚だけでなく、
最近の奇妙な親子関係を興味深く観察したら、
過去の体験が系統的に結びついた。


アクアパークを出て、
東京を後にした。
品川から三田に向かい、
東京タワーの良く見える場所で左折した。
そこから高速道路に舞い上がった。


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ほぼ2日間に渡り、
都会の雑踏を楽しく走り回ったが、
首都高速に乗ると、まさにBRZは「水を得た魚」となる。


なぜクルマが好きなのか。
魚は水中で舞うことが出来る。


人も水中で舞うことが出来るが、
魚のようには舞えない。
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魚が陸に上がれば、
身動きできないように、
人も水中では少し不自由だ。
ワンダーチューブに入った飼育係を見て、
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イルカの姿が重なった。


アクアラングを付けて、
潜水している人と、
海中最速の哺乳類「イルカ」を逆にすると良く解る。


強烈な速度で泳ぐイルカも、
陸に上がれば身動き取れない。


ところがどうだ。
陸で人は自由に動き回れる。
その上、
良いクルマを手に入れれば、
全ての哺乳類の中で、
最も優れた運動能力を身に付けることができる。


首都高速ほどテクニカルコースの多い場所は他に無い。
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BRZはその場所で最も手足のように扱える、秀逸なクルマだ。
リヤサスの動きが良くなって、乗り心地とクルマを自由自在に操る能力の向上が、手に取るように解った。

出張から戻ると、
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山口県から世良さんがDEを体験するために来場された。
FRスポーツを手足のように扱うために、

はるばる遠方から訪れて下さった。
この夏は東の横綱「青森」に対して、
西の横綱は「山口」だ。
今やらなくてはいけない事を、
その手中に収めてもらえただろうか。
美味しいお土産をありがとうございました。
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日持ちしないお菓子はやはり美味だ。
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BRZで舞うような走りの糸口を掴めば、次のBプランでコーストラッキングが解る。
その直後に兵庫県西宮市から、土井さんがいらっしゃった。
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フォレスターでAプランを体験され、次はBプランに挑戦したいと語られた。
きっとやらなくても良いことと、今やらねばならぬ事を、正確に掴んでもらえたに違いない。
お土産にゴーフレットを戴いた。
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子供の頃、大判しか無くて、二枚のウエハーズを奇麗に割って、中に挟まれたクリームを舐めるのが楽しかった。
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大好物をありがとうございました。
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土井さんと入れ替わるように、高知県から西村さんがいらっしゃった。
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海洋深層水を利用した水菓子は、
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アクアパークで楽しく過ごした時間を彷彿させた。
滅多に食べることの出来ない、貴重な味だった。
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山葡萄のゼリーは、ジャムを固めて形にしたような、
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儚くてまろやかな味だ。
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絶妙なお土産をありがとうございました。出張から帰り慌ただしい日が続いたけれど、とても充実した真夏の日々だった。
おわり

最新の「WRX STI」を抱くように走る

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最新のSTIを徹底的に試した。

WRXを借りた日、

営業の大宮君は家族を連れ山梨へ遊びに行った。
そして美味しいお土産を届けてくれた。


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実に美味しかった。
一見するとみたらしだんごだが、
もっとモチモチして、
タレのとろみと醤油感も素晴らしい。


後藤さんに良く戴いた、
「きび大福」の店を訪れたそうだ。
この大福餅の美味さはちょっと例えようが無い。
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テレビに取り上げられ、
振りまわされてしまう老舗もあるが、
この店ならそんな心配は要らないだろう。


よく「行列の出来る店」という表現があるけれど、
狙って仕向ける手法もあるので気をつけた方が良い。
特に最近は、
テレビに出た店を絶対に信用しない。

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まあ余程の事情が無い限り、
行列してまで物を買ったり食べたりしようとは思わない。


それにしても、
この団子は旨かった。
独り占めしそうな様子を見て、
「美味いでしょう」と大宮君が笑っている。


この日は夜から会合があった。

団子で腹を満たしたので、
駐車場から会場まで少し歩いた。
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ダムの湖畔に建つホテルが会場だった。
福沢桃助が開発した木曽川水系の発電所。


その中でも最も美しい場所が、
中津川近郊に存在する。


昭和30年代から40年代の終わりに掛けて、
大繁盛した地域だが、
今は少し落ち着いた。


昔に比べて派手さは無いが、
やはりホンモノはいつまでも残る。
中津川市にはここまで収容能力のある観光施設は無い。
だから三菱電機などの大企業はこの場所を活かしている。


このホテルの料理は美味しい。
ジュンサイを上手く使った竹筒料理が出るなど、
なかなかの腕前を持つ調理長が居るようだ。



中津川に来ると美味いモノが多い。
大きな卓上七りんが現れた。
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夏休みも終わり、
そろそろ秋の気配が漂い始めた。


鮎の塩焼きと松茸に舌鼓を打つ。


ただし鮎はあらかじめ炙ってあったので、
感動するほどの美味しさでは無かった。


ここは居酒屋では無いので、
炉端焼きの味を期待するわけにはゆかぬ。
だから、これは仕方が無い。


塩梅良く調理されていたが、
どうしても水分が飛んでしまうので、
ちょっと拍子抜けした。


すると次の素材が現れた。
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飛騨牛が出てきた。
絶妙に脂が乗った最高の部位だ。
クルマのブランドならレクサスだろう。


ただ残念な事に、
最近の嗜好は大きく変わった。
いくら良い肉でも、
炙ると脂がドンドン出てきて気持ち悪くなる。


あの脂が自分の内臓に付着すると思うと、
積極的に箸が進まなかった。


肉好きには堪らないはずだが、
脂が少なくて肉の軟らかいランプステーキが食べたくなった。


「素」の持つ味に惚れる機会が多いと、
ご馳走を食べてもあまり感動しなくなる。


自動車のブランドだと、
レクサスに魅力を感じることが出来ないのは、
その辺りに理由がありそうだ。


地元の業界の集まりで、
久しぶりにグランドホテルに泊まったが、
恵那峡の魅力を改めて実感した。


朝からWRXをテストするつもりで、
ホテルに持ち込んだ。


雨上がりの朝は、
空気の色が柔らかい。
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改めてWRXのデザインに惚れ直した。
少し飲みすぎたが、
温泉に入ってサッパリし、
朝食までの時間を撮影に費やした。
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前夜の暗い風景から、
想像できないほど雄大な眺めだ。


WRブルーパールの色合いを見直した。
実はデビュー以来、
この色に乗るのは初めてだ。


試乗車をブラックパールにして、
レヴォーグをパールホワイトに選んだ。
ライトニングレッドも面白かったが、
このブルーはWRXしか設定されていない。


旬を過ぎたのかとも感じていたが、
リアルワールドで触れ合うと、
艶やかなブルーが雨上がりで潤んでいた。


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ダム湖の畔にクルマを止めて、
しばらくの間、
美しさに酔いしれた。
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クルマの販売環境も激変し、
多くの会員が入れ替わる中、
地元密着で頑張る企業も多い。


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歩いて帰れる位置で暮らす人が羨ましかった。
美味い朝食を肴に迎え酒が決まっている。


剛胆な人が減る中で、
高度成長期の自動車ビジネスを知り尽くした男だ。


高校の大先輩でもあるし、
トヨタカローラの特販課長として辣腕を奮ったので、
教えられることは多い。
素晴らしい眺めを楽しみながら、
美味しく朝食を戴いた。
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中津川へ来られたら、
少々お値段は高いけれど、
こういう場所に宿泊されることをお薦めしたい。
食事を終え早速WRXを高速ワインディングに連れ出した。
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まだ数百キロ走っただけの新車だから、
慣らしを兼ねて丁寧に走らせた。


柔らかく丁寧に抱くように走る。
メーターに変わりは無く、
スイッチを押すとデフォルトで「S」モードが選択される。


今回は全てエンジンモードを「S」にして、
センターデフもオートモードのままで走った。


ディーラーオプションのナビは、
使い易くテレビも映る。
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6速マニュアルシフトは更に磨きが掛かり、
ヌメリ感が増した。

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初の年度改良で、
A型からB型になり、
1速から3速の変速でその変化が顕著に解る。


ニュートラルに戻る雰囲気も含めて、
全体の印象がかなり違う。
更に上質になった素晴らしい手触りだ。

至れり尽くせりで何も言うことはない。
S4と同じくASPが装備され、
LED表示によるアイサイトアシストモニター以外は、
全く同じ機能を持つ。
自動防眩機能を持つインナーミラーは、
前方向の明るさを感知するためのカメラを内蔵している。
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ルームミラーを見ると、
このクルマが過去の遺物である事を実感出来た。
リヤビューミラーに大きなスポイラーが写ったからだ。


どう見ても邪魔だが、
このクルマのアイデンティティとして欠かせない物なのだろう。


「S」を選ぶと強制的に装着される。
試乗車にただのSTIを選んだのは、
ダンパーやホイールより、
リヤスポイラーの有無が最も大きな理由だ。


左側のドアミラーはサイドビューモニター用のカメラを内蔵した。
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バックギヤに入れるとMFDの表示が切り替わり、
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並行した黄色いガイドラインは、
車体からの距離が約30センチである事を示す。
また車両の先端とフロントホイールの中心を、
水平方向のラインで示す。
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後側方の死角検知に、
リヤビークルディテクションが役立つし、
純正ナビにはリヤカメラがあるので、
バックする時の煩わしさが大幅に減った。
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国道を走り始め、
「オヤッ」と思った。
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物凄く静かだし乗り心地も悪くない。
ライン装着のビルシュタインダンパーに、
国内メーカーとの大きな優位性を感じていなかった。


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だから試乗車にも満足していた。
それにはカヤバのダンパーが着いている。


鈴鹿サーキットとその周回路で、

ビルシュタインダンパーを試した事はあるが、
STIのビルシュタインを長距離で試したことが無い。
レヴォーグと比べて、

WRXのビル脚と随分遠ざかっていた。


S4のハイパフォーマンスタイヤ仕様では、
サスを一から作ったので差は歴然としていた。


発売からほぼ一年経ち、
ランニングチェンジされた最新モデルだと、
かなり印象が違っていた。


新しいビルシュタインで高速コーナーを攻めた。
日中でもクルマがほとんど走らない場所に、
STIを連れて行った。

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気温は23℃。
夏の気配を感じない場所だ。
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舵を与えた途端にクルマが反応する気持ち良さは、
スバルの中でもインプレッサ系だけに共通する独特の味だ。


この動画を見ると解る。



随分乗り心地が落ち着き、
これまでなら確実に大きな衝撃を感じた場所で、
そういう心配が全く無くなった。
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かといってS4のtype-Eのような脚かというと、
それとはまた違う。


同じように衝撃吸収能力が増し、
ドシッとした乗り味ではあるが、
STIはもっと精度の高い操縦が可能な脚に仕上がった。
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STIスタイルパッケージが装着され、
前後のバランスがとても良い。
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このパッケージはボディの下面を演出し、
スタイリッシュな安定感を引き出している。


だからSTIを購入する場合、
必ず付けなければならい。
これでデザイン的にも完結する。
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大きく張り出したフェンダーと、
そこから流れるように繋がる、
フロントフード左右の抑揚は、
先代のVABから引き継がれた大切な韻だ。


更に新型はノーズコーンを採用し、
レヴォーグより完成度の高いフロントフェイスを創りだした。


その韻の中で、
最も大きな物はエアインテークダクトに違いない。


ほとんど変わらないデザインで、
ドカンと大きく口を開けている。


これは残念だが、
全体の印象を大きく壊している。
このブログの最初の画像を見ると、
そのシルエットが余計に際立ち不細工だ。
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バンパーの下には、
ディフューザー上手くマッチしたアンダースポイラーが装着されている。
とても凝った造りと色で好ましいが視線を上に移すと野暮ったい。

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この角度から見ると、
WRCを失った今、
これらの空力付加物が如何に滑稽なのか良く解るはずだ。


そもそも、
どデカイ空力付加物が無いと安定しないようでは困る。
時速200㎞以上で走る国でも、
カタログ車の段階でこの様な物はあまり付けない。


外観上はこの2点だけが好きになれないが、
あとは素晴らしい。


開田高原を走り回り、

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トウモロコシを買った。
もぎたてのトウモロコシの横には、
美味しそうな白菜が並んでいた。


いよいよ豊穣の時が始まった。


WRXの抜群の操縦安定性や、
コシのある優れた乗り心地は、
とても300万円台には思えない完成度の高さだ。

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野菜を家に持ち帰ると、
京都から妻と娘が帰ってきていた。


お互いのお土産を見せ合い、
晩酌が始まった。
湯葉刺しのほのかな甘さが嬉しかった。


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今年初めての秋刀魚は、
脂が乗りワタの風味も最高だった。
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トウモロコシも甘かった。
最近はどこでも甘いトウモロコシが手に入るようになった。
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最近では生で食べたり、
唯々ひたすら甘さを追求した銘柄もある。
ただ混じりけの無い真っ黄色なトウモロコシで、
豊潤な匂いがして、
更に甘いのは少ない。


素の味が際立つトウモロコシだった。


WRX STIに乗って感じた事は、
「素」の良さより、
優れた食品としての完成度の高さだった。


この食卓に並ぶ、
湯葉もトウモロコシも秋刀魚も、
WRX STIとは結びつかない。


この美味しさはBRZに直結する。


かといって、
STIがあらかじめ炙った鮎や、
抜群の飛騨牛かと言うと、
そういう味でも無い。


娘がそれに相応しいお菓子をお土産に買ってきた。
阿闍梨餅は見栄えとは全く違う、
深いモチモチ感と甘さを持つ。


冒頭の大宮君のお土産もWRX STIに繋がる。
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最近は八つ橋も生で食べるようになった。
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それを更にアレンジし、
中に栗の甘露煮が入っている。
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この美味しさがWRX STIだ。


