XVの慣らしを兼ねて東京へ向かった。絶好の天気だったので、撮影場所に東京タワーを選んだ。 長い間都心で主役を務めたが、最近ライバルが現れたら、逆に元気を取り戻したと聞く。
昔から好きな場所なので、機会があったら行きたいと思っていた。
平日なので駐車場も空いていた。
奇麗なお姉さんから切符を買って、
意気揚々とエレベーターに乗った。
高いところは苦手だけれど、
登るのは好きだ。
馬鹿は高いところに登りたがる。
それ、もろに当てはまる。
1600円とリーズナブルだ。
東京は本当にどこに居ても楽しい。
久しぶりに登ったら景色が少し変わっていた。
なかなか日本離れした豪快な景色だ。
ふと横を見たらおかしなヤツが居る。
「変態かな」と思った。
こいつ、
テレパシーが効くようだ。
次の瞬間、
ジロリとこちらを向くではないか。
ひえ~~~目が合ってしまった。
子供と戯れる振りをして、
だんだんこちらに近づいてきた。
げげげげ~~~
関わり合いになりたくないので、
素知らぬ顔をして景色を見ていると、
隣りにピタリとくっついて離れない。
「あのお寺は何かな」と口にした途端、
「あれは増上寺です。〇×△年に××様が~~~~された@@で、
$$$様と&&&様が祀られています」と説明するではないか。
これは便利だ。
そこで「$$$様と&&&様とは?」と質問したら、
ポケットから手帳をだして調べ始めた。
コイツ閻魔帳を持っている。
怪しげな事に、
聞きもしないのにフリーメーソンの本部まで知っていて、
「あそこです」と教えてくれた。
「えーと、それじゃあ、あの四角い建物は何?」と質問すると、
「〇×△□???・・・勉強不足です!」と答え、
次の瞬間、
「しぇー」と奇妙なポーズを取った。
ハングアップするとこうなるらしい。
名前を「鷹まる」と言う。
憎めない奴だ。
他所でもハングアップしてどこかに頭をぶつけたらしい。
額のバンドエイド風の縫い物が痛々しかった。
リセットしたらまた動き始めた。
いきなり奇妙な声を出すソフトバンクのロボットより、
数段優れた頭脳を持つ人工知能らしい。
動き始めると、
「僕たちは今ここに居ます!」といきなり言った。
そして聞いてもいないことをまた話し出した。
「知っていますか。王選手が打ったホームランボールが、
東京タワーのてっぺんから出てきたんです」
それは凄い!
謎めいた話だが、
プロ野球は硬式のはずだ。
この人工知能は「ペテン師」の素質もあるようだ。
勘づかれたと思ったのか、
またいきなり他の説明を始めた。
「窓の外を見て下さい!」
「もう一本東京タワーが立っています!」と声高々に言った。
どこにも無いじゃないか。
首をかしげていると、
「ほら!」とどこに隠し持っていたのか、
パネル写真を取り出した。
この人工知能、
マジシャンの能力もあるらしい。
体中に色々な小道具を持っている。
意味ありげに桜の造花を持っているので、
「それは何?」と尋ねると、
「これはプロジェクションマッピングです!」と言う。
夜間には展望台のガラスが桜で満開になるそうだ。
灰皿の乗ったビルはJTの本社だそうで、
このあたりの大きなビルは全て知り尽くしている。
「じゃあ、このタワーの真下にある、
あの怪しい屋根のビルは何?」と尋ねたら・・・・、
「〇×△□???」勉強不足です!」
とまたハングアップし掛けたが、
近くで稼働中のもう一機が近づいてきた。
これはしめた!、と思ったようで、
もう一機に、
「そのビルは何でしょうか?お客様にお答えできません!」と助けを乞うた。
すると、
二機揃って「しぇー」
この人工知能は遠くからみると実に怪しいが、
近くで見ると程良く愛らしい。
とても親切なキャラクターなので、
是非東京タワーに行って、
色々な質問を投げかけて欲しい。
ハングアップする度に成長し、
どんどんバージョンアップする。
次に会うのが楽しみだ。
更に上の展望台を目指す。
おお!ライバルが近くに見える。
東京らしからぬダイナミックな風景だ。夕日と砂嵐の影響で、独特の色合いの街並みが青空に映えた。
まるでオーストラリアでみたような風景だった。
最上階からもう一度展望台に降りると、そこには面白い仕掛けがある。
一番高いところを充分楽しんだ後、エレベーターでもう一度展望台に降りた。
ここは2層構造になっているので、階段でもう一段下へ降りた。
最初にこれを見せると、「ギクリ」とはするものの、「ナニコレ、少しも怖くないよ」となめてかかる。
