水曜日に、特急「しなの号」で名古屋に行った。
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保険募集人の更新試験を受けるためだった。駅に送ってもらいながら、終わったら飯でも食べに行こうかと誘ってみた。
電車の旅も悪くないが、やっぱりワクワクしない。電車を待つのも煩わしいし、そのための時間合わせが好きじゃない。
行動を電車に支配されるからだ。
クルマ好きが絶対にこれ以上減らない。そう確信する理由でもある。
自動車家畜論を理解すれば、大量輸送機関とクルマを混同させる事もない。
試験が終わり、名古屋駅からメールすると、
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娘のリクエストが届いた。
完全に支配されている。我ながら情けないが、支配者に素直に従った。ごはんは家で支度するから心配ないという。
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ホタテとカンパチのカルパッチョ。海鮮物が好きなので堪らない魅力だ。
牡蠣が好きなので、青野菜と牡蠣の炒め物も仕上がった。
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飴と鞭が揃っていた。
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牡蠣のオリーブオイル煮や、トマトとモッツァレラチーズも好物だ。
頼まれたケーキを出すと、妻と娘の歓声が上がった。
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これがミルクレープ。780円だった。
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流石に一つでは寂しいので、洋なしのミルフィーユを独断で買ってきた。
ケーキを買いに行ったつもりが、トンデモナイ物欲に襲われることとなった。
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昔あったビルも含め、そもそも大名古屋ビルヂングに入ったこともない。
ケーキ屋の場所を調べるために案内板を見ていた。
すると、ケーキ屋よりもっと興味深い会社の名前が見えた。
諏訪のモンベルで焚き火用の道具を見てから、スノーピークの商品が気になっていた。
ケーキを急いで買って、帰りの特急「しなの号」に間に合うよう急いでスノーピークに向かった。
最近の若者に、あまりがつがつした意欲を感じない。
何かサラッとした独特の感じだ。
大名古屋ビルヂングは、古式ゆかしい名前の割に、東京スタイルを「ピッチリ」とコピペしたオシャレな場所だ。
そのオシャレなデジタルの世界で、アナログ製品を売るのは難しい。
衝動買いしようと、ガツガツしている客にとって、デジタル対応の店舗は虚しい。
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とても火遊びがしたかった。
男の欲望、それは火遊びだ。
炎を見ると「ホッと」する理由は、太古の頃に備わった遺伝子だろう。
ヒトが猿とどう分かれたか見たわけではないが、両者の違いは簡単に分かる。
「火を制す」これが他の動物を支配下に置く事を可能にした。
猿から分かれたヒトは、進化を重ねながら自分に都合の良い動物を仲間に引き入れた。
こうして家畜が生まれ、ヒトは繁栄の糸口を掴んだ。
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本当はランタンが欲しかった。
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アパレルが沢山溢れるカッコ良い店舗にも、
火遊びの道具は小綺麗に並ぶ。
この店は求めるイメージとかなり違うぞ。土の匂いや生臭さがまるで無い。
ぽつりとレジに佇む店員に声を掛けた。
ランタンはどこですか。
こちらです。
でかい。
これしかありません。
ランタンにギガパワーは必要ない。
そうですか。
もっとちっちゃいのがあるだろう。
ああ、あれですか。
あれだ。
あれはいつも売り切れです。
この店に何時入るのか。
何時は入ってくるか解りません。
言われたことは出来る優秀な若者だが、どこの店でも同じように苦しみがある。
それなら金払って行くから送ってくれ。
はあ。
絶版モデルなのか。
いえ違います。
それなら今日お金払うから宅急便で送ってくれ。
え?
中津川から来てるのでまた来るのが面倒だ。
解りました。
ところで確認するがその商品はどんな奴だ。
ノクターンですよね。
ノクターンかどうか知らないがカタログはないのか。
こちらです。
これだ、これで良いから送ってくれ。
解りました。
ところでせっかく来たから見せてくれ。
何ですか。
ガスとバーナーだ。
こちらにあります。
どれが良い。
チタン製が軽いです。
材質以外に何が違う。
火の付け方です。
山登りに使わないので火の付けやすい方をくれ。
解りました。
ガスもくれ。どれが良い?