もしWRX STIが素の味を楽しめるクルマになると、
GC8の復活になるだろう。


重量が1.5トンほどあるので、
濃厚な味になるのはやむを得ない。


だがビルサスと軽量ホイールが高い次元で融合し、
抜群の運動性能を持つようになった。


ニュルブルクリンク24時間レースの、
オンボードカメラ映像は、
最盛期のインプレッサを彷彿させた。


このまま500万円のクルマ造りを目指せる基盤が出来たので、
今後は安心してWRXを見守ることが出来る。


S4を一つのブランドに育て、
スバルカテゴリーのフラッグシップに置く。


STIに必要なのは、
リヤカメラや死角検知支援では無く、
軽さを極めるクルマ造りだ。


素の味が全く隠れた美味いモノには、
どうしても「重さ」がある。


あと200kg軽くして、
堂々と目の前に見せてほしい。


その時、
今感じるわだかまりは全て霧散するだろう。


トヨタ MIRAI レースデビュー

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8月最後の締めくくりに、かわら版206号を校了した。
清々しかった。
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日曜日のレースも清々しかった。世界で初めてトヨタの燃料電池車が、
公式なレースに参加した。


そのピットクルーとして、
レースに参加した。
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前日の土曜日には、
妻も鈴鹿サーキットに向かった。


スーパーGTの応援が目的だった。
夫婦で東西を代表するサーキットに乗り込んだが、
勝利の女神を自称するだけあり、
BRZは久しぶりに表彰台に上った。


土曜日の午後、
富士スピードウエイに向かうことを知っているかの如く、
栄養食が届いた。
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ビールとこれさえ有れば、
苛酷なサーキット活動も余裕で乗り切れる。
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平方さん、
ありがとうございました。
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顔の見える農産物は本当に嬉しい。
やかりサーキットは苛酷だった。
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到着してまず眼に入ったのが86軍団だった。
土砂降りで近寄れなかったが、
楽しそうなミーティングだ。


ピットに向かうと、
既にミライが存在感を示していた。
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EVレースのカテゴリーでの参加である。
仕掛け人はモータージャーナリストの菰田潔さんだ。
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10時半の予選に続き、
決勝は16時半が予定されていた。
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予選の結果は4位で、
なかなか良い位置に付けた。
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予選の終わったミライを、
食事中の皆に代わり、
留守番して守った。


こういう時に、
空腹を感じないので非常に便利だ。


興味深いことがあると、
それまで蓄えた脂肪を燃焼し、
何も食べ無くても全然平気だ。


ミライもそんなヤツで、
予選後の疲れた体をモノも言わずに休めている。


自分のカラダで蓄えた養分を燃焼させるように、
ミライは蓄えた水素と、
空気中の酸素を結合させ、
水に換えると同時に電気を取り出す。


そしてそれをニッケル水素バッテリーに充電し、
バッテリーはモーターに給電する。


従って目新しいのは、
スタックと呼ばれる水素と酸素を化合させる部分だけで、
あとは既存技術の蓄積上に、
このクルマは存在する。


いきなり発電した電力でモーターを回すのでは無く、
電池で給電させる所に、
トヨタのハイブリッド技術が活かされている。


システムを起動させるのも、
12Vを使った既存のシステムだ。


従ってもし12Vのバッテリーを放電させてしまうと、
このクルマはただの箱になり、
うんともすんとも言わない。


ところが起動させてしまえば、
実に逞しく能力を発揮する。


メインスイッチが入って、
ガソリンエンジンならアイドリング中の状態だ。
エアコンはマックスで作動中だ。
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予選でバッテリーの温度が上昇したので、
エアコンで冷やすという作戦だった。
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電池は後席のバルクヘッド後方にあるので、
車内の温度を下げれば電池も冷やせる。
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車体に湿気が蒸着して、
室内が冷蔵庫のようになっているのが解る。
エネルギーフローは発電していることを示しているが、
ほとんど音もしな静かな世界だ。

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この状態で走行可能距離は333kmと出ているが、
予選の走りはかなり激しいので、
それから弾き出された数値だろう。
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その証拠に水素はまだほとんど満タンで、
この後日暮れまで走り続けても、
水欠(ガス欠の水素流表現)の心配は無い。
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排気管は排水管で、
車体後方左側に口を開けている。

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排出物は水だけという、
理想的な乗り物だが、
世の中はそんなに甘くない。
f0076731_13083381.jpg
新しいシエンタは面白いクルマだ。
コストパフォーマンスも抜群だから、
大ヒットして当たり前だ。


カメムシ色の良いクルマ、と表現したら、
皆さん笑って下さった。
ミライの開発に関わった人達だ。
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ミライ企画本部の野正さんに詳しい話をお伺いした。
何となく気が合うはずで、
彼は3代目と4台目のB4のオーナーでもあった。


前の担当はアクアだそうで、
今の愛車は当然アクアだ。
流石にもうスバルを愛用できないが、
カタログを読むと欲しくなるから絶対に見ないそうだ(笑)
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いよいよ決勝レースだ。
スターティンググリッドへは人力で入れる。
ちなみに、
このクルマはトヨタの広報車両なので、
一切手を加えられることは無く、
完全なノーマル車だ。


菰田チームは大勢の人間が居るので良いが、
プライベートチームだと人手の足りない所もある。




だからアイミーブを押し出すのを応援した。


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ミライはもう一台参加した。
これはメーカーの広報車では無く、
カートップ誌が所有するクルマだった。


予選一位は86だ。
EVにコンバートされたクルマで、
飛び抜けて速い。
自分のクルマと同じモノが、
スターティンググリッドで一番前に居るのは何とも嬉しい。
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駆け寄って一言応援の言葉を申し上げた。
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EVにコンバートと言えども、
その中身は物凄い。


充電も専用の発電機で行われ、
レーシングカーとしての装備も完璧だ。
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搭載されている制御装置も只者では無い。
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この様なスペシャルモデルから、
広報車両まで、
一緒に走れる所が、
このレースの醍醐味だ。
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スターティンググリッドのミライに近づき、
水素の状態を確認した。
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全く減っていない。
ただ世の中は甘くない。
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レースのような苛酷な状況だと、
機械的に負担が大きいと感じれば、
すぐセイフティモードに切り替わる。
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水素がある限り発電できるから、
電力も余裕で使える。
電気自動車なら、
ここでしっかり節電して本番に備える。
だから放電する要素は一切無くす。


ミライはお構いなしだ。
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LEDヘッドライトが美しく光っている。
スタート直後からこの2台が飛び出した。


86との差がだんだん広がる。
空力特性も良いし、
搭載している電池システムも本格的。
それに加え2段変速のシステムを持つ。


ピットロードで減速する時に、
ゴツンという変速音を聞いた。


これでは流石のミライも歯が立たないが、
2位のポジションは最後まで譲らなかった。

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最終ラップではトップと2位の間は
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1分13秒ほど開いた。
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この後にリーフが続く。
実はリーフ同士の駆け引きや、
運転の技量、
また車両の差がとても面白く、
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時間が有効に使えるなら、
一台買って参加するのも悪くないと思った。


トップ争いより、
リーフの抜きつ抜かれつのレースに、
思いの外酔いしれた。
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チェッカーフラッグをくぐった2位のミライがピットに戻る頃、
アイミーブが息も絶え絶えにチェッカーを受けた。


これがなかなか感動的で、
少しジーンときた。
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電気を使い果たしたミーブと、
世界陸上でゴール後に倒れ込む選手の姿が重なったからだ。


この様にゴール直後に電欠する事も無く、
ミライは終始独走状態だった。


とは言うものの、
レースの駆け引きは並大抵では無い。


菰田さんならではのレース運びなのだろう。
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拍手で栄誉をたたえた。
トヨタ自動車広報部の
本多グループ長が満面の笑みを湛えていた。


「菰田さんにそそのかされて出ちゃいました」と仰っていたが、
素晴らしいチャレンジだったと思う。
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本多さん、
野正さん、
菰田さん、
本当におめでとうございました。

総合優勝の86のドライバーと、
2位の菰田さん。
3位はリーフの中で一番速かったドライバーだ。
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当然クラスが違うので、
リーフだけの表彰がある。


3位の女性レーサーは車体に初心者マークを貼っていた。
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初心者どころか、

堂々とした物だ。


それに美人じゃ無いか。
EVレースから目が離せなくなった。

2015年型BRZを徹底的に楽しむ

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中瀬さんにインプレッサWRXをお渡しした。
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タイチ君も小学校一年生なり、すっかりお兄さんぶりが板に付いた。
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二歳になった弟のユウタ君も、素晴らしい腕白坊主になった。将来のスバリストに間違いなかろう。
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完全に仕上がった愛機で、恵那峡グランドホテルに向かわれた。
今ごろご馳走を楽しまれていることだろう。
猛暑と共にやって来たGC8に、思う存分愛情を注ぐことが出来た。
車検整備を終え痛んだペイントを補修した後、高速テストをした結果、
いくつかの問題を見つけた。
車検には何の問題も無いが、シフトフィーリングは最悪だった。
そしてシャシーにも不自然さが目立った。速度を高めれば、「それなり」に楽しいが、低中速域でギクシャクと気持ちが悪い。これでは舞うような走りが出来ない。
中瀬さんに改善を提案すると、快く承諾して下さったので、すぐ北原課長が改善に取り組んだ。
まず車体からシフトリンケージを取り外し、
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入念に調べた結果、予想通りシフトレバーのジョイントにガタツキがある。このためシフトノブを握るとクタクタに感じた。シフトブーツも外れ見栄えも悪いので、
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丁寧に分解し、経年劣化で粉砕しかけていたブッシュを取り除いた。
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これだけでは不十分なので、
細部を丁寧にオーバーホールし、
なるべく元の状態に戻した。既にシフトリンケージは新品で入手できない。
アッセンブリーで供給が不可能でも、
この様に手に入る部品を上手く使えば、
まだまだ楽しいクルマに蘇る。



更にシャシー全体を良く見ると、
リンケージだけでは無く、
抜本的な改善が必要だった。


トランスミッションと車体の接合部を改善する必要があり、
クロスメンバーに付いているラバーブッシュを全て交換した。

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次にミッションマウントを交換する。
このクルマには、
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元々STIの強化マウントが付いている。
そこで同じ物を取り寄せた。
こちらの部品は新品に交換が可能だ。


高速道路で、
加速すると気持ちの悪い振動を覚えた。
その原因はプロペラシャフトのセンターベアリングだった。
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プロペラシャフトを外し、
センターベアリングを確認したら、
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かなり劣化して中心がズレていた。
右の新品と左の古い部品を比べると劣化の度合いがわかる。


ここまでの劣化を見た以上、
エンジンマウントと、
ピッチングストッパーも交換した方が良い。
リヤデフ周りを点検したら、

かなり問題の根が深いことが解った。

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リヤデフを吊っているクロスメンバーのブッシュがおかしい。何かが無理矢理被せられているように見えたので、北原課長が右側だけナットを外した。
するとナットの下に強化ブッシュが押し込まれていた。ワッシャーの下にカラーがあり、それを抜き取ると標準のブッシュが現れた。
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外した部品のカラーは、奥までブスリと差し込まれ、硬いスペーサーと共に友締めされていた。
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さらに問題を見つけた。デファレンシャルマウンティングに、何かが挟み込まれている。
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通常なら無いはずのパーツで、
クルマの柔軟性に悪影響が出ていた。
この状態だと、
デファレンシャルケースを、
クロスメンバーごと取り外すしかない。
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ミッションジャッキでクロスメンバーごと取り外して、
次にデフケースを取り外した。
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デフマウンティングの上下左右に、
硬いラバーブッシュが挟み込まれていた。
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これらの強化パーツが、本来のインプレッサらしい運動性能を大きくスポイルしていた。だから気持ち良く走れなかったのだ。
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残念だがブッシュだけ交換できないので、下にある新品のマウンティングに交換した。
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そしてリヤデファレンシャルギヤBOXを、
元通りに戻した。
クロスメンバーの正常なリヤブッシュが見える。
この後、お預かりしてから2度目のテストを終えた。


こうしたクルマの問題を見つけても、
オーナーが提案を受け入れるとは限らない。



中瀬さんから全幅の信頼を戴き、
北原課長も整備士冥利に尽きた事だろう。
さぞかしやり甲斐があったに違いない。


クルマの整備には、
生まれつき持っている個性が表れる。
北原にも吉村にも杉本にも共通する事は、
指先が器用だという事だ。


整備技術はなかなか奥が深く、
ねじ一本締めるにも熟練の技がある。


だれがどのように締めたのかで、
走りの味も信頼性も違ってくる。
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こうしてGC8の走りはしっかりと蘇った。
ヒラリヒラリと舞うように走り、

パンチの効いた鋭い加速も見事だった。
初代インプレッサWRXの持ち味は、

強烈に俊敏な走りが、
柔軟に掌の中に収まるところに現れる。


この味を受け継いだのが、
紛れもなくBRZだ。


最近毎週のように中央高速道路を走った。
東京出張の直後、
故障車のレスキューで双葉SAまで行った。
往復400㎞を一気に走り終え、
フォレスターに乗り換えた時は、

まるでフォレスターをスポーツカーのように感じた。
キャリアカーのダルなステアリングをあやし付け、
上下動で股間が痛くなるようなヒステリシスな空間で我慢を続けた。
だから、
乗り換えた瞬間の素晴らしさは言葉に言い表せないほどだ。


そして9月も早々から東京出張が控えていた。
でもその前にどうしてもかわら版を発送する必要があった。


そこで出来上がった最新号を岐阜まで受け取りに行った。
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やはりWRブルーパールには華がある。近年で一番気に入った仕上がりだ。
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裏面のまとまりも良いので、早々に送り届けたかった。
そこでフォレスターで岐阜まで往復する間に、
BRZのセイフティチェックを終えることにした。
良く考えたら、

まだギヤオイルも換えていなかった。
そろそろ4000kmを超えようとしている。

乗り味に何の不満も無いクルマだが、
一点だけ気になることがあった。
これまで乗った2台のBRZに比べ、
1速から2速、
2速から3速と変速する時に、
ざらつくような手応えがある。
そこに不満があった。


慣らしも終わったので、
今回の出張では、
本気でBRZを走らせるつもりだった。
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岐阜から戻ると、
BRZはピットの上で帰りを待っていた。
北原課長はトランスミッションとリヤデフに、
モチュールの75W90を選んだ。


