鈴鹿ツインサーキットから戻ると、
美味しそうなお菓子が机の上に置いてあった。
レガシィの点検に群馬県から廣町さんがいらっしゃった。
押しも押されもせぬ群馬の名物となったグーテデロワのラスクだ。
ミルキーな味を思い出し、口の中が湿った。
袋の中を覗くと白い箱と、
いつもとは違う包み方をされたラスクが入っている。
今日は朝から水とお茶だけで、
一切食べ物を摂取していなかった。
気合いを入れた時はいつもそうだ。
空腹だったので、
見た途端にかぶりついた。
これまでのラスクも美味しかったので、
頭の中に味が染みついている。
だが、
このラスクはこれまで見たことのないものだった。
ワインに合うと書かれている。
実に奇遇だった。
これを食べて、
今日のもやもやが吹き飛んだ。
何がもやもやしていたかと言うと、
初めて本格的に乗った新型インプレッサが、
「食べてみたら普通だった」と言う事だ。
運営スタッフは元気だったが、
スバル本体から派遣された社員に覇気がない。
何となくドヨーンとした雰囲気の中、
写真撮影も一切許さないといった徹底ぶりだった。
何か月も前からティザーを進め、
何をここまで隠すのかと思ったが、
こればかりは仕方がない。
その時のトップの方針で、
すべてが決まる。
サラリーマン社会の掟だ。
デジイチをトランクに押し込み、
勢い勇んで出かけただけに、
何となく肩透かしを食ってしまった。
いつもなら、
エンジンに対しても詳しく報告ができるはずなのだが、
クランクシャフト一本撮影するのでさえ許してもらえない。
何となくピリピリしたような、
少し暗いような不思議な雰囲気だった。
今度の2リットルエンジンは、
ほとんどの部品が新しくなり、
直噴として生まれ変わったわけだから、
もっと堂々と見せるべきなのに「他社との比較表現があり撮影は禁止です」と冷たい。
これまでハイブリッドの研修でも、
レヴォーグの研修でも、
全く感じたことのない空気だった。
新型インプレッサのコンペティターは、
マツダのアクセラディーゼルや、
ゴルフ7だと想定されている。
それ自体に無理がある。
コンペティターとして想定されているそれらの役者は、
戴いたお菓子に当てはめると、
グーテデロワの「オードブルラスク」だからだ。
この「ソムリエ」と名付けられたラスクは、
幅広いドリンクとの「マリアージュ」がテーマとなっている。
これは表現がちょっと凄い。
相性が良いとか、
ともにお楽しみください、
等と言う生易しい言葉ではなく、
「一緒に寝てセックスして子供を作るくらい」美味しいお菓子だとのたまっているわけだ。
だから普通のお菓子ではない。
実際に食べてもそう感じる。
こんなラスクは食べた事が無いし、
確かにワインと一緒に飲みながら食べるのが楽しみになる。
こういうお菓子に近い味が、
「真のダウンサイジングターボ」を搭載したゴルフ1.4TSIだったり、
「後処理装置のないディーゼル」を搭載したアクセラ15XDだったりするわけだ。
それに対して新型インプレッサの、
動的第一印象は「普通」だ。
褒めるわけでも、
けなすわけでもなく普通のクルマだ。
一切とんがった所が無く、
文句の付けようがない。
ところがスペックを並べて比較されると見劣りする。
だから主催者は何かとナーバスになるのだ。
例えば世界で一番安全なクルマと言っても、
買うその時にはピンと来ない。
それを一体何と比較するのか、
見える化する事が難しい。
スバルの内部にそういったナーバスな部分が散見されるので、
それが雰囲気となって如実に現れた。
アクセラやゴルフが、
「ねえ早く寝ましょうよ。一緒にセックスして子供つくろ」と、
カラダからフェロモンを匂わせるように出すのに対して、
インプレッサは小奇麗な「愛」で片付ける魂胆だ。(笑)
ドリカムが好きな人には良いコマーシャルだが、
少々美しすぎて・・・・・・・、
野望の塊のような人間にはうすら寒い。
なぜそうなるのか。
インプレッサは重くなった。
インプレッサはトルクで負ける。
インプレッサは燃費で負ける。
勝てるのは価格だ。
勝てるのは安全性能だ。
価格はさておき、
安全性能で勝てるのは決して悪い事ではない。
ただし、これを見える化するのが難しい。
だからスペックの比較を恐れるがあまり、
見える化より「愛」の持つイメージで独自の世界を作ろうとしている。
最近スバルユーザーの構成は、
昔と比べると随分変わって来た。