寒い時は金缶です。
キンタマ?
キンカン!
熱量が違うのか。
そうです。
解った。全部まとめて払う。値引け。
出来ません。
そうか。解った。
ありがとうございます。
で、ここにあるカードというのは何だ?
入会するとポイントがたまります。
入会金が必要なのか。
いえ、要りません。
じゃあ、入るよ。
ありがとうございます。
ヤレヤレ、変にうっとうしくなくて、可愛いヤツだが、コイツは物欲を下げるオトコだ。
火遊びが好きなオトコの本質が見抜けん。
ガツガツしたヤツにはガツガツ食って掛かれ。。。と胸の中で囁く。
そんなわけで、【商品名】ギガパワーストーブ 地【着火方式】オートイグナイター【型式】GS-100A【主要諸元】奥行×全幅×全高(mm):35×46×82(収納時)使用時106パイ×67.5mm総重量(g):456馬力辺り重量(g):114燃焼時間(分):85最高出力 4ps【ガス消費量】210g/h【税抜本体価格】5.900円
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こいつを導入した。
ケーキを食べた後で、
卓袱台の上に出した。
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火の付け方をファンミーティングで覚えた。
ヒヒヒヒ、
火が付いた。
こう喜ぶと女は呆れる。
心中で「猿め」と呟きながら、
太古の昔に心が飛んだ。
カードを作っただけですぐメールが来る。
山井太というオトコ、
流石に抜け目がない。
「好きなことだけ」を仕事にするのだそうだ。
「好きなスバルだけ」を仕事にするので彼には共感できる。
ただし彼も苦労しているだろう。
いくら格好良く仕事を作っても、
それに胡座をかくと、
執念を忘れたモノが生まれる。
その執念は、
逆境から生まれる。
逆境をどう伝えるのか。
これからの経営者の使命かもしれない。
スマホに届いたメールに、
スバルの様な限定商法が記されていた。
思わずそのまま購入しようとしたが、
思いとどまった。
それをやってしまっては、
名古屋で買い物した意味が無い。
ヒトから直接買いたいのだ。
「あなたはどう思う」
という問いに対して、
「なるほど」と納得させられる相手を選びたい。
思わず買おうとした商品は石油ストーブだ。
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特急「しなの号」の中で受け取ったメールには、2016年限定商品、スノーピークレインボウストーブ、2016エディションと書いてあった。
火遊びの好きなオトコは、こういうキャッチにからきし弱い。
振り返れば、BRZのイエローエディションが、たった5万円の追加で買えた。これは割安だった。
この石油ストーブは、ベースモデルの黒に対して、ただ外板がシルバーというだけで、性能は全く同じらしい。
【商品名】スノーピークレインボーストーブ2016エディション【種類】自然通気型開放式石油ストーブ/しん式・自然対流型【着火方式】単二乾電池2箇電池点火【使用燃料】灯油【主要諸元】奥行×全幅×全高(mm):388×388×485.7質量(kg):6.2
燃焼時間(分):85
暖房出力:2.5KW出力当たり重量(kg):2.48油タンク容量:4.9L【最大燃料消費量】0.243L/h【燃焼継続時間】約20時間
【税抜本体価格】
39.800円
思わずポチっと注文しようとして、左隅の×点を押して画面を閉じた。
こうやって迷っている間に、買えば良かったモノを買いそびれることもある。
スバルの「O部長」もその一人だ。「中津さんにイエローがあるんですよね。迷ってる内に買いそびれました」と寂しそうに呟いた。
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ストーブを買いそうになって見合わせた気持ちは、BRZのイエローエディション購入を躊躇う感覚と大差無い。
では何を根拠にBRZ購入に踏み切ったか。それははっきり言える。
イエローに関する商品知識を、もともと豊富に持っていたからだ。
もし「O部長」に相談されたら、迷わずに「買え」と言った。
相談した相手が悪かったな(笑)。
スノーピークレインボウストーブ2016エディション購入を、ギリギリでなぜ思いとどまったか。
商品知識が全く無く、そもそも元の値段も知らない。
何台作るのかも明記せず、「追加生産しない」とあるだけだ。
限定商法としては片手落ちだろう。
クルマをネットで買うと失敗する理由も、都合の良い情報しか入手できない所にある。
ストーブも使ったことのある人から買いたい。
価値観はそれぞれだが、25%以上も余分に払う魅力があるだろうか。
冷静になって良かった。イエローエディションの価格は、ベース車の僅か1.62%に過ぎない。