エンジンオイルも、
最近大人気のレ・プレイヤードゼロを使い、
オイルエレメントと共に交換が完了していた。


オイルが新しくなったBRZで、
東京へと一気に向かった。


東京に行くと、
やはり首都高速が一番面白い。
なかなかアグレッシブなドライバーも多く、
サーキットさながらの緊張感も楽しめる。
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こんなターンを荷重変化だけで決めることが出来るようになると、
スムーズドライブの大切さが良く解る。
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ステアリングは最初に切った角度を維持し、
微少なアクセルワークのみでクルマを完全に支配下に置く。
高速道路をクルージングするだけなら、
6速ギヤを多用したい。
メーターの情報表示も良い。
6速に入れ時速はほぼ90km。
平均燃費は1リットル当たり10.9kmと自動で表示される。
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でも6速じゃあ面白くない。
シフトダウンして空に向かうように加速した。
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ほぼ時速100㎞まで加速した時、
エンジンは3000rpmを境に、
更に勢いを増して楽しいサウンドを奏でる。
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この後、
開田高原まで脚を伸ばした。
そして動力性能を引き出した。
BRZとの走りは素晴らしかった。


深く息を吸い、
エネルギーを燃焼させ、
持てる力を使い切る清々しい走りだ。


これは過給エンジンには無い、
自然吸気エンジンに感じる人間臭さかもしれない。


あまり上のギヤを使わず、
4速中心にエンジントルクの厚い部分を引き出してやる。


かといって5000rpm以上回す必要も無い。
あまりブン回すと帰ってロスを感じる。


良いオイルを喰わせてもらったせいか、
右足の動きとエンジンの鼓動が粘りけを感じさせながらピタリと融合する。
これは泳ぐ時と良く似た恍惚感だ。
出張から帰った夜、
早速それを確かめに行った。
夜の10時になると、
プールに人影は無い。

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貸し切りの状態で1000m泳いだ。
この日のタイムは、
1週間前より16秒ほど速い、
28分14秒だった。
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この時、
タイムに拘って泳いだ。
だから終わった後の爽快感はあったが、
途中で水を吸い込み、
むせたりもした。


途中で息苦しくなり、
決してリズミカルでは無かった。


だから続けて次の日も泳ぎに行った。


時計を外した。
タイムを縮めたい気持ちに変わりは無いが、
伸びやかに泳ぐことを心掛けた。


息を吸い込み、
水を蹴ると同時に、
手をぐーんと前に伸ばした。


そして一気に水を掻く。


ダイナミックに泳げた。
素晴らしく楽しかった。



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前の日とは全く違う爽快感を、プールから上がった後で感じた。
何も使わず、自分のカラダだけを頼りに、舞うように泳ぐ事ができた。
BRZにもフィジカルな楽しみが溢れている。紛れもなくSUBARUが作ったスポーツカーだ。
全国にはまだ、自身の作った4WD至上主義に囚われ、BRZの素晴らしさを見抜けない人も多い。スバル関係者にさえ居るくらいだから、それは仕方が無いだろう。
しかしスポーツカーしか感じない、伸びやかで羽の生えたような愉しさは、他の何かを犠牲にしてでも、いつまでも味わい続けたい至高の世界だ。
次のブログでは、思わぬスポーツカーの登場について語りたい。
おわり




2015年型BRZを徹底的に楽しむー第三部

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この一ヶ月間に4度目だ。関東方面に出撃して無事戻った。良い相棒のおかげで楽しく旅ができる。
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それにしても良い天気だった覚えが無い。
今回も凄い台風の中を往復した。
被害に遭われた皆さんに、心よりお見舞い申し上げます。
秋風が吹くようになると、望桜荘を訪れる来客が増える。
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手入れを続けるうちに、境目のつもりで埋めてある、丸い自然石を乗り越えて苔が増えてきた。少し遡る。
8月11日の事だった。望桜荘の周りを掃除していて、苔の異変に気がついた。
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茶色くなり枯れたしまったかのように変色している。一番酷い所の苔を取り除くと、土の匂いそのものが変だった。
そこで最低限の土を削り取り、その部分に近くにあった適当な大きさの石を置いた。
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一ヶ月近く経ち、9月6日に写真を撮った。
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近くで良く観察すると、自然治癒の様子がわかる。
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枯れてしまった理由は今も不明だが、
何か液体を撒いたような感じがする。


ネコがうろついているので、
そこで何かしたのかもしれない。


丁寧に手入れしてあげれば、
ステキな絨毯が自然に広がる。


しかも高いお金を必要としない。


今年はブルーベリーも一本だけ枯れてしまった。
初夏の乾燥に耐え頑張ったが、
それぞれの株に差が出始めた。
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お金を掛けずに知恵を掛けた。
夏の前に庭木を剪定した枝が堆く積まれたままだったので、思い切って新しい装備を用意した。
ケチでは無いつもりなので、
必要なことにはしっかりお金を掛ける。
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フードプロセッサーのオヤブンのような機械で、
枝を奇麗にチップ化して、
ブルーベリーの周りに敷き詰めた。



自然には様々なイキモノが居て、循環しながら季節毎の活動を繰り返す。
庭から抜いた草も、一カ所に集め長時間積んでおく。この頃は草刈りしても生ゴミ扱いで、どこも処分に困る。
でも上手く使えば無料で堆肥ができる。
積んだ草の山があまりにも高くなったので、平滑に積み直し、一部を攪拌してカバーをかけ直した。
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積んだ内側にもかなり草が生えていたので、抜きながら整えた。草を抜くと大量の蟻が出てくる。
雑草は上手い具合に発酵し、白い粉のような菌糸類が貼り付いている。独特の匂いだが、
決して悪くない。
そういう場所だから、色々な昆虫が屯し、それを狙って蟻が巣くうのだろう。砂のように細かい奴らだ。木の幹にも巣を作る。作られてしまうと一気に衰弱する。
土の一部かと油断した。毎年刺されるが、今年は特に酷い目に合った。
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蚊の吸血と違って、最初は刺されたことすら気がつかない。
蚊取り線香を持っていても効かない。軍手に付いたら早く落とすべきだ。

あまり知られていないが、蟻は蜂の一種だ。なのでお尻に弱いけれど針を持つ。
巣を荒らされたわけだから、弱々しいが攻撃してくる。
その時は何ともない。翌日くらいに蚊に喰われたように腫れる。そこで舐めていると良くない。蚊と違って、ただかゆいだけで無く、刺された当たりに水泡ができる。カラダが猛烈にリンパ液を放出するのだ。

蟻だけに特有の蟻酸によって、タンパク質が分解される。刺された部分の皮膚も、徐々に崩壊するのでとても始末が悪い。
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バンドエイドを貼った。
ところが激しい抗原抗体反応が起きているので、体液の圧力で風船のように膨らんでくる。出す物は早く出した方が良いが、ジクジクさせておく訳にもいかないので、こまめに手当てした。一番困るのは3日目ぐらいだ。猛烈にかゆくなり、思わず掻きむしる。だから傷口はどんどん悪化する。
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生田さんに戴いた、
エアウオールが役立った。バンドエイドの上からくるりと巻くだけで、傷全体をカバーでき、水にも強い。
それなのに全く蒸れない。逆浸透圧の不思議な素材だ。
蟻は大したことないが、油断してはいけない。これが元で寝込むようなことになったら一大事だ。
もし刺したのが蟻じゃ無かったとすると、1週間後くらいに高熱を出す可能性もある。
ダニなどの媒介する、リケッチアに注意が必要だ。野山には注意しないといけない事が沢山あるが、自然環境の中で逞しく生きる動植物から教えられることは多い。
特に今月から来月に掛けて、寝込むわけにいかない理由が沢山ある。
まず今月の第三週に、様々な予約を受けている。ドライブエクスペリエのCプランは、
いつも以上に体調管理が大切だ。今から予約に備え体調を崩さないよう、コンディションを万全に整えお客様を待つ。
早いもので初めてからあっという間に一年が過ぎた。9月6日からスタートし、記念すべき最初のお客様は中田さんだった。最初は戸惑われたが、DEの効果をすぐ体感されたようだ。
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振り返ると、
安全に、そして何よりも「続けること」を重視した。多くのお客様から喜んで戴いた事が、継続への原動力になった。
気持ちも新たに2年目をスタートさせる。
これからは車検とセットしたメニューを作ったり、特別なクルマを用意して、レクチャーと同時にスバルを極めるプログラムなど考えたい。
これまでも、徐々にステップアップされる参加者の為にCプランを用意した。

本当にスバルが好きなお客様と、
更に深い味わいを楽しんで戴く。


そのためにまず「3箇条」を決めた。
1.魅力的なクルマを選ぶ

2.魅力的な場所を目指す
3.的確で面白い運転指導


これから更に色んなアイディアを盛り込んで、
今後はCプランをより重視して進める。


今月の予約に備え、
東京からここへ直行した。
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イルカのショーを見るためには、2200円払わなければならない。
エキサイティングで素晴らしいが、人工の海水環境だ。コンクリートの設備は頑丈で安全だが、息苦しいビルの空間に身を委ねなければならない。
だが設備を作るコストと、維持する努力に対して2200円は安い。
イルカの居る場所と同じくらい、馬の居る場所も素敵だ。
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もっと嬉しいことに、
素晴らしい環境に入場料は掛からない。
Cプランの舞台は一カ所とは限らない。参加する人の個性を見ながら、その時々に合わせたミステリーツアーを楽しんで戴く。
何となく、付き合うのに手間が掛かる、と思われる方も居るだろう。
それは確かにその通りだ(笑)
ブルーベリー農場の季節も終わりに近い。
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最後の写真展が継続されていた。
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誰でも無料で見ることができる。
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開田の厳しさは、
外から見ただけではなかなか解らない。
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住んで初めて解る冬の苛酷な環境がここに有る。
田中さんとナホちゃんが雪を掘るリアルな姿だ。二宮さんは力強い写真を撮った。
このように大変な努力を積み重ねて、
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入園料は800円だ。
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解り易くシンプルでカラダに良いから、ファンが沢山居る。
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苗木も入手できるので自家栽培も可能だ。
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農園の中に入る前に、簡単なルールを読んで欲しい。
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農場の中に入ると、まだまだ勢いの良いブルーベリーがあった。
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晩稲の品種だろう。
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大きい実を付けている。
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田中さんは一人で黙々と作業していた。仕事の邪魔をしたくなかったので、そっと静かに引き上げた。
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彼はブルーベリーの「味」と、
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素晴らしい環境で勝負している。「素」の持つ気合いを感じる。
ここは品川のアクアパークと対極にある世界だ。
食べ物にも「素」の大切さが現れる。
開田の白菜は漬け物にすると飛び切り美味い。
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この日はラッキーデーだった。あるじが山で摂ってきたばかりの「コムソウ」だ。今年の初キノコは、
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物凄く美味しかった。
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大根おろしとポン酢で、キノコから出る「素」の旨味を楽しんだ。
これらを「蕎麦前」という。本来の手打ち蕎麦に絶対必要なアイテムだ。
蕎麦を打つ間を持たせるための料理にも、素の良さが光る。
このような旨味と、BRZの出す味がピタリと重なる。
「素のBRZ」は特別凄いスポーツカーでは無いが、体に良くて「あるじ」の言うことを良く聞き、思いっきり気持ちくなれる逸品だ。
さらにここからの流れを比べてみよう。スポーツカーを使った長距離旅行には、一定のしきたりが必要だ。
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美味い蕎麦を食べるにも、それなりの準備が要る。
一般的なザルソバでもそれなりの準備が必要だが、ここまでの装備は必要無い。しかし「とうじそば」には「そば」以外に、これほど沢山のアイテムが出そろう。ネギの薬味もダブルでもらう。さらに一味唐辛子と「山葵」を特別にリクエストする。
ただし全てのお客様にそれらが出るわけでは無いので勘違いしないで欲しい。Cプラン専用の内容だ。
「蕎麦前」と「とうじセット一式」が整った。奇蹟の漬物「すんき」を汁に投入する。
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BRZをソバに例えると、コイツは良質なプレミアムガソリンだ。
「カヤシメジ」だけで出汁を摂った煮汁を、
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豪快に沸騰させる。味が壊れると心配する向きもあろうが、そんなことはお構いなしだ。
なぜなら一番最初に一味とうがらしを投入する。この日は気分で14回振ったぞ。好みで火加減を調整していると、この汁が無性に飲みたくなる。
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そういう時は、椀にすくって飲むと良い。
クエン酸の豊潤な味と、唐辛子の切れの良い刺激が、腸に染み渡るはずだ。
BRZに乗り、エンジンキーを回して左足をそっと離しながら、右足でスロットルを開ける。
その瞬間の心地よさと似ている。
蕎麦前を楽しむ間に、主役が登場した。
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ちょっと待った。蕎麦の色がいつもと違う。もしや「新ソバ」では無いかと聞いいてみた。
隠していたわけでは無いが、「そうだ」と言う。
これは二期作の「わせ」なので、本格的な香りをまだ放っていないそうだ。
ところが「甘み」に富んでいて、なかなかの出来映えだ。
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ここで山葵を使う。
ソバの甘みが山葵だけで食べるとシナジー効果で強くなる。
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あまりのソバの甘みに、引き込まれるように箸が進み、1枚目を完食しかけて我に帰った。
BRZで走る時に、2速から3速とアクセルを踏み込み、カムに乗った瞬間を思い出すが良い。
あの思わず「イキソウ」になる心地よさは、本能がもたらす快感だ。
蕎麦の毒気に当たると我を忘れる。
そして本当の美味しさはここから始まる。
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残った蕎麦を小さなザルに入れ、煮汁を通して食べる。
しゃぶしゃぶと勘違いしてはいけない。あまり取り過ぎず、一口で食べられる量を入れ、さっと1度だけくぐらせる。
椀の中に戻してから、それが茹でたてに蘇る。
いくら食べても飽きることが無い。2枚目の蕎麦も完食し、蕎麦湯も飲んだ。
これがBRZで「GTする」時のイメージだ。
高血圧になるぞと叱られそうだが、この残り汁には悪魔が潜んでいる。
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それくらい美味しくて、支払いは僅か1600円だ。
蕎麦に付ける価格の限界点だろう。
素の味で楽しむ物には価格の限界がある。
また逆に言うなら、せっかくの素性の良さを持つのなら、それを活かして徹底的に安価で供給する。
蕎麦をいくら高級にした所で、2000円以上の価格を付けるべきではない。なぜなら蕎麦は「ハレ」の食物では無く「ケ」の食べ物だ。晴れを儀礼や祭の「非日常」の場とすると、ケ(褻)は日常生活を指す。
素の良さを活かすBRZはケ(褻)のスポーツカーだ。300万円以上出して買うクルマでは無い。
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「お土産にもっていって」と茹でたてのトウモロコシをもらった。
これも泣かせるほど美味しい。
素の味の魅力は、底知れない魅力を持つ。
そして安い。BRZは生活に密着した「真の」スポーツカーだ。