旧型インプレッサが開拓した支持層は、
土日毎に東京中のショールームを埋め尽くしたほどだ。
構成内容が変わったので、
尖ったものを好まなくなった。
おそらくマーケティングは、
そのように変化を悟った。
だから尖った所を突っついたところで、
まさに泣きっ面に蜂だろう。
だから「愛」なのだ。
みんな「愛」なのだ。
あのコマーシャルを見て、
皆きっとインプレッサに好感を抱くだろう。
へそ曲がりだけがうすら寒くなる。
だってそういうオブラートで包むことが嫌いなんだ。
書きたい事を書いたが、
スバルが良いメーカーであることには変わりはない。
なぜか。
「早く寝ましょうよ」と色気で誘うと、
即時効果があるが、
そんな相手が長持ちする人間だとは限らない。
地味だけれど「入れ物」から作り直したインプレッサは、
決して飽きる相手ではない。
しかも安全なクルマ作りが始まったのは、
気が遠くなるほど昔の事だ。
百瀬晋六の遺伝子は何代もの開発者に背負われ、
何年も前から世界トップの安全を極めてきた。
誤解や批判を恐れず載せよう。
つい最近起きた深刻な自動車事故だ。
当社のお客様が国道19号線を走行してたところ、
対向車線からGT-Rが飛び込んで来た。
右斜め前方から正面衝突した、
19歳のドライバーが操るハイパワー車は、
そのクルマの助手席に同乗していた人の命を奪ってしまった。
フォレスターに乗っていたお客様も怪我をしてしまったが、
クルマの損害状況からは想像できないほど被害は少なかった。
普通に歩けるし入院の必要もない。
32型GT-Rのバンパーが突き刺さったまま残っている。
このクルマは今から11年も前に生産された二代目フォレスターだ。
その設計は15年くらい前にさかのぼる。
そんな事を微塵も感じさせない安全設計だ。
新型インプレッサは、
これと同じ事故をGT-Rではなく、
2.5トンのトラックを想定して設計開発された。
だから抜群の衝突安全性能を誇る。
そのうえで、
あえて国内専用に歩行者エアバッグを標準装備した。
と言う事で、
レポートを楽しみにしていた人に読んでいただけたら幸いだ。
歩行者エアバッグの生画像や、
エンジンパーツの数々を、
生でお見せしたかったが残念だ。
スバルよ、
もう少し元気よく堂々としても良い気がするぞ。
美味しそうなお菓子が机の上に置いてあった。
レガシィの点検に群馬県から廣町さんがいらっしゃった。
押しも押されもせぬ群馬の名物となったグーテデロワのラスクだ。
ミルキーな味を思い出し、口の中が湿った。
袋の中を覗くと白い箱と、
いつもとは違う包み方をされたラスクが入っている。
今日は朝から水とお茶だけで、
一切食べ物を摂取していなかった。
気合いを入れた時はいつもそうだ。
空腹だったので、
見た途端にかぶりついた。
これまでのラスクも美味しかったので、
頭の中に味が染みついている。
だが、
このラスクはこれまで見たことのないものだった。
ワインに合うと書かれている。
実に奇遇だった。
これを食べて、
今日のもやもやが吹き飛んだ。
何がもやもやしていたかと言うと、
初めて本格的に乗った新型インプレッサが、
「食べてみたら普通だった」と言う事だ。
運営スタッフは元気だったが、
スバル本体から派遣された社員に覇気がない。
何となくドヨーンとした雰囲気の中、
写真撮影も一切許さないといった徹底ぶりだった。
何か月も前からティザーを進め、
何をここまで隠すのかと思ったが、
こればかりは仕方がない。
その時のトップの方針で、
すべてが決まる。
サラリーマン社会の掟だ。
デジイチをトランクに押し込み、
勢い勇んで出かけただけに、
何となく肩透かしを食ってしまった。
いつもなら、
エンジンに対しても詳しく報告ができるはずなのだが、
クランクシャフト一本撮影するのでさえ許してもらえない。
何となくピリピリしたような、
少し暗いような不思議な雰囲気だった。
今度の2リットルエンジンは、
ほとんどの部品が新しくなり、
直噴として生まれ変わったわけだから、
もっと堂々と見せるべきなのに「他社との比較表現があり撮影は禁止です」と冷たい。
これまでハイブリッドの研修でも、
レヴォーグの研修でも、
全く感じたことのない空気だった。
新型インプレッサのコンペティターは、
マツダのアクセラディーゼルや、
ゴルフ7だと想定されている。
それ自体に無理がある。
