今年の山桜は開花が早く、
じっくり楽しむ間もなく散ってしまった。
遂に水管橋の工事が始まった。
出張から戻って翌朝出勤したら、
既に反対側があっさりと掘削されていた。
次の作業の段取りが終わっていた。
手入れしてきたコウリンタンポポともお別れだ。
この部分は良い腐葉土なので、
焚き火をきっかけに絨毯のように増えた。
面白い現象だった。
つゆ草も毎年綺麗に咲いたが、
今日でお別れだな。
ここで自然発芽して、
花が咲くまでに育った山桜の幼木を、
抜き取って川べりに移植した。
伐採される可能性があったので、
STI誕生30周年の記念植樹とした。
根付くかどうかは微妙な気配だが見守ろう。
右側の交換の中を光ケーブルが通っているので、
要所要所で注意深く作業を進めている。
鉄板で蓋をして安全確保が終わっていた。
サッと埋め戻して終わるのだろう。
合理的にやらないと赤字になるから段取りが良い。
色々な幼虫も含まれているから、
出来れば再生可能な場所に埋められると良いな。
そう思ってダンプに近づくと、
この辺りの地質を知っている身としては、
ほぼ予想通りの土砂が掘り出されていた。
定かでは無いし、
その真実も知らないけれど、
この辺りでは掘った途端に、
レッドグレープフルーツの様な、
鮮やかなオレンジ色の土砂が現れた事がある。
あの時はびっくりした。
時間の経過とともに数十分で普通の色に変わった。
この場所にも同じ傾向があった。
巨大な土石流の痕跡だ。
土砂が出たタイミングを聞きながら、
それは恐らく巨大土石流の痕跡ではないかと話すと、
経験の豊富な建設作業員の方でも、
ここの特殊性を理解するのは、
少し苦しまれた様だった。
分かり易くガイドラインを入れてみた。
赤いラインから上は舗装した時の転圧部だろう。
そこは無視し、
青と赤にはさまれた部分が、
まだここに竹やぶやクルミの木なども、
うっそうと生えていた時代に、
自然が形成した地層だろう。
現場で見ると、
その下の赤土層が二つに分かれてる。
なぜこの部分が出来たのかはわからない。
下地を均して型枠が設置された。
油圧で左右に伸ばし枠の形を整える道具だった。
チャックをカチッと押し込んで、
手動で油を注入するとグイグイと伸びる。
上手い具合にできてるな。
感心して見ていた。
良く見たら上で作業をしている人の向こう側に、
意外なものが落ちていた。
どこにあったのか尋ねると
ここを掘った一番下に転がっていました、と言う。
サクラの根ですよね。と聞き返すと、
埋まっていたので違うと思います、と言う。
明らかに生きていた匂いがした。
こんなに深くまで根を張る力があり、
土質にも恵まれていたので、
十分な水を吸い上げることができたのだろう。
地表に有効な腐葉土がある事も環境的に良かった。
工事が終わったら、
コンクリートで固められても、
何とかうまく回避して、
根が再び伸びていくように、
地表を手入れしてやろう。
人為的な環境の変化が植物に与える影響は甚大だ。
この桜も再三に渡り根を大きく切断されているが、
その都度おのれの治癒力を発揮して立ち直ってきた。
SUBARUの環境変化も、
これまで幾度となく繰り返されたが、
何とか今まで生き永らえてきた。
SUBARUの今後を見守りたい。
自然治癒力を発揮して、
ズタズタに切られた根が回復する日を待とう。
今日もテストに取り組んだ。
実にチープな内装しか作る術がなかった。
把手に退化して寂しかった。
ところで、
価格は予想以上に安かった。
当時当社を担当していた杉山ロードマンに、
「値付けを間違えたんじゃないの」と聞くと、
彼は一瞬何とも言えない嫌な顔をして、
「まあ、いいじゃないの」と話を遮った。
とにもかくにも、
その後の勢いは凄くモデルチェンジは大成功した。
このクルマの持ち味は、
実にバリューでサイズ的にも乗り易く、
価格以上の価値を持つ事だった。
比較的音も静かで乗り心地も良い。
人口建造物には自然治癒力は無い。
それが解っているのに、
甘く見た結果が笹子トンネルの崩落だ。
その危機感から、
日本第二位の長大トンネルを注意深く点検するようになった。
だが、
既に時遅しかもしれない。
既に半世紀近く経ち、
近くに活断層があるかもしれないトンネルは、
常に追い越し車線側の路面が濡れている。
笹子事件以前は、
天井からまるで雨のように水が降る場所もあった。
長年放置されていたが、
上下線とも大改修が施され、
特に下り線は天井版を取除く時に抑え込めたと思っていた。
それがどうもそういう訳では無く、
未だに格闘が続いているのかもしれない。
SUBARU内部でも、
様々な格闘が続いているのだろう。
本当に良きクルマを作りたい。
そう思う気持ちに差が無いと信じていたが、
どうも格闘の中で、
明確な派閥が存在していたのかもしれない。
ヤマザクラは根を切られた。
この刺激が良い方に振るかもしれない。
自ら活性化して勢いを取り戻す。
その手助けを可能な限り続ける。
VDCも持つなどかなりハイグレードなクルマだ。
オートクルーズも調子良く働く。
キチンとしたメンテナンスさえ施せば抜群の性能を蘇らせるだろう。
最近暫く付き合っていたので、
親しみやすいし非常に視認性が良かった。
さて、
このクルマは何でしょう。