それを解って載ると、これほど素晴らしい相棒は居ない。ただどれだけの人達がその事を理解しているのか良く解らない。この写真は2007年の8月29日に撮影したコナラだ。
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まだ深く知り合った人は誰も居なかった。8年経過した。スカスカになり、遠くから見ても佇んでいる様子が違う。
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あの頃からこの樹を大切に守る人が居た。
いつ行っても根本の周りは奇麗だった。それが誰なのか当時は知る由も無かった。
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心配する者が居ないと、あっという間に荒れ果てる。
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手を添えてコナラにそっと聞いてみた。
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「お前はBRZの事をどうおもう」と。
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愛情を掛け育て続ければ、まだまだ深い潜在能力を持つ。
だが忘れてはいけないことは、今のBRZは「素」の良さだけで勝負している。
そこが堪らなく良いのだが、手を抜くとすぐ衰える。
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このアイスクリームの病巣はかなり深い。「並みより良い」では困るのだ。
BRZも「並みより良い」にならない為の、弛まぬ努力が必要だろう。これからも磨き続けることを願いたい。



2015年型BRZを徹底的に楽しむー第二部

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枯れてしまった柊を処分した場所に、奇麗な苔が生えそろった。
あの日以来、
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SVXの魅力アップも続いている。
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性能アップもさることながら、大事なことを忘れていた。もっと外装に手を掛けて品質を高める必要がある。
それに気がついた理由は、大切に保管しているR1の存在だ。
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新車も含め、
最終型のR1「プレミアム ブラック リミテッド」を沢山持っていたが、
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いよいよこの中古車1台だけになった。
軽自動車の製造撤退を決めたスバルが、
最後にはなった拘りの作だ。
3色ある中で、
特に黒いボディはデリケートだ。


磨けば輝くが、
管理に手を抜くと惚ける。
だから細部まで良く磨くことが肝心だ。


徹底的に磨くと鏡のようになる。


当社ではそれを「車体鏡面仕上げ」と呼び、
定期的に在庫車を磨く。


R1にはガラスコートも掛けたので、
場内ギャラリーで熟成させることにした。


そして次の鏡面仕上げに取り組む。
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黒いOBKの3.0Rも、間もなくピカピカになるはずだ。


R1を場内に置き熟成させるのは、
表面の樹脂をゆっくりと加水分解させ、
強度の高い皮膜を作るためだ。


半地下状態のギャラリーは、
直射日光も当たらないし、
湿度も適度にあって、
コーティング後の熟成に極めて都合が良い。
R1を寝かせたのは東京出張の前日だった。
その日、神奈川から加藤さん御一家が来店された。
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美味しいお土産をありがとうございました。
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奥様の愛機はR1だ。R2を買ったけど、どうしても欲しくて乗り換えたと仰った。R1に掛ける執念が、愛好者を呼び寄せたのかもしれない。
今度の出張の目的は、
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R1の4WDを入手するためだった。このデザインは、アンドレアス ザパティナスが残した、大いなる逸品だ。
もう一台のクルマも、彼の影響が色濃い。
それを更に個性的にしたパートナーが居た。
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「社長は絶対買ってくると思った」
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と大宮が笑った。届いたらすぐにスタッフが分解を始めた。
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仕入れたビームスはとても良いクルマだった。久しぶりにオレンジ色のシートが入手できて、とても嬉しい。
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ビームスとの共同事業は短命に終わったが、かなりのシナジー効果は生まれた。
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ビームスが商品企画に関わったことで、革の質も良く色使いも大胆でステキだ。
後年になってXVにタンジェリンオレンジがラインナップされたのは、ビームスとのシナジー効果だろう。
その出張先に、見慣れたクルマが並んでいた。雨上がりで蒸し返るような炎天下に、仏像を連想する黄金色の車体を横たえていた。
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最新スペックのMだった。
カーボンルーフのクオリティが凄い。


今年もまたグリーンヘルでこのクルマを乗り回し、
ドライブスキルを高めるつもりだ。
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BMWのM社が、
ニュルブルクリンクで繰り広げるトレーニングで、
何種類かの教習車が準備される。


それはM6だったりミニクーパーだったりするが、
やはり一番の主力車種はM4だ。


一昨年までM3を使ったが、
昨年からこのM4にバトンタッチした。
このクルマにはフロントに修復歴がある。
中古車なので、
安ければ練習用に買うのも良い。


だが売り手の希望は750万円以上だったようで、
誰も買う物は居なかった。


700万円という金額を一つの壁とすると、
先日レースに出たTOYOTAミライは、
その壁を下回っている。
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なるほど、
これが670万円なら、
確かにサービス価格と言うだけのことはある。


ただし、
実験室レベルの使用環境を見た時、
ごく一般の人々がミライをプリウスのように使う日はまだ当分来ない。
スバルでは恐らく実現しないだろう。


ミライの税込み価格に軽自動車の中古車を一台加えれば、
M4を中古車で買う事も出来る。


ヒトそれぞれに色々な価値を見出せば良い。


BMWが大好きなヒトは、
今最もスポーティーなM4を選ぶだろう。


けれどもM3をグリーンヘルで3度使った感想を言うと、
V8を搭載した大排気量のM3はとてもステキなクルマだった。



結局時流に逆らえず、
ダウンサイジングコンセプトのM4が誕生した。
盛んに熟成が進んでいるだろう。


4年前を振り返る。
初めてM3にノルドシェライフェで乗った時、
思わずこのクルマを思い出した。
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SVXとM3に共通する事は、

車体が重すぎることだろう。


だから軽くすればするほど、
クルマの魅力は高くなる。


BMWは他にもスポーティカーをいくつも持つ。


スバルもいくつかのスポーティカーを持つ。
M3からM4に生まれ変わり、
そこで極めた軽量化の内容は、
喉から手が出るほど羨ましかった。


SVXを90kg軽量化した時、
開発に関わった伊賀さんは、
モデルチェンジでこんなクルマを作りたかったと仰った。


オレンジのSVXも大切にしているが、
最も活躍するのは、
黒鯨だ。


北原課長には、
このクルマを、
「リフレッシュメンテナンスのショーケースだと思うように」と伝えている。


黒鯨がここに来たのは平成13年12月25日の事だった。


それ以来、
B&Bサスペンションの開発に使い、
オリジナルスポーツマフラーの開発にも使った。
各部を徹底的にメンテナンスして、
壊れた場所があればすぐ直した。


ステラの内示会で富士重工の群馬製作所にも乗っていった。
平成18年のことだ。


それ以降の整備記録が残っている。
18.5.2   タイミングベルト
         ロッカーカバーガスケット等交換  
18.6.4   エアコンメンテナンス
         エアコンガス配管ホース交換
21.6.4   スパークプラグ
         フューエルストレーナー交換
                     走行距離165.010km

21.10.19 トランスミッションオーバーホール
         ステアリングギヤボックスオーバーホール
         プロペラシャフトベアリング交換
                     走行距離165.361km
22.1.5   パワーステアリングポンプオーバーホール                     走行距離165.430km24.5.26  エアコンメンテナンス         エキスパンションバルブ         エバポレーター交換                     走行距離165.503km24.6.21  リヤハブベアリング交換                     走行距離165.691km27.6.30  長い距離を移動し各部清掃点検                     走行距離166.451km東京出張からもどって、
黒鯨を見ると、アチコチの様子が変わっていた。
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ミラーが取り外され、
ドアハンドルの姿も無い。
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北原課長がクルマの影で熱心に何かを磨いていた。
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なんとドアハンドルはアルミの鋳物だという。
それを強烈に磨いて既に右側がクルマに取り付けられていた。
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「燻し銀の輝きを出せ」
それは常々彼等に、
工具を管理する上で厳しく言う言葉だ。
それをSVXの作り込みで具現化するとは恐れ入った。


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手の中を見せてもらうと、
左側のドアハンドルが嬉しそうに笑っていた。
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スバルはこの様に隠れた所に良い部品を使う。
それが多くのファンを産んできた。
スバリストと呼ばれる、
スバルに限りない愛情を持つヒトは、
ホンモノが好きだ。


これを見れば解るように、
SVXからスバル360など、
軽量化を極めた当時の深い拘りを感じる。


だからこそSVXを所有する上で、
常に最優先して考えるべき事は重量管理だ。
他車から流用する時は、
オリジナルパーツに比べ、
常に重量を意識し軽い物を選ぶと良い。


ノーマルでクルマの良さを充分引き出せる。
部品や装備を、

とにかく軽くなる方向へ向けると良いクルマになるだろう。


時々やらなくても良いことをしたクルマを見るが、
迷ったら原点回帰だ。

それは軽量化だ。
スバルは古来から軽量化を極め続けてきた。
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黒い個体の残存数はかなり少ない。
他の色に比べ「べったり」した感じで、
重厚感はあるがエレガントとは言い難い。


それが残存数の少ない理由かもしれない。
アルミのドアハンドルに痺れた北原課長は、
冴えたコーディネートを発案した。
彼自身の手でドアミラーをシルバーに塗り替えた。
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タイヤサイズを大きくしたので、
ホイールにSTIを選んだ。
この鍛造アルミホイールも渋いシルバーなので、
黒とシルバーの色合いが良い。


黒鯨はますます国籍不明車として凄味を増していく。

決して新しい塗膜では無いので、粗さも目立つが鏡面研磨の努力は実った。
黒だからこそ磨き甲斐がある。車体側面に写るご先祖様の笑顔がそれを物語る。
スバルは良いレガシー(大いなる伝承物)を残してくれた。このクルマの存在は、スバルもプレミアムカーを本気になれば作れることを実証した。
但しブランドが弱かった。人気が出て売れる様になったが、今でも国内では300万円が一つの壁で、400万円を超えるクルマはほとんど売れない。
スバルは昔「400万円を切るSVXなど舐められる」と言ってのけた。
「その通りだ!」と思った。しかしマジョリティは違った。そう言う者は僅かで、ほとんどのヒトは、「売れるわけが無い」と思った。
スバルは昔「ホンモノの軽こそ操縦安定性に優れ安全でスタイル優先であるべきだ」と言ってのけた。
「その通りだ!」と思った。しかしマジョリティは違った。そう言う者は僅かで、ほとんどのヒトは、「売れるわけが無い」と思った。
イタリアンテイストのチンクチェントと、スバルの軽の歴史を重ねると、ブランド力の優劣が炙り出される。
SVXは400万円の壁を乗り越えられなかったが、これからのスポーツカーで、その壁を乗り超える必要がある。
なぜか。そうじゃ無いと、スバルは全く面白くない。
こういうクルマをスバルに作って欲しいだけだ。「こういうクルマ」という定義は、「そっくりであれば良い」ではない。
型破りな発想で、卓越した性能を誇るクルマを言う。
S660を小馬鹿にして申し訳なかったが、軽自動車の世界で卓越したモノを創っても、そんなモノは狭い世界の自己満足でしか無い。
それと比較すると、コイツの立ち姿に目を疑った。
初めはオモチャかと思ったが、アルファロメオのエンブレムが光っている。
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ちょっと見た目にはロータスを思い出すが、全く知らないクルマだった。勉強不足だった。初めて見るクルマに興奮した。アルファロメオ4Cは、イタリアの自動車メーカーが作った、ミッドシップの2シータ-スポーツカーだ。
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4気筒エンジンを搭載しているので、「4シリンダー」から引用した単純な名前だ。車両重量は1100kgしか無く、

4mを切る長さで幅が187センチある。
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と言う事は、BRZより25センチ短く、
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10センチ幅広で、
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ボディとツライチの黒い樹脂で出来たバイLEDヘッドライト。
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昔プロドライブが作った、
2代目インプレッサWRカーを彷彿させるヘッドライト周りは、
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まるで蝉のような昆虫的な目力を放っている。
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ブレンボキャリパーもアルファらしく塗られ、彼等が調律したことを示すかのように、「アルファロメオ」の文字が刻まれている。前後の重量配分が40:60と非常に良く、相乗効果で強烈なストッピングパワーを発揮する。
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カーボンコンポジットのシャシーフレームを持ち、
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レーシングカーさながらのペダルシステムになっている。床から生えたペダルも良いが、それ以上に材質とメカを見せる演出が素晴らしい。
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マニュアルエアコンだし、オーディオも質素だが、
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そんな事は二の次で良い。見るからにそれを誇張する姿に、ハートが「ぐさり」と刺された音を漏らした。


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スイッチにも質素だがクオリティ溢れる演出が見えた。ボタン式のギヤセレクタは見栄え重視としか言えないが、伊達男の意地を窺わせる。ラテン系の男が好む演出なのかもしれない。
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このクルマにもSI-DRIVEが装着されていた。スバルがスタンダード化して早9年が過ぎ、どこのメーカーもこうしたギミックを付けるようになった。DNAシステムと名付けられ、上から順に、D:ダイナミックN:ナチュラルA:オールウエザーと表示が並んでいる。
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スバルとアルファの考え方はほぼ同じだが、アルファ4Cには第4のシステムが隠されている。それが「アルファレース」だ。
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スポーツカーらしく低い位置にシートが付き、ドライカーボンと革の対比が美しい。このシートの出来映えが素晴らしく、同じモノをBRZに付けたくなった。ギンギンなミッドシップスポーツカーを、GTのように扱えるのはこのシートのおかげだろう。
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ステッチもお洒落だ。このバルクヘッドの後ろに4気筒エンジンが横置きされ、後輪を駆動する。
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ガラス越しに見えるエンジンが良い。1750ccの直噴ターボエンジンは、ダウンサイジングコンセプトに基づき、低回転からトルクを最大値まで発揮する。
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高回転型のオーバースクエアエンジンだが、何と350N・mの最大トルクを、2100から4000回転まで台形に持続する。
だから一番美味しい所で、よりドライバーを気持ち良くさせるはずだ。
ターボラグをほとんど感じさせず、最高出力240馬力を6000回転で絞り出す。
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BRZのエンジンも気持ち良いが、
時流に乗ったダウンサイジングターボも、
全くターボラグを感じさせないなら悪くない。


