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Channel: 中津スバルの濃いスバリストに贈る情報
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新型インプレッサの動的第一印象

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鈴鹿ツインサーキットから戻ると、
美味しそうなお菓子が机の上に置いてあった。


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レガシィの点検に群馬県から廣町さんがいらっしゃった。
押しも押されもせぬ群馬の名物となったグーテデロワのラスクだ。


ミルキーな味を思い出し、口の中が湿った。


袋の中を覗くと白い箱と、
いつもとは違う包み方をされたラスクが入っている。
f0076731_20253847.jpg

今日は朝から水とお茶だけで、
一切食べ物を摂取していなかった。
気合いを入れた時はいつもそうだ。


空腹だったので、
見た途端にかぶりついた。


これまでのラスクも美味しかったので、
頭の中に味が染みついている。


だが、
このラスクはこれまで見たことのないものだった。
f0076731_20272450.jpg

ワインに合うと書かれている。




実に奇遇だった。
これを食べて、
今日のもやもやが吹き飛んだ。


何がもやもやしていたかと言うと、
初めて本格的に乗った新型インプレッサが、
「食べてみたら普通だった」と言う事だ。


運営スタッフは元気だったが、
スバル本体から派遣された社員に覇気がない。


何となくドヨーンとした雰囲気の中、
写真撮影も一切許さないといった徹底ぶりだった。


何か月も前からティザーを進め、
何をここまで隠すのかと思ったが、
こればかりは仕方がない。


その時のトップの方針で、
すべてが決まる。
サラリーマン社会の掟だ。


デジイチをトランクに押し込み、
勢い勇んで出かけただけに、

何となく肩透かしを食ってしまった。


いつもなら、
エンジンに対しても詳しく報告ができるはずなのだが、
クランクシャフト一本撮影するのでさえ許してもらえない。


何となくピリピリしたような、
少し暗いような不思議な雰囲気だった。


今度の2リットルエンジンは、
ほとんどの部品が新しくなり、
直噴として生まれ変わったわけだから、
もっと堂々と見せるべきなのに「他社との比較表現があり撮影は禁止です」と冷たい。


これまでハイブリッドの研修でも、
レヴォーグの研修でも、
全く感じたことのない空気だった。


新型インプレッサのコンペティターは、
マツダのアクセラディーゼルや、
ゴルフ7だと想定されている。


それ自体に無理がある。


コンペティターとして想定されているそれらの役者は、
戴いたお菓子に当てはめると、
グーテデロワの「オードブルラスク」だからだ。


f0076731_20273687.jpg

この「ソムリエ」と名付けられたラスクは、
幅広いドリンクとの「マリアージュ」がテーマとなっている。


これは表現がちょっと凄い。


相性が良いとか、
ともにお楽しみください、
等と言う生易しい言葉ではなく、


「一緒に寝てセックスして子供を作るくらい」美味しいお菓子だとのたまっているわけだ。


だから普通のお菓子ではない。
実際に食べてもそう感じる。


こんなラスクは食べた事が無いし、
確かにワインと一緒に飲みながら食べるのが楽しみになる。


こういうお菓子に近い味が、
「真のダウンサイジングターボ」を搭載したゴルフ1.4TSIだったり、
「後処理装置のないディーゼル」を搭載したアクセラ15XDだったりするわけだ。


それに対して新型インプレッサの、
動的第一印象は「普通」だ。


褒めるわけでも、
けなすわけでもなく普通のクルマだ。
一切とんがった所が無く、
文句の付けようがない。


ところがスペックを並べて比較されると見劣りする。



だから主催者は何かとナーバスになるのだ。


例えば世界で一番安全なクルマと言っても、
買うその時にはピンと来ない。


それを一体何と比較するのか、
見える化する事が難しい。


スバルの内部にそういったナーバスな部分が散見されるので、
それが雰囲気となって如実に現れた。


アクセラやゴルフが、
「ねえ早く寝ましょうよ。一緒にセックスして子供つくろ」と、
カラダからフェロモンを匂わせるように出すのに対して、
インプレッサは小奇麗な「愛」で片付ける魂胆だ。(笑)


ドリカムが好きな人には良いコマーシャルだが、
少々美しすぎて・・・・・・・、
野望の塊のような人間にはうすら寒い。


なぜそうなるのか。
インプレッサは重くなった。
インプレッサはトルクで負ける。
インプレッサは燃費で負ける。


勝てるのは価格だ。
勝てるのは安全性能だ。


価格はさておき、
安全性能で勝てるのは決して悪い事ではない。


ただし、これを見える化するのが難しい。
だからスペックの比較を恐れるがあまり、
見える化より「愛」の持つイメージで独自の世界を作ろうとしている。




最近スバルユーザーの構成は、
昔と比べると随分変わって来た。


旧型インプレッサが開拓した支持層は、
土日毎に東京中のショールームを埋め尽くしたほどだ。


構成内容が変わったので、
尖ったものを好まなくなった。
おそらくマーケティングは、
そのように変化を悟った。


だから尖った所を突っついたところで、
まさに泣きっ面に蜂だろう。


だから「愛」なのだ。
みんな「愛」なのだ。


あのコマーシャルを見て、
皆きっとインプレッサに好感を抱くだろう。


へそ曲がりだけがうすら寒くなる。
だってそういうオブラートで包むことが嫌いなんだ。



書きたい事を書いたが、
スバルが良いメーカーであることには変わりはない。


なぜか。
「早く寝ましょうよ」と色気で誘うと、
即時効果があるが、
そんな相手が長持ちする人間だとは限らない。


地味だけれど「入れ物」から作り直したインプレッサは、
決して飽きる相手ではない。


しかも安全なクルマ作りが始まったのは、
気が遠くなるほど昔の事だ。


百瀬晋六の遺伝子は何代もの開発者に背負われ、
何年も前から世界トップの安全を極めてきた。


誤解や批判を恐れず載せよう。
つい最近起きた深刻な自動車事故だ。


当社のお客様が国道19号線を走行してたところ、
対向車線からGT-Rが飛び込んで来た。


右斜め前方から正面衝突した、
19歳のドライバーが操るハイパワー車は、

そのクルマの助手席に同乗していた人の命を奪ってしまった。
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フォレスターに乗っていたお客様も怪我をしてしまったが、
クルマの損害状況からは想像できないほど被害は少なかった。
普通に歩けるし入院の必要もない。
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32型GT-Rのバンパーが突き刺さったまま残っている。
このクルマは今から11年も前に生産された二代目フォレスターだ。


その設計は15年くらい前にさかのぼる。
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そんな事を微塵も感じさせない安全設計だ。
新型インプレッサは、
これと同じ事故をGT-Rではなく、
2.5トンのトラックを想定して設計開発された。


だから抜群の衝突安全性能を誇る。


そのうえで、
あえて国内専用に歩行者エアバッグを標準装備した。


と言う事で、
レポートを楽しみにしていた人に読んでいただけたら幸いだ。


歩行者エアバッグの生画像や、
エンジンパーツの数々を、
生でお見せしたかったが残念だ。


スバルよ、
もう少し元気よく堂々としても良い気がするぞ。



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