コンペティターとして想定されているそれらの役者は、
戴いたお菓子に当てはめると、
グーテデロワの「オードブルラスク」だからだ。
この「ソムリエ」と名付けられたラスクは、
幅広いドリンクとの「マリアージュ」がテーマとなっている。
これは表現がちょっと凄い。
相性が良いとか、
ともにお楽しみください、
等と言う生易しい言葉ではなく、
「一緒に寝てセックスして子供を作るくらい」美味しいお菓子だとのたまっているわけだ。
だから普通のお菓子ではない。
実際に食べてもそう感じる。
こんなラスクは食べた事が無いし、
確かにワインと一緒に飲みながら食べるのが楽しみになる。
こういうお菓子に近い味が、
「真のダウンサイジングターボ」を搭載したゴルフ1.4TSIだったり、
「後処理装置のないディーゼル」を搭載したアクセラ15XDだったりするわけだ。
それに対して新型インプレッサの、
動的第一印象は「普通」だ。
褒めるわけでも、
けなすわけでもなく普通のクルマだ。
一切とんがった所が無く、
文句の付けようがない。
ところがスペックを並べて比較されると見劣りする。
だから主催者は何かとナーバスになるのだ。
例えば世界で一番安全なクルマと言っても、
買うその時にはピンと来ない。
それを一体何と比較するのか、
見える化する事が難しい。
スバルの内部にそういったナーバスな部分が散見されるので、
それが雰囲気となって如実に現れた。
アクセラやゴルフが、
「ねえ早く寝ましょうよ。一緒にセックスして子供つくろ」と、
カラダからフェロモンを匂わせるように出すのに対して、
インプレッサは小奇麗な「愛」で片付ける魂胆だ。(笑)
ドリカムが好きな人には良いコマーシャルだが、
少々美しすぎて・・・・・・・、
野望の塊のような人間にはうすら寒い。
なぜそうなるのか。
インプレッサは重くなった。
インプレッサはトルクで負ける。
インプレッサは燃費で負ける。
勝てるのは価格だ。
勝てるのは安全性能だ。
価格はさておき、
安全性能で勝てるのは決して悪い事ではない。
ただし、これを見える化するのが難しい。
だからスペックの比較を恐れるがあまり、
見える化より「愛」の持つイメージで独自の世界を作ろうとしている。
最近スバルユーザーの構成は、
昔と比べると随分変わって来た。
旧型インプレッサが開拓した支持層は、
土日毎に東京中のショールームを埋め尽くしたほどだ。
構成内容が変わったので、
尖ったものを好まなくなった。
おそらくマーケティングは、
そのように変化を悟った。
だから尖った所を突っついたところで、
まさに泣きっ面に蜂だろう。
だから「愛」なのだ。
みんな「愛」なのだ。
あのコマーシャルを見て、
皆きっとインプレッサに好感を抱くだろう。
へそ曲がりだけがうすら寒くなる。
だってそういうオブラートで包むことが嫌いなんだ。
書きたい事を書いたが、
スバルが良いメーカーであることには変わりはない。
なぜか。
「早く寝ましょうよ」と色気で誘うと、
即時効果があるが、
そんな相手が長持ちする人間だとは限らない。
地味だけれど「入れ物」から作り直したインプレッサは、
決して飽きる相手ではない。
しかも安全なクルマ作りが始まったのは、
気が遠くなるほど昔の事だ。
百瀬晋六の遺伝子は何代もの開発者に背負われ、
何年も前から世界トップの安全を極めてきた。
誤解や批判を恐れず載せよう。
つい最近起きた深刻な自動車事故だ。
当社のお客様が国道19号線を走行してたところ、
対向車線からGT-Rが飛び込んで来た。
右斜め前方から正面衝突した、
19歳のドライバーが操るハイパワー車は、
そのクルマの助手席に同乗していた人の命を奪ってしまった。
クルマの損害状況からは想像できないほど被害は少なかった。
普通に歩けるし入院の必要もない。
このクルマは今から11年も前に生産された二代目フォレスターだ。
その設計は15年くらい前にさかのぼる。
新型インプレッサは、
これと同じ事故をGT-Rではなく、
2.5トンのトラックを想定して設計開発された。
だから抜群の衝突安全性能を誇る。
そのうえで、
あえて国内専用に歩行者エアバッグを標準装備した。
と言う事で、
レポートを楽しみにしていた人に読んでいただけたら幸いだ。
歩行者エアバッグの生画像や、
エンジンパーツの数々を、
生でお見せしたかったが残念だ。
スバルよ、
もう少し元気よく堂々としても良い気がするぞ。