NAらしさを出すために、
エンジンにはいくつかの新たな試みがなされた。
スカベンジングテクノロジーと呼ばれる、
ユニークな掃気システムだ。


吸排気側のそれぞれに備わる連続可変バルブタイミング機構を、
エンジンコントロールユニットが緻密に制御する。


その結果、
バルブオーバーラップでインテークマニフォールドから、
エキゾーストマニフォールドへ直接流れ込む気流を発生させる。


それにより、
燃焼室の掃気効率を良くして、
ターボチャージャーの回転数を高めるので、
ターボラグの発生を抑制できる。
どこのメーカーのターボを使ったのかは解らないが、
ウエストゲートの開く音を除けば、
音も加速感もまるで大排気量のNAだった。


最近のターボチャージャーは、
ひと昔前の物とは違うらしい。
スバルのターボサプライヤーも、
IHIから米国のハネウエルに替わった。
メーカーから求められる性能が、
より厳しいのだろう。


スポーツレザーステアリングと呼ばれる、
アルカンターラ素材を差し込んだハンドルは、

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素晴らしい素材と巧みなステッチで作られ、単なるDシェイプとは格式が異なる。アルファTCTと呼ばれるツインクラッチ6速オートマチックは、ローンチコントロール機能まで持つ。2ペダルのクルマはスタンディングスタートがつまらない。それを補うシステムだ。
DNAシステムをアルファレースに設定し、
ブレーキペダルを踏み込みながら、アクセルを全開まで踏み込む。
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エンジンには回転抑制機能があるため、
エンジンは吹き上がらず一定回転で回り続ける。その状態で、ステアリングの左側にあるパドルスイッチを手前に引くと、
ローンチシステムがオンになる。
あとはブレーキを離しさえすれば、最速のスタンディングスタートが可能になる。
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ボタンでシフトセレクトするのは、慣れないとやりずらい。最近のクルマでは珍しく、パワーステアリングを装備していない。
スポーツカーで後輪荷重が大きいから、必要無いと言えばそれまでだ。
割り切ることも大事だろう。ガラスが組み込まれたエンジンフードを空けると、僅かなトランクスペースがある。
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無いよりましだが、
ちょっと身の回りの物を詰め込むともう余裕は無い。
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従ってスーツケースは助手席の足許に置き、
助手席も鞄で埋め尽くされる。
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少なくとも二人で宿泊しながらドライブできるクルマでは無い。
ところが和田アキ子のような魅力が溢れている。


豪快で親分肌の女性だけど、
動物に弱いような女らしさも持つ。


年齢性別に関係ない魅力かな。
アルファが好きな人なら、
たとえロータスに似ていようが、
少々乗りづらかろうが、
そのエッセンシャルに惚れ惚れして買ってしまうだろう。


STIのリリースする「S」の様なモノで、
そのブランドの信頼性と、
期待を裏切らない商品力に魅力がある。


中津スバルでSVXを持ち続ける執念も、
そんなスバルブランドに対する信頼と、
期待を裏切らなかった商品力から産まれるのだろう。


前を走るC4のサウンドを聴きながら、
BRZを操った。


強烈なパワーも、
飛び抜けたギミックも無い。


ところがこちらにはMTがある。
だからローンチスタートなんて小細工は必要無い。


カーボンで軽量化した2シータ-スポーツに比べ、
120kgの重さがあるが、
SVXに比べたら驚異的な軽さに仕上がった。


トヨタとの商品企画は十分なトランクスペースの確保や、
素晴らしいデザインとして実を結んだ。


なにしろ一番の魅力は、
水平対向エンジンによる並外れたバランスの良さだ。


SVXで懲りたスバルは、
二度とこの手の車に足を踏み入れようとしなかったが、
時代の節目でBRZという立派なクルマを作った。


旋回性能、
操る気持ちの良さ、
コストフォーバリュー、


その全ての面でSVXの後継車として十分な存在感を持つ。
だからこそ、
次は700万円の壁をどう越えるかに、
スバルの今後の面白さの行方が掛かっている。


スポーツカーで高いお金を戴くためには、
動力性能で卓越した何かを持たねばならない。


その事を考察するのに相応しい経験だった。


並んで走ると良く解る。
スバル好きにとって、
確かに4Cは素晴らしいクルマだが、
少しも欲しいとは思わなかった。


それくらいBRZに惚れてしまった。
ある意味、
実に困った事でもある。
それはBRZが200万円台で買えるからこそ言えることだ。


300万円以上の金額を出せるクルマでも無い。
その理由は次のブログをお楽しみに。


スバルのハイブリッドは高性能4WDだ!

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ヘビーウエットな高速道路で事故渋滞が発生した。本当なら30分で走れるはずなのに、2時間以上掛かってしまった。
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渋滞だとMTは辛いかというと、決してそうでも無い。
アイサイトの付いていく機能には負けるが、BRZのような軽いクルマは、ちょっとしたコツさえ覚えれば渋滞路でも全然平気だ。
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軽くローにポンと入れたら、クラッチを優しく繋ぐ。できるだけアイドリングの状態で、丁寧に扱うと良い。
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あとはアクセルだけでコントロールする。このクルマは負荷が掛かるとある程度自然にスロットルが開く。
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ローで時速8キロの速度ぐらいなら、AT車のクリープみたいなで、ドライバーに何の負担も与えない。
速度が乗りすぎたらブレーキで調整するだけだ。
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左足はフットレストにきちんと置いて、右足だけでコントロールが可能だ。
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時速6kmくらいなら、ステアリングさえきちんと握っていれば、あとはBRZが全て自分でやってくれる(笑)
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右側にカッコイイWRXが見えた。横に並ぶと奇麗なお姉さんが一人で運転していた。
惚れ惚れしたので、「イイネ」しようとしたが、変なクルマだと思われたのか、こちらを一切見てくれなかった(涙)
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リニアトロニックのおかげで、WRXの愛好者に幅が出てきた。
5ATでは出来なかったことを、スポーツリニアトロニックは全て実現した。
後は正しい乗り方をしているのか、意識を向けることが大切だ。
せっかく良い道具を持っても、扱い方が解らないと、その魅力の半分も引き出せない。
渋滞の原因は事故だった。それは解っていたが、こんな恥ずかしい単独事故だとは思わなかった。
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遠くにクルマの影が見えて、少しドキッとした。スバルのように見えたからだ。
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黒い車は前部が大破し、自走不能のようだった。
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まずここで一回ぶつかり、更にスピンして大破したようだ。
豪雨と強風の中で何が起きたのか解らないが、最新のBMWでこんなことが起きた以上、ドライバーのスキルの未熟さを疑うしか無い。
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どんなクルマでも事故は起きるが、ドイツ車のVDCは流石に本場だけあり、日本車を遙かに超えた性能を持っている。
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このドライバーは、やってはいけない何かをしたのだろう。渋滞を抜けたら、嘘のように走りやすくなって、
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あっという間に丸の内に着いた。
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東京駅の地下では、まだ積極的な工事が進んでいるようで、相変わらず複雑な道路環境に仕切られていた。見たことも無いクルマにであった。
インパネはオレンジ色のハイセンスなレザーで、渋いステッチで縫製されていた。
気になったので前に行かせたが、リヤオーナメントも見たことが無いものだった。
トヨタのミニカーに似ているが、面白いクルマが東京には多い。
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東京の景気は相変わらず良く、東京駅周辺の開発が盛んだ。
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この向こう側に日本で一番高いビルが建つ。高けりゃ良いというものでは無いが、21階から眺める景色は最高だ。
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弁当が出て、オヤッと思った。珍しくウナギとは豪勢じゃ無いか。
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蓋を開けたら、思ってもみない弁当が現れたが、鰻を食わせられるより体に良い。
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スタミナが付くといったのは過去の話で、最近の鰻はあまり健康には良くないだろう。
凝った弁当で、しゃぶしゃぶにごまだれを掛ける。あとから一人一人に配られたので、使い方も良く解るし、最高の状態で食べて欲しいという主催者の心が良く伝わった。
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やっぱり説明には手を掛けないとダメだろう。事務局に新人が二名加わったそうで、自己紹介があった。最近の女性らしく、オッサンの扱いは上手そうだが、行儀はまだ今ひとつだ。「エヘヘヘヘ」で済ます勢いをモロに感じる。
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しかしここは大丈夫だ。キリリと鋭い目で引き締めを図る大奥の姿がそこにあった。
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井上さんが配属されて2年ほど経ったが、当初より遙かに印象が変わった。
心配するほど影があったが、今ではそれは霧散し美しさに溢れている。
恋をしているからだろう。ひょっとすると木村君が開いてなのかと感じたが、人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られて死んじまえと言う。
二人の幸せを祈りたい。
「全人類に向けスバルの良さを周知する」これがライフワークになりつつ有る。
シルバーウイークに、日本各地からスバリストがやってくるだろう。
恵比寿は休暇なので、せめてお土産ぐらい用意してよと頼んでみた。(笑)
オフ会も開かれるので、社内で対応させて戴く準備も進んでいる。取材も2件入ったので、どんな記事になるか今から楽しみだ。
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その打ち合わせを兼ね、久しぶりに旨いスコッチを飲んだ。
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ありがとうございました。すっかりご馳走になりました。
ここにも恋路が横たわっていた。恋するオトコには勢いがある。
カメラを新調した。この時の写真が理由だ。CANON「G11」の良さを改めて実感すると同時に、このカメラの限界も感じた。
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iPhoneでも簡単にこの写真が撮れた。しかも大して難しい訳でも無く、丸い画面上のボタンを押すだけだ。新しいカメラを取り出した。
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それでG11を写してみた。素晴らしい描写力だ。G11の大きさや手応えが気に入り、ずっと使ってきた。
トラブル知らずで素晴らしい。
まだ使うつもりだが、精度の高い動画も撮りたくなった。
クルマと一緒で、カメラだけはネット上の情報や、カタログだけで判断できない。
手にとって触り、専門家の話が聞きたい。
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そういう時は専門店に限る。結局、最初は買うつもりの無かった「G7X」を購入した。
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G11で写すと描写力の差が解る。それに加えレスポンスの良さも魅力だ。


カメラ屋にはCANONから説明員が派遣されていて、その話も解り易かった。
レガシィをお客様にお薦めする時、実際の使用体感と、旧型に対して何を狙って開発したのかを詳細に語る。
その人はG7Xを明晰に説明した。お互いの仕事ぶりに共通性を感じたので迷わず即座に購入を決めた。
画質の違いがわかるだけで無く、全てのロジックが高機能化していた。
このカメラを使って10月に「ある事」を決行する。絶対に必要なアイテムなので緊急入手した。
これはまた来月を楽しみにして欲しい。
今月は思わぬ災害が連続して起きた。関東から東北に掛けて大被害をもたらした台風18号は、中津川の上空を通過したと思われる。
なぜなら「目」に入ったような状態を、何人もの人が見たからだ。
9月に入ると雨が続いた。
そんな足許の悪い中を、
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東京から栗原さんがいらっしゃった。
美味しいお土産をありがとうございました。
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すぐ近くのバス停から、颯爽と東京へお帰りになった。
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この時も雨が降っていたので、
10分も歩けばバス停だが、お送りすることにした。
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時間通りバスが着くと、他にも別れを惜しむカップルや、甥を見送るご婦人の姿などがあり、なかなか郷愁感のあるステキな世界がそこに現れた。
一週間でスーパーロイヤル車検を施工する約束だった。
予定通り栗原さんはバスで来ようとされたが、
まさにその朝、東京で震度5の地震が発生した。
交通網が混乱し、予約したバスのチケットも無駄になってしまったそうだ。最近、
また地殻の変動が活発なようだ。こうして土曜日も慌ただしく終わった。
日曜日には大仕事が残っていた。かわら版の締めきりだった。金曜日には仕上げるはずだった原稿を、何とか夜の11時半に送信して帰宅した。
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月曜日は爽やかな天気でだった。遅く寝た割りには目覚めも良く、日の出と共に出勤して仕事を始めた。
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昨晩の原稿を見直して、手直ししていたら、
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阿蘇山が噴火したニュースが飛び込んだ。
御嶽山が噴火して間もなく一年だ。便利な時代になり、机上で主要な火山活動をリアルタイムで確認できる。ライブカメラにはショッキングな映像が記録されていた。
G11だとパソコン画面のピント合わせには時間がかかる。
そこでG7Xに替えたところ、実に俊敏に反応した。
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それまで出ていた噴煙がキュットしぼむように減った後、
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噴煙の色がどす黒く変わり始め、太く育ち始めた次の場面で、
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遂に水蒸気爆発が起こった。
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少し時間をおいて、カメラの周囲に噴煙が立ちこめている。
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このシーンを見ると、火山に対する畏敬の念が生じる。
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一発噴火して、スッと収まる様子は、まさに妻が怒った時とそっくりだ。
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くわばらくわばら。
G7Xはパソコン画面の拙者も得意だ。怪我人が出なかったことが不幸中の幸いだ。しばらく阿蘇山からも目が離せない。
工房にガソリン車とハイブリッドが仲良く並ぶ。最新のかわら版で、スポーツハイブリッドの隠れた魅力を丁寧に解説する。
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ハイブリッドには、ガソリン車には無いドッシリとした存在感が際立つ。クリスタルブラックのスポーツハイブリッドを初めて見たが、クールでとても良い。愛機にするなら黒もお薦めだ。カメラの差を見て思いだした。
このシステムは実に俊敏に働き、これまでXVに搭載されたシステムより、積極的にモーターを使う。
2年の時を経て「しきい値」が引き上げられた。簡単に説明すると、そういうことだろう。
更に次のステップも控えている。レガシィに続いて来月はフォレスターとXVもビッグマイナーチェンジを迎える。
もう現行車の在庫が無くなったので、今から買う人は新型を待つしか無い。新しいハイブリッドシステムはXVにも搭載される。
そして米国で一足先にデビューした、「ハイパーブルー」も国内でお披露目される。
それを楽しみにして欲しい。
その頃次のかわら版を完成させるつもりだ。さて、遠方から来られる人のために、近隣の飲食店やお土産どころを紹介しよう。
次のブログをお楽しみに。

アウトバックで秋を満喫!