そこで大きな方に連れて行くと、大概しゃがみ込んで下を覗く。
そうしたらば、後ろに回って「ドン」と押すと良い。
大抵の人間が「ドキッ」として、少し漏らす。
真下に駐車したXVが見える。まるでミニカーだ。
大丈夫だと解っていても、
わず手に力が入る。
写メを撮影して送っていたら、 「あまりに間抜けな格好なので獲ってあげたよ」とメールが届いた。
このアホらしさが東京タワーの人気の秘密だ。
隣でびびりまくる外人親子がいたので、「やってみなさい」といったら、「オマイガ」と言って逃げていった。
お土産センターに行くと、人工知能のマスコットも売っている。 知らないだけで人気者なんだ。
登る前とは全く違う風景が広がっていた。
色の美しさに見とれてしまった。
ルックダウンウインドウが良く解る。
あんな高いところをガラス張りにしたら、
怖いに決まっている。
絶対誰かと一緒に行って、
後ろからドンと押して欲しい。
その後どうなっても責任は取れないが。
この時を待っていた。
赤い鉄骨と青いXVをどうしてもコラボレートしたかった。
駐車場の人達も皆親切で、
「スバルと一緒にタワーの写真を撮らせて欲しいのですが」とお願いしたら、
「どうぞどうぞ、撮影して下さい」と許してくれた。
こんなところにも、東京で「一番高かった」誇りのような清々しさを感じた。
スカイツリーに登りたいと思わないのは、恐らくあの無機質な印象だろう。
それに比べ、高さでは目立たぬようになっても、血が通ったような東京タワーには、相変わらず限りない魅力がある。
こうして三月最初の出張も無事終わった。 フロントガラスに映ったタワーの鉄骨が、
まるでスバルの遺伝子のように見える。
XVで旅をすると躍動的になれる。
延べ走行距離680kmに渡った。
高速道路上の最低気温は、往路に於ける八ヶ岳山麓でマイナス8℃だった。
そして最高気温は、復路に於ける八王子で18℃だった。
3シーズン目を終えたピレリのソットゼロ3は、「まだまだ働けるぞ」と自己主張していた。
温度差26℃の条件下で、苛酷な走行を強いたが、良い働きをしてくれた。
そしてXVも初の連続高速走行に良く耐えた。1000㎞を越したので、初めて高速高負荷運転を連続したが、ストロークたっぷりのサスペンションは、まるでGTかと思わせるような能力も発揮し、中央自動車道に存在するジャンピングスポットを、難無く制した。
そればかりか、伸びきった状態からバンプする時の、いかにもカンファタブルで乗る者を痺れさせる、抜群の抑揚性も発露した。
理由はここに有る。 ハイブリッド車の開発だ。
戻って展示中のXVハイブリッドと比較して解った。
電池を搭載するために重ねた苦労が、
ガソリン車にも限りなく役立った。
このクルマの足回りに、
勝るSUVはそう簡単に現れないだろう。
昔から好きな場所なので、機会があったら行きたいと思っていた。
平日なので駐車場も空いていた。
意気揚々とエレベーターに乗った。
高いところは苦手だけれど、
登るのは好きだ。
馬鹿は高いところに登りたがる。
それ、もろに当てはまる。
東京は本当にどこに居ても楽しい。
なかなか日本離れした豪快な景色だ。
ふと横を見たらおかしなヤツが居る。
「変態かな」と思った。
こいつ、
テレパシーが効くようだ。
ジロリとこちらを向くではないか。
ひえ~~~目が合ってしまった。
だんだんこちらに近づいてきた。
げげげげ~~~
関わり合いになりたくないので、
素知らぬ顔をして景色を見ていると、
「あれは増上寺です。〇×△年に××様が~~~~された@@で、
$$$様と&&&様が祀られています」と説明するではないか。
これは便利だ。
そこで「$$$様と&&&様とは?」と質問したら、
ポケットから手帳をだして調べ始めた。
聞きもしないのにフリーメーソンの本部まで知っていて、
「あそこです」と教えてくれた。
「えーと、それじゃあ、あの四角い建物は何?」と質問すると、
次の瞬間、
名前を「鷹まる」と言う。
憎めない奴だ。
他所でもハングアップしてどこかに頭をぶつけたらしい。
額のバンドエイド風の縫い物が痛々しかった。
リセットしたらまた動き始めた。
いきなり奇妙な声を出すソフトバンクのロボットより、
数段優れた頭脳を持つ人工知能らしい。
「僕たちは今ここに居ます!」といきなり言った。
そして聞いてもいないことをまた話し出した。
東京タワーのてっぺんから出てきたんです」
それは凄い!