スバルのカラー戦略は驚くほど良心的だ。
もう少し土の匂いもある店が良い。そのように理論づけることが出来た。
どちらにしても、アウトドアでも使える石油ストーブを、早朝のデスクワークで使いたい。
このストーブなら多様性があると思った。
赤外線の暖房器具が壊れたので、その代わりに使ってみたい。
ファンミーティングに参加して良かった。この時に様々なひらめきがあった。
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煮炊きの原点は火力の活用だ。
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スバルファンミーティングで
とてもユニークな体験コーナーが設置されていた。
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お兄さんの手に、
食材が握りしめられている。
ちょっと美味そうじゃ無いか。
それで一人前だそうだ。
中に入るとコーヒーもあった。
正確には#スバコミ「山メシ&コーヒー」というプログラムだった。
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イベント専用にブレンドしたコーヒーがある。
売ってもらうことが出来るなら、
今後当社の感謝ディで是非使ってみたい。
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SOTOでまとめられたスバルのイベントだから、
ネットショップ専用のスバル用品もある。
スバルファンミーティング コーヒーワークショップを紹介しよう。
使うのはエアロブレスだ。
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こちらが新宿御苑にある、
ロースターカフェ
「4/4シーズンコーヒー」を経営される斉藤淳さんだ。
残念ながら試飲できなかった。
入れ方がユニークで、
特別な器具を使い大自然の中で楽しめる。
要約すると、
器具に引いたコーヒー豆を入れ、
お湯を注ぎ攪拌したら1分待つ。
フィルター付けてセットし逆さまにする。
1分掛けてプレスして抽出する。
実に面白そうだ。
ちゃんと食後まで考えた素敵なプログラムだ。
女性司会者の紹介で、
ちょっと見た目が美味しそうな男性が現れた。
腕に書かれた文字を見て誤解した。
「え?凄い大胆・・・」
「愛と性欲」と誤読した後、
「愛と食欲」と見直して、
更に間違いに気付き、
もう一度目を凝らした。
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レストラン「愛と胃袋」を主宰される、
オーナーシェフの鈴木信作さんだ。
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スバルのチアガールも応援に来ていた。
そのせいか、
少しガツガツしてしまったようだ。
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和食の丁稚奉公から身を起こし、世田谷の太子堂でフレンチの店を構えた。その店の名が愛と胃袋というわけだ。
既に沢山のファンを持つ、たたき上げのオトコだ。
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用意した材料は全て事前にパック化し、人数分に分けられていた。
東京でフレンチを極めた後、
縁あって今年から山梨県の北杜市で「お泊まり付レストラン」を開業する。
「お泊まり付」に共感した。
こういうオトコから「逆境」を学ばせて戴きたい。
真摯にそう感じた。
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材料・早茹でペンネ・飴色に炒めたタマネギ・まいたけ・しめじ・生クリーム・塩胡椒・水
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レシピは、・鍋にお湯を沸かす・沸いたら具材を一気に投入・1分間にて柔らかくなったら生クリームを入れる。・好みに応じて塩胡椒で調える
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たったそれだけで簡単に作れる。
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美味かった。
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この時に、ガスコンロを絶対に買うぞ。
と思ったんだ。
アウトドアで食べる食事には、
カロリーと手早さが求められる。
本当に良い勉強になった。
おわり