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この動画は典型的な山岳路を走る様子だ。
サーフェスは整っていても、
突然大きくうねってリジッドサスのオフロードカーなど極めて危険な場所だ。
助手席の妻にはわざと何も言わずに、
フリーハンドで撮影させた。


なぜならその上下動の大きさを、
よりリアルに記録できるからだ。
衝撃を上手く「いなす」様子がわかる。

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家族を誘って、
アウトバックと秋の味覚を探しに行った。

こういう時の相棒は、
このクルマが最高だ。
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なぜなら、
沢山詰めるし荷物に優しい。

毎週水曜日になると雨模様の天気が続いていたので、
中津川には海が無い。そもそも岐阜県や長野県に海が無い。


ハッと気が付いた。


長雨も良い方に影響する時がある。


水曜でも仕事がある。
一旦出勤して、
仕事をさっさと片付けて、
急いで山に向かった。
狙い通りだった。

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今年の果物は甘い。
林檎も取れ始めている。


ここには規格外の林檎や、
雹害で傷が付いたけれど
味には変わりの無い商品がお値打ちに売られている。

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梨も旨いし、
葡萄も良い品が揃っていて、
しかもお値打ちだ。
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袋に一杯買い込んで、
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アウトバックに乗せた。
電動リヤゲートは、
後ろに余裕の無い場所でとても便利だ。


SUVには必須アイテムだろう。
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サブトランクに奇麗にはいった。
トートバックも入れてクッション代わりに使った。


激しく走らせても、
果物が傷まない。


サブトランクをこの様に使えるのもアウトバックの強みだ。
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閉めるとこの上に荷物が沢山積める。
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人間の腹も満たさないと、
ツーリングに来た甲斐が無い。


こういう時に野生の勘が働く。
看板と店構えを見て気に入った。
良い店は足で探す。
それが一番だ。
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この店には地元のおばちゃんが、
たった一人で蕎麦を食べに来ていた。
「通」だ。


こういう人の来る店は旨いに決まっている。
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地酒も良いモノが揃っていて、
久しぶりに信濃錦を味わった。
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硬めの純米酒だが、
蕎麦にはピッタリだった。
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純米酒の肴に蕎麦を山葵だけで喰らう。
妻はそばがきを注文した。

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これがまた、著しく旨かった。
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腹がふくれたので、
秘湯に向かった。
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源泉の温度が低く、
しかも離れた山中からパイプで引いているので、
湧かした温泉だ。


でも泉質が凄く良くて、
浸かるとツルツルして、
しかもジュンワリと身に滲みる。
なかなかそれが快感で、
出ると肌がすべすべになる。
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苛酷な自然を物語る。
花崗岩質の山肌は、
いとも簡単に崩落を起こす。
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この辺りの真下をリニアモーターカーが通過する。
その最中に熱い温泉が湧き出ることを期待したい。
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タンパク源に乏しいこの辺りでは、
人々が昔から蜂を食べる習慣を持つ。


地蜂は当たり前だが。
オオスズメバチはあまり食べない。


けれども最近では珍味として需要があり、
この様に売られている。
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アブや蚊は血を吸うために人に群がる。
しかし蜂は刺激を与えない限り、
襲ってくることは無い。


しかし恐ろしいことには変わりない。


でもけなげに働く姿を見ると、
こんな姿が本当に哀れだ。
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どういうシステムで活動しているのか不勉強だが、
働き蜂らしき大きな蜂が、
卵からかえった幼虫に、
口移しで何か与えている。


囚われの身なのに、
幼虫の面倒を見る姿に悲しみを感じた。


面倒を見る蜂の存在が、
この幼虫の鮮度を維持するのかもしれない。


山の幸が見渡す限りに集まっていた。

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最もポピュラーな万能キノコを買って、
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同じくポピュラーなイクチを買った。
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どちらにしようか迷ったが、
上のホウキタケを選んだ。

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松茸はちょっとしたバブルだ。
量も多くて価格も良い線行って、
持ち込む人は「ウハウハ」だった。


見定めている最中にも、
次々に多くの「成果」が持ち込まれてくる。


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この日は自分で食べるヤツなので、
見栄えより料金で見繕ってもらった。
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さっそく娘が下地処理した。
キノコは食べるまでに手間が掛かる。
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何となく興奮してきた。
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このホウキダケをどう料理するか、思案のしどころだったが、娘もこれ以上湯がいたりするのが面倒だった。
それは理解出来る。
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まず焼き松茸に挑戦した。
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ナイフを少し入れて、手で裂くと、奇麗に割れたので網の上で焼いた。
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まあ、好き嫌いの分かれるところだろうが、今年の松茸だぜ!と見栄を張るにはこれが一番良い(笑)焼けるのを待つ間に、
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イクチを味わう。
湯がいて大根おろしを載せポン酢を掛けた。
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プルプルして実に美味しい。
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横で娘がすき焼きを仕込み始めた。
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ホウキダケをカットしてすき焼きの具にした。
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第一セットが完成し、
旨そうな匂いを漂わせ始めた。

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隣で松茸も良い匂いを放っている。
思わず「ガハハハハ」と笑いが込み上げてきた。
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しかしレモンと天然塩をまぶして食べると、思ったほど感動できない。
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切り方に問題があると判断し、
均等に火が通るように次の待つ猛夫wカットした。
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ちっちゃな芋虫が現れた。松茸を食うだけ合って、ぴょんぴょんと威勢が良い。松茸と一緒に炙って、
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先ほどと食べ比べたが、今ひとつ美味しくない。
そこですき焼きに残った松茸をもう少し細く切って入れてみた。結論。「松茸よりすき焼きにあうキノコは無い」
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焼くより100倍くらい旨かった。
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ホウキダケは失敗だった。やはり湯がいてから食べるキノコで、そのまますき焼きに入れても匂いが独特で旨くない。
松茸の勢いで食い尽くしたが。
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松茸が2本残ったので、
翌日の食材に回した。


ふふふふ・・・・。
土瓶蒸しほど松茸の際立つ料理も他に無い。
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けち臭い切り方ではダメだ。
この様にまるで自分をスライスしたくらいが一番だ(笑)
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ヌメコリヌメコリした食感を楽しみ、
エキスの一杯詰まった汁を飲む。
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炊き込みご飯か、
こちらか迷ったが、
やはり土瓶蒸しが美味しかった。


どでかい秋が来た。



アウトバックは「すき焼き」だ。
こ難しい論評垂れるより、
味で表現するのが一番だろう。


米国人に人気のある理由もそこにあるのかもしれない。


実はもう少し米国仕様と比較した内容にするつもりだったが、
その時間が取れなくなった。


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おおきなイベントが重なり、
DEのCプランまで進めたので、
大変大きなエネルギーを使った。


アウトバックは日米欧で比較すると、
余計にその良さが際立つはずだ。


その機会を得た時に、
更に詳しく説明したい。


その時を楽しみにして欲しい。




終わり

オオスズメバチとプライオリティ

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ライフワークが何かと問われたら、迷うこと無く答える。
1.スバルが大好きだから、更にブランドの価値を高める。
2.その発展と永続的な繁栄のために働く。
それは決して夢では無い。大きな野望だ。
毎年それを実感する出来事がある。
「大きな夢」なら頓挫するだろう。ところが、野望は果たせる。
果たす事が目的だから、目標を定めたら、それに向かってまっしぐらに進めば良い。
そして大切なことを忘れてはいけない。野望を実現させるために、稼がなくてはならない。


「稼ぐ」というと生臭く聞こえるかもしれないが、企業活動を永続的に進めるために欠かせないことだ。
「全人類にスバルの良さを周知する」それくらいの意気込みも必要だろう。

お客様を見送って国道脇に立っていたら、目の前を撮影キャラバンが通過した。
お!カッコイイじゃないか。2台のロードバイクが連なって走る。その時信号が赤になった。2台の自転車と随伴車は先頭で停止した。そのミニバンは相模ナンバーだった。最近、神奈川からお客様が多い。
だから、何となく眺めていた。カメラを抱えた男性が身を乗り出し、自転車を走らせる様子を撮影していた。
「ほほー、楽しそうだ」と見つめていたら、自転車の男性がこちらを見て、にっこりと笑った。そして、「いつもブログを見てます!」と挨拶してくれた。
嬉しかった。
キャラバン隊のカメラマンは、こちらに向けて「バシャバシャッ」とシャッターを切った。
更に、「それを参考にしてSにしました!」と続いた。
「えっ?何のことですか」と問い返すと、「STIを買いました」
そう言い残して彼等は走り去っていった。
驚いたけど、気持ち良かった。爽やかな人達だった。コメントを楽しみに待っています。
彼等が走り去ると、すぐ愛知県のナンバーを付けたBMWが滑り込んできた。ドライバーが降りて、「この辺りにBMWのディーラーはありませんか?」と困った顔をした。まだ新しいクルマだった。
「この辺りにはありませんので多治見まで戻って下さい」そう告げると、「困ったな、警告ランプが点いて止まりそうなんだ」と言う。そして、「申し訳ないけど電話を掛ける間、ここに止めさせて戴いて良いですか」と言った。
「もちろん良いですよ」と答えた。しばらくしたら、その男性が店内に現れた。「BMWがクルマを取りに来るので、このまま待たせて戴けますか」と頼まれた。そこで、
「全く動けませんか」と尋ねると、「少し位なら問題はなさそうだ」と言われたので、「ここでは積載車に積みにくいでしょうから、工房へクルマを入れて下さい」とご案内した。
テリトリーを考えた時、生息数によって受け持つ広さが変わる。岐阜県内のBMWの拠点数は3つだ。
BMWの社員は礼儀正しい。
クルマを引き上げる時、丁寧に名刺を置いて挨拶して行かれた。

偶然だが、彼等もシルバーウイークに折り込みチラシを入れた。中津スバルが折り込んだ日だった。
この地域はBMWの拠点からかなり離れている。
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情報発信の有効な手段の一つに、「折り込みチラシ」がある。中津スバルは30年以上前から、折り込みチラシを続けている。
昔に比べ回数が増えた。「かわら版」になり、最近では毎月2度入れることもある。だんだん楽しみにしてくれる人も増えてきた。
かわら版には、一般的にチラシで刺さる「ワード」を入れない。
定期的な情報発信で、ブランド力を持続的に高めるのが目的だ。
手っ取り早く、人々の嗜好をこちらにフォーカスさせるには、商品の中身に加え「嘘でも良いので」刺さる「ワード」が必要だ。
最近の傾向が良く解る。「決算」「10万円値引き」嘘でも良いから入れたヤツが勝ちだとばかりに、薄っぺらい内容が並ぶ。
マス広告だから企画も手ぬるい。最近は「10」がキーワードだから、何にでもこじつける。
来た人全員に「感じる秋」がプレゼントされそうなチラシもある。
太っ腹だなと感じても、中身は希薄だ。
良くも悪くもナショナルブランド化が進んでいる。チラシは手っ取り早く作れるが、中身は淋しい。あるチラシは、「総勢100名様に当たる!」と威勢が良い。でも、これは分子だ。
良く見ると全国キャンペーンと書いてある。その分母がどれだけあるのかまでは、一向に解らない。
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その点、BMWは大した物だ。ドン!と中身で勝負し、拠点数の少なさをチラシでカバーしている。
しかしオモテの標準価格が500万円を超えるので、刺さるチラシにはなり得ない。でも、かなりの効果を出しているはずだ。
なぜそう推測できるのか。それは、この地域は田舎なので、伝統的に名古屋に向かって商圏が伸びている。それは「帚星」のような構成を産んで、
高額商品ほど西へ向かって購入ベクトルが働く。
BMWを買える場所が何処にでも在るわけでは無いので、広範囲のチラシも成り立つ。

ただし、大きな問題がある。
それはチラシに於ける限界価格だ。500万円はその限界を超えている。
でも興味を持つ客を店頭に呼べる。それを上手くキャッチできれば、
効率の良い販売が可能になる。
理論的にはそうだが、クルマ屋はどこでも大変だ。
なぜか・・・・・。それはアメリカナイズされた、馬鹿げた戦略のスタンダード化だ。
これは中小の商店も弱体化させてきた。いたる所にそれは垣間見える。
「マーケティング」とは、如何に市場の動向を分析し、自社の商品をたくさん買ってもらえるようにするか、またサービスの売上を高めるかに尽きる。
顧客満足度の調査もその一環だ。
顧客を満足させる手段に、「無料化」は切っても切れない「プライオリティ」だ。
そうじゃ無いと言う人も居るだろう。
でも断言できる。最も馬鹿げた米国の無料化は、「本の立ち読み」だろう。
20年ほど前から、米国では立ち読みを大歓迎する大規模な本屋が現れた。
何でもアメリカが一番だと信じている馬鹿なコンサルタント会社は、それは素晴らしいと持ち上げた。
腰や膝に問題を抱えている人の「分母」が多いアメリカと、日本の環境は少し異なる。アメリカでは通用しても、本屋が無料で「座ってもらう場所」まで用意し、立ち読みを無料で促進するなど、日本では「卑しい客」を増やすだけだ。
間違った平等意識だろう。
座って読みたければ「図書館」に行くべきだろう。
立ち読みなど、「うしろめたい」気持ちでやるべきなのに、堂々と許す店があるから、それが当たり前になる。
すると甘やかされた客が増え、図書館と大規模書店を混同するようになる。
高い税金を払っているので、無料で図書館を堂々と使うべきだ。そして行政は大規模書店並みに駐車場を完備し、住民サービスするべきだ。なのに、そういうことに金を使わない。図書館は時代遅れで、箱物行政はいけないと言う独善者が居た。それが民主主義というのなら仕方が無いが、そもそも人間は平等では無いのだ。
平等に甘やかされた人間は、常識と非常識の端境が解らなくなる。
その結果、さんざん書店で立ち読みしても、何も買わずに平気で帰る。
楽しんだから「お金を落とす」という基本的な「行儀」を忘れ、ただひたすら「平等」だけを追い求める様になる。
自動車会社にも同じ事が言える。カフェプロジェクトで成功したダイハツは、スイーツの力で女性客の心をガッチリ掴んだ。
横目でそれを見たスバルは、全国ディラーの中古車拠点の一つ一つまで、スバルスタンダードを強要した。
その結果、コーヒーからジュースまで、自由にメニューから選んで戴くスタイルが標準化している。