謎めいた話だが、
プロ野球は硬式のはずだ。
勘づかれたと思ったのか、
またいきなり他の説明を始めた。
「窓の外を見て下さい!」
首をかしげていると、
パネル写真を取り出した。
この人工知能、
マジシャンの能力もあるらしい。
体中に色々な小道具を持っている。
意味ありげに桜の造花を持っているので、
「それは何?」と尋ねると、
このあたりの大きなビルは全て知り尽くしている。
あの怪しい屋根のビルは何?」と尋ねたら・・・・、
「〇×△□???」勉強不足です!」
とまたハングアップし掛けたが、
近くで稼働中のもう一機が近づいてきた。
もう一機に、
「そのビルは何でしょうか?お客様にお答えできません!」と助けを乞うた。
すると、
二機揃って「しぇー」
とても親切なキャラクターなので、
是非東京タワーに行って、
色々な質問を投げかけて欲しい。
ハングアップする度に成長し、
どんどんバージョンアップする。
次に会うのが楽しみだ。
更に上の展望台を目指す。
まるでオーストラリアでみたような風景だった。
ここは2層構造になっているので、階段でもう一段下へ降りた。
大抵の人間が「ドキッ」として、少し漏らす。
写メを撮影して送っていたら、
隣でびびりまくる外人親子がいたので、「やってみなさい」といったら、「オマイガ」と言って逃げていった。
登る前とは全く違う風景が広がっていた。
あんな高いところをガラス張りにしたら、
怖いに決まっている。
絶対誰かと一緒に行って、
後ろからドンと押して欲しい。
その後どうなっても責任は取れないが。
赤い鉄骨と青いXVをどうしてもコラボレートしたかった。
駐車場の人達も皆親切で、
「スバルと一緒にタワーの写真を撮らせて欲しいのですが」とお願いしたら、
「どうぞどうぞ、撮影して下さい」と許してくれた。
こんなところにも、東京で「一番高かった」誇りのような清々しさを感じた。
スカイツリーに登りたいと思わないのは、恐らくあの無機質な印象だろう。
それに比べ、高さでは目立たぬようになっても、血が通ったような東京タワーには、相変わらず限りない魅力がある。
こうして三月最初の出張も無事終わった。
まるでスバルの遺伝子のように見える。
XVで旅をすると躍動的になれる。
高速道路上の最低気温は、往路に於ける八ヶ岳山麓でマイナス8℃だった。
そして最高気温は、復路に於ける八王子で18℃だった。
温度差26℃の条件下で、苛酷な走行を強いたが、良い働きをしてくれた。
そしてXVも初の連続高速走行に良く耐えた。1000㎞を越したので、初めて高速高負荷運転を連続したが、ストロークたっぷりのサスペンションは、まるでGTかと思わせるような能力も発揮し、中央自動車道に存在するジャンピングスポットを、難無く制した。
そればかりか、伸びきった状態からバンプする時の、いかにもカンファタブルで乗る者を痺れさせる、抜群の抑揚性も発露した。
理由はここに有る。
戻って展示中のXVハイブリッドと比較して解った。
電池を搭載するために重ねた苦労が、
ガソリン車にも限りなく役立った。
このクルマの足回りに、
勝るSUVはそう簡単に現れないだろう。