どこの自動車会社も、だいたい同じ状況だろう。
隣の犬がどこかに預けられてしまった。秋田犬の「ユウ」と毎朝挨拶していたのに、もう何ヶ月も顔を見ていない。
そこに野良猫が居着いた。隣の人は優しいので、既にネコを飼っていたこともあり、うろつく野良猫に餌を与えてしまった。
それ以来、その家を離れなくなり、時間が来ると「猫なで声」を出す。
あの「媚びる鳴き方」が「鳥肌が立つほど」嫌いだ。ネコ好きな人には申し訳ないが、「石を投げたくなる」ほど嫌だ。そして遂に犬小屋の使用を野良猫に許した。
日中は温々とその中で眠る。
朝夕毎日野良猫が、生きるために玄関先で媚びている。相手を見て「猫なで声」を放つ。
それが平気な人と、
シバイテ追い払いたい人には価値観の差がある。野良猫の出す声を聞くと、米国の自動車セールスの伝統的なしゃべり方を思い出す。
彼等は初対面の客に「ネコ撫で声」を使う。
これは米国社会で自動車ビジネスが形成される中で、根付いてしまった独特の癖だ。四半世紀前、初めて米国を訪れた。その時、クルマの販売環境に驚いた。日米であまりに大きな差があった。
訪問販売の無い米国では、クルマの受注は100%店頭だ。
来店した顧客を掴み契約を取る。だから土日だけの契約セールスも多い。
そこでは、「猫なで声」が必須アイテムだった。
ネコ嫌いには、米国のセールスが使う、独特の「ネコ撫で声」を好きになれない。
高いブランド力を持つBMWも、チラシ集客すると、「猫なで声」を使うようになるのかもしれない。
それは彼等に似合わない。そこに落ちていくと、常識が非常識になり、非常識が常識になる。

このあたりでは、

昔から人々が蜂を食べる習慣を持つ。


地蜂を食べることは当たり前だが、
さすがにオオスズメバチはあまり食べない。
焼酎に漬け、
薬にしたりするが、
食べるという話はあまり聞かなかった。


けれども最近では珍味として需要があり、
この様に売られている。
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アブや蚊は血を吸うために人に群がる。
しかし蜂は刺激を与えない限り、
襲ってくることは無い。


しかし恐ろしいことには変わりない。


ここには「蜂は恐ろしい」という常識がある。
だからラッピングして並べることも、
決して非常識とは言い切れない。


これが新宿の高島屋だったらどうなるか。
不特定多数の人間が出入りする場所で、
これと同じ事を許されるはずが無い。


ほとんどテロに近いだろう。
「蜂は恐ろしい」と教えられていない者は、
容易にラップを破ることが出来る。


地域格差というけれど、
それは当たり前のことだ。


平等に出来るはずがない。
平等にしたら、
こんな光景を見ることは出来ないだろう。
動画の中に無邪気な子供が笑顔で写っている。


客と売り手の暗黙の了解があり、
このスタイルが定着している。


他にも「生きた蝮」が売られている。


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ここは動物園では無いが、それよりリアルな観察が出来る。

働き蜂がけなげに働く姿が哀れだ。


大きな蜂が、

卵からかえった幼虫に、
口移しで何か与えているように見える。


ところがそれは全く違う。
成虫は攻撃力に特化している。
だから物を食べて消化する器官を持たない。


オオスズメバチは地蜂だ。
地中に巣を作り、
他の蜂の巣を襲う。


また昆虫を仕留めると筋肉だけを食いちぎり、
肉団子を作る。


それを幼虫に与え、
自らは幼虫が口から出す糖分を吸収する。


囚われの身なのに、
幼虫の面倒を見る姿に悲しみを感じたが、
調べてみると大間違いだった。


蜂の社会構造は、
持ちつ持たれつの関係が徹底し、
複雑で神秘的な世界を作っている。


商品となった今も、
働き蜂の存在が、
幼虫の鮮度を維持する「要」なのかもしれない。


企業の鮮度を維持する要は「お客様」だ。

お客様の中には「この店を育てたい」と思う方もあれば、
「単に情報だけが欲しい」という方もいらっしゃる。


フューチャーカスタマーという考え方もあるが、
基本的に「今」を重視してプライオリティを決める。


そして、
繁忙時には普段と違う体制を作る。


医療の世界には「トリアージ」という常識がある。
大規模災害など、多数の負傷者が出た時を想定している。


重篤な度合いに応じて、
治療のプライオリティを赤と黄色と緑色に分ける。
助かる見込の無い人は「黒」に仕分けられる。
黒を診察する者は誰も居ない。


ここに民主主義で言う、
平等など存在しない。


大きなイベントが重なり、
DEのCプランまで進めたので、
大変大きなエネルギーを使った。


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珍しい光景だが、
見学するにもマナーが必要だ。



トリアージを考えると解るだろう。


「赤」:クルマを買うために来店された方。或いは事故や緊急の故障で給を要する者。
「黄」:継続商談で入店された方。或いは点検整備や車検整備など期間限定の予約作業。
「緑」:クルマを買いたくて探しに来た人。事前登録してオフ会や見学を申し込んだ人。


「黒」:見に来た、遊びに来た、ただ情報だけが無料で欲しい。


ここにはメーカーの推奨するスバルスタンダードは通用しない。
即ち薄っぺらい平等意識など無いと言うことだ。
この様子から空気を読んで、
丁寧に挨拶して見学する人も居る。
離れたところで邪魔にならぬよう、
気遣いもしてくれる。


そういう人も居れば、

そうで無い人も居る。


見かけないレガシィが店頭に横付けされた。
他府県のナンバーで、
見たことも無いクルマだから、
御得意様では無いことは一目で解る。


ご用件を伺うと、
「見学に来た」と言うので、
裏にある駐車場を案内した。


「解りました」と言ったのに、
そこから移動するどころか、
並んでいる22Bの近くへバックで移動してきた。


もしもの事があったら大変だ。
静止して何をするのか目的を聞くと、
運転席で悪びれた様子も無く、
「一緒に記念写真を撮りたくて」と言った。


丁重に「困ります」とお断りして、
移動を促した。
そして来場登録した上で見学するように諭した。
アンケートなども渡したはずだが、
見当たらないし挨拶やお礼があったかも定かでは無い。


その人が展示場でした事は、
知らない人の家に、
いきなり玄関から土足で上がり込み、
勝手に家の中を見てお礼も言わずに帰るという行為だ。



でも良く考えて欲しい。
その人が悪いのでは無い。


自動車会社各社が甘やかした対応を続けるうちに、
非常識が常識になったのだ。
すると、
常識的な扱いにたいして不満を感じる、
嫌な世の中が形成されてしまった。


プライオリティは、
まず生存することが一番に来る。


ここには蜂の世界のように、
持ちつ持たれつの関係がある。
企業を営む基礎だ。


次に、
この会社を「育てたい」と思うお客様を大切にする。


きちんと玄関から靴を脱いで入って戴く方なら、
丁寧にもてなす。
そして感動の時間を共有する。


それが解らない人は、
トリアージで示す「黒」に他ならない。


アルシオーネSVXの24周年を祝うイベントが、
中津スバルで開かれた。
一月ほど前に申し込みを戴き、

喜んで会場を提供させて戴いた。
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思い思いのSVXで集まり、
自由に歓談するという内容だったので、
社員駐車場を開放した。


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望桜荘も全面的に開放し自由に使って戴いた。
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最初にご挨拶すると、
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主催者の牛嶋さんに寄せ書きを頂戴した。
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そればかりか、
凄いサプライズを頂戴した。
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桐の箱だった。
それを開けるとワインが収められていた。
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しかも一つ一つ手造りで、
名前まで刻んである。
これには驚いた。素晴らしいプレゼントだ。
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他にも参加された皆様に、
多くのお心遣いを戴いた。
本当にありがとうございました。


それに対して、
お話しする時間を充分取れなかった。
申し訳ありませんでした。


挨拶の後でDEの予約が入っていたので、
すぐに準備を整えた。
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埼玉から小暮さんご夫妻がいらっしゃった。
珍しい御神酒をありがとうございました。


一日でリフレッシュメンテナンスを施す間に、
Cプランを夫婦で体験されるという新企画だ。


2ヶ月前からご予約を戴き、
この日に備えプライオリティを定めた。
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既にA・Bと体験され、
初めて後輪駆動車でレクチャーを受けられた。
奥様の役にも立った。
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より客観的にドライブスキルを見ることが出来るようになり、
帰路になると、
ターンポイントをご主人にアドバイスできるようになった。
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開田高原でフルコースのレクチャーと、
楽しい観光ポイントを案内した。
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最高の天気だった。
まだ青々としたコナラを見て、
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その後は馬と戯れて戴いた。
流石に大型哺乳類の近くは、
初体験だと怖いところがある。


着いた時には一頭も居なかったが、
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こうして無事呼び寄せることが出来た。


DEから戻ると真っ暗になっていた。
SVXの皆さんをお見送りできなくて、
申し訳ありませんでした。


また是非お集まり下さい。
彼等がお帰りになった後、
社内で24周年アニバーサリーミーティングを絶賛する声が湧いた。


その理由は、
1.ゴミ箱を用意しなかったにも関わらず、紙くず一つ落ちていなかった。
2.使った座布団をキレイに積んでくれていた。
  しかもただ積むだけで無く、
  使ったモノと使わなかったモノを一目で解るように分けてあった。
3.どのSVXも人前に出す事を意識した美しいクルマばかりだった。
  「大切に飼われている」と命を感じさせた。


いくつかのミーティングを開くと、
どうしても比較の対象になる。


それは仕方が無い。


SVXのミーティング参加者はオトナだった。


それに対して、
もう一つの方は、
1.ゴミ箱を用意したがそれに甘え空き缶まで突っ込んだ。
2.座布団は使いっぱなし。
  後始末より自分たちの興奮に酔いしれた。
  クルマを前にすると人の言うことがほとんど聞けない。
3.異常なほどクルマを労る。
  家畜では無く恋人の代用品だ。


明らかにコドモだ。
甘やかしたので、
行儀が悪くなった。


でも、
これは仕方が無い。


この集まりは特別で、
「法事」のような物だ。


代田家では罰当たりなことに、
先祖を敬う宗教的な行事を一切やらない。


父が神も仏も都合の良い時しか信じないからだ。
だから、
その影響でこれからも無いだろう。


このオフ会だけは同好の集まりだと簡単に言い切れるものでは無い。
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徐々に「身内の集まり」になりつつある。なぜか。それは「22B」という強運の持ち主が核にになっているからだ。
従って、彼等には言いにくい事を平気で言う。その方がお互いに幸せになれる。
中津スバルを「スバリストの聖地」と名付けたのは、彼等に他ならない。
中津スバルも、22Bオーナー達も、この集まりが始まってから、幸せになる事はあっても、不幸になったと聞いた事が無い。
だから子供じみた真似をすると、人前でも平気で叱りつける。
縁起の悪いことをするヤツも同じだ。
行儀が悪くても、彼等なら許せる。
なぜか・・・それは躾ける楽しみがあるからだ。
お互い子供で無ければ、酔狂な集まりを死ぬまで続けることは出来ないからね。
この楽しい集まりの話は、次の機会に。


インプレッサ「22B」と不易流行

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英国人もWRXを欠かせぬ存在として認めているようだ。
青い稲妻は国民に相変わらず人気がある。一日が非常に短くて、9月はあっという間に終わってしまった。
彼等はドイツを取材して日本に来た。まるで入れ替わるように、ドイツに向かって出発する。
レポートを楽しみにして欲しい。人生には良い出会いがある。
ほんの数秒の接触が、思いもよらない知識の広がりを産み出す事もある。
9月21日の朝、交差点で声を掛けてくれたのは、竹谷賢二さんだった。
良い笑顔だなぁ。
本当に邪念が無い。
インプレッサWRXを通じて、また人の輪が広がった。
このクルマも邪念を持たない。
インプレッサ好きに、「自動車家畜論」は浸透しただろうか。
中津スバルには、クルマを機械と思わない人々が常に集う。
この動画を見て、「邪念の無さ」を共有してみないか。
インプレッサの吐く息から、手足の動きまで感じるはずだ。
武者震いするようなWRX達が集まったせいで、
青いカラダから「火照り」が抜けなかった。
そこで思いっきり手足を伸ばすように、深夜のワインディングへ連れ出した。
「不易と流行」を思い出した。
いつまでも変わらずにあるべきモノと、時代に合わせて変わるモノがある。
「おはぎ」を例えてみよう。
邪気払いとして供える、お彼岸に欠かせない風物詩だ。
小豆の赤い色には魔除け効果がある。その小豆に、砂糖を加えると「あんこ」が出来る。
その昔、砂糖は高級な食材だった。
それを今とは違い餅米も高級だった。それで炊いたご飯に「あんこ」を付けて、ご先祖様に供える。
これは「不易」そのものだ。
中津川には物凄い「流行」がある。
小豆に対して、栗を使う。
小豆が原料の餡ではなく、栗きんとんの「そぼろ餡」を使う。

それをまぶして、きゅうっと固め店先に並べる。例えようも無く旨い食い物だ。

レシピは簡単そうで複雑だ。簡単に家で作れるお菓子では無い。
イングリーディアントは、栗と砂糖と塩と餅米と僅かな白餡だ。
もっちりした食感と、栗の風味がふわーっと鼻腔の奥に広がる様は、ここでしか買えない独特の味だ。
七福謹製の栗おはぎは、9月から10月までしか売らない。だから栗きんとんより稀少なお菓子だ。
「本日中にお召し上がり下さい」と但し書きがある。
その日限りの売り切りで、しかも全く日持ちがしない。
松島さんのSVXをリフレッシュした。作業が終わりオフ会の日に受け取りに来られたが、DEの最中でお目に掛かれなかった。
せっかく来て戴いたのに、申し訳ありませんでした。
SVXは抜群の状態を維持しているので、今後も安心してお使い戴ける。

松島さんから伊勢の名物を戴いた。
とても美味しかった。
伊勢の赤福も日持ちしない。
これらは「不易」の代表だ。

22Bのオフ会で飛び回っている間に、仙台から長谷さんもいらっしゃった。お目に掛かることが出来ず残念でした。
ステキなお土産をありがとうございました。

このお菓子を見て、大宮が目を丸くした。
丁寧に包装され、彼は萩の月がとても有名だと言う。包装紙には、冷やして食べると美味しい。生ものなので早めに食べる事。
この二点が貼り付けてあった。
包みを開けると、中に更に小分けされた箱が並ぶ。
箱から取り出して感心した。
生ものなのだが、脱酸素剤を入れた小袋に仕分けられている。この「前段階」を開発した老舗らしい。

今では、栗きんとんも製法を工夫し脱酸素剤を入れることで、全国発送が可能になった。
淡いカスタードの香り。
甘くて柔らかな食感。
爆発的に売れる理由が良く解る。果敢にチャレンジして、現在の嗜好に合わせた開発を進める。まさに「流行」そのものだ。

不易と流行は、どちらも欠かせない商品開発の基本だろう。
日曜日の朝、展示場から一切のクルマが消えた。
そして大宮が、青い稲妻の来訪を待つ。彼が展示の総責任者だ。
取材陣も待ち焦がれていた。
交差点で絶好のアングルを狙っている。
あっという間に、展示場がブルー一色で埋め尽くされた。
正式名称インプレッサ STIバージョン22B
22は排気量を示す。1998年に、僅か400台だけ生産された。
オーナーの愛情がどのクルマからも迸る。勢揃いしたところで、全員望桜荘に集まってもらった。
もし放っておくと、一斉にクルマ談議が始まり、それは留まることを知らない。
一年に一度だけ西は九州、東は関東平野から集まるのだ。だから話は尽きることが無い。しかし時間は限られている。

何事も最初が肝心で、まず落ち着いて全体を俯瞰できないと、簡単に「オトナの皮」を脱ぎ捨てられない。
皆で一斉に「コドモのココロ」を取り戻す。そのためには、正しく手順を踏まねばならぬ。
まず代表の児玉さんからご挨拶を戴いた。なによりも無事に再会できたことを喜び合った。
これで9回目の開催なので、スバルマガジンの取材を受けた。
山本編集長と、フォトグラファーの雨田さんは、前夜から中津川入りした。そして入念に企画を温めた。
挨拶に続いて、
スバルマガジンを手に取り、創刊した理由を熱く語られた。
本当にスバル好きな人達のために、雑誌を作る思いを凝縮されたのだという。
おとなしく聞いているが、
この連中の心には、そろそろ邪気が躍り出ようとしていた。
どんなにエライ人でも、どんなに真面目な人でも、どんなに怖い人でも、どんなに痛い人でも、ここに座れば即座に同志だ。
その頃、展示場はこんな状態だった。
信号で止まるクルマは、一斉にこちらを凝視する。
真っ青な店頭を見て、一帯何が起こるのかと思うのだろう。
金子さんの奥さんと、二人のお子さんは、オトナが集う場所より、こちらの方が心地良い。彼等は何度もこの会に参加しているので、父親がコドモに戻る瞬間より、沢山の青いクルマを見る方が楽しいのだ。
皆さんから沢山のお土産を戴いた。
ありがとうございました。
色々な地域の名物が一堂に揃うと、本当に壮観だ。
見たことの無いお菓子も沢山ある。
有名なお菓子の限定版もあった。
金子さんから、いつも愉快なミニカーを戴く。
このラジコンもステキだった。こうして掌に収めて感じた。
それは軽自動車の今後だ。スバルもそろそろ日本の顧客に、本気でサービスしたら良いのでは無いか。
相変わらずスバルの軽に乗りたい人は多い。
着せ替え人形を作れるコペンを借りて、このアウタースキンを載せれば良い。
別に軽自動車の規格からはみ出しても良いじゃ無いか。4人乗れれば良いのだから。
ダイハツとバッティングしないし、200万円以上で売ることが出来る。大切なのは縦横比と、アイデンティティだけだ。
アイサイトも要らないし、高度な燃費技術も必要としない。
その頃、望桜荘では門外不出の秘話が繰り広げられていた。
秘話に耳を傾けた後は、コドモに戻るための糸口を掴む。

単純だがジャンケン大会ほど熱いモノは無い。勝った人が獲物を奪える。
ここでは地位も名誉も関係ない。大切なのは最高の笑顔だ。
こういう時にオトナの殻を被るヤツは、ろくなもんじゃ無い。
ひたすらジャンケンに没頭し、獲物を得た時の喜びに浸る。
コドモのココロにすぐ戻れるので、この効果は大きい。
関根さんが勝った瞬間だ。スバルマガジンを手に入れ、気分は最高だった。
インプレッサは、数奇な運命を背負って産まれた。
妥協の産物だったはずのクルマが、奇蹟をもたらした。
初代インプレッサは、最後の最後までエンジン出力を高め続けた。
これはスバルにとって「不易」そのものだ。
クルマのコアである、エンジンとミッションを高め続けてこそ、スバルが世の中に存在する意義になる。
その他は「流行」に過ぎない。
初代インプレッサの性能は、ギリギリまで研ぎ澄まされた。それに「不易」を感じるからこそ愛好家が絶えないのだ。
最近のスバルはそれを忘れてしまった。
STIは必ず目覚める。
だが決して忘れてはならないことがある。
それは久世初代社長の魂だ。それはまず、STIはスバルのカタログに無いモノを引き出す。
DCCDを引っ張り出した時のように、まだ研究開発中の武器を、自らのカラダで試す。
次に絶対的な高出力を極める。最高出力に足枷があったり、最大トルクを更新出来ないようでは偽物に過ぎない。
そして軽量化を極め、特別のボディを用意する。
それこそが「S」だ。そういうクルマで無ければ、「飼う」意味がない。
本来ならばSTIの出すクルマに、試乗など必要無い。
秒速で売り切れてこそ、STIの名に恥じないクルマだ。
それが上手くいかないのは、伝説の残り香で飯を食っているからだ。
食事を終えたら、いよいよメインイベントの編隊走行だ。

毎年その時の先導車に、違うクルマを用意する。
一昨年は白いWRXだった。今年はオレンジに大役を担わせた。

参加者の中に、4ドアのレプリカも居た。
正直に言うと、速さの絶対値は、ナローボディのWRXが上だ。
そしてWRCというレースでは、戦うために作られたWRカーが最も速い。
この4ドアセダンやクーペは、リアルワールドで速い。リアルワールドでWRカーが役に立たない理由は、戦うための単なる道具で、家畜としての魂と機能を、全く備えていないからだ。
従って、役目の終わったWRカーは、屠畜された後の肉と同じだ。
22BはWRカーの栄光を一新に纏った、ホンモノのロードゴーイングカーだ。
だからWRカーを上回る存在だと言っても過言では無い。プロドライブのテクニカルディレクターも、本気で欲しがったはずだ。
デビッド ラップワースと、クリスチャン ロリオーは、「インプレッサWRC」の歴史から消すことの出来ない人物だ。
アチコチ渡り歩くロリオーに対して、ラップワースはプロドライブを代表する顔だ。
そのラップワースは22Bを手に入れた。WRカーでは、ロードゴーイングカーとしての機能を果たさないからだ。
22Bを持つ人でも、まだその価値を本当に理解していない。

性能と価値は必ずしも等しくない。22Bの価値を上回るスバルは、この世に無い。なぜか。
WRカーはキメラのようなものだ。プロドライブが自由自在に継ぎ足して、作り出した武器だ。
でも22Bには血が流れている。だがエンジンの能力は限界領域に足を踏み入れ、トランスミッションも許容トルクの寸前だった。22Bは何もかもがギリギリなのだ。

このクルマに関わる人達の情熱が実を結び、誕生に漕ぎ着けた。そして待ち焦がれたスバラー達が、その真実を理解したからこそ秒速で完売した。
中津川は宿場町だ。江戸時代には馬が行き交った。
オーナー自らの足で、ここを歩きさえすれば、
家畜の気持ちを理解出来る。
この坂を登り終えると、絶景が広がる。
この宿場を目指して、22Bは走る。
その時に、最も重要視していることは何か。それは、どのように奇麗な編隊を維持するかに尽きる。
コドモのように晴れ晴れと走りたいだろう。でも野放しでは「邪気」が更に頭をもたげる。
ただでさえ「オレのクルマは最高だ」と思っている。
勝手気ままな走りは、例え自制心があっても美しくない。
自制心を持ち「俯瞰」すると、全体像が見える。
その時に徹底的な編隊走行の重要性が解るはずだ。

高速道路から一般路まで連なるには、先頭から最後尾まで、全てのドライバーに俯瞰する能力が必要だ。
例えココロはコドモでも、全員が正しく並んで走るオトナのココロを併せ持つ。ここが肝要だろう。難しい事は他に無い。
ニュルブルクリンクのセクショントレーニングでは、5台の編隊を組み、リーダーをフォローする。
今年もその季節が来た。
グレーネヘレとは緑地獄を意味する。そこには魔物が住む。
運転が上手いだけでは、速く安全に走れない。俯瞰する能力を持たないと、ノルドシェライフェは楽しめない。
高速道路で22Bは目立つ。
並んだ周囲のクルマは素早く追い越してくれない。速度を落としても、
併走して抜いてくれない。
取材が入ると、
出来るだけ良い写真を撮らせたい。そう思うのも人情だ。
そのために、15台の動きを先導車がリードするのでは無く、阿吽の呼吸で1台1台動けるのが理想だ。
コドモの心を持ちながら、オトナのスキルを発揮する。
それがオトナの醍醐味だ。
コドモは俯瞰できない。
自分の置かれた立場や責任より、どうしても欲望が先に出る。
右下の青い丸が駐車場の場所だ。ここまで登ったメンバーは、俯瞰することの意味が何となくわかったはずだ。下に降りると、上から眺めた場所は以外に低い。
人生もそんなモノで、冷静になって俯瞰して、俯瞰して眺めた場所を下から見ると、その時は見えなかったモノが必ず見える。
このミーティングは、これからも一糸乱れぬ姿で全行程編隊走行を目指す。
各機長に登場してもらおう。
どの愛馬も最高の表情だ。
松下さんの執念には脱帽だ。WRカーを遂に蘇らせた。彼はもともと22Bのオーナーだったが、事情があって手放した。
手放すと淋しくて堪らなくなるのがWRXの困ったところだ。その理由が何か、英国人さえ懐かしむほどだ。冒頭の動画は笹子トンネルから生還したGC8だ。
あの湿ったエキゾーストノートと、抱かれるように走るクルマの動き。
これを思い出すと、居ても立ってもいられなくなる。
WRカーの「どんがら」にSシリーズからエンジンを流用した。インパネもGDBから移植した。
1台のために費やした情熱は凄い。これなら幸運を呼び込むだろう。
集中と、掛け持ちでは、幸運を呼び寄せるパワーが違う。終始一貫、一点集中が大切だ。関わった以上、今度は孫子の代まで大切にすることだ。
無事ツーリングが終わった。9年間も続けられたのは、
会を代表するお二人のおかげだ。
「もともと100歳を迎えるまで集まろう」と呼びかけたので、10年目も単なる通過点に過ぎない。

仲間の輪は毎年広がる。前田さんの奥さんもスバルが大好きで、レヴォーグのオーナーになった。
中津川のB級グルメで腹を満たし、
中津川の夜に繰り出した。新町通は静まりかえっていた。
ここは祝日に国旗を掲揚する。その習わしも子供の頃から続いているから、「不易」を表す場所だろう。
これに共感した「不易」の権化が、懐から何やら怪しいモノを取り出した。
スルスルと伸ばしたら、
なんと国旗が現れた。
携帯用の国旗を持つとは・・・・やはり恐るべきオトコだ。
二次会も妻がセッティングした。
この集まりを最も大切にしている者の一人だ。
乾杯した後は無礼講だ。山本編集長と入れ替わり、次の取材陣が現れた。
向かって左がモータージャーナリストの真鍋裕行さん、右が同じく井元貴幸さんだ。
取材先の神戸からここまで駆けつけてくれた。22Bの鼓動を感じてもらえたはずだ。
そして、恒例の「ミカン」が始まった。
「甕のしずく」が「ジャブジャブ」と消えていく。
浴びるように飲むからだ。寺田さんのエアギターも冴え渡る。
むさぼるように、「甕のしずく」に群がる22Bの亡者達よ、
きっと良い夢が見られるだろう。
宴の中で、静かに一人、夢の世界に旅だった。
九州からお出かけ戴き、ありがとうございました。
こうしてイベントは無事終わった。しかし仕事はまだまだ山積みだ。
これは御得意様に戴いたアンケートだ。この答えがあるから、イベントが大好きだ。夏休みのイベントから、あっという間に一ヶ月が過ぎ、秋の感謝ディの仕込みに入った。
シルバーウイークには、豊田市から中田さんもいらっしゃった。もと22Bオーナーも、青い祭には興味をそそられたようだ。息子さんの車検を承り、ありがとうございました。
神奈川県から稲村さんもいらっしゃった。愛機インプレッサの相談だった。
珍しいお土産をありがとうございました。
石川県から浮田さんがいらっしゃった。
美味しいお酒をありがとうございました。
また茨城から榎田さんがいらっしゃった。珍しいスイカを戴いた。
ありがとうございました。
いつもDEに参加して戴く、東京の小林さんにも、美味しいお土産を戴いた。
車検を承ったので、しっかり面倒見ます。あわせてDEのご予約も戴いた。
Cプランなら特訓の成果も活かせる。
社員からDEについて意見を集めた。それぞれ思うことを正直に述べてくれた。
まず大宮は愛車でレクチャーを受けたいヒトも居るはずだ、と述べた。次に梅田は販売した時にオプションで選んでもらえばどうか、と述べた。続いて吉村も試乗車を絡めずレクチャーそのものを前に出すべきだ、と述べた。すると、北原や山本や妻からは、レクチャーの手間やリスクを考えると、価格が安すぎると意見が出た。
杉本からは、興味が無い人には全く刺さらない企画だ、と正直で辛辣な意見が出た。こう言う意見でもハッキリ出せる環境は大切だ。
様々な協議を社内で進め、そのた結果をHPで案内しようと話がまとまった。
早速「愛車でレクチャー」をメニューに加えた。すると申し込みが続いた。
まず若尾さんに体験して戴き、率直な意見を戴いた。
また御待ちしています。
丁寧なアンケートをありがとうございました。
群馬で開かれたミーティングの帰りに、
Oさんも立ち寄って下さった。
高橋三雄さんもお元気で、大変喜ばしい。デザイナーの碇さんも参加されたそうで、直筆のサインが増えていた。
これらに元気をもらい、ドイツを駆け回る。
最近のドイツは、経済界でも国際的な立場でも情報が錯綜している。百聞は一見に如かず。
勉強して今後の仕事に役立てる。
それでは皆さん、行ってきます。

ドイツ到着

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好天のもと、ドイツに向かった。

幸運なことに、珍しい機材に搭乗出来た。

隣の席も使え幸運そのもの。


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